第12話【それぞれの二人組】
【リーフル】ここが鍛冶屋だね。

街外れの海岸に一軒の家と作業場があった。
【アスロス】結構頑固な奴らしいが・・・大丈夫か?
【リーフル】大丈夫だよ。これがあるから。
 
といって見せたのは一枚の紙。
【リーフル】アクスの親代わりの人らしくて、ちゃんと許可書を見せればやってくれるらしい。
 
すると後ろから誰かの気配がした。
【???】・・・。
 
二人が振り向くと一人の青年がいた。
【アスロス】誰だ、お前は?
【???】・・・。
【リーフル】?
【???】・・・。
【???2】スマンな、そいつは記憶を無くしているから名前が無い。だから俺は【ロスト】と呼んでいる。
 
今度はマントを羽織っている男が来た。
【セニアス】俺はセニアス、ガンマンだ。
【アスロス】ガンマン?
【セニアス】武器はこれだ(サッ)
 
マントを広げると大量の銃兵器が仕込まれていた。
【セニアス】これらを使いこなせるのがガンマンだ。
【アスロス】・・・ガンマンがここに何か用なのか?
【セニアス】俺は用は無いが鍛冶屋にロストの剣を預けておいたから取りに来た。
 
そう言いながら二人は作業場に入っていった。
 


【???】来たな、名の無き剣士よ。
 
そこには一人の中年の男がいた。
【ロスト】・・・。
【???】焦るな。もう出来てある。
 
そう言うと奥に入っていった。
【リーフル】あの人が鍛冶屋の・・・。
【セニアス】通称【改造オヤジ・チェーン】だ。
【チェーン】オヤジじゃねぇ!お兄さんだ!火薬男め。
 
手には布で巻かれた物がある。
【チェーン】ほれ、おまえさんの希望通りにしたぞ。
 
ロストは剣を受け取ると布を解かないで背中に納めた。
【セニアス】じゃあ代金だ。50000ナーツ。
 
ナーツとはお金(金貨)の事。不思議な事にどの世界にもナーツは流通している。
【チェーン】おぅ、毎度!
【セニアス】では二人とも縁があればまた会いましょう。
 
そう言うとロストと共に作業場から姿を消した。
【チェーン】あんた達も鍛えるか?
【リーフル】はい。
【チェーン】武器を見せてもらおう。
 
最初にアスロスの【断】を見始めた。
 
【断】は破壊力があるが重いためアスロスにしか扱えなかったものだが・・・。
【アスロス】すげぇ・・・軽々と扱っている。
【チェーン】魔物相手に使っていたな?
【アスロス】あぁ、前までは傭兵だったからな。
【チェーン】・・・守りたい者がいるのか?
【アスロス】何!そこまで見切れるのか!?
【チェーン】武器は持ち主を語る。それを読んだだけだ。
 
淡々と言うと次にリーフルの刀を抜いて見た。
【チェーン】お主も大切な者が居るな?
【リーフル】はい。
【チェーン】・・・許可書もある事だ、よかろう。最高の仕事をさせてもらう。
 


 
一方街の方では・・・
【住民】ひぃ!
【チンピラ1】人にぶつかっといて挨拶無しは無いんじゃないのか?
【チンピラ2】どう落とし前つけてくれるんだ?あぁ!?
【住民】金なら出しますから許してください!
 
そう言うとチンピラに財布を出した。
【チンピラ1】5500ナーツしかないのかよ・・・殺せ!
【チンピラ2】おぅ!
【住民】ひぃぃぃ!
 
もう一人のチンピラが剣を振り下ろしたとき・・・
 
ガキン!
 
と音と同時に剣が折れ、
 
バキッ!
【チンピラ2】ぐおっ!
 
腹に拳を受け、倒れてしまった。
【???】・・・。
【チンピラ1】てめぇ!やろうってんだな!?
 
とチンピラが剣を構えると男はチンピラの周りを歩き出した。
 
すると男は一人から二人へ二人から四人へと増えていった。
【チンピラ1】おらぁ!
 
スカッ
 
斬撃は虚しくも空を切ってしまった。
【???】・・・。
 
ズバッ
【チンピラ1】ぐお!
 
突然男の腕が何かに切られた。
【チンピラ1】て・・・てめぇ!
【???2】やめとけ、殺されるぞ。コーサス、お前もだ。
【コーサス】・・・・・・。
【???2】何?盗られた財布を持ち主に返したい?・・・っという訳だ。返してやれ。
【チンピラ1】てめぇは・・・まさか【覇王】!
【???2】正確には【覇王・ツトム】と呼ばれたが昔の話だ。
 
と気絶しているチンピラから盗られた財布を抜くと
【ツトム】ほらよ、今度からは気をつけるんだな。
【住民】あ、ありがとうございます!
【コーサス】・・・・・・。
【ツトム】何?大会に出たい?
【コーサス】・・・。 (コクッ)
【ツトム】まぁいいか。暇つぶしにはなるか・・・。さてと飲みに行くか!
【コーサス】・・・。
【ツトム】〜♪
 
突然現れた男達、この者達によって大会はどこまで大きくなるのか・・・。