今日は最後の練習試合の前日。夏の大会まであと2ヶ月を迎える事になった。

各自が特訓をしている。

−球速練習−

箕輪の特訓

シュッ!ズバーン!
箕輪「はぁ、はぁ。もっと球の速さを鍛えなくては…話にならない。」

−筋力練習−

風岡の特訓
風岡「フン!フン!フン!フゥー!もっと力をつけて神成に勝つぞ!」

−打撃練習−

田本の特訓

カーン!スカッ!カコンッ!カーン!スカッ!カコンッ!
田本「もっと打撃を鍛えるか。打撃に関しては下手くそだからな。」

マネージャー「ラスト1球です」
田本「おっともう終わりか。早いな。」

カーン!
田本「ありがとうございました!」
村木「お願いします。」
田本「村木の番か。参考になるかもしれないから見ておこう。」

カーン!カーン!カーン!ドカーン!!
田本「…何ていう打撃力だ。こいつ本当に1年生か?」

村木の特訓

カーン!ドカーン!カーン!ドカーン!
村木「まだまだぁ!こんなんじゃ、あの人は打てない!」

沢井の特訓

カーン!カーン!カーン!ボカーン!
沢井「……(集中している)」

−守備練習−

周の特訓
周「あれから俺は守備を極める事にしたぞ!バッチコーイ!」

カーン!パシッ!カーン!ポロッ!カーン!ポロッ!
監督「どうした周?腰が低いぞ!もうばてたのか?」
周「まだまだぁ!」

カーン!カーン!カーン!パシッ!パシッ!ポロッ!
監督「よし、いいぞ!周上がれ!次ぃ!」
松山「お願いします!バッチコーイ!」

キーン!キーン!キーン!
周「俺の時と打球音が違う。捕れるのか?」
松山「ドリャァアア!」

バシッ!バシッ!バシッ!
監督「よし、いいぞ。」
周「この人の守備力は正に神だな…」

松山の特訓

キーン!キーン!キーン!バシッバシッバシッ!
松山「まだまだこんなもんじゃ駄目だ!もっと上を目指すぞ!」

−肩力練習−

細野の特訓

シューン!シューン!
細野「肩が弱いからもっと鍛える必要があるな。」

東條の特訓
東條「キャッチャーとしてリードの次に大切なもの。それは肩だ。もっと鍛えなくて
は。」

−スタミナ練習−

ザッザッザッ!
辻村「もっとスタミナをつけるぞ!」
監督「(みんな練習試合を続けてきて燃えているな。明日は遂に最後の練習試合か。
よしそろそろ練習終了の時間だな。)全員集合!」

ザッ!
監督「今日の練習はこれで終わりだ。明後日は最後の練習試合だ。スタメンはいつも
のと大幅に変更するからな。それでは気をつけて帰れよ。」
全員「ありがとうございました!」

そして…練習試合当日

AM7:31
監督「分かっているとは思うが、今日の相手は名門の帝王実業だ。それでは今日の練
習試合のスタメンを発表する。」
全員「ゴクッ」

1番  センター  細野
2番  ファースト  藤林
3番  セカンド  村木
4番  ライト  沢井
5番  サード  本原
6番  キャッチャー  風岡
7番  ショート  松山
8番  レフト  佐々本
9番  ピッチャー  箕輪

監督「以上だ。スタメンに入らなかった者も準備しておけよ。」
全員「はい!」
箕輪「っていうか本原さんって誰…?」
沢井「本原はうちのチームの期待の星だ。」
箕輪「…どういう事ですか?」
本原「そういう事だ。」
箕輪「わっ、いつのまに。」
本原「影が薄くて悪かったな。」

本原大祐
明清のパワーヒッター。しかしキャプテンがいるため出番はない。
しかも影が薄いため、活躍しても注目される事は少ない。

帝王実業ベンチ
仲嶋「何だ相手は明清学園か。どうせうちらが勝つに決まっているよ。ねぇ
キャプテン♪」

仲嶋智哉
凄く明るい性格のエース。凄く馴れ馴れしい性格で先輩に敬語を使うことが少ない
が、その分を実力の凄さで発揮する。

桜坂「お前は相変わらず訳の分からないやつだな…先輩に敬語くらい使え。ハァ…面
倒くさいな。」

桜坂広大
俊足巧打が持ち味。最低限の付き合いしかしないドライな性格。周囲の人間を避け、
壁を作っている。クセは溜め息を吐く事。

ボカッ、ボカッ
桜坂・仲嶋「アテテッ」
渡村「ったく試合前なんだからもっと緊張感を持てよ。」

渡村彰也
帝王実業のキャプテン。リーダーシップが高く、皆から頼りにされている。沢井と同
期で同じ中学出身。かつて沢井と4番を争った男。

仲嶋「まぁまぁキャプテン、固すぎですよ。もうちょっと柔らかく。」
桜坂「お前が柔らかすぎるだけだ…」
仲嶋「何だとー。お前こそ堅物じゃねえか!」
桜坂「俺はお前と違って冷静なんだよ!」
渡村「やれやれ全くこの2人はなんなんだか…(まあこんな性格でも実力は凄
いんだから使うんだけどな)」

アナ「本日は明清学園と帝王実業の練習試合をお送りいたします。本日の解説者は元
ロッテの熱血守護神として年間65SPもの新記録を更新した事がある高鷺修さんで
す。高鷺さん、今日は宜しくお願いします。」
高鷺「はい、宜しくお願いいたします。今日は沢井選手と渡村選手との対
決が見所ですね。」

そして…

審判「プレイボール!」
全員「お願いします。」

アナ「それでは両校のスターティングメンバーを発表いたします。」

練習試合
先攻 後攻
帝王実業 明清学園
1番 桜坂 広大 2年 1番 細野  寿 2年
2番 前野 龍 3年 2番 藤林  清人 3年
3番 仲嶋 智哉 2年 3番 村木 彰一 1年
4番 渡村 彰也 3年 4番 沢井 知永 3年
5番 本橋 直樹 2年 5番 本原 大祐 2年
6番 肥猪 優 3年 6番 風岡 翔 1年
7番 李 幸樹 3年 7番 松山 正晴 2年
8番 阿倍野 敬 2年 8番 佐々本 智充 3年
9番 近藤 寿宗 3年 9番 箕輪 陸 1年

仲嶋「行っくぞ〜♪」
細野「どうぞ…」

シュッ!スパーン!

審判「ストライーク!」

アナ「ピッチャー第1球を投げた。ストライーク!細野初球は見逃しました。149
`の速球。」
細野「球速は結構速いな。」

シュッ!キン!

審判「ファールボール!」

アナ「細野2球目を当てた。しかしファールボール。」
高鷺「真後ろですからね。タイミングがぴったりですよ。」

シュッ!ブン!

審判「ストライーク!バッターアウト!」
仲嶋「楽勝♪」
細野「なっ…何だ今一瞬ボールが消えたような…」

アナ「細野は三振。珍しいですね。三振があまり無い選手なのに。」
高鷺「そうですね。今の変化球は知らないと上手く打てないんじゃないで
すかね。シンカーだと思いますよ。」

それから細野の三振を筆頭に、2番藤林、3番村木と共に外野フライで終わる。

1回裏
箕輪「負けてたまるかぁ〜」

ズバーン!ズバーン!ズバーン!
桜坂「速いなぁ。はぁー…」

2番前野、3番仲嶋も凡打に終わる。

そして安打を放ちつつも0行進で最終回を迎えた。

9回表
監督「陸の体力はもう限界か。よし投手を変えるか。」

ウグイス嬢「明清学園、選手の交代をお知らせいたします。ピッチャー箕輪君に代わ
りまして河埜君。」
河埜「オリャー!」

バン!バン!バン!バン!

審判「フォアボール!」
河埜「あれれ??」

アナ「どうした事かピッチャーの河埜先頭バッター桜坂を四球で歩かせてしまいまし
た。」
監督「河埜のやついつもああなんだよな。立ち上がり凄い悪くて…」
河埜「畜生!」

ズバーン!ズバーン!

アナ「河埜、自慢の速球で何とか2アウトに持ち込みました。次の打者は渡村で
す。」
河埜「喰らえ!」

アナ「河埜第1球はインコースに投げた。」
渡村「インコース…俺の得意なコース来たー!」

カーン!

アナ「打ったぁー!大きい、大きい!入るか〜?入ったぁー!渡村先制2ラン!」
河埜「あの球を打つとはな…畜生!」

ズバーン!

ストライーク!バッターアウト!

ウグイス嬢「帝王実業、選手の交代をお知らせします。ピッチャー仲嶋君に代わりま
して、遠野君」

アナ「さあここで帝王の勝利の方程式に入るストッパー遠野が登板します。」
遠野「さてと抑えてきますか。」

遠野 雅之(とおの まさゆき)
何でも任せられる頼れる人物。初対面に対してもかなり交友的に接してくる。
綺麗に落ちる神がかり的なフォークと直球を武器とする帝王のストッパー。

本橋「遠野さん頼みましたよ。リードしているとはいえ2点差なんですから。」
遠野「OK牧場♪」
本橋「…本当に3年生??寒っ…」

アナ「この回は打順良く1番からです。」

1番細野はショートへの内野安打で出塁も、2番藤林がレフトフライで凡退。

ウグイス嬢「3番 せカンド 村木君」
村木「この人を倒す。その為に練習して来たんだ。」

ズバーン!ズバーン!

アナ「村木選手、2ストライクと追い込まれてしまいました。」
村木「(最後に投げる球は決まっている)ずばりフォークだ!」

シュッ!ググッ!
村木「貰った!何!?」

カン!ボテッ!

アナ「村木選手、当てるもショートゴロ。ショート捕って2塁に投げる。セカンドト
スのボールを1塁へ。」

審判「アウト!アウト!ゲームセット!」

アナ「最後は村木選手の併殺で終わりました。」
村木「(当てたはずなのにゴロになった。なんていうフォークの威力だ!)」

全員「ありがとうございました。」

1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
帝王 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 10 0
明清 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 8 0
仲嶋 智哉 23勝10敗
セーブ
遠野 雅之 10勝3敗67セーブ
河埜 和幸 10勝12敗
本塁打 渡村彰也65号

沢井「渡村…」
渡村「どうした沢井。」
沢井「今回はお前らに負けた。しかしうちのチームは去年よりは強くなっている。
次こそはお前らに勝ってやる!」
渡村「こっちこそお前らなんかに負けないぞ!」

今回惜しくも負けた帝王実業との練習試合。しかしこの敗北が選手達を燃えさせる事
になった。次回は夏の本番に向けて偵察を行うという。果たして何処の偵察を行うの
か?!