第61章 みんな集まれオールスター!(前編)

−1997年 7月 中旬−
7月に入っても斎藤は負けなしの11連勝中とファンにも注目されていて現在のオールスターファン投票ではトップだったりもする。
斎藤「うーん」
球星「どうした?」
斎藤「7月に入ってもなんか調子が出なくて」
球星「たしかに勝ち星は1つしかないが防御率を見る限り……少し悪くなっているな」
斎藤「そうなんですよ。防御率1点台が2点台と」
球星「まあそれでも負けが付いたわけじゃないしな」
斎藤「そうですけどね。自分でも何が良いのか悪いのかよく分からないのが問題なんですよ!?」
球星「落ち着け! シーズン中には上手く行かない時期が誰にでもある。そう言うときは」
斎藤「どうするんですか?」
球星「酒でも呑んで忘れて寝ろっ!」
斎藤「えっと? 俺、未成年なんですけど?」
球星「うーむ。それは盲点だったな?」
斎藤「はあ」

斎藤と球星のやり取りは相変わらずで斎藤は調子が良すぎたせいか悪くなって行く事でどんどん落ち込んで行くのだった。

ヤクルトスワローズ
松田監督「今日の相手は阪神タイガースだ。今年は完全にカモにしていると言っても今日のエースはやっかいだ!」
赤崎「こっちの先発は本郷ですか」
朝霧「今年は好調だから良い投げ合いになると思うが」
姫川「竜崎相手だと不安ですか」
本郷「大丈夫です。今年のチームは特にタイガースに強いですから」
光宗「12勝3敗1分だからな。それに相手の竜崎相手に頑張るのは俺達だしな」
滝沢「それはそうですね」
土丸屋「大量得点は難しいが打てない相手でもないだろう」
時雨「打線ならこっちの方が上だしな」

阪神タイガース
山岡監督「今日の相手は苦手としているスワローズだがエースの竜崎だし……大丈夫だろう?」
全員「そこはちゃんと断言してくださいよ!」
山岡監督「3勝しかしてないんだから仕方ないだろう。昨日は引き分けだったし」
竜崎「今日は俺が完投しますから大丈夫ですよ!」
山岡監督「ダメだ! お前の投球回数は最高でも5回だ。これは絶対だ!」
竜崎「大げさですよ?」
山岡監督「とにかく俺が納得するまで投球回数は制限させてもらう!」
竜崎「やれやれ分かりましたよ」
天道「ここでケガが悪化して球界のエースを亡くすわけには行かないだろう。監督の気持ちも分かってやれよ!」
竜崎「だから大げさですってば」
咲良「うーん、となると中継ぎが不安かな?」
守屋「ふっ、無敗の僕がいるんだ。今日も勝てるさ!」
咲良「うーん、たしかに守屋さんは無敗ですけどね(防御率がちょっとな)」
ブライアン「打てば良し!」
藤原「力入ってるなー」
鎖是「昨年の成績が不本意だったんだろう。今年は特に力があるな」
井上「それより今日も俺がスタメンなんですが?」
山岡監督「うむ。ファーストじゃお前が一番調子が良いからな」
井上「そうですか」
山内(ここのところ三振ばっかりなのにな。こう言うと控えの選手に悪いけど期待されすぎるのも少し気の毒かな)
小野(俺はいつも通りやるだけだ)

−1997年公式戦 明治神宮野球場
朝霧 一葉
後攻 先攻
VS
鎖是 修
赤崎 銀 咲良 空
土丸屋 信吾 天道 出流
滝沢 裕司 ブライアン
姫川 篝 小野 正宗
光宗 正 藤原 翔
時雨 隆宗 井上 和人
丸目 奏 山内 努
本郷 丈太郎 竜崎 武蔵

放送席
倉田「ヤクルトスワローズVS阪神タイガース、17回戦の試合をお伝えします。解説役は元ヤクルトスワローズの守備の名手こと村上彰文(むらかみあきふみ)さんです!」
村上「よろしくお願いします」
倉田「今日の先発は今年好調の本郷選手と、好成績ですが好調とも言い切れない竜崎選手の投げ合いとなっております」
村上「普通なら好調なんですが球界のエースとしては好調とも言い切れないと竜崎のすごさが伝わって来ますね!」
倉田「スタメンなんかは井上選手以外はいつものって感じですね」
村上「まあそうですね」

1回表 ヤクルト0−0阪神 今日の先発は4年目で先発柱の1人となった本郷!
本郷「ここで抑えて俺もエースの座を争いたいからな(まあライアンさんが現役な限り俺がエースと呼ばれる事はなさそうだけどな)」

カキ―――ン!
鎖是「思っていたよりあまく入って来たな」

倉田「切れ味抜群の高速スライダーに見えたんですがあっさりと打たれてノーアウトランナー1塁となりました!」
村上「コースがあまかったのもありますが鎖是が上手く打ちましたね」

本郷「いきなり打たれたか」

コツンッ!
咲良「ほっ」

倉田「続く咲良選手は送りバントを決めてこれで1アウトランナー2塁となります!」
村上「ちょっと危なかったですが成功しましたね」

天道「ふっ!」

カキ―――ン!
本郷「なっ!?」
赤崎「とおっ!」

パシッ!
天道「意外にやるな」

倉田「サード抜けるかと思いましたが赤崎選手がキャッチしサードライナーに終わり2アウトです!」
村上「少し危なかったですがまあプロならあれくらい捕れなきゃダメですよ!」

本郷(やはり赤崎さんのところに飛ぶと怖いな。まあ赤崎さんも普通に守備はできるんだが)

ズバ―――ン!
ブライアン「チッ!」

倉田「144キロのストレートを空振り三振! 3アウトチェンジです!」
村上「最後はあっさりと終わりましたね。しかし本郷の立ち上がりは少し不安がありますね」

光宗「コントロールに少し不安があるがボールはキレている。少しずつ調子を上げながら行くぞ!」
本郷「はい!」

咲良「せっかく送りバントを決めたのに」
ブライアン「悪かった」
鎖是「まあまあ次で打てばいいよ」
天道「次か」

1回裏 ヤクルト0−0阪神 本郷は先頭打者に打たれるが後続は止めて無失点に抑える!
竜崎「さてと俺も抑えるとするか」

ガキッ!
朝霧「右と左の違いはあるがさすがに本郷以上のスライダーを投げるな」

倉田「朝霧選手はセカンドゴロに終わり1アウトです!」
村上「あのスライダーは球界一でしょうね」

竜崎「次は昨年に比べて打率が落ちている赤崎か」

カキ―――ン!
赤崎「おっし!」

倉田「こう言うとなんですがちょっと意外でしたね。赤崎選手がスライダーをライト前に運び1アウトランナー1塁となりました!」
村上「私も次の土丸屋からだなと思っていたのですみませんとしか言いようがないですね」

土丸屋「ここか!」

カキ―――ン! パシッ!
小野「………………」

倉田「一瞬抜けるかと思いましたがサード真正面でしたね。表と似たような終わり方で2アウトランナー1塁で滝沢選手となりました!」
村上「なんか妙な感じがしましたね。まあ会心の当たりが守備の真正面に行くなんてよくある事ですからね」

竜崎「さてと問題はここか」

ククッ!
滝沢(手か出なかった!?)

倉田「スライダーは外れてフォアボール! ランナー1、2塁で迎えるのは姫川選手です!」
村上「衰えが来ていると言われてましたが今年は絶好調ですからどんな結果になるのか楽しみですよ」

竜崎「最後はこいつだな!」

ズバ―――ン!
姫川「なっ!?」

倉田「最後は155キロのストレートに手が出ず見逃し三振に終わり3アウトチェンジです!」
村上「最後も表と似たような感じで終わりましたね」
倉田「1回が終わりましたが両投手共にそれなりに好調っぽいですね」
村上「球速や変化球のキレを見る限り2人共調子は良さそうですね!」

竜崎「調子は良いつもりなんだけどな」
山内「捕っている身としては十分良いと思いますよ」
竜崎「ははっ、しかし相手打線も良いしお前のリードがこの試合を決めることになるかもな」
山内「ははっ(プレッシャーかけないで欲しいんだけどな)」

姫川「しかしよく打てたな?」
赤崎「なんか偶然当たった感じなんですよね」
滝沢「正直、俺は手が出ませんでした」
朝霧「俺もだな」

8回表 ヤクルト10−5阪神 竜崎もヒットは打たれる物の無失点には抑えると良い立ち上がりを見せた!
倉田「好調と言う言葉は一気に吹き飛んで試合は8回表です。10対5とスワローズが大差で勝っております!」
村上「1回はなんだったんだってくらい打ち合いの展開になりましたからね」
倉田「竜崎選手も残念ながら5回を持たずに降板しました。5回も竜崎選手ならこの展開はなかったんじゃないかとも思いますが?」
村上「たられば言っても仕方ないですよ。とにかく後2回でタイガースが逆転できるかですね」
倉田「奇跡は起こるのか、是非とも注目しましょう!」
村上「大げさですよ。まあ気持ちは分かりますけどね」

本郷「まずはこいつからか」

カキ―――ン!
山内「また当たった!?」

倉田「ここで再びセンター前ヒット! 前の打席に続いて打ちます!」
村上「本郷も5失点と代えてもいいんですが、何故か松田監督が引っ張りますね?」

本郷「俺のスタミナはまだまだ落ちてないぜ!」

ガキッ!
守屋「打つのは無理か」

倉田「ここで代打は出さず守屋選手がそのままバッターボックスに向かいましたが結果はショートゴロに終わり1アウトランナー1塁となります!」
村上「普通は代打の場面なんですが、守屋を代えたくはなかったんでしょうね」
倉田「山岡監督はまだまだこの試合をあきらめてないって事ですね」
村上「ええ」

鎖是「………………」

カキ―――ン!
本郷「さすがに打つなー」

倉田「レフト前ヒット! 鎖是選手はこれで猛打賞です!」
村上「さすがは3割打者ですね」

本郷「マジできつくなって来たなー」

ガキッ!
咲良「ここで打って猛打賞になりたかったのにな」

倉田「ショートゴロに終わりこれで2アウトランナー1、2塁となります!」
村上「鎖是はスローカーブを綺麗に打ちましたが咲良は完全に打ちそこなうとこの辺りが2人の差なんでしょうね」
倉田「ここで迎えるのは3番の天道選手と普段のタイガースならチャンスなんですが?」
村上「今日はノーヒットと完全に抑えられてますからね」

天道「………………」

ガキッ!
滝沢「くっ!?」

倉田「当たりそこねでしたがファーストの頭を越えた! しかしランナーは返れずこれで2アウト満塁となりました!」
村上「残念な当たりでしたが運が良かったですね。しかしこれで今日ホームランを打っているブライアンに繋がりましたね」

本郷「マジかよ! ここまで来たら結果はどうあれ一生懸命投げるだけだ!」

ズバ―――ン!
ブライアン「ムッ!?」

倉田「最後は外れてフォアボール! 押し出しでタイガースが1点を返します!」
村上「本郷はコントロールも良くメンタルも強いんですがまだ若いですからね。ここから抑えられるかが不安ですよ?(しかし松田監督はなんで交代させないんだ?)」

小野「………………」

カキ―――ン!
本郷「またやっちまった!?」

倉田「スプリットを綺麗に打った! センター前ヒットでランナーが1人返ってこれで10対7と3点差まで来ました!」
村上「今日の本郷のボールは良いと思うんですがよく打たれますね?」

藤原「俺も続かないとな!」

カキ―――ン!
本郷「………………」

倉田「タイムリー2ベース! これで2人返って1点差となりましたね!」
村上「こう言う事が起こるから野球は怖いですね!?」
倉田「これで2アウトランナー2、3塁となります! そして打者一巡一歩手前の井上選手からとなります!」
村上「妙な言い方ですね? しかし今日はノーヒットの井上ですからね」

本郷「なんとか抑えないとな!」

カキ―――ン!
井上「やったぜ!」

倉田「左中間を抜けた! ランナーは2人返って逆転! 打った井上選手はセカンドを飛び出している! 挟まれて残念ながら3アウトチェンジです!」
村上「井上らしいですね。しかしこれで11対10で逆転しましたね!」

本郷「すみません」
光宗「気にするな。ボールじたいは悪くない。スタミナもまだあるし裏で逆転すれば勝利投手の権利も手に入るだろう」
本郷「2ケタ失点している時点で今年最悪の登板ですから勝ち投手の権利は別にいいんですけどね」
 光宗「そう言うな。監督はお前に最多勝のタイトルを獲って欲しいんだろう」

井上「すんません! 調子に乗りすぎてしまって!?」
山内「そんなに気にしなくてもいいよ。それに逆転打を打った相手を責めるわけもないし」
井上「守備で挽回させてもらいます!」
山内「うん(正直、守備には不安があるけど)」

8回裏 ヤクルト10−11阪神 まさかの逆転で再びタイガースが有利となる!
守屋「こいつで決める!」

ククッ!
土丸屋(これは外れる!)

倉田「さすがは土丸屋選手! 見送り外れてフォアボールです!」
村上「これでノーアウトランナー1塁で滝沢ですか」

守屋「舐めてもらっちゃ困る。これでも昨年の中継ぎ王だ!」

ククッ!
滝沢「このシンカーは打ちにくい!?」

倉田「期待の4番、滝沢選手でしたがここはシンカーを空振り三振し1アウトランナー1塁となります!」
村上「守屋が年上の意地ではなく実力を見せたってところですか」

姫川「たたく!」

カキ―――ン!
守屋「っ!?」

倉田「入った! シンカーをライトスタンドに叩き込む逆転2ランホームラン! これでスワローズが再び逆転しました!」
村上「とんでもない試合になりましたね!?」

守屋「シンカーを多投しすぎたかな?」

ガキッ!
光宗「スライダーか」

倉田「光宗選手はスライダーを引っかけてショートゴロに終わり2アウトです!」
村上「これで2アウトですか」

守屋「大丈夫! きっと表で逆転してくれるさと言う気持ちで投げよう!」

ガキッ!
時雨「打ち上げたか」

倉田「これは高く上がったセンターフライに終わり3アウトチェンジです!」
村上「なんか逆転したら後続のバッターがあっさりと打ち捕られて終わりますね?」
倉田「まあまあとにかくこれで12対11で再びヤクルトスワローズがリードしました!」
村上「タイガースは下位打線からだし不利とは言えませんねさっきの回はそれで大量得点しましたからね」

山内「余裕ありますね?」
守屋「ここまで無敗で来ているからね。僕には天運があるんだよ!」
山内(この人、苦労人のわりに余裕があるよなー)
守屋「まあまあここまで来た以上、味方を信じるまでだよ!」
山内「たしかにそうですね」

丸目「やっぱり打ちにくそうですね」
時雨「まあな。打った姫川さんがすごかったって事だろう」
丸目「それでは俺達は守備で貢献しますか」
時雨「そうだな」

9回表 ヤクルト12−11阪神 逆転に次ぐ逆転でついに阪神タイガースの敗北か?
倉田「試合はいよいよ9回に入ります。逆転でついにタイガースがスワローズのコンプレックスを越えるかと思いましたが現状はまたしても追い込まれた感じです!」
村上「12勝3敗1分とタイガースは今年、スワローズに3勝しかしていませんからね。苦手意識があるのはたしかでしょうけど」
倉田「とにかくこのまま終わるのか? またしても逆転はあるのか? 注目の9回です!」
村上「マウンドに向かうのは代わって生井ですね」
倉田「はい。生井選手は今年も調子は良いんですが何故かセーブは付かないんですよね」
村上「まあ中継ぎや他のピッチャーも調子が良いですから」

生井「後3人、抑えるとするか!」

カキ―――ン!
山内「嘘?」

倉田「得意のシンカーをレフトスタンドに叩き込んだ! これで阪神タイガース、同点に追いつきました!」
村上「ここで昨年2ホーマーの山内の同点弾が出るとは思いませんでしたよ!?」

生井「いきなりやっちまったか」

ズバ―――ン!
守屋「ラッキー!」

倉田「ここでも何故か代打は出さず守屋選手でしたがここはよく見てフォアボール!」
村上「よく見たと言うより手が出なかったって感じですね。守屋をそのまま出したのは守屋には勝利を呼び込む力があるからと山岡監督が思ったからじゃないでしょうか」
倉田「スワローズとの相性からしてゲン担ぎのような物でしょうか?」
村上「多分ですけどね」

生井「気を取り直してと!」

コツンッ!
鎖是「後は後ろに任せるだけだ!」

倉田「鎖是選手はここで送りバント! ピッチャーの生井選手が捕ってファーストに投げてファーストはアウト! しかし1アウトランナー2塁となりました!」
村上「次は今日当たっている咲良ですし期待はできるかも知れませんよ」

生井「送らせたんだ。こいつはここで抑える!」

クルッ!
咲良「しまった!?」

倉田「バルカンチェンジを空振り三振! これで2アウトランナー2塁です!」
村上「お見事! しかしいまだに一打で逆転のピンチでもありますね」

天道「うらっ!」

カキ―――ン!
生井「ぬっ!?」

倉田「シンカーを綺麗に打った! 打球は左中間を抜けてランナーは返り打った天道選手はセカンドに止まります!」
村上「前の回ではあれでしたが今回は完全に狙って打ったと天道らしいバッティングでしたね!」

生井「やれやれ」

ガキッ!
ブライアン「打たされたか」

倉田「ブライアン選手は打ち上げてライトフライに終わり3アウトチェンジです!」
村上「追加点のチャンスだったんですが、しかしこの回も逆転とまたしてもでしたね」
倉田「はい! 試合はいよいよ9回裏、1点リードしている阪神タイガースが守り切れるかです!」
村上「しかしこんな試合展開になるとはさすがに読めませんでしたね」

本郷「………………」
生井「すまん」
本郷「いいんですよ。元はと言えば俺がふがいなかったからですから」
生井(コメントに困るな)

ブライアン「力み過ぎたのが悔やまれるな」
天道「そこは気にしなくてもいいでしょう。後は守るだけです!」

9回裏 ヤクルト12−13阪神 ヤクルトコンプレックスを克服できるか阪神タイガース?
倉田「試合は9回裏、13対12で阪神タイガースがリードしております! ちなみにマウンドに向かうのは守護神の城戸選手です!」
村上「逆転した事で守屋もお役御免になりましたね。あそこで代打を出したら……っとそう言えば守屋はフォアボールで出塁しましたね。失礼」

城戸「行くぜ!」

ガキッ!
丸目「ファーストライナーか」

倉田「期待のルーキー丸目選手でしたがフォークを打ち損じて1アウトです!」
村上「打数は少ないですが3割打っている好打者でもありますからね」

界外「うらっ!」

カキ―――ン!
城戸「っ!?」

倉田「150キロのストレートでしたがライト前に運びます! これで1アウトランナー1塁となりました!」
村上「ここで今日、3塁打を打っている朝霧ですか」

城戸「負けるか!」

ガキッ!
朝霧「あちゃー」

倉田「朝霧選手はピッチャーフライに終わりこれで2アウトランナー1塁です!」
村上「次は一発もある赤崎ですが」

城戸「うぉ―――!」

ガキッ!
赤崎「終わった!?」

倉田「最後はショートゴロに終わり試合終了です! 13対12で阪神タイガースが逃げ切りました!」
村上「相性差が出ると思いましたが最後は城戸が実力を見せましたね!」
倉田「しかし長い試合でした! 阪神タイガースはヤクルトコンプレックスと言われてましたがこの試合でそれを克服できたのでしょうか?」
村上「残念ながら残り試合を考えると今年はカモにされた結果は変わらないでしょうね。残りの試合で意地を見せて欲しい物です!」

阪神タイガース
山岡監督「どうなるかと思ったがこの2連戦は負けずに終わったな!」
鎖是「昨日は引き分けでしたけどね」
守屋「無敗の男が登板したんだから当然です!」
山内「けど防御率はまた上がりましたけど」
守屋「それを言ってくれるなよ。これでも気にしてるんだから」
小野(他の球団ならもっと下がっているんだろうな)
天道「それで竜崎は大丈夫なんですか?」
山岡監督「ああ。違和感があったから4回で降りてもらっただけだ。ドクターの話では軽い症状なのでオールスターも1イニングくらいなら問題ないだろうと言ってたな。まあドクターとしてはオールスターを休んで休養して欲しいと言っていたが、竜崎はな?」
守屋「あれで頑固なところがありますからね」
山岡監督「そうなんだよ。まあ球界の宝を壊すわけには行かないしそれに今年は石崎が入ったおかげで楽ができていると思うし?」
咲良「登板数を見ると酷使しているようにしか見えないですけどね」
山岡監督「まあ完投の数は昨年も下がっていたが今年は昨年以上に下がっているしな」
ブライアン「投げられないのは悔しいだろうな」
藤原「ですけど、今年は石崎のおかげで竜崎さんも気持ち良く投げている感じがしますけどね」
井上「たしかに」

ヤクルトスワローズ
松田監督「ふう、1敗1分と悪い結果に終わったが、気を取り直して明々後日のジャイアンツ戦から頑張ろう!」
滝沢「そうですね」
本郷「まあ打たれた俺達が悪いんですけどね」
生井「まあな。12点もらって勝てなかったわけだしな」
界外(この人も敗戦投手になったわりに余裕あるよな)
光宗「その責任なら俺にもあるな」
朝霧「光宗さんがリードしていて大量失点も珍しいような?」
光宗「たしかに今年では最大の失点だったな。ただ6月には2ケタ失点はなかったからその事を意識していて記憶に残っているんじゃないか?」
朝霧「………………」
姫川「相変わらずデータ野球だよな」
時雨「俺は久々にホームランを打てた気がして満足だったな」
土丸屋「勝てれば最高でしたけどね」
時雨「まあな。だが負けるときは負けるしな。幸い、俺達には余裕もあるしな」
界外「ですね」
赤崎「俺もそれなりに打てたしな」
丸目(そう言えば光宗さん以外はヒット打っているんだよな。ピッチャーの本郷さんすらも打っていると……嫌な事に気付いてしまったな)

阪神タイガース 13 15
ヤクルトスワローズ 12 14
勝利
城戸代 2勝0敗6セーブ
セーブ
敗戦
生井実 4勝2敗5セーブ
本塁打 ブライアン21号 山内努3号
時雨隆宗12号 姫川篝24号
今日のヒーロー 天道出流 9回表の勝ち越し打!

インフィニティスポーツ
倉田「さてともうすぐオールスターですが熱い高校野球はどうなっているかと言えば……」
野村「……甲子園はまだですよ」
倉田「とにかく来週はオールスターです。みなさん今から期待しましょう!」
野村(ごまかしたな)
倉田「とにかく結果はこの通り!」

12−13 4−9 1−10 1−5 7−4 2−6

野村「ジャイアンツは負けてますね」
倉田「負けるときは負けますからね」
野村「そりゃそうですけど」

巨人寮 斎藤の部屋
斎藤「来週からオールスターか、竜崎さんは出るのかな?」
球星「そいつは分からんが、ケガで欠場するのなら仕方ないんじゃないか? オールスターは個人成績やチーム成績には関係ないしな」
斎藤「球星さんって昔の人なのにその辺りはシビアと言うか、今風なところがありますね」
球星「まあ長く生きれば変わるのも人間だからな」
斎藤(ここはツッコムところなのか?)
球星「それはそうとオールスターまで後何試合くらいあったかな?」
斎藤「明日はベイスターズ戦で後の3連戦の相手がスワローズだから4試合ですね」
球星「ふむふむ。ならまだまだ楽しめるわけだ」

中日ドラゴンズ
大村監督「今のところ1勝1敗と今日勝てば勝ち越しだ!」
瀬戸「3連戦はそうですけど、今年の通算だと6勝10敗と差がありますよ」
大村監督「たしかにそうだが今日はエースの登板だからな」
瀬戸「プレッシャーかけて来ますね」
大村監督「うちの100勝投手だからな。ここでぜひとも勝ってくれなきゃ困る!」
真田「カープの先発も守部さんとベテラン対決ですからね」
瀬戸「年もだが年数は結構離れているけどな。まあ俺もそろそろ活躍しないとな!」
星野「あまり無理をしてケガを増やされても困るので5回を目標にお願いします!」
瀬戸「おう!(ケガの事を考えるとモチベーションを上げるのも難しいな)」
福浦「相手は今年不調と言われている守部さんだがこのままなら2ケタ行きそうとやっぱりやっかいな人だよな」
大上「全盛期に比べて能力は落ちているし問題ないだろう」
遠山「そうですね。俺が入った頃の事を考えると打てなくはないです!」

広島東洋カープ
福井監督「今年はカモにしているドラゴンズだが今日の相手はベテランの瀬戸と久々の登板だ!」
吉田「瀬戸さんか、天狼学園の監督の息子さんだったかな?」
福井監督「うむ。まあ親子仲の事は知らんが瀬戸がドラゴンズのピッチャーとして活躍して来たのはたしかだな」
守部「今年ほど悪いのも珍しいですね?」
福井監督「今年はケガに泣いてるからな。昔にもケガで活躍できない時期があったが今年は特に悪いらしい」
高須「そう言う時期が守部さんもありましたね」
守部「ああ。ピッチャーやっていたら嫌でもそう言う事はあるからな」
嵯峨「ピッチャーとバッターならバッターの方が寿命が長いのか?」
香住「そう言う説はあるね」
雨宮「まあ瀬戸とは同期だしケガに負けて引退して欲しくないって気持ちはあるな」
道仏「そうだな」

−1997年公式戦 ナゴヤドーム−
真田 和希
後攻 先攻
VS
雨宮 渉
福浦 孝之 八雲 利
大上 吉宗 常葉 新太郎
星野 哲也 高須 光圀
バナザード 道仏 念字
遠山 章太 嵯峨 蓬
五十嵐 高志 吉田 毅
山根 信広 香住 祐真
瀬戸 孝太 守部 柊人

放送席
倉田「中日ドラゴンズVS広島東洋カープ、17回戦をお伝えします。解説はドラゴンズで活躍した名一塁手の松平晴太( まつだいらはれた )さんです!」
松平「そこは首位打者を獲得したとか言って欲しかったですね!」
倉田「これは失礼しました。それはそうと今日のピッチャーは瀬戸選手VS守部選手とベテラン対決となりましたね」
松平「そうですね。守部はともかく瀬戸はケガが完治していないらしいので気になるところです」
倉田「それではカープが有利と」
松平「うーん、カープも逆凪のケガのせいか嵯峨がスタメンですから断言はできませんがカープが有利と見ますね」
倉田「そうですか、それでは試合が始まります!」
松平「久々の解説なので楽しませてもらいますよ!」

1回表 中日0−0広島 ドラゴンズの先発は久々の登板の元エースの瀬戸!
瀬戸「最初は雨宮か、こいつも昨年は悪かったし衰えているのかな?」

カキ―――ン!
雨宮「良し!」

倉田「いきなりライト前ヒット! 瀬戸選手は136キロのストレートと力が入りませんでした! ノーアウトランナー1塁です!」
松平「速度が出ていませんしコントロールもあまかったと瀬戸らしくないボールでしたね!」

瀬戸「いきなり打たれてしまったな」

カキ―――ン!
八雲「スライダーもコースがあまかったな」

倉田「スライダーを打った! 打球は三遊間を抜けてこれでノーアウトランナー1、2塁です!」
松平「今のスライダーはボール球にする予定だったんでしょうがコースがあまくストライクゾーンに入ってしまいましたね」

瀬戸「次は常葉か、なんとか抑えないとな!」

カキ―――ン!
常葉「おっしゃ!」

倉田「入った! スローカーブをライトスタンドに叩き込んだ! これで一気に3対0となりました!」
松平「得意のスローカーブをライトスタンドですか、こりゃ今日の瀬戸はとんでもなく悪そうですね」

高須「追加点と!」

カキ―――ン!
瀬戸「っ!?」

倉田「スローカーブを打った! 打球は左中間を抜けて打った高須選手はセカンドに止まりこれでノーアウトランナー2塁です!」
松平「本当によく打ちますね……今日のカープ打線は恐ろしいですよ」

瀬戸「………………」

ガキッ!
道仏「しまった!?」

倉田「道仏選手は打ち上げてようやく1アウトです!」
松平「あまいコースのストレートでしたが力み過ぎと道仏のミスに助けられましたね」

瀬戸「ようやく1アウトか」

カキ―――ン!
嵯峨「おっし!」

倉田「嵯峨選手も打った! 打球はショートの頭を越えますが高須選手はセカンドに止まったまま1アウトランナー1、2塁となりました!」
松平「バナザードの判断が良かったですね。高須もバナザードの強肩と無理に勝負するのはやめたんでしょう!」

瀬戸「ふう」

ククッ!
吉田「打ちにくい!?」

倉田「吉田選手はスローカーブを空振り三振! これで2アウトランナー1、2塁となりました!」
松平「しかしまだピンチと1回から敗色濃厚な試合展開ですね」

瀬戸「後1人!」

ククッ!
香住「ふう」

倉田「最後はスローカーブが外れてフォアボール! これで2アウト満塁となりました!」
松平「本当に飽きさせない試合展開ですね」

瀬戸「今度こそ!」

ガキッ!
守部「むう」

倉田「守部選手は打ち上げて3アウトチェンジです!」
松平「チャンスだったんですけどピッチャーの守部じゃ仕方ありませんね」
倉田「しかし1回表で早くも先制点を取るとカープがリードします!」
松平「この後の試合がどうなるかは守部のピッチングしだいですかね?」

瀬戸「すまん」
星野「いいえ。リードする俺が情けないだけです」
瀬戸「いや、お前のミットから外れたところに投げる俺が悪いよ」
星野「目標は5回です。5回3失点なら試合を壊さずにすみます!」
瀬戸「そうだな。試合はまだ始まったばかりだ!」
星野「俺達もなんとか守部さんから打って見せます!」

雨宮「しかし1回で打者9人か」
八雲「そう言う意味じゃ3失点で抑えただけマシとも言えるな」
常葉「逆に3点しか取れなかったですか?」
守部「いや初回で3点あれば十分だ!」
吉田(香住さんのリードを参考にしないとな!)

1回裏 中日0−3広島 瀬戸は1回で5安打3失点と完全に立ち上がりを失敗する!
守部「こっちは3人で終わらせるぞ!」

ズバ―――ン!
真田「こう言うノビて来るストレートって苦手だなー」

倉田「期待のルーキー真田選手でしたが空振り三振に終わり1アウトです!」
松平「たしかに真田って3割打っているしルーキーとしては大した物なんですがこう言う三振見ていると技術がまだまだなルーキーなんだなって思いますね(つまり伸びしろはまだまだあるって事だからな!)」

守部「まずは1人と!」

ガキッ!
福浦「打ちづらい」

倉田「福浦選手はなんとか当てますがセカンドゴロに終わり2アウトです!」
松平「真田も福浦もストレートに手が出ませんね(福浦は一応当てたけど)」

守部「最後はこいつだ!」

ガキッ!
大上「ノビて来たなー」

倉田「148キロのストレートを打ち上げてセンターフライに終わり3アウトチェンジです!」
松平「なんかあっさりと終わりましたね」
倉田「はい。守部選手は三者凡退と立ち上がりの良さを見せましたね!」
松平「瀬戸とは印象が真逆な立ち上がりでしたね」

守部「今日こそ完投したいんだがな」
香住「試合の流れしだいではそれも問題ないですよ」
守部「俺も年だからな。だんだんスタミナも落ちて来た気がするし」
香住「200勝までもう少しじゃないですか?」
守部「まあな。できれば今年中に170勝は行きたいところだ!」
香住「僕も手伝いますよ!」

星野「守部さんは好調か」
真田「140キロ後半は出ていますからね」
福浦「守部さんは尻上がりだから回を重ねる事にやっかいになるぞ」
星野「そうだな(早い展開で捕まえたいところだ!)」

2回表 中日0−3広島 守部は瀬戸と違って三者凡退と好調なピッチングを見せる!
瀬戸「これ以上の失点はまずいからな!」

ガキッ!
雨宮「ん? 1回より速くなったか?」

倉田「140キロのストレートを引っかけてピッチャーゴロに終わり1アウトです!」
松平「140キロですか、前の回に比べて良くなっていますね!」

瀬戸「まずは1アウトだ!」

ガキッ!
八雲「スローカーブは変化が大きいか」

倉田「スローカーブを引っかけてファーストゴロに終わり2アウトです!」
松平「ふむ。コースは少しあまく見えましたが変化が大きい分打ちにくかった感じがしますね」

瀬戸「後1人!」

カキ―――ン!
常葉「この程度のストレートは通用しないぜ!」

倉田「142キロのストレートをレフト前ヒット! これで2アウトランナー1塁です!」
松平「この回は3人で終わらせると思ったんですが上手く行かないみたいですね(そして高須が相手と嫌な予感しかしないぞ!)」

高須「やはりこいつで来たか!」

カキ―――ン!
瀬戸「っ!?」

倉田「見た瞬間分かるホームラン! バックスクリーン一直線! これでカープが更に2点を追加します!」
松平「今日の瀬戸は悪すぎますね。まあ高須の調子が良いのもあるんでしょうけど」

星野「落ち込んでる暇はありませんよ。今日は5回が目標なんですから!」
瀬戸「そうだったな」

ガキッ!
道仏「今日最速か」

倉田「最後は144キロのストレートを打ち上げてセンターフライに終わり3アウトチェンジです!」
松平「今日最速って調子が良いのか悪いのか分かりませんね?」

瀬戸「2回5失点か、今日は完全に失敗だな」
星野「申し訳ないです」
瀬戸「いや俺のボールに力がないからだな(正直、ここまでひどいと5回は持ちそうもないな)」
星野「試合は始まったばかりです。勝敗の行方はまだ分かりませんよ」
瀬戸「そうだな(このさい俺の成績はどうでもいいか、何よりも試合に勝つ事だな)」
星野(俺からの打順だな)

嵯峨「相変わらず良く打つ奴だ!」
高須「俺からポジション奪うならお前も俺以上に打ってくれよ!」
嵯峨「ああ!」
吉田(仲が良いのか悪いのかどっちなんだろうな? 険悪ってわけじゃないんだけどなー)

2回裏 中日0−5広島 カープは更に2点を追加すると瀬戸はなんとか続投している!
守部「今日は打線の援護もあると勝利投手にはなれそうだな!」

ズバ―――ン!
星野「打てなかったか」

倉田「最後は外れてフォアボール! 警戒しすぎたんでしょうか?」
松平「いえ。普通に勝負に行って外れたって感じですね」

守部「歩かせたか」

ガキッ!
バナザード「なるほど、ノビて来るな」

倉田「バナザード選手はストレートを打ち上げてセカンドフライに終わり1アウトランナー1塁となります!」
松平「瀬戸のストレートも守部と同じくノビて来るんですが、この差はなんでしょうね?」
倉田「それを解説するのが松平さんの仕事だと思いますが?」
松平「そうでした。違いはやはり球速ですかね?」

守部「とにかくこの調子で抑え続けるぞ!」

ガキッ!
遠山「俺にはドロップかよ!?」

倉田「遠山選手はドロップを打ち上げてサードフライに終わりこれで2アウトランナー1塁です!」
松平「たまに変化球は投げているんですが、打ち捕った変化球は今日初めてですかね?(だから今日初めて変化球を見た感じがするのか?)」

守部「こいつで決める!」

ガキッ!
五十嵐「打てないボールじゃなかったんだけどな」

倉田「いつもなら楽々打ちそうな場面でしたが今年はやはり絶不調なのかピッチャーゴロに終わり3アウトチェンジです!」
松平「あの程度のフォークなら楽勝に打つ奴なんですけどね。今年は2割半ばとやはり調子が悪いんでしょうね」
倉田「まだ2回が終わったばかりですが5対0と広島東洋カープがリードしております!」
松平「守部も調子が良さそうだし大量得点は難しいかも知れませんね。まあまだ2回が終わったとチャンスはあると思うんですが?」

守部「今日は完投が目標だからな」
香住「正直、抑えているとは言え球数が多いですね」
守部「やっぱりか」
香住「はい。ですがまだ2回です。このまま打線が頑張ってくれば休む時間もありますしね」
守部「そうか(なんか年を取ったって感じがして余計堪えるような?)」
香住「次の回は僕にもまわるか」

山根「まだ2回ですけど、ノーヒットなんですよね?」
五十嵐「ああ。打てないボールじゃないし次の回かその次の回でヒットは出ると思うけどな」
星野「それより守りだ! 瀬戸さんは続投だからしっかりと守って行くぞ!」
山根「は、はい!」

9回表 中日2−10広島 結局は大差でカープがリードする試合となった!
倉田「試合は9回に入ります。最初の予想通りと言うか予想以上にカープが大量得点に成功する試合となりました!」
松平「こう言うのはなんですが、もう試合の結果は覆ら(  くつがえ  )ないでしょうね」
倉田「そうですね。観てくれているファンの為には否定したいところですがさすがに無理でしょう」
松平「でしょうね」

稲垣「やれやれこの回で終わりか」

ガキッ!
香住「僕も今年は調子が悪いな」

倉田「フォークを打ち損じてピッチャーゴロに終わりまずは1アウトです!」
松平「カープは得点ばっかりの回が多くてこの回も怖かったんですが大丈夫そうですね」
倉田「次のバッターはピッチャーの西條選手ですが何故か代打は出さないみたいです?」
松平「理由は分かりませんが福井監督の事だし何か考えがあるんでしょう?」

西條「なんで代打じゃないんだよ?」

カキ―――ン!
稲垣「何っ!?」

倉田「一二塁間抜けた! まったく気にしていませんでしたが西條選手がヒットを打ちました!」
松平「正直、私ももう雨宮の打席の事を考えてました」

雨宮「年下には負けんぞ―――!」

カキ―――ン!
稲垣「やるな」

倉田「ライト前ヒット! シュートを綺麗に打ちました! これで1アウトランナー1、2塁です!」
松平「嫌な展開ですね」

稲垣「まだランナーはホームに返っていない!」

カキ―――ン!
八雲「やった!」

倉田「右中間を抜けた! ランナーは1人返ってこれで1アウトランナー2、3塁です!」
松平「マジですか!? ここで追加点とは驚きですね!」

常葉「こいつを待っていたんだぜ…………あれ?」

ククッ!
稲垣「くそっ!?」

倉田「スライダーは外れてフォアボール! 1アウト満塁となりました!」
松平「ここで高須と歩かせる事もできないじゃないですか!?」

稲垣「どんなにすごいバッターでも10割打てるわけじゃない。ここで止める!」

カキ―――ン!
高須「良いコースだったな!」

倉田「フェンス直撃! ランナー一掃のタイムリー2ベース! スライダーを見事に打ちました!」
松平「そうですね。コースも変化も良かったからスタンドまで届かなかったと言いたいところですが普通はヒットも困難なんですけどね」

稲垣「まだだ!」

ガキッ!
道仏「打てなかったか」

倉田「最後はストレートを打ち上げて2アウトランナー2塁です!」
松平「ようやく2アウトですね。それにしても香住の打席を見て大丈夫だと思ったのは間違いでしたね!」
倉田「そして次のバッターは今日ホームランを打っている嵯峨選手です!」
松平「逆凪の代わりに頑張っている2年目の選手ですね」

稲垣「行けえ!」

ククッ!
嵯峨「これが俺と高須の差か」

倉田「最後はスライダーを空振り三振し3アウトチェンジです!」
松平「ようやく終わりましたね。しかし今日のカープは本当に良く打ちますよ!」
倉田「広島東洋カープ! 更に4点追加しこれで14対2と突き放します!」
松平「後は裏の攻撃で終わりですね」

稲垣「すまん」
星野「いいえ。今日の試合は俺のリードが悪かったですから」
稲垣「球界一の頭脳の持ち主が悪かったって事はないだろう。と言うかカープの方がチーム防御率は悪かったような?」
星野「ええ。ですがチーム打点は向こうの方が圧倒的に上ですから悪いと言うなら打てなかった俺達にも責任はありますね」
稲垣「ははっ、少し楽になったよ。それじゃ後はよろしく頼むな!」
星野「はい!」

嵯峨「俺は打てなかったがお前は打てたな」
高須「ああ。だが今は打てなくても……」
嵯峨「……ふんっ! いずれ打てばいいか、お前とのスタメン争い負けないからな!」
高須「ああ。楽しみにしてる!」

9回裏 中日2−14広島 カープ打線は止まらず12点差の9回裏に進む!
倉田「試合は9回裏と、終わりはすぐそこです! しかしここで意地を見せてもらいたい中日ドラゴンズ!」
松平「まあ頑張って欲しいところではありますね」
倉田「マウンドに立つのは先ほどヒットを打った西條選手です!」
松平「あそこで代打を出さなかったのは謎ですが? 結果的にはこれで良かったんでしょうね」

西條「3人できっちりと終わらせるか!」

ククッ!
真田「うわっ!?」

倉田「真田選手はスライダーを見逃し三振なんですが真田選手って三振はそんなに多くないのに私が観る試合はいつも三振しているシーンばかりな気がするのは気のせいなんでしょうか?」
松平「私に質問されても困ります。ただ私もそれなりに三振するところは観ますよ!」
倉田「そうですか、おっと、失礼しました! まずは1アウトです!」
松平「西條は3年目と若いですが既にベテラン並みの風格と実力がありますね!」

西條「さてと次は福浦さんか」

ガキッ!
福浦「ドロップか?」

倉田「ドロップカーブを引っかけてサードゴロに終わり2アウトです!」
松平「やはりそうそうは打てませんか」

西條「こいつで決める!」

ズバ―――ン!
大上「まさかのストレート!?」

倉田「ここまで変化球多投でしたが最後は151キロのストレートを見逃し三振! 試合終了です!」
松平「最後は3人ときっちりと抑えましたねっとそう言えばカープのピッチャーは普通に抑えてましたか」
倉田「とにかくこれで試合終了! 14対2で広島東洋カープの勝利に終わりこの3連戦を2勝1敗で勝ち越します!」
松平「まあ今年の通算では結構負けているんですけどね」

広島東洋カープ
福井監督「今日は打って良し守って良しと完勝だったな!」
守部「残念ながら完投はできませんでした」
香住「すみません」
福井監督「いや大事なのは勝利だ! 昨年は惜しくも10勝は逃したわけだが今年こそ達成してくれ!」
守部「まあそれは言われなくても目指しますけどね」
吉田「それにしても今日は全員ヒットが打てましたね!」
雨宮「こう言う日もあるから野球は良いよな!」
嵯峨「昨日も大量得点だったし明後日のベイスターズ戦もそうやって打ちたいですね」
道仏「そうだな」
常葉「今日はホームランも結構出たし最高だったな!」
八雲「うむ」
高須「西條さんもお疲れ様でした!」
西條「仕事をしただけだ!」

中日ドラゴンズ
瀬戸「………………」
大村監督「もういいから明日に切り替えような」
星野「明日と言うか明後日はタイガースが相手ですね。バッターで怖いのはブライアンさんくらいでしょうか?」
真田「へえ〜だったら瀬戸さんはそっちで登板させたら良かったのにね」
瀬戸「………………」
真田「あっ!? ごめんなさい」
遠山「まあ次の登板で頑張りましょう」
瀬戸「ああ。ありがとな」
福浦(今年は瀬戸さんの調子が悪いからなかなかチームが勝てないって言われているからなー)
バナザード「今日勝てなかった理由はオレ達にもある!」
大上「そうだな。クリーンナップはまったく打てなかったからな」
山根(俺は打てたからな。明日……じゃなく明後日もか……頑張らないとな!)
五十嵐(早く帰って休みたいなー)
稲垣「………………」

広島東洋カープ 14 20
中日ドラゴンズ
勝利
守部柊人 5勝4敗0セーブ
セーブ
敗戦
瀬戸孝太 1勝1敗0セーブ
本塁打 常葉新太郎7号 高須光圀25号 道仏念字21号 嵯峨蓬5号
今日のヒーロー 守部柊人 7回2失点の好投!
高須光圀 5打点の活躍!

巨人寮 斎藤の部屋
斎藤「高須さんは2年目のジンクス関係なしの大活躍だな」
球星「うむ。あれほどのバッターはめったに現れないだろうな」
斎藤「そうですね」
球星「いやたしかお前と同じルーキーにもいたな。なんと言う名前だったか?」
斎藤「……えっと?滝沢ですか」
球星「おう。それだそれ」
斎藤「そうかあいつも新人王獲りそうな成績だからな」
球星「うむ。来週のオールスターでは2人共チームメイトと頼もしいかぎりだな」
斎藤「そうですね(そうか、もう来週なんだな)」

こうして前半戦は終わって行きいよいよオールスターの発表が始まる。