第一話【米国トップアーティスト来日】
2003年10月成田空港
???1「♪〜、ここが日本か。来たのは初めてだ。」
???2「ジャパンはちっせー島国なんだろう?」
???3「でかい声でいうんじゃない。ジャパニーズが睨んでるぞ。」
???4「ああ。それにこの国にはこの国のすばらしい文化がある。」
???2「ふ〜、始まりましたよ。日本フリークの素晴らしきジャパン講座。」
???4「なんだその態度は!!いいか?日本にはおよそ200〜300年前まで
           サムライという男の鏡とも言う人間がたくさんいてだなあ。」
???1「おい、その辺にしてとっとと羽田に向かうぞ。このあとすぐ九州だ。」

俺は久住 純一。アメリカの高校生バンドグループ【Steal】のヴォーカルだ。
このバンドは高校生グループながら全米チャート一位を取る実力のある人気グループだ。
構成はヴォーカルが俺。もっとも、バンドでの名前は瀬田 祐樹だがな。
日本を島国と言った奴がベースのスコット、
それをなだめたのがドラムのスティーブン、そしてあの日本フリークがギターのジョーだ。
俺たちは今回初の来日コンサートを一週間かけ三会場で行う。その幕開けが長崎の佐世保という所だ。

瀬田「Are you exciting?」

キャ――――!!
瀬田(ふむ、新たな発見だ。日本のファンは女性の比率が米国よりが高い)

コンサートもついに最後の一日。会場はここ、埼玉は所沢。明日は一日オフで明後日アメリカへ帰る。
そしてコンサートも終わりファンの出待ちをスタッフの見事な配慮で回避しホテルへ向かった。

スコット「ふあ〜、やっと終わったぜ。」
スティーブン「明日はどうする?一日オフだろう?」
ジョー「俺は東京を回ろうと思う。あそこはいろんなところがあるからな。」
スティーブン「ふ〜ん。・・・ガイドブック買ったな?」
ジョー「もちろん!!ところでジュンはどこへ行く?」
久住「俺は行きたいところがある。」

翌日、俺は東京に行く三人とは別行動で埼玉に残った。そしてある場所に行った。

アナ「本日は日本シリーズ、巨人対西武の模様をお伝えします。
   解説はヤクルトスワローズ新藤 良治選手、近鉄バッファローズ香田 修哉選手です。」

【ヤクルト】新藤 良治
ヤクルトを代表するエース。1998年にドラフト2位で九州大学から入団。
右オーバーから投げ分ける二つのカーブを操る投手。01年に最多勝を獲得。
今季12勝8敗 防御率3.43。

【近鉄】香田 修哉
いてまえ打線の主砲。94年にドラフト3位で倉敷高校から入団。今季FA権獲得、行使の予定。
常にホームランを狙うフルスイングがファンに大人気。97年に本塁打王を獲得。
今季 打率.253 36本 87打点を記録。

オーダー表
先攻 後攻
巨人 西武
菅間 秦 工藤 俊哉
村木 大樹 遠藤 卓司
東堂 武蔵 鴇田 重成
伊集院 総太 ケリー
グレニアス 千葉 裕也
倉崎 秀俊 曽田 英世
奈良 忠司 高田 正志
辻 剛 品川 涼
大小田 雄二 須磨 大輔


久住「日本の野球・・・最近はメジャーでも日本人選手の活躍が目立ってるからな。
見といて損はないだろう。」

アナ「さあ始まりましたね。お二方はどの選手がキーマンだと思いますか?」
新藤「菅間ですかね。巨人には珍しい足のある選手なんでそれを活かせるかどうか。」
香田「西武は間違いなく須磨ですね。80年組の筆頭ですからね。
須磨世代とも呼ばれてますし。」

試合は解説者の言うとおりキーマンの二人が試合の鍵を握った。
破壊力のある巨人打線を西武のキーマン須磨が完全に抑えるのに対し巨人のキーマン菅間は
塁にでることすら出来ない。これにより打線はまったく繋がらず得点は0行進。
それに対し西武は須磨が作った守備の流れを切らずに攻撃にも活かす。
そして6回には打者一巡一挙4点を挙げ6−0とした。
しかし7回表、この流れが命取りになる。

カキ―――ン!!

アナ「これも入った!巨人トップバッター大沼の出塁を機に猛反撃!このイニング二本目の
ホームランでついに同点に追いつきました!!これはどういうことでしょうか。新藤さん。」
新藤「須磨の好調が裏目に出ましたね。前の攻撃が長かったために
守備の流れが途絶えたんでしょう。」
香田「それに大沼の出塁が効きましたね。あそこで抑えられるとまた流れができるんで。」

アナ「なるほど。・・っとまた行ったー!!伊集院のバットから勝ち越しの一発が飛び出した!!
巨人この回一気に逆転!!須磨はここで交代のようです。」
新藤「流れに負けましたね。僕もたまにありますよ。」

ズド―――ン!!

アナ「最後は143キロの直球!試合終了。終わってみれば12−8の打撃戦でしたね。」
香田「やはり流れは怖いですね。うちのチームも猛攻後逆転されることが多いですから。」

巨人 12 16
西武 11
大宮 守 1勝0敗0S
角田 信二 0勝0敗1S
須磨 大輔 0勝1敗0S
本塁打 巨人 園田1号 東堂1号 伊集院1号
西武 千葉1号

久住「ふむ、やはり技術はアメリカのほうが高いな。・・・・しかし」

そして帰りの飛行機内
スティーブン「ふ〜、日本も結構楽しかったな。」
ジョー「だろだろ?それだよ。日本には他国に侵されなかった独特の文化が―――」
スコット「スティーブン、もうジョーは止まらんぞ。お前が責任とってなだめろ。」
スティーブン「俺が?マジっすか?」
スコット「マジだ。お前が原因だからな。」
スティーブン「頼むぜスコット〜。手伝ってくれ〜。」
スコット「断る。この状態になった奴をなだめるのには最低でも30分の時間を要する。」
久住「・・・・・・・・・」

そして時は進み2004年1月
久住「みんな、話がある。」
スコット「なんだ?」
ジョー「今話さなければいけないことか?」
久住「ああ、実は・・・・・」