第3章 戦士の休日

キーンコーンカーンコーン
陸「ふぅ、今日の授業はこれで終わりだな。」
翔「これからどうする?今日は部活も休みだし」
陸「そうだな、これから俺の家でも来るか?」
翔「おお、それはいいね!久しぶりに行くとするか?」
陸「なぜこんなに張りきっているんだ?」
翔「今日は久しぶりに12で対戦だー!」
ギャランシー「12やりてぇなぁ…バイトでさっさとお金貯め
てやりてぇ!やりてぇよぉ…!」

陸・翔「???なんか変な声が聞こえてきたような気がするが、気のせいか
な?」
ギャランシー「気のせいじゃないよ…」
陸・翔「うわっ!あっ、あなたは誰ですか?」
ギャランシー「よくぞ聞いてくれました!自分は君達の創造主
ギャランシーだよ。」

陸・翔「はっ、はぁ…」

ギャランシー「キミ達はいいよなぁ…パワプロできて。自分な
んか金欠で買えなかったんだから…」

陸・翔「………」
ギャランシー「まぁせいぜい楽しんでこいよ。それじゃあな、
あばよ!」


タッタッタッ…
陸「何だったんだ…」
翔「うん…」

様々な疑問を残しつつも陸の家へ向かう2人

陸の自宅
陸「ただいま〜」

陸の母「おかえりなさい、あら翔君も来てるの?どうぞごゆっくり。」
翔「お邪魔します。奥さん、今日も相変わらず綺麗ですね」

陸の母「あら、お上手。でもそう簡単におとせないわよ。」
監「そうだ、うちの妻を簡単に口説くけると思ったら大間違いだぞ。」
翔「うわっ、監督。こんにちはー!お邪魔しています!」
監「まぁ、そう固苦しくなるな。今日は部活が休みなんだからもっとリラック
スしろ。」
翔「はい。」
陸「あっ、父さんいたんだ。今日の仕事は?」
監「今日はたまたま仕事が入っていないんだ。まぁ風岡ゆっくりしていけ。」
翔「はい!」
陸「さぁ、早速やるか。」
翔「おぅ!」

陸の部屋

陸のチーム 翔のチーム
後攻 先攻
中日 西武
1番 荒  木 1番 赤   田
2番 井  端 2番 石井義
3番 立  浪 3番 和  田
4番 T・ウッズ DH 4番 カブレラ
5番 福  留 5番 フェルナンデス
6番 アレックス 6番 中  島
7番 谷  繁 7番 貝  塚 DH
8番 渡  邊 8番 細  川
9番 英  智 9番 小   関
投手 山本昌 投手 松  坂

陸「かかってこいやー!」
翔「おっしゃー!」

そして…20分後

6回表
陸 vs 翔
12 - 10

2アウト満塁
陸「ピンチだな。やべぇ…でも気合い入っていたわりには負けてるじゃ
ないか?どうした?」
翔「くっそー!負けてたまるか!おんどりゃー!」

カーン!

実況「打った!これは大きい!入るか?入るか?入ったぁー!逆転!スリーランホー
ムラン!」
陸「何ぃーー!?これ以上点をとられてたまるかぁ!」

実況「ズバーン!ストライクバッターアウト!チェンジ!」
陸「ふぅ。」

そして両チーム点を取られないまま遂に最終回を迎えた。
陸「やばい、このまま負けてたまるかぁ!」

カーン!カーン!

実況「ツーアウトながら1番、2番と共に連続ヒット」

9回裏ツーアウト1,2塁
翔「いっけぇー、松坂。渾身のストレートだぁー!ゲッ、ど真ん中!」
陸「貰ったぁー!」

カーン!

実況「立浪打ったー!大きい!大きい!大きい!入ったぁー!サヨナラだー!サヨナ
ラホームラーン!」
翔「…」
陸「翔、そんなに落ち込むなよ。気分転換にバッティングセンターでも行く
か?」
翔「おっ、そうしよう。言っとくけどな、油断しちまったんだ。最後の最後で
な。」
陸「はいはい。(気持ちの切り替わりの早いやつだな)」

バッティングセンター
陸「ここのバッティングセンターは飛距離も計れるのか。おっ、あっちに投球用のマ
シーンがあるぞ。やってみよう。」
翔「じゃあおれはバッティングに行って来るからな。6時にまた集合な。」
陸「分かった。」
翔「さて、バッティングセンターの飛距離の最高記録でも目指してみるか。140`
でいいか。」

最高記録:110m

チャリン。

ビュッ、カーン!
翔「うーん、どうかな。」

記録:102m
翔「まだまだだな。」

カーン!カーン!カーン!…

記録:108m、記録:102m、記録:103m…

そして…

カーン!

記録:115m

パンパカパーン!おめでとうございます!最高記録を更新したあなたにはバットを差
し上げます。
この券を持って受付までお越し下さい。
翔「ヨッシャー!遂に記録を更新したぜ!おっと、そろそろ6時だな。
もう終わらないと。」
?「失礼します」
翔「おっと、ごめんなさい。ん?!体格良い人だな?高3か?受付に行
かなきゃ。」

受付「はい、村木選手モデルの金属バットだよ。」
翔「どうも。お待たせ、陸。あれ辻村先輩。どうしたんですか?こんな所で。」
辻「ちょっと、箕輪とばったり会っちまってな。明日のラーメンどっちが奢る
か勝負してたんだ。」
翔「で、どっちが勝ったんですか?」
辻「見りゃぁ、分かるだろう?」
陸「……」

翔「(明らかに辻村先輩に軍配が上がったな)こんな所監督に見つかっ
たら大目玉ですよ。もう1回監督の鉄拳食らいたいんですか?」
陸・辻「思い出させないでくれー!」
翔「…」
辻「さて、そろそろ帰るか。お前らももう帰るのか?」
翔「はい、一緒に帰りましょう。」

カーン!パンパカパーン!
翔「何ぃー!もう俺の記録を抜いた奴がいるのか?」

記録:125m

ギィー、バタン!
翔「あっ、あなたは一体何者なんですか?」
?「僕は普通の高校1年生ですが。」
翔「高1か?野球やっているの?」
?「えっ、えぇ。一応。大漁水産で。」
翔「えっ、大漁水産って。あの甲子園常連校の大漁水産?」
?「そうですね。一応そうなります。紹介が遅れました。僕は神成 甲子郎(かんな
り こうしろう)といいます。」

神成 甲子郎
プロでもトップクラスになれるほどのパワーを持つ。思いやりのあり皆に好かれる性
格で、中学時代は全国制覇を経験。すでにプロ注目の打者。

翔「高1で、その体格とは凄いな。よーし、絶対に負けないからな!」
神「???」

帰路の途中。
翔「にしてもあんな1年生がいるとはな。さすが東京侮れないな。」
陸「本当だよ。凄い体格だったよな。背も高いし、筋肉の良さなんか半袖だったから
丸分かりだぞ。」
辻「そういえば、聞いた事があるぞ。大漁水産に1年で凄い選手が入ったって。何で
も中学の全国大会のヒーローだからな。それがまさかあいつだったとはな。」
陸・翔「いずれも、あいつには打たれないようにしないとな。勝ってやる。必
ず勝ってやる!」
翔「その意気だ。中継ぎバッテリーで頑張れよ。俺も先発であいつをメッタ
メッタにしてやる。」
陸・翔「ムカッ!中継ぎではなくスクランブルの先発です。」
翔「おやっ?それはどうかな?果たして俺とのスクランブルになれるかな?」
陸・翔「絶対になってやるー!」

こうして3人は打倒神成を目指すため決意を新たにした。
夏の大会まであと2ヵ月半。練習に慣れた1年生に対して
監督が練習試合を考えているようだが、果たして何処と練習試合
をするのか?
次回をお楽しみに!

次回予告
第4章 練習試合