無数のフラッシュが視界をおおいつくす……今日は待ちに待った入団会見。ドラフト1位で入団した和泉に注目が集まっている。
「ではこちらに向かってポ−ズをお願いします!」
「はい!」
和泉は調子良く答えながら本当にプロになったのだと感動していた。
「おお、君がルーキーの和泉くんか! はじめまして、ワシがオーナーだ」
「ええーはじめまして(おおう! いきなりオーナーとあいさつとは!?)」
「プロでやる以上、1年目からレギュラー目指してくれよ」
「はい!(当然、目指すは新人王だ!)」
「達成できたあかつきには、年俸には期待してくれたまえ。では、よろしく頼むぞ」
(年俸か、まだ考えてもなかったけど、こう言う事も考えていかなきゃならないんだよなー)
いきなりのオーナーのあいさつで和泉は驚いたがこれから頑張らなきゃと決心もするのだった。
いよいよ今日は入寮日、寮の前にはたくさんの人がいるようだが?
「横浜DeNAベイスターズの期待のドラフト1位ルーキー和泉選手です!」
(なんだ?)
「こちら毎朝テレビです。意気込みの方を一言お願いします!」
「あっ、東日スポーツの者です! こちらにも一言!」
「えっと?」
困惑する和泉だったが記者連中はそんな事を考える時間もくれずに質問攻めにされてしまう。
「目標とする選手は誰ですか!?」
「一年目の目標をお聞かせください!」
「ライバルは誰ですか!?」
「出世部屋だそうですが、ご感想は!」
「ファンに一言お願いします!」
「好きな女性のタイプは!?」
報道陣に捕まってしまった……和泉だったが困惑していると?
「和泉くん! こっちだ、こっち!」
その声に導かれてかあっさりと和泉は報道陣からの逃亡に成功する。
「さすがドラフト1位だな。注目度が違う」
「
あっ、あぶなーい!!」
和泉があなたは誰と質問する間もなく何処からか危険を知らせる言葉とボールが飛んでき見事に和泉に命中する!
「っ痛、なんなんだ!?」
「わりーわりー。キャッチボールしてたら手がすべっちまった!」
(ん? どっかで会ったような顔だな?)
和泉が文句を言う前にさっき助けてくれた人物が言い返す。
「困るな。キャッチボールはちゃんと練習場でやってくれんと」
「すいません、気をつけます」
どっかで会ったような人物は和泉の顔を見て何かに気付いたように和泉に話しかける。
「おっ、おまえ和泉だな?」
「ああ。それでお前は?」
「同期の
奥居だ。よろしくな!」
「ああ(そうかどっかで会ったような奴と思ってたんだよな……しかしそれだけか? ま、それだけだよな……まさか前世で会ったわけじゃあるまいし)」
「では話の続きは寮に入ってから行おう」
(結局、この人は誰? ……そう言えばこの人も会った事があるような? これが
既視感か?)
「ここがアンタの部屋だ。コホン、ではあらためて……ワシはここの寮長の
長浦すみおだ。アンタも初めてのことばかりだろうから分からない事が多いだろう? 何か聞きたいことがあるかね?」
「いいえ、ありません(なんか前にも同じような事を聞かれたような?)」
「そうか、それならいいんだ。では、今日から始まるプロ野球人生、がんばってくれよ。早く
コツをつかむといい」
すみおがそう言って出て行くと入れ替わりに誰かが入って来る。
「
和泉〜! さっきは悪かったな。おわびと言っちゃなんだが、これやるよ!」
パワドリンクをもらった。
「疲労回復のドリンクか、大学時代にはお世話になったような気もするな?」
「あっ、パワドリンクシリーズは効果抜群だけど、飲みすぎると体に良くないらしいぜ。週に3本までくらいが良いらしいぜ。気をつけろよ!」
「へえー知らなかったな(まあ高いし、しょっちゅう飲むものでもないしな)」
こうして寮長すみおや同期の奥居と出会いキャンプに向かうのだった。
「よーし、みんな集まってるな。ちゅうもーく!!」
「あー、改めまして……横浜DeNAベイスターズの監督を任されている中畑だ」
「同じく横浜DeNAベイスターズのコーチの友利だ」
「同じく横浜DeNAベイスターズの2軍監督だ」
「同じく横浜DeNAベイスターズの2軍コーチだ」
(うーむ。顔を覚えるのも大変だなー)
などと和泉が考えながらも話は続いて行く。
「今日から春季キャンプがスタートする。レギュラー選手は昨年以上の成績を、控え選手はレギュラーを奪うつもりで練習に取り組んでほしい」
「今から1軍・2軍の発表を行うぞ!」
和泉は呼ばれず2軍スタートが確定する。
「まあ、いきなり呼ばれる事はないと思ってたしな(けど結構落ち込むところを見ると俺自身も期待してたんだなー)」
「和泉……オイラも2軍だったぜ……」
同期の奥居もどうやら2軍スタートらしい。
「はっはっはっ、すまんな。まずは2軍で見てみようという事だ。……でもな3月1日と8日と15日の
オープン戦で結果を出せば、開幕1軍だってありえるぞ!」
「よーし、オイラたちも開幕1軍めざすぜ〜!」
「たしかにこのチャンスは生かしたいな(俺だって新人王の目標は諦めてないんだからな!)」
「そう、はやるな。キャンプでしか出来ない練習もあるんだぞ」
「知ってます(なんで知ってるのか自分でも分からないんだよな?)」
「そうなのか? じゃあ開幕1軍目指してがんばれよ」
こうして和泉のキャンプ練習も始まった。
「さて、練習も終わったし、そろそろ帰ろうぜ〜」
「そうだな(Vスライダーの習得はもう少しかかりそうだな)」
「
お帰りですか? 和泉選手」
(誰?)
「体の開きがまだ早いようですね。でも、今の状態で過度なトレーニングはケガの元だ。賢明な判断だと思いますよ」
(うむ。俺もそう思ってたんだがこの人は?)
「あっ、深川さんじゃないですか。シュザイですか〜? オイラならいつでも受けますよ〜」
(記者か、なんかベテランって感じだな)
「ああ、いや。今日は和泉選手にごあいさつをと思ってね」
(おおう! 俺って結構注目されてるのか?)
「どうも、ベイスターズの番記者をやらせてもらって
る深川です。
タマスポの記者をやらせてもらっています」
「はじめまして」
「和泉選手はセンスがある。オレは眼力には自信があるんだ。期待してますよ」
「ありがとうございます!(こう言われるとますますやる気が出るな!)」
「今期は大物ルーキーも多い。他球団の注目ルーキーの事をお教えしましょうか?」
「ぜひ教えてください」
「注目選手は、やはり千葉ロッテマリーンズの藤岡投手ですね。一級品の変化球がすばらしい」
(いきなり違うリーグの選手だな。まあ交流戦で投げ合う機会もあるし聞いとくか)
「広島東洋カープの野村投手も注目です。無尽蔵のスタミナがすばらしい」
(同じリーグで投げ合う機会も多そうだがまたピッチャーか、まあ新人王争いで意識する相手かも知れないし覚えておこう)
「埼玉西武ライオンズの十亀投手も注目です。一級品の変化球がすばらしい。彼らはまだまだ伸びますよ!」
(注目ルーキーは俺を含めてみんなピッチャーだったな)
「もしお時間がある日は、こちらに連絡いただけませんか? 簡単な取材をお願いしたいんで」
こうして番記者の深川とも出会い和泉はますますプロ野球選手らしくなって行くのだった。
「なんかよ〜。もっと春季キャンプでガーッと成長するのかと思ってたけど……いまいち成長が実感できないんだよな〜」
(まあ普通は能力とか見れないからな?)
「
おいおい。先は長いんだぞ。」
「あっ、コーチ!」
「すぐに結果を求めるな。日々の地道な取り組みが大切だぞ。まずは試合だ。活躍しだいで、成長も見込めるぞ」
「そうか、練習だけでなく試合でも成長できるのか」
「春季キャンプと試合後が成長するチャンスなんですね!」
「その通りだ。しかも! シーズン終了後には、特殊能力が付く可能性もあるぞ」
「最多勝とか獲ったら勝ち運とか付くとかそんな感じなのかな?」
「シーズン終了後にも成長のチャンスがあるんですね」
「うむ。しかし特殊能力は良いものばかりとは限らんからな」
「悪い能力も付くのかー。」
「勝てなければ負け運とかもあるわけですね」
「成長するためには、1軍で結果を残すのが重要だ。疲れがたまると、成長がニブるから、体力には気をつけろ。逆に、年を取ると、シーズン終了後に衰えを感じ始めるだろう。日々の行いにもよるが、30歳前後になったら衰えを感じやすいみたいだな」
「なるほど……」
「30歳と言うと俺は6年後になるのか」
「よーし! オイラ、体調管理に気を付けてずっと現役バリバリで活躍するぜ〜」
「たまには休みの日にでも監督やコーチに
相談してみろ。あとはチームメイトと
親交を深めるのも重要だろう。これから先出会う人たちの連絡先を知ったら、積極的に連絡してみるのもいいだろう。野球ばかりが人生じゃないってことだ。嫁さんも見つけにゃーならんしな。」
「嫁さんか、何年先になるのやら、いやまずは彼女からか」
「あ〜あ……」
「どうした?」
「見てみろよ」
(ズバーン)(ズバーン)
「山本選手だ……和泉……同じポジションだぜ。ああ、はるかなるかな。レギュラーの座……」
(能力見る限り負けてる気はしないんだけどな?)
「
何をいきなりたそがれとるか」
(ふむ。関係ないけど、とりあえず青文字は顔を出してないときと言う事だな)
「あっ、コーチ」
「プロのレベルの高さを目の当たりにして、危機感をおぼえている……そんなところか?」
「ごめいと〜う……です」
「まあ、いきなりクビにしたりはせんから落ちついて結果を残せ。試合で結果を残せば、首脳陣の評価が上がる……首脳陣ってのは監督や俺のことだな。評価が上がれば1軍でプレーする機会も増えてくるぞ」
「ふむふむ。なるほどね……監督の評価は上げておけってことですね〜」
「まあ、そういうこった」
「よーし。さっそく監督にお茶でも入れてこよっと!」
(いやそれは違うだろう!)
「バカもん! プレーでアピールしろと言ったろ! 困ったやつだな」
(やれやれだな)
「和泉、ちょっといいか?」
(ん? まだなんかあるのか?)
「お前、ピッチャーだが。自分の打席にはこだわりたいか? それとも投球に集中したいか?」
「(ふむ。どっちだろう?)とりあえず今は投球に集中したいです」
「よし、わかった。お前はピッチングに集中しろ! 休日に相談してくれたらいつでも変更可能だからな」
「
おい、和泉!」
(なんか最近こう言うふうに呼び止められる事が多くなって来たなー)
「オマエ宛てのバレンタインのチョコが事務所に届いていたらしいぞ!」
「バレンタインチョコか、いったい何人が!?」
「お母さんから1個だけ届いたそうだ。0個でなくて良かったな」
「現実はこんなもんか、いや活躍すれば別なはずだ!」
調子が下がった和泉だったがそれでもキャンプを頑張って行く。
「ようやくVスライダーを習得したな。こいつを決め球にして活躍するぞ!」
そしてキャンプもいよいよ終わりとなる。
「よーし、みんな集まってるな。ちゅうもーく!!」
(ザザッ!)
「いよいよ来月からオープン戦が始まる」
「若手を積極的に使っていくからな。チャンスと思って精一杯アピールすること!」
「和泉、奥居! グラウンドでは、ルーキーも20年目もない」
「しっかりアピールしろよ!」
「はいっ!!」
「それでは、これから皆で優勝祈願に行くぞ」
「いよいよ実戦だぜ〜! キンチョーするな〜」
「そうだな」
「オイラ、和泉より早く1軍に上がるぜ!」
「いや俺の方が先だ!」
「よーし、どっちが早く1軍に上がるか競争だ!」
「望むところだ!」
(ピロリロリン♪)
「電話か、誰だろう?」
(ピッ)
「もしもし」
「ああ、ちょっといいか?」
「すみおさんですか、どうしました?」
「今日から、いよいよオープン戦だな。その前に
食事について説明しようと思ったんだが……」
「大丈夫です(たしか試合前に食事すると能力が上がるんだよな?)」
「そうか、それならいいんだ。じゃましたな」
(ピッ)
「せっかく連絡くれたのに悪い事したかな?」
和泉は3対3の同点のまま7回に登板した。試合は3対3のまま引分となる。監督には
なかなかの活躍だったなと言われた。
「1回無失点だったけど、ヒット2本だからな。次は頑張らないとな」
奥居と一緒に練習したある日の事だった。
「いやー、いい汗かいたな。たまにはおでんでも食ってこうぜ! オイラのおこりだ!」
ところ変わって屋台に移動する。
「ふー、食った食った。オイラこのままじゃ胃もたれしちゃうぜ。ちょっと近くの公園でキャッチボールでもしていこうぜ!」
「それもいいな!」
(シュッ)(パシッ!)(シュッ)(パシッ!)
「ちょっと強めの行くぜ!」
(スポーーーン)
「あっ……やべえ、チャラそうな兄ちゃん達に当たっちまった!」
「………………」
「和泉! とりあえずボール取ってこいよ。ダッシュでずらかるぞ」
(俺が取りに行くのかよ……まあ、おでんおごってもらったし仕方ないか)
「当たった兄ちゃん達の近くに女の子がいるな。オイラの見立てでは、あの兄ちゃん達にナンパされて困ってる様子だな。ついでに助けてこいよ」
「まあ放って置けないし、いいけどな」
嫌々ボールを取りに行こうとした和泉だったが人助けもたまには良いかと思い女の子を助けに行った。
「だっ、誰でい!? ボールを当てたやつは!?」
(ガシッ)
「あっ……」
「今のうちに逃げるぞ!」
和泉は隙をついて女の子の腕を握りそこから逃げ出す。
(ピュー!)
「ふう、ここまで来れば大丈夫だろうか?」
「あ……ありがとうございました」
「お嬢様! ここにおられましたか!」
(ん? お嬢様?)
いきなり知らない男が現れて助けた? 女の子をお嬢様と呼び和泉は困惑する。
「ややっ! あやしいヤツ!! お嬢様から離れろ!」
「違うんです! この方は……」
「
和泉ー!」
(青文字でこの場面なら呼んでるのは奥居だな)
「てめえがぶつけやがったのか!」
(って今度は奥居がからまれてるんじゃないか)
「見つかっちまった。逃げるぞー!!」
「たしかにこうなると逃げるしかないか!」
「あっ、待ちやがれ!」
「あっ……」
そう言って和泉と奥居は逃げ出した。残された女の子は呆気としてそれを見る事しかできなかった。
「ハァ、ハァ……もう大丈夫だな」
「スタミナには自信があるけど、俺の足でよく逃げ切ったもんだ」
「いやあ、いい食後の運動になったぜ」
「まったくだ。何故か食事したのに疲れがたまってるし」
「今日でオープン戦も終了して、来週から開幕だ。和泉! しっかり戦力になれるよう2軍で調整しておいてくれ! 奥居もしっかり調整しておくように」
「俺なりに頑張ったんだが上には認められなかったか」
オープン戦では3試合登板し3回無失点と言う成績だったが首脳陣には認められず2軍からとなった。
(ピンポーン!)
「ん? 誰だろう?」
(ガチャ)
「あっ、和泉! 今日何の日か知ってるかよ?」
「(今日って何かの日だっけ? 奥居の誕生日とかそう言うオチか?)いや分からないな?」
「知らない〜〜! オイラの誕生日だよ!!」
(まさかだった!? しかしこれも前にもあったような?)
「友人の誕生日にささやかなプレゼントのひとつも無いもんかね〜……」
「すまん(まだ誕生日も聞いてなかったとたしかに考えが浅かったな)」
「まぁ、まだ会ったばかりだからな。今回は大目に見てやるよ。今後は誰かの誕生日には、プレゼントくらい用意しておくもんだぜ!」
(そうだな。付き合う女性とかいたらこう言うところに気を付けないといけないからな)
「大事な予定は、ちゃんとカレンダーに書いてな」
ある日、街に買い物に出かけた。
(ザワザワ)
「あれってプロ野球選手の和泉じゃないか?」
「だれ?」
「ベイスターズの選手だよ。ドラフト1位の期待されている選手だよ」
「将来有望じゃん! サインもらっとこうっと」
「あ、オレも!」
「
和泉選手ー!!」
(ん? 今度は誰だ?)
「サインくださーい!!」
(おおう! まさかのファンか!?)
サインに追われて買い物どころではなかった和泉だったがそれでも嬉しくて喜々としてサインを書いて行った。
「こんにちは。パワフルスポーツです。司会の福田です」
「長谷川です」
「いよいよ今日、プロ野球セ・パ両リーグが開幕します!」
「はたして2012年のシーズンを制するのは、どのチームになるのでしょうか?」
(1軍も始まりか、残念ながら俺は2軍からだけどな)
いよいよプロ野球も開幕だが和泉は2軍からなせいかやや調子が出なかった。
しかし開幕ではチームは負けたが和泉は1回を三者三振と完全に抑えるピッチングを見せた!
「我ながら上出来だったな。2軍の試合なら十分通用しそうだ!」
和泉本人は決め球をVスライダーと思っているようだが今回は150キロのストレートで三振を奪うと現在の決め球はストレートのようだ。
「奥居も4打数2安打といきなり活躍しているみたいだな」
(ビュン!)(ズバーン)(ビュン!)(ズバーン)
「調子が良さそうだな! 和泉!!」
(うむ。生卵を食べたら絶好調になったからな)
「だが気をつけろ。『好事魔多し』調子が良い時に限ってケガしやすいもんだ」
「ケガか……たしかにどんなに調子良くてもケガには勝てないか、コーチの言う通りケガには注意しないとな」
和泉はこれ以降も
普通に抑えて行き奥居も和泉に影響されたかほんのり成長して行く。
今日は合コンの日、コーチに言われた嫁さんの事を気にしてか和泉が奥居に頼んでもらっていた。
「準備バッチリだな。じゃあ合コンに行こうぜ!」
「おう!(うーむ、せっかくの合コンなんだが前に会った女の子を何故か思い出すんだよな?)」
「はじめまして〜」
「
おお、なかなかレベルが高いじゃないか」
(とでも考えてるんだろうな……いまいち奥居の基準は分からないな?)
奥居の張り切りにより、まずまずの盛り上がりを見せ、合コンは終了した。
「
お会計4万円になります」
(レジの人も青文字なんだな。たしかに顔は出てないけどね)
「じゃあ私たちはいくらだろ?」
「いや、お嬢さん方。ここはオイラに払わせてください」
「ホントですか? じゃあお言葉に甘えて」
「
和泉……ワリカンな」
「だと思ったよ。まあ俺が頼んだ事だし良いけどな」
「みんな、集まれー!」
(ガヤガヤ)
「ウホン、今日は恒例の花見大会だ。たまには羽目をはずして、日頃のストレスを洗い流してくれ!」
「ウィース!!!」
せっかくの花見大会だったが酔いに任せてちょっと悪乗りしてしまったせいか調子を落とす和泉だった。
和泉は2軍では無失点イニングスを継続中と絶好調だった。そしてある日、監督から声をかけられる。
「和泉……明日からもうここへは来なくていい……」
(へ? まさかっ!? いや逆か!)
「明日からは……1軍で暴れてこい!」
「やっぱりか! 今日じゃなく明日から1軍だーーー!」
「え〜〜!? 和泉1軍かよ〜!?」
「まあな!」
「マジかよ。くやし〜〜!!」
と言うわけで和泉はあっさりと4月中に1軍入りを果たす。
1軍初の登板は3対3の11回裏スワローズのバレンティンからだった。
「一発打たれたらサヨナラの場面でこの人からか(この人は将来的にすごい記録出しそうな気がするのはなんでだろう?)」
11回は三者凡退に抑えた和泉だったが12回には1、2塁のピンチを迎える事となった。
「まあゲッツーで抑えて同点で試合終了したけどね」
と言うわけで和泉の初登板は2回を無失点で監督には誉められて終わるのだった。
「
和泉! ちょっといいか」
「ん? 誰だろう?(ってこんな場面ばっかりだな)」
「今後の起用法についてお前の要望を聞いておこうと思ってな」
(おおう! 中継ぎを頑張るしかないと思ってたのに要望を聞いてくれるのか)
「
先発と
中継ぎと
抑え。おまえ、どれをやってみたい?」
「もちろん先発です!」
「そうか。考えておこう!」
(
先発投手になったらしいんだけど、これで本当に先発で投げさせてくれるのかな?)
「和泉〜! 大変だぜ〜〜!!」
「今度はどうした?」
奥居が大げさなのはいつもの事なので和泉はすっかり慣れてしまったらしい。
「取材に来るんだよ! あの、長谷川朋美アナが!」
(たしかパワスポの女性だっけ?)
「オイラ大ファンなんだよな〜。野球選手と女子アナだろ?」
「まあよくある話ではあるな」
「恋に進展しちゃったらどうしよう……なんてな〜。オイラ困っちゃうぜ〜〜〜」
「あら、なんだか楽しそうなお二人ですね。何のお話かしら?」
「何って……オイラと長谷川アナがいい感じでよ。妄想の中で、って……ご本人んーーーーー!?!」
「やれやれ」
「あら、私の事をお話しになっていたの? 光栄ですわ。和泉選手と奥居選手ですね? はじめまして。
長谷川朋美です。パワフルスポーツという番組の取材でお邪魔しているんですよ。番組はご存知ですか?」
「はい。よく観ています!」
「あら、うれしい!」
「オイラも毎日観てますよ〜! 長谷川アナを中心に!!」
「あ……ありがとうございます」
(相変わらずだなー)
「和泉選手、私、あなたは一流選手になると踏んでるんですよ!」
(ん? 俺って結構高く評価されているのか?)
「期待してますよ。頑張ってくださいね!」
(テクテク)
そう言って長谷川アナは去って行った。
「あれ? オイラには期待は!?」
とオチもついた事で4月ももうすぐ終わりとなる。ちなみに初先発は7回を無失点10奪三振で初勝利を決めた!
「うむ。今の俺でも7回までなら投げられるんだな。体力を消耗してなければだけど」
4月は防御率0.00、1勝0敗とまあルーキーとしてはそこそこ投げている。
「まあ、まだ1軍に上がったばかりだしな」
5月に入ってからファンからば声をあびたりもしたがそこそこ頑張って行く。
5月最後の登板では試合はサヨナラ負けに終わったが和泉は8回を無失点10奪三振と見事なピッチングを見せた和泉は監督から当然のように誉められる
「和泉! 当面、お前をレギュラーとして起用していこう」
(おおう! ついに俺も先発投手の1人になったのか!)
「よろしく頼むぞ」
「はいっ!」
「責任は大きくなるぞ。結果を出してくれよ!」
(ここからエースになるぞ! ……1年目では難しそうだけど)
「
和泉ーー!!」
(スタンドからだ。好投したとは言え負けてしまったからな)
「次は勝ちにつなげてくれよ!」
(おおう! 今日は声援だったな。頑張れば評価されるもんだな)
5月も終わって防御率1.72、2勝1敗と和泉はやはりそこそこ活躍している。
6月に入っていつも通り奥居と練習する為に電話をかける和泉だったが
(TRRRRR…)(ピッ)
「もしもし、奥居です。どちら様ですか?」
(と言うか君こそ誰?)
いきなり知らない女の子の声が聞こえて困惑するのだった。
「
こら亜美! 勝手に電話とっちゃ、ダメでしょうか?」
しかしすぐにいつも通りの声が聞こえてだいたいの事情は察する和泉だった。
「もしもし! 妹が失礼しました……って、和泉かよ」
「
だ〜れ〜?」
「こらっ、うるさい。テレビでも見とけ。すまん! 今日は妹が遊びに来ててな。また今度ゆっくりな!」
(ピッ)
「兄妹か、奥居も私生活ではお兄ちゃんやっているんだな」
っと奥居の新たな一面を知る事もあった。オールスターの中間発表もあったが当然のように和泉の名はなかった。
「3勝2敗だからな。オールスターに選ばれる事はないか……はあ」
落ち込む和泉だったがしかし関係なしに試合で投げて行く。6月も終わって防御率2.40、4勝2敗とやはりそこそこの活躍をしている和泉だった。
「そこそこなんだよな。まあルーキーとしては頑張っている方だと思うんだけどな」
7月に入って和泉の誕生日もあったが
「なんか飛ばされた感じがするんだよな? 一応奥居が祝ってくれて
パワドリンクゴールドをもらったのは嬉しいんだけど」
オールスターには当然出場できなかったが試合では活躍している和泉だった。
「7月は好調だな。月間MVPを狙えるかも……防御率は良くても2勝しかしてないから無理かな」
7月は特に出会いと言ったイベントもなかったが和泉は防御率2.09、6勝3敗とそこそこの活躍をしている。
「最後の試合はダメだったけど、これで10勝も見えて来たな!」
8月に入った和泉は2ケタ勝利と新人王を狙って頑張って行く。ある日の試合ではチームは負けてしまったが8回1/3を2失点とかなりの活躍をした和泉がチームメイトに誘われて食べに行く事となった。
「和泉、ちょっと食事にでも行かないか?」
(何気に誘われるのって初めてかも……俺って一緒に食事に行く友達いなかったりするのか? 深く考えるのよそう)
和泉はあっさりと承諾し一緒に食事する事となった。
「よし、じゃあ行くか!」
「ああ!(たしか黒羽根とは同い年だったな)」
「今日は、負けたが次は勝とうな」
「ああ。もちろんだ!」
「同い年でメシ食いに来ると、支払いでモメるよな。というわけで、ここはジャンケンで決めようぜ!」
(ジャンケンか)
「最初はグー! ジャンケン……」
「グーだ!」
「よしっ! 勝った!」
「負けた(幸先悪いなー)」
今日は和泉の
負けで終わった。
今日は何度目かの合コンの日、何度も合コンはやったがこれと言った女性は現れない和泉だったがそれでもしつこく合コンを繰り返す。
「準備バッチリだな。じゃあ合コンに行こうぜ!」
「ああ(しかし全然これだと言う女性は現れないな。これでダメなら今日で最後にした方が良いかもな)」
「どうよ? 良い店だろ? 今回は気合入ってんだから!」
そう言われて店の中を確認する和泉だった。
(たしかに今までの店と比べて高そうだな)
「なんたってよ、今日のお相手……あ・の超大手商社
四ツ星商事の看板受付嬢なんだぜ!」
「なんだとっ!?(すまん。まったく知らん)」
【四ツ星商事】世界をまたにかける超大手総合商社。100年を超える歴史を持ち従業員は5万人超、福利厚生もしっかりした優良企業らしい。平均年収は1500万円だとか。うらやましい! 名前の由来は、最高ランクである三ツ星よりさらに上を目指すという創業者のあくなき向上心からだとか。 |
(ふむふむ。ネットは便利だな)
「おっ、来た来た!」
「はじめまして〜」
「
おーっ! 見たかよ、右のコ! 上玉じゃねーか!」
(ん? あれ? どっかで見たような?)
「はじめまして!!」
「和泉様!!」
「あっ!?(思い出した。あの時の子か!)」
さすがに半年以上経っているせいか和泉も前に助けた女の子の事は忘れてたらしい。
「えっ? 和泉??」
奥居の方はまだ思い出せないらしいが話は進んで行く。
「わたくしったら……恥ずかしい!」
そう言って女の子はそこから逃げ出してしまう。
「あやめーーっ!」
(彼女の名前はあやめか……ってそんな事言ってる場合じゃないか)
「なっ……何だったんだ」
「あの子……
平岡あやめっていうんですけど。合コンとか誘っても来た事無いのに、相手がプロ野球選手だって言ったら、名前まで聞いてきて……『行く』って即答だったんですよ。そんなに野球に興味があるように見えなかったんだけどな〜」
「和泉様って……おめえのファンかよ? 珍しい奴もいたもんだぜ」
「はあ?(奥居はまだ気づいてないんだな)」
「んっ、あの子。どこかで会ったか?」
(うむ。これが運命の出会いか……と言いたいけどもう追えないしな。またどこかで会う事はあるんだろうか?)
こうして和泉は運命の出会い? っぽい物に会うのだった。(4月から合コンと練習を繰り返して8月でようやく出会いました。どうも1軍である程度活躍してなければダメらしいです)
「うーむ。8月は全然勝てないな。防御率は悪くないのに勝ち星が付かないんだよなー」
8月も終わって防御率1.92、7勝4敗と和泉はやはりそこそこ活躍する。
9月に入っても勝ち星は付かず気分転換に喫茶店に行ったりもした。
(ガヤガヤ)
「やっぱ矢嶋の音楽は最高だよな!」
「『
アイ・ニージュー・ベイベー』でしょ? しびれるわよね〜」
【アイ・ニージュー・ベイベー】矢嶋剛士の16thシングル曲。スロー・バラードで魅せる珠玉のロックンロール。売上:45万枚(パワフルリサーチ調べ) |
(やはりネットは便利だなー)
「良いよな〜!」
(ふむ。これで特定の音楽を買えるようになるのか)
こうして和泉はオシャレな喫茶店で、昼下がりのティーブレイクを楽しんだ。
9月も終わって防御率2.20、9勝6敗と念願の10勝には届かなかった。
「10月にも2試合あるけど、俺の登板はないし良くて新人王かな。まあ獲れれば十分嬉しいんだけど」
そしてオフシーズンと言うわけではないがBクラスに終わったベイスターズではこの先の試合はなく色々なイベントが始まる。
(コンコン)
「オフシーズンについて説明しようと思ってな」
「いいえ、必要ないです」
「そうか、それならいいんだ」
っとすみおからのせっかくの説明だったが和泉は問題ないと思いあっさりと先に進む。
「あー、ゴホン。今日で2012年シーズンが終了だ。今季は5位のBクラスという結果に終わった……」
(Aクラスだったら俺も10勝できたかもな)
などと和泉が思いながらも監督の話は続いて行く。
「この悔しさを糧に来季は絶対優勝しよう!」
和泉は来年の目標はいまだに決まらずふーんと言う感じで監督の話を聞いていた。
「こんばんは。パワフルスポーツです。司会の福田です」
「長谷川です」
「プロ野球は今日で、全日程が終了しました。これにより、今年度のタイトル獲得選手が確定しました」
「ベイスターズの和泉選手が以下のタイトルを獲得しました」
新人王
「おめでとうございます」
「やったー! 新人王獲ったぞ!」
こうして最後はパッとしないと思った和泉だったが嬉しい知らせを聞いて喜ぶのだった。
「和泉、シーズンが終わったからといって気を抜くなよ。シーズンを振り返って、反省すべき点や課題を洗い出しておけ。それがオマエの成長につながるんだからな」
シーズンを振り返って、良かった点や悪かった点をおさらいした。
「特殊能力は獲得できないか、まあ1年目だしな」
(カシャ!)(カシャ!)
「本日はお集まりいただきありがとうございます。わたくし司会・進行をさせていただく福田です。それではさっそくタイトルの発表に移らせていただきます。最優秀新人のタイトルを獲得しました和泉選手です!」
(パチパチ!)(パチパチ!)(パチパチ!)
(緊張するが嬉しいもんだな!)
そして秋季キャンプも始まった。
(ガヤガヤ)
「よーし、みんな集まってるな。ウホン! 今日から秋季キャンプがスタートする! 来年は日本シリーズに出れるように、各自の弱点強化に励んでほしい! じゃあ今から1軍・2軍に分かれて特訓を行う! 以上、解散!」
「ウース!!!」
「次、和泉! さて、君はこのキャンプで何を鍛えたいんだ?」
「スタミナです!」
「
スタミナをつけたいのか。先発には絶対必要なものだからな。では、
スタミナをつけるためのスペシャルメニューを用意しよう。それでいいか?」
「はい!」
「よろしい。では、準備出来次第、練習を始めてくれ!」
かくして2週間、
スタミナの特訓を続けた。
「残念ながらスタミナは上がらなかったか」
そしていよいよ契約更改と今年最後の勝負が始まる。
(と言っても年俸の交渉はできないらしいからなー)
和泉は残念に思いながらも交渉の席へと向かうのだった。
(コンコン)
「はいりたまえ」
「失礼します」
「おう、和泉くん。まあ、座りたまえ。キミの今の年俸は……1500万円か。では書類を用意するのでしばらく待ってくれたまえ」
(希望は5000万円くらいだな。新人王獲ったとは言え9勝じゃ厳しいかな?)
「待たせたね。きみに出していたMISSIONは『レギュラーを奪え』だったな」
(大丈夫だ。レギュラーは奪って先発の1人として活躍したからな)
「レギュラーを奪えについてだが……よくやった! 見事クリアーだな。この結果をふまえて、年俸は本来の査定より5%上げてやろう!」
(なるほど、MISSIONをクリアすると査定より何%か上がるのか)
「これを踏まえてキミの来季の年俸額だが……」
(ゴクリ…)
「ズバリ、6600万円だ」
「……サインを押させていただきます!(十分だな。想像以上に評価されていたようだし)」
年俸がアップした!
「キミは初めての契約交渉だったな。ウチは野球の成績だけで年俸を決めてるわけではないんだよ」
(そうなのか!? だから俺の想像以上の増額になったのか)
「毎年、役割に合ったMISSIONを課していてね。それをクリアーすれば、年俸査定にも上乗せされるわけだ。逆に失敗した時は……プロの世界だ。言わなくても分かるね?」
(失敗したら減俸ならマシでクビもあるのか?)
「こちらから3つ提案させていただく。受ける受けないは自由だ。では、さっそく……」
(別に受けなくても良いと存外優しいんだな)
「まずは『
目指せタイトル』だ。どうだね? やってみるかね??」
「(ふむ。タイトルか……難易度☆☆☆か)やめておきます」
「そうか……少し条件が難しすぎたかな? 次に『
独り立ちしなさい』だ。どうだね? やってみるかね??」
「(野球の成績だけじゃないってこう言う意味かよ! しかしこいつは恐ろしく簡単だな。独り立ちって寮を出るだけだろう?)それじゃこれでお願いします」
「そうか! では、頼むぞ! 最後に『
スキャンダル厳禁』だ。どうだね? やってみるかね??」
「(へえ。1つだけでなく複数選ぶ事ができるんだな。しかしスキャンダル厳禁? これも独り立ちしなさいと同じく難易度☆かって女性とデートできないか、ある意味きついな)すみません。これは無理です!」
「そうか……少し条件が難しすぎたかな?」
(ある意味、難易度高すぎですよ!)
「ではこれで契約更改は終了だ。来季もしっかり頼むよ!」
こうして初の契約更改は和泉も大満足な結果に終わった。
(コンコン)
「初めての契約更改、おつかれさん」
(誰かと思ったらすみおさんか、そういや引っ越ししなきゃならないし会う機会も減るなー)
「さて、これでアンタは来季もプロ野球選手であり続けることが決まったわけだ。来年になれば入寮してから1年になる。そろそろ寮を出て、自立することも考えた方がいい」
(まさかすみおさんの方でも言ってくるとはな)
「自立することで、プロ意識が高まり、一皮むける選手もいるらしいぞ」
(やっぱり環境が大事って事かな?)
「とはいえ、家を買うのには多くのお金が必要だ」
(違った。俺はアパートかマンションにでも引っ越すつもりだったけど、すみおさんの言うのはマイホームの事らしいな?)
「お金がたまるまでは寮に居てくれていい。まあ、賃貸マンションなら月々の支払いだけで、手っ取り早く自立することができるぞ」
(まあそのつもりだったしね)
「すぐにでも自分の家やクルマを持ちたい場合は考えてみろ」
(そうか、クルマの事は考えてなかったな。デートにはあった方が便利かな? まあ一緒に行く彼女なんていないんだけど)
「みんな、ちょっと聞いてくれ!」
(ガヤガヤ)
「ウホン! 明日、わが軍主催で『ちひっこ野球教室』が開かれる事になった。将来の名選手達にしっかりアドバイスをしてやってくれ!」
「ウース!!!」
「よろしくお願いしまーす!!」
「いいか、ゴロは重心を低くして、打球を体で止めるんだぞ。グラブは、下から上に動かすんだ。」
「はいっ!」
(カーン)(ポロッ)
「あれっ!?」
「いっぱい練習しないとな!」
奥居はしっかりとアドバイスしているらしい。和泉も負けずと子供達に教えて行く。
(カキーン!)(パシッ!)(カキーン!)(パシッ!)(カキーン!)(パシッ!)(カキーン!)(パシッ!)
奥居がふと見るとバッティングも守備も抜群に上手い少年がいた。
「おーっ!!
和泉ー!!」
「ん? なんだ奥居か、どうした?」
「すげーのがいるぞ! 見てみろよ!」
「すげーの?」
(カキーン!)(パシッ!)(カキーン!)(パシッ!)
和泉もふと見ると少年とは思えないバッティングと守備をしている子がいた。
「
キミ、すごいな! センスのかたまりだ。こりゃあプロになれるかもな!」
「聞き捨てなりませんね。プロになれるかもではなくて、プロでどんな記録を残せるしかぼくは興味ありませんよ!」
(なるほど、意識が高いんだな。この子がプロになれる年には俺は引退してるかもな)
「すぐにぼくがレギュラー獲りに行きますんで……それまでせいぜい頑張ってください」
「
おーい、国分ー! 次は打撃練習だ」
「はーーい」
「くっそ生意気なガキもいたもんだなー!!」
「まあ才能のある子供はあんなもんだろう(国分君か、いずれ会う事もあるのかな?)」
こうして野球教室も無事?終わった。
「こうやって見ると俺って夏に強いのかな」
〜某日〜
(ガヤガヤ)
「よーし、みんな集まってるな。聞いてくれ」
「えー、今季の成績を受けて、監督・コーチの変更が行われた。新しく監督に就任した石嶺だ。来季は共に優勝を目指そう!」
(監督が変わるって事は評価も一新されるのかな?)
今季の成績を受けて、首脳陣の刷新が行われた。
「結局、1年目は5位か、来年こそAクラス……いや優勝だな!」
こうして和泉の1年目は終わった。新人王獲得は素直に嬉しい和泉だったが来年は優勝を目標に頑張るらしい。
タイトル |
新人王(2012) |
|
防御率 |
投球回 |
勝率 |
勝 |
負 |
セーブ |
ホールドポイント |
奪三振 |
2012年 |
2.20 |
143 1/3 |
.600 |
9 |
6 |
0 |
2 |
141 |
|