第13話【予選】
 
大会当日、二人は新たな鎧を着て準備をしていた。
【リーフル】うん、動きやすい!
【アスロス】まさか鎧作りもやっていたとは・・・。
 
実はチェーンは武器だけではなく鎧や盾といった防具も作っている。
【アクス】俺からのサービスだって言っていましたよ。
【シャ―ン】これが二人の武器?
 
机の上には二つの包みがある。
【リーフル】僕のはスピード重視の【風塵刀(ふうじんとう)】。
【アスロス】そして破壊力重視の【大地断(だいちのたち)】だ。
【シャ―ン】お金は足りたの?
【チェーン】そんなものはいらん。
 
と突然チェーンが来た。
【アクス】伯父さん。どういう事ですか?
【チェーン】邪魔して悪いな。こいつらと約束した。
【アクス】約束?
【リーフル】形見の槍を取り戻す事。
【アスロス】靱をぶっ潰すの2つだったよな?
【チェーン】そうだ、忘れるなよ。
【シャ―ン】あっ、そろそろ時間じゃない?
【チェーン】行くぞ、俺らは観戦だ。
 


 
大会会場
 
【アナ】さぁ、始まりました!アクア・バトル!!今回もどんな猛者がいるのか!?
 
控え室
【ロスト】・・・あいつら来るのか?
【セニアス】どうだろね?まぁ誰が相手でも勝てば良いんだ。
【コーサス】?
【ツトム】どうした?何?俺ら以外の参加者が変?
【コーサス】・・・。(コクッ)
【セニアス】ちょっと待ってくれ。それはこの大会が仕組まれているというのか?
【ツトム】よくわからんが、もしかしたら・・・。
 
ガチャッ
【リーフル】ここが控え室か。
【アスロス】ん?セニアスとロストじゃないか。お前らも参加するのか?
【セニアス】あぁ、腕試しに・・・。
【ロスト】あんたがギャンブルで負けた所為で金がないから出る羽目になったんだろが。(ボソッ)
【セニアス】キャ。
【リーフル】(喋るんだこの人・・・。)
【アスロス】参加者はこれだけか?
【ツトム】今の所はだ。なんか怪しいがな。
 
ガチャッ
【係員】準備が整いましたので会場へどうぞ。
【コーサス】・・・。
【ツトム】ハッハッハ、楽しみだな。
【セニアス】さてと、金儲けしますか!
【ロスト】アホ。(ボソッ)
【アスロス】行くぞ、リーフル。
【リーフル】うん!
 


【審判】これより1回戦のルールを説明する。時間は30分、生き残ったチームがトーナメントに出られる。
【アスロス】俺らしかいないのにか?
【審判】向こう側を見てみろ。
 
審判に言われるまま奥を見てみると50人以上はいる。
【審判】あとは全員この指輪をつけなさい。
【ツトム】ダメージを肩代わりするって奴か。
【審判】そうだ。指輪が壊れたら負けだから注意するように。
【セニアス】ふーん、ある程度のダメージは平気そうだな。
 
審判は全員が指輪をはめるのを確認すると
【審判】戦う場所はステージ外でも構わない。行くぞ!
 
審判が一定の場所に行くとそこからバリアが張られた。
【審判】始め!!
 
その直後向こうの相手が攻めてきた。
【リーフル】一斉に来た!?
【アスロス】この程度の奴らなら拳で充分だな。
 
アスロスは拳を固めると相手を殴り飛ばしていく。
【リーフル】僕も!
 
と風塵刀ではなく小太刀を抜いて戦う。
【セニアス】ガンマンをなめないで欲しいな。
 
相手の攻撃を回避して、両手の平を相手の腹部に目掛けて押した。
 
ドスン!
 
鈍い音をすると相手はそのまま倒れた。
【セニアス】双掌撃・・・。
【ロスト】あんたらに剣はいらねぇな。
 
そう言うと刃が無いナイフを一本取り出した。
【ロスト】風よ、俺に力を・・・。
 
するとナイフの周りに風が集まり、真空の刃が出来た。
【ロスト】エアーナイフ。
 
彼も素早い動きで相手を倒していく。
【コーサス】・・・。
【ツトム】この程度か・・・つまらん。
 
二人に至ってはかなりの数を倒している。
 
そして・・・
【審判】それまで!全員、武器を収めろ!
 
審判の声にリーフル達も戦うのを止めた。
【審判】これからチームの確認するから待っていなさい。
 
そう言うとリストを持って確認し始めた。
【リーフル】ふぅ、予選通過だね。
【アスロス】こいつらは雑魚だ。
【ルーガ】あんた達、ちょっとはやるねぇ・・・。
【アスロス】ルーガ!てめぇもいたのか!
【ルーガ】あんたと戦いたいからね。
【ツトム】お前は【死神・ルル】!
【ルーガ】!!その名を呼ぶんじゃねぇ!【覇王】!!
 
そう言いながらツトムに攻撃を仕掛けようとすると
【審判】待ちなさい!確認が終わった。後はトーナメントを組むから全員控え室に戻れ!
 


【リーフル】えっと・・・ツトムさんでしたっけ?
【ツトム】そうだが?
【アスロス】あのルーガという奴を知っているのか?
【ツトム】知っているも何も俺も昔は殺し屋をやっていて、あいつと同業者だったわけだ。
【セニアス】今じゃ賞金首・3億ナーツが懸けられているのになんで大会に?
【ツトム】暇つぶし、と言いたいところだがルルの奴がいるからには決着をつけなければ・・・。
【アスロス】ルル?なんであいつはその名を嫌うんだ?
【ツトム】その女みたいな名前は昔から馬鹿にされていてコンプレックスを抱いている。
【アスロス】だからあの怒り様なのか・・・。
【ツトム】あいつと闘う事があったら気をつけろ。一瞬で殺される。
 
ガチャッ
【係員】お待たせ致しました。トーナメントがお決まりになりました。
 
そう言うと一枚の紙を渡した。
【係員】最初にセニアス・ロストペアです。会場へどうぞ。
【セニアス】よし、行こう、ロス・・・あれっ?
 
ロストはもう部屋から出ていた。
【ロスト】遅ぇよ、アホ(ボソッ)
【セニアス】待ってくれよ〜!
【三人】・・・・・・。
【コーサス】・・・。
 
いよいよ始まる1回戦、二人の実力はいかに!?