第五話 大決戦!甲子園決勝戦!

アナ「さぁ、ついにやってまいりました!甲子園決勝。本日の解説者は阪神の燃えるストッパー三神選手です」
三神「よろしくお願いします。」

三神幸一
説明は一話参照

周輔「ついにここまできたんだな。」
慶太「ここで負けたら意味ないけどな。」
周輔「絶対勝つぞ!」

甲子園決勝戦
甲子園球場
後攻 先攻
VS
2年 佐藤 博 長谷部 隆 3年
2年 村田 智弘 加川 雄太 3年
3年 浜 周輔 相川 耕平 3年
3年 木立 慶太 福田 敏彦 3年
3年 花崎 蝶 永井 栄作 3年
1年 鈴木 哲雄 星野 竜太 3年
1年 仲間 海渡 新垣 哲 3年
2年 猿渡 鉄平 木下 秀樹 3年
3年 福田 正紀 伊野森 宵 3年


アナ「さて、本日の見所はどこでしょうか?」
三神「もちろん浜投手と福田投手のエース対決でしょう。しかし、黒牢関のほうは、決勝まで主力温存という凄まじい戦力ですからね。流桜は浜選手の頑張りが勝敗を分けるでしょう。」
浜「あのー、監督?たしか六回からスタメンで出てくるってお話では?」
菊池監督「えっと…スマン。決勝だから奴らも本気なんだろう。」
周輔&慶太「最悪だぁ。」

そして、試合開始を告げるサイレンが鳴り響いた。
周輔「よっしゃ!いくぞ!」

ズバン! ズバン! ズバン!

アナ「浜!なんと黒牢関の強力打線を三者三連続三振です!」
周輔「このまま一気にいくぞ!」
福田「ふん。その程度で喜ぶなよ。」

ズドン! ズドン! ズドン!

アナ「なんと!!黒牢関のエース、福田も負けじと三者三連続三振で抑えます!!」
三神「…!これは凄い勝負になりそうですね!!プロも驚きますよ!」
周輔「くっそー。触れねぇ…。」
花崎「なっさけねぇな!次の回みてろよ!俺が打ってや…。」
慶太「さっ!守備だ!切り替えていくぞ!」
花崎「しかとかよ…。」
伊野森「いい感じだ。この調子で頼むぜ!」
福田「任せろ。奴らには一球たりとも打たせん!」

アナ「初回、両エースの三振ショーで幕を開けました。」
浜「くそっ、あいつの球かなり伸びてるな。」
慶太「相手のことは気にするな。自分の投球を続ければいいんだ。」
 浜「あぁ!そうだな。よっしゃ!」

ズバン! ズバン! ズバン!
アナ「浜!四番の福田を意図も簡単に三振です!」
福田「(コイツ…俺と同等?いや、それ以上の速さだ。)」

その後、浜は再び三振で切り抜け六者連続三振。
三神「凄いですね!まだ高校生ですがこの球威と伸びは只者ではありませんね!」
花崎「よし!俺が打ってやる!」
慶太「いやいや。俺の打席だから。」

アナ「さぁ、ここで二回の裏、バッター流桜の四番、木立。」
伊野森「(うーん、困ったな。福田は直球しか投げないし…。)」
福田「(問題ない。俺の球でねじ伏せる。)」
伊野森「(任せたぜ!)」
慶太「…あの福田、県予選・そして甲子園決勝までの投球を見ても九割がた直球だ。なら…。」

ギィィィィィイィィン!!
慶太「…なんだこの球威。周輔とは違う球だ!こりゃぁ、まともに飛びそうにないな。」

アナ「木立!なんと初球から当ててきました!!」
三神「いやいやさすがですね。彼もまた超高校級の打者ということです。」
伊野森「まさかいきなり当ててこられるとは。」
福田「いや…奴は当てた事によって俺の球威を思い知ったはず。ならば、そこを一気に叩く!」

ズドン!ズドン!
慶太「クッソー。あの球威にあの重さ…ありえないだろ。」
花崎「俺に任せておけって♪」

ズドン!ズドン!ズドン!
花崎「…無理でした。」

その後も、福田の速球が冴え渡り流桜打線を完封していく。
菊池監督「まずいな。ここまであの福田の球に手が出ないとは。」
周輔「何言ってるんですか!勝負はまだまだこれからですよ!」
慶太「そうですよ監督!周輔がこう言ってる以上、まだまだこれからです。」
菊池監督「そうだな。よし、しまっていけ!!」
周輔&慶太「っしゃぁぁぁ!!」

しかし、福田の球は気合だけで打てる球ではなかった。
福田は五回までパーフェクトな投球を見せる。
しかし、周輔の方は連戦連投のため、次第に黒牢関の強力打線につかまりはじめる。
だが、要所をしっかりと抑え無失点に抑えていた。
周輔「はぁ…はぁ。やべぇな。さすが主力を温存するだけのことはあるな。」
慶太「おいおい大丈夫か?ここは無理しないで打たせて捕る投球に…。」
周輔「駄目だ!俺は…慶太との約束を果たすために…最後まで全力で投げる。」
慶太「わかった。俺も…最後まで周輔に付き合うぜ。」

二人は、互いにしっかりと手を握った。しかし!

カキーーーン!

アナ「出ました!黒牢関の四番、福田の甲子園第3号ホームラン!」
三神「そろそろまずいですよ。浜君に疲れが見え始めています。」
周輔「すまん。今のは完璧に俺の責任だ。」
花崎「気にするなって!そろそろ俺達も三順目だ。ここでしっかり打っていこうぜ!」

七回の裏、流桜は未だに無安打だった。一番からの高打順だったが、12と抑えられてしまう。
福田「…絶対に打たせん!」

キィィィィィン!ファール!

アナ「そろそろ目が慣れ始めたでしょうね。」
三神「そうですね。しかし、この345番が打てなければ…流桜は負けでしょう。」
菊池監督「頼むぞ。…福田の球を打てるのはお前らしかいない。」
周輔「ここにきてもまだあの球威か。けど…初回のような球威じゃない!」

カキーーーン!

アナ「ついに・・・ついにあの福田の牙城を崩しました!」
周輔「打ったぞ!」
慶太「…ここでいくしかない!」

カキーーーーーン!

アナ「いったーーーーー!!文句なしの2ランホームラン!!大きな大きな二点が入った!!」
慶太「っしゃぁぁぁ!打ったぞ周輔!!」
周輔「さすがだな。後は…二回抑えるだけか。」
花崎「・・・俺のこと忘れてない?」
福田「くそっ!」
伊野森「落ち着け…まだ負けたわけじゃない。」
福田「・・・。」

その後、福田の乱れた投球により一気に四点を追加した流桜。

アナ「これは凄い。この回一気に四点ですか。福田の一瞬の綻びをつきましたね。」
三神「えぇ。しかし、これで油断してはいきませんよ。」

八回の表、周輔は落ち着いた投球で無失点に抑える。
その裏、さらなる追撃を狙う流桜だが福田が立ち直り抑えられる。
周輔「ラスト…この回を抑えれば…。」

周輔は今までになく集中していた。
花崎「…凄い集中だな。ここまできたら任せるしかないな。」
福田「(この回…ラストには俺に回る。そこで勝負だ。)」

ズドーン!ズドーン!ズドーン!

アナ「まずは、先頭打者を三振!!」
慶太「ここに来てこの速球!!やっぱ周輔は天才だ!!」

ズドーーン!!ズドーーン!!ズドーーン!!

アナ「二者連続三振!!後一人!!ラストバッターは…四番福田!!」
周輔「落ち着け…最後は…ラストははあれでいく!!」
福田「・・・こい!!」

ビュッ ズドーーーーン!!
ストライク!
慶太「いい球だ!落ち着いていこう!」

ビュッ ズドーーーン!!
ボーール!!
福田「いい球だ。…まだまだ投げれそうだな。」

アナ「さて、この状況…どうみればいいのでしょうか?」
三神「これは通常なら圧倒的に流桜有利です。2アウトランナーなしですから。」

アナ「しかし…通常なら…とは?」
三神「それは…浜君の疲労です。」

たしかに三神の言うとおり、周輔は見た目以上に体が悲鳴を上げていた。
県予選から甲子園決勝まで、自分ひとりで完投し勝利をあげてきた。
そして、元々利き腕ではない左腕で投げてきたせいか本来なら既に限界を超えていてもおかしくはなかった。
周輔「ここまできて負けられるわけねぇだろ!!」

ズドーーーン!!
なんと、周輔が渾身を込めて投げたストレートは今日最速の153`をマークした。
福田「なっ!なんて野郎だ。九回、それも疲労しきった体で…。」
周輔「俺は…慶太との、皆との約束を守らなくちゃいけないんだ!!」

ズドーーーン!!
ストライク!バッターアウト!!
周輔「っし…俺の…勝ちだな。」

その瞬間、試合終了を告げるサイレンが鳴り響いた。
慶太「っしゃぁ!やったな!周輔!」
花崎「さすがだぜ。お前なら抑えてくれると信じてたぜ!」
猿渡「さすがです!(それにしても決勝は出番なし…)」

アナ「やりました!ついに…初出場の流桜が初の栄冠に輝きました!」
三神「そうですね。ぜひとも彼らとは来期一緒にプレーしたいですよ!」
福田「浜。」

福田は、歓喜で沸いている周輔の元へいった。
周輔「・・・?」
福田「今日は俺の負けだ。しかし…プロの世界じゃ負けん!!」
周輔「俺だって!!」

こうして、周輔にまたしても大きな好敵手が現れたのだった。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
黒牢関 0
流桜 0 0 0
浜周輔 20勝8敗
セーブ
湯浅裕也 49勝1敗
本塁打 福田敏彦37号 木立慶太30号

周輔たちの熱く短い夏が幕を閉じた。
周輔「まだまだ世界にはもっと凄い打者がいるんだろうなぁ。」
慶太「だろうな。でも、現日本一の高校生は俺達だよ!」
周輔「そうだな、それに…約束も守れたしな。」
慶太「そうだな!」

周輔たちは、甲子園に大きな大きな足跡を残して帰っていった。
次回、運命のドラフト会議!!
キラッ ( = ̄+∇ ̄=)v イエーイ