第59章 変わらない日常?(後編)

−1997年 5月 中旬−
あれから特に記録は出ていないと言ってもまだ5月の中旬で5月の試合はまだ続くらしい。
斎藤「さてと今日は暇だしテレビでも観るか……」
球星「……ん? 自分のチームの試合を観ないのか?」
斎藤「……まあ今日は藤咲さんだし大丈夫かなと思うし……それに他の奴らが頑張っているところも観たいなーと思って」
球星「なぜそんなに動揺するかはともかく興味はあるな」
斎藤「………………」

近鉄バファローズ
天野監督「今日の相手はファイターズだ。あっちの先発は烏丸らしい。こっちは宗介で行く!」
宗介「相手は烏丸さんか」
天野監督「打線で注意するのは直人と石井と天王寺だな。特に石井は怖いな」
菊池「ルーキーの頃と同じくらい活躍してますからね」
小野「そう言えば菊池さんって石井さんと同期でしたっけ?」
菊池「同期と言うか同校だな。まああいつがいたから俺は一度も4番を打てなかったけどな」
土井「今なら良い勝負なんじゃないですか?」
菊池「さてな。まああいつに負けたくないって気持ちはあるが」
広瀬「俺としても天野に負けたくはないが」
八代「俺も天野の代わりに指名されたしやる気を出すべきなんだろうが」

日本ハムファイターズ
和田監督「今日の相手はバファローズだ」
烏丸「相手の先発は天野と兄弟対決にもなりますね」
和田監督「だそうだが」
直人「4月にも対決しましたし(いまさらだよな)」
石井「今日も調子は良いしパリーグのエースだろうが打つ!」
岩崎「俺に取ってバファローズは先輩も後輩もいるから特別なんだがお前はどうなんだ?」
直人「まあドラフトで指名されたり親父や兄貴もいると特別ではありますけどね。広瀬や八代と言った同期もいるしやる気は出ますよ!」
佐々木(そう言う意味じゃ俺には縁のない相手なのかもな……セリーグの方がモチベーションが上がりそうだ)

−1997年公式戦 大阪ドーム−
木下 神楽
後攻 先攻
VS
岩崎 壮平
小野 銀次 天野 直人
アルバート 河原 和徳
広瀬 幸一 石井 明 DH
DH 土井 博昌 音無 斎
菊池 真 天王寺 恵
八代 正秀 佐々木 新
小栗 誠一 白鳥 総云
坂本 祐樹 友永 こやた
天野 宗介 烏丸 烈

放送席
倉田「今日は近鉄バファローズVS日本ハムファイターズの試合をお伝えします。解説には高木さんに来てもらいました!」
高木「よろしくお願いします!」
倉田「今日の先発は天野選手と烏丸選手とややファイターズに不利な感じがしますがどうでしょうか?」
高木「そうですね。打線も互角と言ったイメージですしややバファローズが有利な条件の試合ってとこでしょうか」
倉田「ちなみにルーキーながらスタメンを奪った広瀬選手と天野直人選手に関してはどうでしょうか?」
高木「正直、広瀬はいまいちですね。今日の試合で活躍してくれたらと思っています。逆に天野は良いですね。守備とバッティングもですが特に小技の上手いところが良いと思いますよ!」
倉田「ファイターズは一発長打の選手が多いですからね。天野選手みたいなタイプは貴重ですね。そしてもう二人のルーキー、八代選手と白鳥選手はどうでしょうか?」
高木「先の二人と比べると落ちますがルーキーとしては頑張っていると思いますよ。いずれはタイトル争いに加わるほどの素質はあると見ますね!」

1回表 近鉄0−0日本ハム いきなり兄弟対決となる1回!
宗介「岩崎さんか」

ズバ―――ン!
岩崎「相変わらず速いっ!?」

倉田「いきなり空振り三振に終わり1アウト! それと今思い出したんですがファイターズは三振の多いバッターが多いですよね」
高木「まあホームランバッターが多いですからね。けど昔よりかは減っていると思いますよ」

宗介「お前にだけは負けるわけには行かない!」

ガキッ!
直人「とんでもないボールが来るし」

倉田「152キロのストレートに当てましたが結果はセカンドゴロに終わり2アウトです!」
高木「河島(オリックス)ほどではないですが天野のストレートも浮き上がって来ますし、芯でとらえるのは難しいでしょうね」

宗介「兄の威厳もあるからな! ここはきっちりと差を見せ付けないとな!」

ガキッ!
河原「………………」

倉田「河原選手はスライダーを打ち上げてファーストフライに終わり3アウトチェンジです!」
高木「さすがは天野、無難に1回を抑えましたね。心配なのは河原ですね。今年はどうもバッティングの調子が悪いみたいです!」
倉田「ルーキーの頃から3年連続3割打っている天才打者なんですけどね。4年連続はやはり難しいんですか?」
高木「それはまあ難しい事ですが、まだシーズン始まったばかりですしこれから調子を上げて行けば達成できる可能性はあると思いますよ」

宗介「良い手応えだな。今日は完封狙えそうだ!」
坂本「たしかに今日の調子なら狙えそうだがくれぐれも失投は避けろよ」
宗介「分かってますよ。向こうはパワーヒッターが多いしスタンドに運ばれないよう注意します!」
坂本(たしかに宗介は凄い奴だがまだ2年目だからな)

石井「やれやれ俺の前で終わったか」
河原「すみません」
石井「まあいい今日の調子ならホームランも打てそうだし次の回で打ってやるさ!」
直人(たしかに今日の石井さんは凄いけど、兄貴も負けないくらい凄いと本当に打てるのか?)

1回裏 近鉄0−0日本ハム 天野は1回を三者凡退と抑えた!
烏丸「こっちも負けられん!」

ガキッ!
木下「相変わらずの切れ味だな」

倉田「カットボールを引っかけてサードゴロに終わり1アウトです!」
高木「烏丸の衰えは隠せませんが変化球は昔と比べてそう落ちていない印象ですね」

烏丸「次も巧打者か」

ガキッ!
小野「わずかに落ちたか」

倉田「続く小野選手はツーシームを引っかけてピッチャーゴロに終わり2アウトです!」
高木「こうやって観ると球速は全盛期に比べて落ちてますね」

烏丸「一番やっかいなのがこいつだな」

ガキッ!
アルバート「グッ!?」

倉田「最後はナックルを打ち上げて3アウトチェンジです!」
高木「烏丸もそれなりに調子が良いのか三者凡退に抑えましたね」
倉田「1回はあっさりと終わって試合は0対0のまま2回に向かいます!」
高木「2回は好調の4番からと注目の対決になりそうですね」

烏丸「今日はコントロールがいまいちだな」
河原「そうですね。早打ちしてくれて助かりました」
烏丸「………………」
河原「まあとにかくボール球を振らせて行きましょう」
烏丸「ああ」

広瀬「俺の出番は2回からと…………その前に守備か」
アルバート「サイドだからボールが見にくいな」
木下「俺は見やすかったけど」
小野「お前は左バッターだからな」
木下「そうでした」

2回表 近鉄0−0日本ハム 烏丸も三者凡退に抑えると両投手は好調を見せる!
宗介「絶好調の石井さんからか」

ガキッ!
石井「打ち上げちまった!?」

倉田「149キロのストレートを打ち上げセンターフライに終わり1アウトです!」
高木「高めボール球に手を出すと力み過ぎた打席でしたね」

宗介「音無さんか」

ズバ―――ン!
音無「むうっ!」

倉田「147キロのストレートを空振り三振で2アウトです!」
高木「天野のボールはノビがありますからどうしても振り遅れて振ってしまうんですよね」

天王寺「そこだ!」

カキ―――ン!
宗介「コースがあまかったか」

倉田「レフト前ヒットとなります。これで2アウトランナー1塁となりました!」
高木「低めのストレートと良いコースに思えたんですがバッテリーの表情からして少しコースがあまかったんですかね?」

宗介「こいつで終わりだ!」

ガキッ!
佐々木「当てるのがやっとで打つのはやっぱり難しいか」

倉田「最後はストレートを打ち上げてショートフライに終わり3アウトチェンジです!」
高木「今日の天野はストレート中心の組み立てみたいですね。誰も打てないって事はやっぱりストレートのノビが良いってところですかね」

宗介「ヒット打たれたしやっぱりそうそうは抑えられないかな」
坂本「たしかにファイターズ打線は強いがお前なら完封も狙えるだろう」
宗介「だといいんですけど(当たり前だけど完全試合やノーヒットノーランは難しいよな)」
坂本(今日の宗介なら完封狙えるだろうが河島のようにスタミナがあるわけじゃないしスタミナの配分に気を付けてリードして行くか)

白鳥「やっぱり絶好調の天野は打ちにくそうだな」
石井「力み過ぎたのもありますが今日のストレートはかなりノビてますね」
天王寺「たしかに速くて合わせにくくはあるが当てられなくもないな」
白鳥「コツコツやって行くのが一番と」
石井「そう言うのは苦手なんだけどな」
天王寺「同感だ」

2回裏 近鉄0−0日本ハム 天野はヒットを打たれる物の安定したピッチングを見せる!
広瀬「ふんっ!」

ガキッ!
岩崎「とおっ!」

倉田「完全に打ち取った当たりかと思いましたがセカンドの頭を越えて広瀬選手はファーストに止まります!」
高木「高卒ルーキーで4番を打つだけあってパワーは凄いですね」

烏丸「力で奪ったヒットか」

ククッ!
土井「やるな!?」

倉田「最後は高速シンカーを空振り三振し1アウトランナー1塁となりました!」
高木「ストレート狙いの土井は見事に読みを外されたと河原のリードも良いんでしょうね(まあ土井は変化球が苦手なところがあるし普通のリードとも言えるが)」

烏丸「次は成長途中の菊池か」

カキ―――ン!
菊池「良い手応えだぜ!」

倉田「レフトスタンドに入った! 得意のカットボールでしたが完全にとらえられる2ランホームランとなりました!」
高木「未来の4番と言われるだけあって長打力は大した物ですね」

烏丸「………………」

ガキッ!
八代「これをスタンドにまで運べるのか!?」

倉田「続く八代選手ですがカットボールになんとか当てる物の結果はファーストゴロに終わり2アウトです!」
高木「烏丸の特徴は打たせて捕るですからね」

烏丸「ふんっ!」

ズバ―――ン!
小栗「わずかに落ちたか」

倉田「最後はツーシームを空振り三振し3アウトチェンジです!」
高木「こうやって観ると奪三振もそれなりに多そうですね」
倉田「昨年に200勝と2000奪三振を達成してますから少なくはないと思いますよ」
高木「ふむ。衰えは隠せませんがまだやれると言うところでしょうか」

烏丸「この2点は痛いな」
河原「いえ。まだ2点ですから天野はたしかにやっかいですが2点ならまだ届きます」
烏丸「そう言えばお前の後輩だったか?」
河原「ええ。1年で定岡からエースを奪うとポテンシャルは定岡以上でしたね」
烏丸(うちのエースより向こうのエースの方が上か)
河原(昨年の成績で言えば天野の方が上と定岡や俺もやっかいな後輩を敵にまわしたもんだ)

坂本「ホームラン打った後はあっさり終わるな」
八代「すみません」
坂本「別に責めてるわけじゃない。ランナーがいない方が打ちにくいかと思ってな」
八代「俺の場合はそんな事もないと言うか逆なんですが」
坂本「ふむ。単純に烏丸さんの調子が良いって事なのか?」

9回表 近鉄8−0日本ハム 試合は一方的に進み一気に9回に入る!
倉田「試合は9回に入ります。2回からは一方的と言う展開でバファローズ有利な展開で進んでいます!」
高木「このまま行けば完封勝利の天野がヒーローですかね」
倉田「完封勝利まで後3人! 最初の相手は今日ノーヒットの石井選手からです!」
高木「絶好調の石井ですが今日は打てそうもないですね」

宗介「今日はこのまま終わらせる!」

ズバ―――ン!
石井「今日は完全に負けた!?」

倉田「150キロのストレートを空振り三振で1アウトです!」
高木「さすがの石井も今日はノーヒットで終わりましたね」

宗介「後2人か」

ズバ―――ン!
音無「ふう」

倉田「続く音無選手も150キロのストレートを空振り三振で2アウトです!」
高木「150キロの連続と天野は昨年よりスタミナが付きましたね」

宗介「こいつで決める!」

ズバ―――ン!
天王寺「届かないか」

倉田「最後はアウトコースのストレートを空振り三振で試合終了です!」
高木「152キロと最後まで天野のピッチングが凄かったですね」
倉田「試合は8対0で近鉄バファローズの勝利に終わりました。そして今日のヒーローは当然ながら天野選手です!」
高木「終わって見れば一方的な試合と面白いとは言えませんでしたけどバファローズファンは満足した試合だったんでしょうね」

近鉄バファローズ
天野監督「連敗脱出もめでたいが今日はピッチャーもバッターも活躍すると良い試合だった。明日ではなく明後日もこの調子で頼むぞ!」
宗介「明後日はマリーンズか」
広瀬「菊池さんには負けますが今日は良い感じでした!」
菊池「昨日は完封負けだったからな」
八代「しかも延長した10回で4点取られて終わりでしたからね」
木下「遠藤さんも9回を無失点と頑張ったんですけどね」
小野「それでも負けるときは負けるからな。まあ10回からは代わったピッチャーが打たれたからあいつに負けは付かないんだが」
アルバート「とにかく今日も勝ったし明日ではなく明後日も勝ちましょう!」
坂本「そうだな」

日本ハムファイターズ
和田監督「今日は良いところなしだが……まあこう言う事もあるな明日は勝つぞ!」
音無「と言うか明日ではなく明後日ですけどね」
和田監督「と言うわけで明後日はバファローズに勝利しよう!」
天王寺「明後日の相手はブルーウェーブですけどね」
和田監督「………………」
石井「さてと帰るか」
烏丸「そうだな」
直人「なんか監督、落ち込んでるんですけど、放置していいんですか?」
白鳥「いいんじゃないか、みんな気にしてなさそうだし」
河原「まあいつもの事だしな」

日本ハムファイターズ
近鉄バファローズ × 13
勝利
天野宗介 6勝2敗0セーブ
セーブ
敗戦
烏丸烈 3勝4敗0セーブ
本塁打
菊池真4号
今日のヒーロー 天野宗介 完封勝利!

巨人寮 斎藤の部屋
球星「終わって見れば一方的な試合だったな」
斎藤「たしかに天野さんと菊池さんくらいしか印象に残りませんでしたね」
球星「月間MVP獲りそうな勢いだったな。お前も調子良いし獲れるかもな」
斎藤「まあ候補の一人ではありますね」
球星「野手では誰が獲るかな?」
斎藤「それは分かりませんけど?(ルーキーの中じゃ滝沢の可能性が高いかな?)」

そして5月も最後の試合が始まる。注目するのはやはり現在首位のヤクルトスワローズか?

ヤクルトスワローズ
松田監督「さてと5月も今日で終わりだし勝って気持ちよく終わろう!」
本郷「今日の先発は俺ですか」
界外「俺もスタメンか」
松田監督「今年の本郷はエース級の活躍だし界外もそろそろレギュラー獲って欲しいと期待してのスタメンだ!」
本郷「たしかに勝ち星は付いてますが、藤堂さんと比べると防御率は落ちてますしエースってのは言い過ぎかと」
松田監督「謙遜するな。今のお前がチーム最多勝だしな。そして界外にはルーキーの頃の活躍を再びと言う事でいい加減頼むぞ!」
界外「まあ俺も7年目ですしそろそろレギュラー獲りたいとは思ってますけど」
松田監督「頼むぞ!」
滝沢「丸目が二軍に落ちてからレフト争いが熾烈ですけど、なかなかレギュラー獲れる人はいませんね」
朝霧「個人的には丸目が一押しなんだが、あいつも少し調子落としたからな。監督としても大切に育てたいが為の二軍落ちなんだろう」
姫川「ライト、センターと守備の名手だからこそレフトも守備の名手を置きたいと言う気持ちは良く分かるな!」
滝沢&朝霧「………………………………」
土丸屋(朝霧さんの守備に比べれば丸目も少し落ちる。そして丸目の守備からしたら姫川さんも少し落ちると……)
姫川「……ほほう。何か言いたそうだな!」
光宗「なんなら俺が言っても良いが?」
姫川「うっ!? まあ俺がゴールデングラブ賞獲ったのは一昨年ですし、少し落ちたかなと思ってますけど」
時雨「やれやれ」
赤崎(今日も2番か、いい加減クリーンナップ奪わないとな!)

中日ドラゴンズ
大村監督「今日の相手は現在首位のスワローズだ!」
真田「4月の終わりから落ちて来たと思いきやどの球団も首位を奪えないと今年のスワローズは圧倒的ですね」
大村監督「もっともだが笑顔で言うなよ!」
真田「こいつは失礼しやした。ところで親分、今日の先発は誰っすか?」
大村監督「親分じゃないってもういい星野、代わりに説明してくれ!」
星野「……今日の先発は鬼頭だ」
真田「おう! 今年こそは2ケタの鬼頭さんか頑張って下さい!」
鬼頭「おう!」
遠山「どうもペースが狂う奴だな」
山根「いい加減慣れた方が良いですよ」
大上「まあな」
バナザード「さすがに3割打っているだけあって大物だな」
福浦「まあ大物と言えば大物かな」
五十嵐「俺はどうせ3割じゃないしな」
星野(なんだかなー)

−1997年公式戦 千葉マリンスタジアム
朝霧 一葉
後攻 先攻
VS
真田 和希
赤崎 銀 福浦 孝之
土丸屋 信吾 大上 吉宗
滝沢 裕司 星野 哲也
姫川 篝 バナザード
光宗 正 遠山 章太
時雨 隆宗 五十嵐 高志
界外 風 山根 信広
本郷 丈太郎 鬼頭 陸

放送席
倉田「今日は千葉マリンスタジアムの試合となりましたがそこは気にせず両ピッチャーは4年目と高卒と大卒の違いはありますが面白い投げ合いになりそうですね」
木村「2人とも昨年一軍入りして今年は開幕一軍から頑張っていると面白い投げ合いになりそうですね。まあ現在の成績からして本郷の方が上と言っても良いんですがね」
倉田「遅れながら解説は木村佐助さんです。ルーキーでは4番の滝沢選手と1番の真田選手が目立っていますね」
木村「そうですね。滝沢は打率、本塁打、打点と文句ありませんし真田は2位を離しての現在盗塁王と凄いルーキー達だと思いますよ!」
倉田「それでは試合に行って見ましょう!」
木村(この娘の解説も変わってるよな)

1回表 ヤクルト0−0中日 若手同士の投げ合いで始まった試合はどうなるか?
本郷「全球団で一番塁に出したくない奴が最初なんだよな(強肩の光宗さんでも刺すのが難しいからな)」

コツンッ!
真田(今日も走らせてもらいますぜ!)

倉田「真田選手、得意のバントヒットで出塁します!」
木村「赤崎も読んでたんでしょうが出遅れが致命的でしたね」

赤崎(ちっ! もっと速くだな!)
本郷「走って来るだろうな」

ククッ!
福浦「せめて当てたかったぜ!?」

倉田「最後は高速スライダーを空振り三振で1アウトランナー2塁です! ちなみに真田選手は盗塁を決めています!」
木村「観てたから知ってますよ!」

大上「とおっ!」

ガキッ!
滝沢「くっ!?」

倉田「当たり損ねでしたがファーストの頭を越えるヒットとなりました! 真田選手はサードを蹴って……ではなく戻ってこれで1アウトランナー1、3塁となります!」
木村「土丸屋のバックアップが良かったですね。慣れないセカンドにしては上手い物です!」

本郷「この場面でいきなりこの人かよ!?」

スト―――ン!
星野「スプリットで来ると思ったよ!」

カキ―――ン!
本郷「げっ!?」

倉田「スプリットでしたが綺麗に打たれてセンター前にサードランナーの真田選手は返ってドラゴンズが1点先制します!」
木村「これで1アウトランナー1、2塁ですか、完全に読んだ打席でしたが光宗のリードミスとも言えませんね。少なくともコースもキレも抜群だったと私は観ていますよ!」

本郷「すみません」
光宗「ここで怖かったのは長打だからな。シングルで済んだのなら御の字だ!」
バナザード「フンッ!」

カキ―――ン!
本郷「まずいっ!?」
滝沢「届けっ!」

パシッ!
倉田「一二塁間を抜ける当たりかと思いましたが滝沢選手が捕りました! しかしライナーではなくゴロだったのでアウトにはならずこれで1アウトランナー満塁となります!」
木村「抜けてたら完全に追加点ですから良くやったと思いますよ!」

本郷「助かった!いや助かってないし満塁かよ!?」
光宗「落ち着け! 1アウト満塁とピンチではあるが逆に守りやすくもある!」
本郷「ゲッツーに抑えれば終わりですからね」
光宗「次の遠山はボール球でも振って来るタイプだがパワーだけはやっかいだ。高めは避けて行くぞ!」
本郷「分かっています!(犠牲フライもある場面だからな)」

ガキッ!
遠山「げっ!?」
本郷(ホーム間に合うか!)

パシッ! シュッ!
大上「負けるか!」

倉田「ピッチャー前の打球でしたが大上選手のスタートが良かったのかそのままホームを駆け抜けてセーフです!」
木村「つうか大上は最初から走ってましたね。でなければ普通はアウトの打球ですよ!?」

光宗「ちっ!」

シュッ! パシッ!
遠山「………………」

倉田「ホームはセーフ! 光宗選手はファーストに投げて遠山選手はアウトです!」
木村「遠山の足じゃ仕方ないですね。しかし146キロのストレートと良いコースに投げてたんですけどね」
倉田「まあ失点はしましたが打ち取った当たりでしたし相手に運があったって事ですよ!」
木村「まあそうですね」

本郷「球は走っていると思うんだけどな」
光宗「その通りだ。真田は置いといてヒット性の打球は星野だけだ!」
本郷「そう言えば……」
光宗「とにかく自信を持ってミットに投げ込むんだ!」
本郷「……うっす!」

ガキッ!
五十嵐「くそっ! 今年は本当にダメダメだな!?」

倉田「チャンスに弱い事で有名な五十嵐選手らしくここはセカンドフライに終わり3アウトチェンジです!」
木村「チャンスには本当に弱いですからね。まあそれでもルーキーから3割打ち続けて来た天才バッターでもあると例年の打率は文句なしなんですが今年は悪いですからね」
倉田「まったくですね。とにかく初回から点が入ると立ち上がりに不安のある本郷選手でした!」
木村「真田と星野にやられたって感じではありましたがボールじたいは良かったしそんなに失点はないんじゃないかって気はするんですけどね」

本郷「いきなり2失点か」
光宗「ここから失点しなければ問題ない!」
本郷「そりゃまあそうですけど」
光宗「とにかく自信持って投げれば問題ない!」
本郷「うっす!」
光宗(星野より注意するのは真田だな。データが少ないせいか未知数ってイメージだからな)

山根「やっぱり今年の本郷さんは凄いですね」
五十嵐「そうだな……俺は今年ダメダメだけどね」
山根「………………」
星野「やれやれ」
真田「ヒットに盗塁に得点とまずまずですな!」

1回裏 ヤクルト0−2中日 ドラゴンズは2点先制と好調を見せる!
鬼頭「同じ4年目とは言え相手は年下、負けられないな!」

ガキッ!
朝霧「やはり速いな!?」

倉田「146キロのストレートを引っかけてサードゴロに終わり1アウトです!」
木村「こうやって観ると昨年よりコントロールは上がった感じがしますね」

鬼頭「昨年ルーキーで3割打った赤崎か」

カキ―――ン!
赤崎「スタンドにまでは届かないか」

倉田「右中間を抜けた! カーブを打った赤崎選手はセカンドに止まります! これで1アウトランナー2塁!」
木村「カーブをあっさり打つと赤崎は変化球に強いんですかね?」

鬼頭「次は土丸屋か」

カキ―――ン!
土丸屋「良い手応えだ!」

倉田「続く土丸屋選手も打って赤崎選手はホームに返ってスワローズが1点を返します!」
木村「フォークを綺麗に合わせて来ましたね!」
倉田「打った土丸屋選手はセカンドに止まりこれで1アウトランナー2塁となります!」
木村「ここはストレートの方が良かったって事ですかね?」

鬼頭「ふう、いきなり失点か」

ガキッ!
滝沢「このボールを良く打ったな」

倉田「滝沢選手はピッチャーゴロに終わりこれで2アウトです!」
木村「148キロとやっぱり速いですね」

鬼頭「このランナーは意地でも返さない!」

ガキッ!
姫川「ぬっ!?」

倉田「姫川選手はピッチャーフライに終わり3アウトチェンジです!」
木村「結局、土丸屋はホームに返れませんでしたね」
倉田「しかし1点返すとスワローズも負けていません。1回を終わって2対1でドラゴンズが1点リードしております!」
木村「両ピッチャーともに立ち上がりはいまいちでしたが昨年より力は上がった感じを見せますね!」

星野「打たれたのは変化球だけと俺のリードが悪かったな」
鬼頭「いやストレートだけでは通用しない事は分かっていたから俺の変化球のキレが悪かったんだろう」
星野「正直、今日の調子で完投は難しいな。モチベーション下げる言い方で悪いが5回まで全力で投げてくれ!」
鬼頭「了解!(テンション下がるがまあ調子は良くないからな)」

光宗「ストレートは打ちにくそうだな」
姫川「変化球見た後にストレート投げられると速度差が出て打ちにくいってとこですかね」
土丸屋「俺はそれほどでもなかったが」
赤崎「同じくです!」
滝沢「俺も姫川さんと同じで速度差にやられましたね」
光宗「ふむ。肯定2、否定2と良く分からんな?」

4回表 ヤクルト1−2中日 点差は変わらず進み本郷は回を重ねる事に調子を上げて行く!
本郷「別に尻上がりってわけじゃないんだけどな」

ガキッ!
五十嵐「本当に良いところがないな」

倉田「五十嵐選手はキャッチャーフライに終わり1アウトですね!」
木村「ストレートは140キロ前半ですが打ちにくいんですかね?」

本郷「まあ下位打線くらいちゃんと抑えないとな!」

ククッ!
山根「このスライダーがやっかいなんだよな」

倉田「最後は高速スライダーを空振り三振で2アウトです!」
木村「低めギリギリ手が出ないコースでしたね!」

本郷「最後はこいつだ!」

スト―――ン!
鬼頭「当たらないか」

倉田「先ほどヒットを打った鬼頭選手でしたがここは空振りの三振に終わります!」
木村「最後はスプリットで決めましたね」
倉田「この回は珍しく三者凡退に抑えました!」
木村「まあ毎回ランナー出してましたからね」

本郷「ようやく抑えられたって気がしますよ!」
光宗「おいおい。まだ5回もあるんだからな」
本郷「もう失点もしてるしさすがに完投はないでしょう?」
光宗「どうかな? お前のピッチングは回を重ねる事に上がって行く感じだぞ!」
本郷「初回から失点したんでスタミナ無視して投げているだけですよ!」
光宗「ま、このペースで頼むわ!」

真田「なんか変化球のキレが増している感じですね?」
鬼頭「変化量は上がっている気がするな」
五十嵐「こっちは関係なく凡退したけどな」
山根「三振した俺よりマシだと思いますけど」

4回裏 ヤクルト1−2中日 本郷は調子を取り戻したか4回は三者凡退に抑える!
鬼頭「このまま抑えて行くぞ!」

ガキッ!
土丸屋「打ち上げたか」

ポロッ!
バナザード「ゲッ!?」

倉田「落とした!? 平凡なフライでしたがエラーで土丸屋選手が出塁します! ノーアウトランナー1塁となりました!」
木村「平凡なレフトフライだったんですけどね」

鬼頭「不運だ。仕方ない」

ズバ―――ン!
滝沢「相変わらずのボールだが?」

倉田「150キロのストレートでしたが外れてフォアボール! ノーアウトランナー1、2塁となりました!」
木村「ピンチには強い鬼頭ですが、嫌な場面でやっかいなバッターを迎えましたね!」

鬼頭「今年は2ケタ勝つんだ!」
姫川「滝沢に4番は奪われたが俺だってまだまだやれるんだぜ!」

カキ―――ン!
倉田「行った―――! レフトスタンドにたたき込む3ランホームランでヤクルトスワローズが逆転しました!」
木村「昨年は調子悪かった姫川ですが今年は凄いですね」
倉田「……交代かと思いましたが大村監督はそのまま鬼頭選手に投げさせるようですね?」
木村「鬼頭は未来のエースですからここで経験積ませたいってとこですかね?」

鬼頭「うらっ!」

カキ―――ン!
光宗「このまま一気に得点したいところだが」

倉田「カーブを綺麗に打った! 打った光宗選手はセカンドに止まります!」
木村「良いボールだったんですけど、さすがは光宗ですね!」

時雨「ふっ!」

カキ―――ン!
鬼頭「くそっ!」

倉田「ストレートを左中間に持って行った! 光宗選手はホームに返って打った時雨選手はセカンドに止まります!」
木村「交代しなかったのは裏目に出ましたね。これで3点差になりましたか」

星野「落ち込んでないでこのまま投げてもらうぞ!」
鬼頭「このままでか?」
星野「お前に取ってはショックな事なんだろうがボールの威力は落ちていない。打った相手が良かったってだけだ!」
鬼頭「なぐさめる気はゼロだなまあ良いんだけどな」
星野「じゃあこの調子で投げて行こうか!」
鬼頭「ああ!」

ズバ―――ン!
界外「今日も良いところなしか」

倉田「界外選手は空振り三振に終わりようやく1アウトとなりました! しかしランナーは2塁のままとピンチは続きます!」
木村「界外には通用していると調子が良いのか悪いのか分かりませんね?」

鬼頭「ようやく1アウトか」

ガキッ!
本郷「打ち上げちまった!?」

倉田「本郷選手は打ち上げてピッチャーフライ! これで2アウトランナー2塁となりました!」
木村「下位打線とは言えあっさりと2アウトになりましたね」

鬼頭「これで2アウト!」
朝霧「そこだ!」

カキ―――ン!
五十嵐「うぉ―――!」

パシッ! シュッ!
時雨「間に合え!」

倉田「セーフです! 三遊間は抜けず五十嵐選手が捕りましたがサードはセーフとなりました! これで2アウトランナー1、3塁となりました!」
木村「ライナーではなくゴロだったところが不運な感じがしますね……やっぱり交代した方が良いと思うんですが?」

鬼頭「ふう、ここまで抑えられないとはな!」

ガキッ!
赤崎「良いボールだ!」

倉田「148キロのストレートに当てますが結果はピッチャーゴロに終わり3アウトチェンジです!」
木村「危ないピッチングでしたが良く4点で抑えられたと言うべきですか?」
倉田「試合は4回を終わって5対3とヤクルトスワローズが逆転に成功しました!」
木村「鬼頭ですが4回を5失点とお世辞にも誉められませんね。ただ将来性はあると思いますよ。まあ5回も続投させるならその真価も観られるかも知れませんが……」

星野「ご苦労だったな」
鬼頭「これで降板か?」
星野「まあな。今日のスワローズは打線が凄いから恐らく続投するピッチャーも抑えるのが難しいだろう」
鬼頭「おいおい。ドラゴンズの名キャッチャーのセリフとは思えないぞ!」
星野「別に試合を捨ててるわけじゃない。ただの事実だ。だからこそお前には5回まで投げて欲しかったんだが」
鬼頭「悪かったな!」
星野「正直ボールは普段と比べて落ちてるし失点は仕方ないってとこだな。まあ今度はもっと調子良い場面で投げさせるよ!」
鬼頭「俺のボール、そんなに悪かったか?」
星野「今日はな」
鬼頭「…………ハッキリ言う奴だ」

土丸屋「打者1巡はせずか」
赤崎「理由は分かりませんがたまに良いボールが来るんですよね?」
土丸屋「だからあの低めに手を出したわけか」
赤崎「自信はあったんですけどね」
土丸屋「まあ俺もエラーで出塁したわけだから偉そうな事は言えないがな」
赤崎「5回も投げるんでしょうか?」
土丸屋「さあどうだろうな?」
赤崎(できればもう一度打ちたいと思うんだけど……無理かな?)

9回表 ヤクルト13−2中日 4回以降も得点が続き試合はスワローズ優勢のまま進んで行った!
倉田「試合もいよいよ9回に入ります。11点差と試合は決まったも当然ですが最後まで放送させてもらいます!」
木村「4回の逆転がすべてでしたね。代わったピッチャーも打たれてばっかりと今日のスワローズは打線が凄かったですね!」
倉田「そしてこのまま完投かと思った本郷選手でしたがここで交代し最後は守護神の生井選手がマウンドに向かいます!」
木村「ちょっと意外な起用ですね。この場面なら生井でなくとも問題ないと思うんですけど?」

生井「それじゃ気楽に終わらせますか!」

ガキッ!
真田「なんてシンカーだ!?」

倉田「バントヒットの得意な真田選手でしたがここは普通に打ってピッチャーゴロに終わり1アウトです!」
木村「生井のシンカーは変化が凄いですからルーキーにはきついでしょうね」

生井「次も問題なく抑えるとするか!」

ガキッ!
福浦「これは高速シンカーか」

倉田「続く福浦選手もシンカーを打ち損じて2アウトとなりました!」
木村「真田に投げたのとは別のシンカーとやはり生井は鉄壁ですね!」

生井「ここからは面倒だが、まあ抑えさせてもらいますか!」

ズバ―――ン!
大上「何っ!?」

倉田「最後は144キロのストレートを見逃し三振! 試合終了です!」
木村「決め球がストレートですか、大上だけでなく我々も裏を掻かれましたね!?」
倉田「試合は13対2でヤクルトスワローズの勝利です! そして今日のヒーローは逆転3ランの姫川選手です!」
木村「昨年は悪かったですが今年は良いですね。このまま優勝すればMVPの候補の一人になるんでしょうね」

ヤクルトスワローズ
松田監督「今日のヒーローは姫川だが、本郷も良かったとこの調子なら2ケタ狙えるだろうな」
本郷「そのつもりです!」
姫川「俺も昨年の成績で衰えとか言われたしまだまだ若いところを見せないとな!」
滝沢「しかしこれだけ大差で勝てるのも気持ち良いですね!」
光宗「こう言うシーズンもある。そう言う意味じゃ1年目でこのチームに入れたお前は幸運だと言えるわけだ!」
滝沢「光栄に思います!」
界外「活躍した奴らは良いよな」
朝霧「そうか、スタメンでノーヒットはお前だけだったな」
界外「ピッチャーの本郷でさえバッティングで大活躍したんですよ!?」
時雨「まあこう言う試合もたまにはあるさ!」
赤崎「そうですよ!」
界外「はあ(これでスタメンはまた遠のいたな)」

中日ドラゴンズ
大村監督「終わって見れば大差負けか」
星野「仕方ありません。こう言う試合もありますよ」
大村監督「そうだな。気を取り直して頑張ってくれ!」
真田「結局、打線もあの2点がすべてと活躍できませんでしたね」
大上「今年は遠山と五十嵐が不調だからな。特に五十嵐の不調のせいで得点力が落ちたな」
真田「五十嵐さんがですか?」
大上「不動の3番打者と出塁率は毎年良かったからな。そして4番の星野と5番の遠山が打点を挙げて行くんだ!」
五十嵐「そこにいる真田が俺の代わりに塁に出てくれてますけどね」
真田「どうもどうも!」
遠山「つまり責任は俺にあると」
福浦「なんか落ち込む材料ばかりですね」
星野「材料が分かれば改善もできる。これから調子を取り戻せば優勝争いに加わる事だって夢じゃない!」
バナザード「まだ5月だからな」
真田(日付が変われば6月ってのは言わない方が良いんだろうな)

中日ドラゴンズ
ヤクルトスワローズ × 13 15
勝利
本郷丈太郎 5勝2敗0セーブ
セーブ
敗戦
鬼頭陸 2勝3敗0セーブ
本塁打
姫川篝11号
今日のヒーロー 姫川篝 4回裏の逆転3ランホームラン!

巨人寮 斎藤の部屋
斎藤「やっぱりスワローズが圧倒的ですね」
球星「ふむ」
斎藤「と言っても2位とは3ゲーム差ですから届かなくもないか」
球星「と言うか手が届く程度には近いな」
斎藤「そうとも言えますね」
球星「ところで例のテレビは?」
斎藤「例の? インスポの事ですか?」
球星「うむ。それだ!」

インフィニティスポーツ
倉田「5月も終わりで現在の順位はこんな感じです!」

チーム 試合 勝数 敗数 引分 勝率 ゲーム差 チーム 試合 勝数 敗数 引分 勝率 ゲーム差
45 27 18 .600 44 27 17 .614
43 23 20 .535 3.0 38 20 18 .526 4.0
44 22 22 .500 4.5 46 23 23 .500 5.0
45 22 23 .489 5.0 45 22 23 .489 5.5
41 19 22 .463 6.0 43 19 23 .452 7.0
44 18 26 .409 8.5 44 18 25 .419 8.5

野村「4月にはやらなかったのに5月にはやるんですね?」
倉田「いえ。4月にはするの忘れてた物で……」
野村「なるほど、しかしこうやって観るとまだまだどこが優勝するか分かりませんね?」
倉田「そうですね。ちなみに5月のMVPはこちらです!」

5月の月間MVP
野手部門 投手部門
滝沢 裕司 斎藤 一
天野 直人 天野 宗介

野村「さすがにそうそうたるメンバーですね。特に兄弟での受賞は凄いですね!?」
倉田「斎藤選手も凄いですよ。負けなしの8連勝中と最下位のチームの半分近い勝数ですからね」
野村「(18勝中の8勝と)たしかに凄いですね!?」
倉田「ちなみに天野宗介選手も8勝で天野直人選手も3割台の打率をキープしております!」
野村「凄いですがどちらも現在最多勝と言うわけではないんですよね?」
倉田「現在の最多勝は石崎選手(阪神)と大山選手(西武)ですね。滝沢選手(ヤクルト)も良い成績ですが本塁打、打点ともに高須選手(広島)には届いていませんね!」
野村「ホームラン争いは高須(広島)と相良(横浜)って感じでしたね。打点争いでは滝沢(ヤクルト)も負けていないんですけどね」
倉田「とタイトル争いはこんな感じです。しかし先月もルーキーと2年目の選手が選ばれましたが今月も若手が盛り上げてくれてますね!」
野村「そう言えばそうですね」

巨人寮 斎藤の部屋
球星「お前の名が出てるな!」
斎藤「本当ですね。俺がMVPか」
球星「ここまで無敗で来ているから当然と言えば当然だがな」
斎藤「これでもそこそこ失点もしてるんですけどね」
球星「防御率も2位だったか、まあ奪三振はさすがと言うべきか一番だったな」
斎藤「防御率は藤堂さん、勝数は石崎がトップですね(まあライアンさんが出て来ればまた変わるかも知れないが?)」
球星「どうした?」
斎藤「いえ。5月は最下位になりましたからこれからもっと頑張らないと思って!」

こうして5月も終わった。斎藤は無敗の8連勝とルーキーとは思えないピッチングを続けているが6月もこの調子で行けるのだろうか?