第二話  突然の訪問者

城本が入ってから一週間がすぎ。日陽高校野球部は合宿に入った。
それぞれの良さが存分に成長し、合宿は終わりのほうに近づいていた。
早いもので秋季大会まであと1ヶ月をきっていた。


 監督 んーやはり、思い通りいかないな。

 赤羽 どうしたもんかね。

 城本 はぁ・・・はぁ・・・

初日に投げたチェンジアップ以外の球を城本は諦めきれず投げ込んでいた。
だが、思い通りには変化せず、たまに変化するもフォームがストレートとまったく
違うため簡単にバレてしまう。

 監督 やはりフォームがまったく違うな。

 赤羽 だけども、チェンジアップはタイミングをずらして三振を取りいくための球だから大会を勝ち抜いていくために、ひっかけてゴロにする球も必要なのも事実だよね。

 監督 そうなんだよな。

 城本 っかしいなぁ、チェンジアップは思い通りに腕が振れるのだけどな。

 監督 そこが城本の不思議なところだよな、普通チェンジアップのほうが難しいだろ。

 城本 僕、天才ですから!!

 赤羽 まぁ本当の天才なら他の球も覚えられるでしょ。

 城本 !!!!!!!

 監督 はいはい、いいから練習続けておけ。俺は他の部員をノックしてくるから

 城本 はーい・・・・・



 監督 上手く行ったとしても、大会を勝ち抜いていく為に、投手が城本だけだと

心許ないよな・・・・・・っと今はそんなことより、ノックしなきゃな。

 相模 よっしゃ来い監督!!!

 監督 よし、行くぞ!

カキーン!

 相模 なんの!

バシッ!ビシュッ

 相模 ナイス守備!!

 監督 自分で言うもんじゃないぞ・・・まぁ次!

カキーン!

パシッ!ビシュッ


 日向 あーあ、補習やっと終ったよ。練習遅れてマジブルー・・・・ん?

日向の何気なく見た先には、小柄な男の子がひたすら練習を見ている。

 ??? いいなぁ・・・・・

 日向 なにが、いいんだい?ボーイ

 ??? うわー!!!!!!!



 日向 いやースマンスマン、驚かせる気はまったくなかったんだよ。

 ??? いや、いきなり目の前に顔が出てきたら誰でも驚くと思うよ・・・・

 日向 それはそうと、ボーイ。何をしていたのかね?

 ??? ここから、野球の練習見てたんだ。

 日向 むっ!!入部希望者?

 ??? いや、そういうわけではないんだけど

 日向 でも、野球好きなんだろ?

 ??? えっまぁ好きだけど・・・・

 日向 じゃあ、万事OK!!一緒に野球やろう!

ガシッ

 ??? ちょっ!ちょっと!!!

 日向 監督―♪

 監督 おっ日向。また補習か・・・ほどほどにしとけって・・・・  なんだそれ?

 日向 それとは失礼な!入部希望者ですよ!!

 監督 入部希望者なら歓迎だが、今にも死にそうだぞ・・・・

 日向 えっ?

 ??? ・・・・・・・・・

日向は無理やり連れて来たため、小柄な男の子はバランスを崩し、引きづられグラウンドまで来たのだ。

 監督 大丈夫かね?

 ??? な、なんとか・・・・・・

 日向 いやースマンスマン。

 監督 それはそうとして、この入部希望者はなんて名前なんだ?

 日向 それはやっぱり!!・・・・・知りません。

 監督 どういうことやろ

 ??? 僕は、勝手に連れてこられたんで、まだ入部するとは言っていません。

 監督 どういうことやろ

 日向 いやーグラウンドの隅っこで、目キラキラさせて練習のぞいてたから
てっきりやりたいんだと思って。それに今夏休みなのにやりたくないならわざわざ学校来ないだろうし。

 監督 ・・・・・・・

 ??? そりゃ野球好きだから本当はやりたいですけど・・・・・・・

 監督 ・・・・・・・・訳アリか?

 ??? 僕、病気なんです・・・・・

 監督 そうか・・・・・

 ??? なので迷惑をかけるわけには行かないんで・・・失礼します。

 監督 ・・・・・・君、名前は??

 ??? 千葉・・・千葉 健(ちば けん)です。

 監督 やはりな・・・・

 日向 えっ?

 監督 彼はおととしの全中優勝チームのエースだ。

 千葉 よしてください・・・・昔の話です。

 日向 だったら尚更やろうよ!

 千葉 勝手なこと言うなよ!

 日向 ・・・・・・・・

 千葉 ゴ、ゴメン・・・・・・・

 日向 ・・・・そんなにひどいの?

 千葉 いや、まだ初期段階だからそこまでは・・・けど、体力がなくなってて長時間投げれないんだ・・・・

 日向 ・・・・それだけ??

 千葉 えっ?

 日向 だから、それだけかって聞いてるの

 千葉 それだけってなんだよ!!!!!!!

 日向 投げようと思えば投げられるのに君は逃げてるんだ。

 千葉 っ・・・・言わせておけば!!

 監督 言いすぎだ日向。千葉君の気持ちも考えてやれ

 千葉 本当は僕だってやりたいよ!!

 日向 ・・・・・・・

 千葉 中学2年で全国制覇出来てこれからっていう時に病気になった僕の気持ちをわかってたまるか!!!怖いんだよ!みんなに期待されてたのに病気と知った途端みんな離れていった・・・もうあんな思いしたくない・・・・・んだよ・・・・・

 監督 ・・・・・・・・・

 日向 やっと自分の気持ちに素直になったな。

 千葉 ・・・・・・・えっ?

 日向 本当はやりたいって言ったじゃんか

 千葉 ・・・・・・・・

 日向 俺たちと一緒にやろうよ♪

 千葉 ・・・・・・・こんな俺でもいいの?

 日向 もちろん♪ねっ監督?

 監督 ああっ

 千葉 あ・・・ありがとうございます・・・・・

 赤羽 おーい!

 丹波 監督、そろそろノッカー替わってもらいたいんですけど

 監督 っと、スマンスマン

 日向 キャプテン!新入部員連れてきました!

 赤羽 マジでか!そいつぁナイスだ!

 千葉 千葉健です。ピッチャー希望します!

 赤羽 マジでか!ありがたい!城本一人では心許なかったからね!

 城本 えっ!早くもライバル登場!?

 日向 なんと、千葉っちは、おととしの全中優勝チームのエースだったんだ!

 千葉 まっまあ僕一人で優勝したわけじゃないけどね・・・・

 赤羽 な、なんと!それは頼もしいな!!こりゃ城本いらないか?

 城本 えっ俺、主人公なんだけど・・・

 赤羽 えっ?そうなの?

 城本 !!!!!!!!!

 千葉 ・・・・・・・・・・

 赤羽 まぁオチもついたから、良かったんでない?

 城本 全然良くないっす!

 日向 じゃぁ千葉っちこれから一緒に頑張ろう!

 城本 くそう!負けないからな!!!

 千葉 えっ・・・・ああ、うん・・・・・・

千葉の能力は未知数だが、人数が増えたことで大きく前進した日陽高校野球部。
そんな中、千葉はこのようなやり取りを見て、入るのを早まったかと早くも後悔していた。