第１話
２０１０年、甲子園では、ある無名校の話題で持ちきりとなった。
この年の甲子園は高校野球の全盛期とも言われるほどレベルが高かった。
その大会の決勝の組み合わせは下馬評をくつがえすものとなった。
１チームは群馬の強豪、金城高校。
そして、もう１チームは広島の栄橋高校。
そして、そのチームのエースがこの物語の主人公、緋山 浩輔である。
【緋山】・・・・・・・。
【達波】ぐおーぐおー。
バキッ！！！
【緋山】寝るな。
【達波】おーすまんすまん、つい寝てしまったわい。
【緋山】よく寝れるな、決勝前だぞ。
【達波】昨日、夜までゲームしてたから。
【緋山】ある意味凄いやつだな。
【達波】ありがとう。
【緋山】ほめてないって。
【佐川】お前らそろそろ始まるぞ。
【緋山】わかった。
・・・・・・・＊
【実況】さあ、間もなく決勝戦が始まります。解説はカープで活躍された小川さんで
す。
【小川】宜しくお願いします。
| 二 |
1 |
 |
久本 国一 |
中 |
1 |
|
川村 栄治 |
| 中 |
2 |
|
佐川 健 |
三 |
2 |
|
中村 光栄 |
| 捕 |
3 |
|
達波 正人 |
捕 |
3 |
|
星村 悠馬 |
| 一 |
4 |
|
菊地原 周 |
一 |
4 |
|
秋田 健人 |
| 三 |
5 |
|
高井 浩太 |
投 |
5 |
|
横井 和也 |
| 遊 |
6 |
|
佐藤 慶介 |
左 |
6 |
|
松田 直弘 |
| 左 |
7 |
|
原田 恭平 |
右 |
7 |
|
井上 正文 |
| 右 |
8 |
|
楠原 孝太 |
遊 |
8 |
|
上田 正樹 |
| 投 |
9 |
|
緋山 浩輔 |
二 |
9 |
|
田村 雅和 |
|
１回表
【川村】よーし、来い。
【実況】金城高校の１番は川村君です。彼もプロ注目の選手ですね。
【小川】そうですね、あの俊足、強肩ですからね。
【緋山】よっしゃー、抑えるぞ。
【川村】凄い気合だな。
【達波】・・・・・・・・・・・。
【川村】（何故に笑っているんだろう）
ガキッ！！
【川村】重っ。
【実況】川村君、ショートフライで１アウト。
【小川】あれですよね、緋山君は球質がかなり重いですから少々甘い球でも打ち取れ
ますから。
そのあとの中村を押さえ２アウトランナーなし
【星村】３人で抑えられると相手にペースが行くからなここで打っとかないと。
【小川】彼は功打力・走力・スローイング全てにおいて１流ですね。
カーン！！
【実況】星村君打った！！打球はセンターへ。
【佐川】させんは！！（ズザァァー、パシ）
【実況】取った、佐川君スライディングキャッチ！！
【小川】彼はポジショニングもいいですね、ナイスプレーです。
その後は投手戦となる。
緋山はトルネードから放たれる１５０ｋの直球と高速で曲がる変化球で金城打線を抑
える。
対する横井も独特なフォームから放たれる伸びのある速球とフォークで栄橋打線を抑
える。
７回表
【実況】いぜんと投手戦が続いています。緋山君７イニング目に入ります、バッター
は３番の星村君。
【小川】昨日から連投ですからね、疲れもあるでしょう。
ガキッ
【実況】詰まった当たりはサードゴロ。
【高井】任せい！！（パシ、ビューン）あ・・。
送球は大きく逸れ、その間に俊足の星村はセカンドへ。
【緋山】ナイスサード。
【高井】面目ない。
【秋田】ここで一発！！
カキーン！！
【緋山】！！！！
【実況】行ったー！！打球はライトスタンドへ、ついに均衡が破られました。
【小川】すっぽ抜けを完璧に捕らえましたね、ナイスバッティングです。
【高井】ナイスピッチ。
【緋山】すまんのう。
後続は押さえ、７回裏へ。
７回裏
【実況】緋山君は７回に点を取られましたが横井君はどうでしょうが？バッターは１
番の久本君からです。
【小川】点を取った次の回ですから重要ですね。
【久本】ここで打っておかないと。
キーン！！
【実況】三遊間を抜けていった、レフト前ヒット。
続く佐川はバントで送り、続く達波
【達波】ちょう。
カーン
一二塁間を抜き４番菊地原
【菊地原】よし、手ごたえあり。
左中間を真っ二つに割るタイムリー２ベース１点を返しなおも一死ニ三塁で５番高井
カキーン！！
【実況】大きな当たりだ、入るか！？
パシ
【実況】センター取った、ボールは中継に返すだけ、同点に追いつきました。
しかし、後続が続かず同点でこの回は終了
１２回表
【緋山】はあはあ。
パスッ
【審判】フォアボール。
【実況】ここで２番の中村君を歩かせます。
【小川】だいぶ息が上がってますね、そろそろ替え時ですね。
【実況】やはり、ここでピッチャー交代です。レフトの原田君と交代のようです。
【小川】よくここまで投げましたね、彼はスタミナはあるんですが常に全力で投げて
ましたから。
【実況】投球練習が終わり、ノーアウト１塁で星村君です。
【原田】ここはズビシッと抑えるぞ。
ズバーン！！
【星村】は？
【実況】初球１５４ｋ速球で見逃して１ストライクです。
【小川】今年はすごいですね、１５０ｋを出す投手がゴロゴロいますから。
ズバーン！！
【秋田】無理！！
【実況】原田君、後続を３者三振で抑えます。
【小川】すべてストレートで抑えましたが彼は変化の大きいカーブもありますね。
その裏、横井も高井に２ベースを浴び交代
【実況】ここで、ファーストの秋田君と交代です。
【小川】右の本格派から左の技巧派に替わりますから多少戸惑いますね。
ククッ
ブーン
【実況】秋田君も三者凡退で切り抜けます。
ここから両投手１３回を抑える、しかし、１４回裏
カキーン！！
【秋田】！！！！
【実況】入った、サヨナラホームラン。最後に決めたのは４番の菊地原君。
【小川】外に逃げるスクリューを流してスタンドにいれましたね。
【菊地原】やったー。
【緋山】ナイスだ周。
【達波】さすが巨人の４番だ。
【菊地原】何の話だ？
【達波】あと2話ぐらい後の話！！
【菊地原】・・・・・・。
【秋田】横井すまん。
【横井】あれ打たれたら仕方ないさよく頑張ったよ。
こうして優勝は栄橋高校に決まった
次回はドラフト、緋山達は指名されるのか？