「今日から俺もプロか」
三木森羅(  みきしんら  )は今日プロ入りした。ドラフトでは下位だが野手では一番上の指名と期待されている事に嬉しくなり嬉々として寮へ向かうのだった。

そしてどこかで見たような同期の奥居と出会った。

「まずは、お近づきのしるしにこれやるよ!」
「マルチビタミン?」
「マルチビタミンシリーズを飲むと体が丈夫になり、ケガをしにくくなるんだ」
「へえ」
「ケガをすると試合に出れなくなり大変だからな」
「なるほど」
「万一、ケガをした場合、すぐに病院に行った方がいいぞ。オイラたちプロ選手は、体が資本だからな」
(シーズンは長いしケガには気を付けないとな)

寮ではすみおと奥居と出会いキャンプに進んだ。それと後日になるが入団会見ではドラフト順位が低いせいか注目されなかったので飛ばす事にした。

キャンプではコーチ特訓で盗塁レベルを上げて行く。番記者の深川さんと知り合ったりコーチから助言をもらうなど進んで行く。

「はあ、結局盗塁4は獲得ならずか」
「やったなー、三木!」
「え?」
[さっそく1軍に上がれるチャンスをもらえたぜ!」
「ああ(なんだそっちの事か?)」
「オイラ燃えて来たぞー! オープン戦が待ち遠しいなー。オイラ、三木より早く1軍に上がってやるぜ!」
「こっちも負けるか!」
「よーし! どっちが先に1軍に上がるか……競争だ!!」
「よーし! その勝負受けた!!」

こうしてキャンプも終わりミッションも始まった。

最初の試合ではヒット打ってランナー返すと意気込んでた物のファーストのエラーで1点先制すると不完全燃焼に終わった。ちなみにヒットを打って1アウトランナー1、3塁とチャンスを作る物の盗塁失敗で評価を下げるとなんか残念な結果に終わるのだった。

「えっ!? 俺が今日のヒーロー?」

しかし初の試合を4打数3安打でヒーローに選ばれると早くもスターとしての力を見せたのかと周囲は噂してるのかも知れない?

「ふっふっふ、開幕1軍はもらったぜ!」

と自信を持った三木は頑張って行くが開幕1軍には届かず4月からは2軍で頑張って行くのだった。

「ははっ、そう上手くは行かないよな」

「三木、がんばっているな。実は小川監督から、フレッシュな選手を試したいという話があってな……何試合か様子を見て、調子の良さそうな選手を上に推薦しようと思っている。まぁ……今のところお前が最有力候補ってところだ。1軍デビューのチャンスだ。きっちり結果を出せよ!」
「頑張ります!」

いきなり2軍監督から声をかけられて三木は驚くが嬉しい話なので力強く答えた。

「2試合で3安打か、そこそこ難しい条件だな。しかし今の俺ならやれる!」

2軍では十分に通用するらしく三木はヒットを続けて打ち監督から1軍入りのミッションを受けるのだった。

ミッション中に出会いと言って良いのかももあったりした? そして無事ミッションも成功し三木は2軍監督の呼び出しを受けた。

「三木! お前を上に推薦しておいた。1軍に行ってこい!」
「よっし!」
「あっさりこっちに戻ってくるなよ……1軍で暴れてこい!」

そして奥居にも報告した。

「三木! 1軍かよ〜!? へへ〜ん。実はオイラもなんだ〜!」
「なーんだ。一緒なのかよ」
「でもまあ、とりあえずは、友達としてオメデトウと祝わせてくれ。これからは、1軍らしく、心の中のBGMを切り替える気持ちで頑張れよ。お互い、最高の野球選手を目指そうぜ!」
「ああ……けど心の中のBGMって?」

気のせいか本当にBGMが変わった感じで1軍での生活が始まるのだった。

代打ではあっさりとアウトになるがもう1打席とチャンスがありそっちではラッキーヒットを打つと1軍初の試合ではまずまずの結果に終わった。

「まあ運も実力のうちと言う事にしとこう!」

代打生活でもそこそこ活躍したおかげかある日、監督から声をかけられた。

「三木、1軍にも慣れてきたか? 実は、しばらくの間お前に大事な場面での代打を任せようと思ってる。そこで活躍すれば、うちの代打の切り札として使っていこうと思っている。そしてスタメンでの起用も考えるつもりだ。チャンスだと思って、しっかりやってくれよ!」
「はい!」

こうして新たなミッションも受けた三木だが無事代打の切り札になれるのだろうか?

「10試合で4安打か、代打での条件だと厳しそうに見えなくもないが……ま、大丈夫だろう!」

彼女候補が増えたりもするがそれは関係なく三木は代打生活を続けて行く。そして4月も終わり5月に入って監督に声をかけられる。

「三木、良い仕事をしてくれてるな。明日からは状況に応じてスタメンも考えている。武内あたりがお前のライバルになってくる。しばらくは調子や相手チームとの相性で併用していくからな。これまで以上にしっかりやってくれよ!」
「はい!(スタメン獲得とも言えないけど、しっかりやってレギュラー狙うぞ!)」

4月が終わって既にプロ野球選手とも言えない三木だったが試練が起こるのはこれからだった。

ルーキーチェックのコーナーでも取り上げられるなど三木も1軍選手として十分な活躍をしているらしい。

「新人王か、今年は大物が多いし難しいと思ってたけど、期待されているなら狙って見るか!」

この紹介で気を大きくしたか三木も交流戦を頑張って行くのだが……

……と監督から2軍落ちを通達される。

「ぐっ、仕方ない。また頑張るか、はあ」

結局レギュラー争いでは敗北し代打でも活躍できず三木は再び2軍生活となった。ちなみに奥居も一緒だったりする。

6月も始まり再び1軍へのミッションを受けあっさりと1軍入りと三木の実力は確からしい。

町を散策するのが常な三木の行動ではあるが練習では常に奥居と一緒に練習してたりもするらしい。ちなみに1軍入りしてすぐに2軍落ちすると三木の力は1軍ではまだまだらしい。

「はあ、1軍残留は難しいなー」

結局6月は1軍と2軍を行ったり来たりと厳しい月だったが2割台だった打率を3割にしていると覚醒した月とも言えるのかも知れない。

「この好調振りを何処まで伸ばせるかだな!」

7月を終わって打率は一気に上がったがレギュラーは奪えずと三木にはまだまだ試練があるらしい。

8月には福田アナと知り合うなど三木はますますプロ野球選手らしく活躍している。

三木はレギュラー争いをずっとしていたがなかなか監督から呼び出しがかからないのでなかば諦めていたのだがいきなり監督から声をかけられて驚いたらしい。

「三木! 当面、お前をレギュラーとして起用していこう。よろしく頼むぞ。責任は大きくなるぞ。結果を出してくれよ!」
「はい!(やったぞ! ついにレギュラーだ。タイトルは難しいかも知れないけど、このまま好調を維持してシリーズに出て見せる!)」

8月には食べ歩きをしながら町を散策していた三木だがようやく出たシーズン1号のホームランでヒーローに選ばれたりもした。

「ようやく打てた気がします。この調子でホームランが増えるようガンガン振って行きます!」

ヒーローインタビューでは調子に乗ったやる気のある発言でファンも増やして行くが今シーズンは結局この一発のみで終わるとやはり今の三木に長打力はないらしい。

三木も1軍の選手らしくルーキーながら町に出るとファンにサインをせがまれるなどプロ野球選手らしくなったらしい。

「ふう、もう9月か、シーズンもいよいよ終わりか」

打率3割を維持し100安打を達成すると既に三木は一軍にいなければならない選手となっている。

「うーん、けど新人王は難しそうだな」

新人王候補の中には現在タイトルトップもいるため三木の新人王は難しそうだがそれでも三木はルーキー離れした活躍を見せて行く。

クライマックスシリーズも始まり三木やついでに奥居もスタメンとして出ると新顔の多いシーズンだったらしい。

「1対0で勝利と思いっ切り投手戦だったな。俺もそこそこ活躍できたし良しとするか」

広島に連勝した後の相手は当然のように巨人となっている。

「なーんか、パワプロの決勝相手があかつきに決まってるような物だな。しかし俺ってチーム最高打率だったんだな? 全然気付かなかったよ!」

三木は活躍したがチーム力では敵わず日本シリーズは逃して終わると1年目で優勝の遠さを実感する三木だった。

「さすがは常勝チームだ。強すぎるぜっ!?」

キャンプでは走力を中心に上げて行ったがすぐに効果は出ないようだ。

「まあ効果なんてそうそうは出ないか……それより契約更改か、ぐふふっ、今年の成績なら最低でも3000万ってとこか、いや規定打数到達してなかった気がするし案外行かないかもな」

「おう、三木くん。まあ、座りたまえ。では書類を用意するのでしばらく待ってくれたまえ」
「はい!(ふう、いよいよかさてと提示される金額はいくらだ?)」
「待たせたね。では、さっそく本題に入らせてもらうよ。キミの来季の年俸額だが……ずばり!! 2500万円だ! 今季よりもアップ提示だ! どうだね? 不満がなければ気持ちよく一発サインしてもらいたいが……もしも今季の成績でアピールしたいことがあれば、3つまで交渉に応じよう」
(2500万か、悪くないがもう少し欲しいし交渉して見よう!)
「守備率か……では、査定内容を確認するので少し待ってくれたまえ」
(結構緊張するな。しかし守備率.996ならと思うし……)
「……むっ!? 確かに査定が抜けていたようだ。では、今季の成績を確認しよう。守備率は.996に、試合数が115か……」
(つうか試合数も査定されるんだな。まあ考えて見たら当然の事だな。100試合以上だし評価されるとは思うけど、どうなるんだろう?)
「……うむ! 守備率を評価して500万円を増額しよう!」
「やった! っと失礼しました!(これで3000万と希望通りだけど、こうなると欲も出て来るし思い切って全部交渉しよう!)」
「他にもアピールしたいことがあれば言ってみなさい」
「はい!(次の交渉は……)」
「OPSか……では、査定内容を確認するので少し待ってくれたまえ。うむ、OPSは、しっかりと査定しているぞ」
(うっ、失敗した。それじゃ次はと)
「対左投手打率か……では、査定内容を確認するので少し待ってくれたまえ。……むっ!? 確かに査定が抜けていたようだ。では、今季の成績を確認しよう。対左投手打率は.379に、対左投手打数が95か……」
(100は行ってないのか? どうなるのやら?)
「……うむ! 対左投手打率を評価して1000万円を増額しよう!」
(良し! これで4000万と自分の希望より上になった!)
「これで3つの交渉が終了したね。それでは、以上で交渉は終了させてもらう。そうそう、キミは契約更改は初めてだったね。我がチームでは選手に対して毎年、それぞれの役割に合ったMISSIONを課していてね。それを達成すれば、年俸査定にも上乗せされるわけだ。逆に失敗した時は……プロの世界だ。言わなくても分かるね? では、さっそく……来季の年間MISSIONは……ずばり! ゴルフはたしなみだ! 達成を目標にしてくれたまえ。期待しているぞ! では、これで契約更改させてもらう。来季もよろしく頼むぞ!」

三木の活躍は凄かったらしくいきなりテレビ出演となった。

「ついにってほどでもないが、いきなりテレビ出演とはな」

「……つうかたった1人を指名って?」

奥居から今日は市民マラソン大会だと聞いた三木は何故かと言うのも変だがいつも以上に張り切って出かけた。

「よう、三木! 今日は市民マラソン大会の日だぜ。運動がてらに、オイラたちも参加してみないか?」
「ああ! 今日は張り切って行くぞ!」
「そうこなくっちゃな。じゃあ、さっそく行ってみようぜ!」
「やっぱり人が多いな。みんながみんな参加するわけじゃなさそうだけど」

と三木は感想をもらしたが奥居はマイペースに

「さあ、どんなペースで走ろうかな?」
「俺は全力で行くぞ!」
「そうこなくっちゃな。じゃあ、ゴールまで競争だぜ!」
「ああ!」

さすがに三木と奥居はプロ野球選手だけあって上位ランクでゴールし入賞を果たした。

「あーっ!」
「ん?」
「き、君は? ひょっとして、三木君なのか?」

いきなり名前を呼ばれた三木だったがそれでも普通に返事し相手の女性に誰かと聞いた。

「そうだけど、君は?」
「やっぱりそうなのだ! 私は君のファンの者なのだ」
「ああ(そうだった。自分がプロ野球選手だって事を忘れてた。しかしファンの娘か……別に深い意味はないけどなんか普通に嬉しいな)」
「よろしくなのだ!」

変わった口調だったが三木は気にせずファンの娘に丁寧に接した。

「こちらこそ!」
「ありがとう。君は思った通りの人なのだ。私は
今里(いまざと) 五十鈴(  いすず  )と申す者なのだ。これからも、世界のどこかで応援しているから、がんばるのだぞ。では私はこれで帰るのだ」
「なんか、かわいいけど、変な話し方だったな。ああいう変なファンには気をつけた方がいいぜ〜」
「そうだな(今里五十鈴さんか、また会えるかな?)」

奥居は忠告したが三木の方は好印象を得たようでまた彼女と会える事を楽しみに今年は終わるのだった。

打率 試合 打数 安打 二塁打 三塁打 本塁打 打点 得点圏打率 得点 盗塁 盗塁成功率 出塁率 OPS 猛打賞 対左打率 対右打率 失策 守備率
2013年 .331 115 344 114 25 26 .329 27 .400 .370 .781 .379 .313 .996