第四話 【First season start】
――3月26日――
久住「お〜!!ついに今日からMy first seasonの開幕だ〜。」
平岡「お前いいかげんちょくちょく英語混ぜんのやめろ。どっちかに固定しなさい。」
久住「だってそうでもしないと主人公のくせに特徴ねえじゃん。」
平岡「・・・・・・・・・・・・・。」
平岡 昌平
2005年ドラフト2位で西武に高卒で入団。
50メートル5秒2の俊足と堅実ながらも派手さのある守備が売りの遊撃手。
芹名「よし。今年も今日から開幕・・といってもお前らにとっては
11月から始まっていただろうがな。今日は昨年合併したオリックスとの
公式戦初試合だ。それでは先発メンバーの発表をする。」
アナ「さあ2005年シーズンも本日開幕です。解説は元オリックスブルーウェーブの
蔵緒 政綱さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。」
蔵緒「どうも、よろしく。」
蔵緒 政綱
阪急、オリックスに渡り実に21年プレーした外野手。
強肩が自慢で捕殺のありえる状況では打球を取った時点で大歓声が起きた。
通算成績 打率.274 本塁打283本 打点1032打点
主なタイトル 86、89、90、93、95年ゴールデングラブ賞 86、89、93年ベストナイン
アナ「今季の両チームはどう思われますか?」
蔵緒「そうだね。西武は昨年優勝してほぼそのベストメンバーで今季を迎えてるから
昨年どおりつなぐ野球を見せてくれるんじゃないかな?問題はオリックスだね。
合併して昨年よりは底辺は上がってるけど主砲の香田、エースの野乃原
はそれぞれ西武、楽天に入ってしまったんで厳しいかと思います。」
アナ「そうですか。あ、スターティングメンバーが発表されましたね。」
|
アナ「両チームともエースを出してきましたね。」
蔵緒「ええ、須磨は近年怪我が多かったですが今年は万全のようですね。
対する馬宮は昨年までブルーウェーブでエース格として活躍してましたね。」
久住「開幕はブルペンスタートか・・・。」
長野「そりゃそうだろう。今でこそ俺は抑えだが一年目は二軍スタートだったぞ。」
長野 猛
入団当初はパッとしなかったが98年に抑え転向後ブレイク。今や球界を代表するストッパーになった。
150オーバーの直球と落差のあるカーブを軸に相手を斬って取る投球が得意。
昨年の成績 3勝2敗37S 防御率1.74
主なタイトル 00、01、02、04年最優秀救援投手
猪口「そういえば俺も即戦力に期待されたけど最初は洗礼受けましたね。」
猪口 悠馬
99年即戦力として西武に入団。豊富な変化球で打者を手玉に取る。
昨年の成績 7勝5敗0S 防御率3.57
主なタイトル なし
谷田「二人ともいいじゃないですか。俺だって即戦力に期待されてたのに
いまはましですけど昔は・・・。」
谷田 要平
95年即戦力として中日に入団。しかし成績振るわず02年に西武とトレードされた。
その後は心機一転それなりの成績を収めている。
昨年の成績 3勝4敗6S 防御率4.31
久住「ふえ〜、プロで成功するのって結構大変なんすね。」
猪口「そうだぞ。まあ今マウンドに上がってる奴は怪我以外はそうでもないがな。」
ズド――ン!!
アナ「最後は148キロ直球!!須磨、オリックス打線を初回ノーヒットに抑えています。」
久住「へ、須磨さんは苦労とかは?」
須磨「奴は恐らく練習と怪我以外の苦労はしてないな。昔から努力が必ず実を結ぶ男だから。」
猪口「まあ、お前もそんな男を目指せや。」
谷田「俺もあんな男になりたかったよ。」
長野「お前はもう手遅れだ。」
谷田「そんな〜。」
試合のほうは須磨の快投に対し馬宮は粘りのピッチングで何とかしのぐ。
しかしその粘りも7回についに切れる。
カキ――ン!!
アナ「いった〜〜!!香田の先制2ランホームラ――ン!!」
蔵緒「集中力が切れましたね。この試合で一番甘い球。それを見逃さず打った香田もさすがです。」
香田「うっしゃ〜!!今季初ホームラーン!!」
芹名「よし!よくやった香田。須磨、完投いけるか?」
須磨「当然です。スタミナAをなめんでください。」
芹名「スタミナA?」
須磨「俺のパラメータです!!」
芹名「ふ、ふ〜〜ん。(最近こいつ壊れてきたか?)」
馬宮「んあ〜!くそ〜!!香田に打たれた〜〜!!」
小牧「なんでいつもそんなに香田さんに対抗意識張るんすかね?」
馬宮「あいつはいつもいつもいつも俺の上にいるんだよ!野球でも勉学でも
なにもかも!!」
小牧「あの、逆恨みって言葉ご存知ですか?」
馬宮「当然!!だったらなんだ!?」
小牧「いえ。(自覚してねえ人間っていて〜よな〜)」
結局馬宮は7回で降板となった。
猪口「今日は須磨の完投かな?」
長野「ん、俺らは開幕出番無しか。」
谷田「俺としちゃ少しでも多く投げたいですがね。」
長野「それで成績と評価を下げるのか?」
谷田「それを言わんといてください。」
久住「俺は初登板いつになるんでしょうね。」
猪口「どうだろうな。まあ最初は中継ぎじゃねえ?」
谷田「ふふふ。俺と同じ末路をたどるといい。」
久住「ちょっと、マジ怖いです。」
ズド――ン!!
アナ「八回表オリックスの攻撃も最後は2番遠藤を空振りの三振!須磨、ここまで4安打無失点!」
蔵緒「須磨は今日は安定してるね速球もコンスタントに140後半以上でてる。」
アナ「今日の須磨はここまで危ない場面がありませんね。」
蔵緒「ええ、・・・・・だから怖いときもありますが。」
その後代わった砂里から西武は8回裏にアレックスのタイムリーで1点を追加し3−0とする。そして9回表。
アナ「さあ、須磨が九回のマウンドに上がります。・・・とブルペンで長野が投げ始めました。
これはどういうことでしょうか?蔵緒さん?」
蔵緒「さすがは西武の黄金投手。よく分かってますね。芹名さんは。」
アナ「は?」
とその瞬間!!
カキ―――ン!!!
アナ「・・・っと、いった〜〜!!フォアボールのランナー元樹を置いた状況で四番モンゴメリの強烈な一発!!」
蔵緒「代えるね。これは。」
アナ「へ?でもまだ一点差ありますし調子は・・と芹名監督、須磨を代えますよ?」
須磨「何で代わるんですか?納得できません。」
高田「いや、代わるべきです。」
須磨「な!?」
芹名「その通りだ。今日のお前は調子が良過ぎた。そんなときは一度歯車が狂うと直らない。」
須磨「そんな歯車、俺が自分で直して見せます!!」
芹名「俺は直すのが難しいといった覚えはない。直せないと言ったんだ。」
須磨「ぬ!!・・・・・・・・。くっ!!」
アナ「今須磨がマウンドを降ります。だいぶ揉めていたみたいですね。」
蔵緒「おそらくまだ納得してないだろうね。」
アナ「では何故おとなしく引き下がったのですか?」
蔵緒「彼は頭がいいからね。これ以上は無駄だと悟ったんだろう。」
アナ「なるほど。しかし先ほど長野が準備していたと言うことは監督は予測していたんですか?」
蔵緒「あの人の経験からだろうね。よくあったらしいから。ああいう状況。」
クククククク!
アナ「最後は伝家の宝刀カーブボール!!長野、きっちり後続を三人で斬りました。」
蔵緒「最後はカーブか。高田もやはり人の子か。最後はセオリー通りだったな。」
|