第1章 初練習
俺の名前は箕輪 陸(みのわ りく)。投手をやっている。
今日は明清学園野球部の初練習。
?「おーい」
陸「おぉ、おはよう翔」
彼は風岡 翔(かざおか しょう)。幼なじみで共にバッテリーを組んできた。ずっ
と一緒に野球をやってきた仲間だ。
翔「部活どうする?野球部でも見に行くか?」
陸「ああ、そうしよう」
翔「しかし幼稚園、小学校で一緒に野球をやってきたとは言え、肘の故障で
3年間自転車部でやってきただけで大丈夫なのか?」
陸「大丈夫さ。リハビリもやってきたし、もう肘に違和感無いし。」
翔「そうか、ならいいけどな」
実は陸は自転車部の大会でチャンピオンにも輝いた事があるのだ。
?「全員集合!」
陸「おっ集合がかかっているぞ急ごう。」
ザッ
沢「これで新入生は全員だな。俺が明清学園野球部のキャプテン、
沢井知永だ。サードをやっている。」
監「俺が監督の箕輪 巌雄(みのわ いわお)だ。息子が入るらしいが、特別扱いせ
ずビシバシ行くからな。それと今年は村木選手の息子が入る事になっているから
な。」
陸「村木選手って、あのベイスターズのスターの村木翼か?」
監「そうだ。それでは新入部員は各自自己紹介してくれ」
陸「箕輪 陸です。小学校までは投手をやっていましたが、中学では野球を離れてい
ました。
スタミナと変化球には自信があります。」
翔「風岡 翔です。幼稚園からずっとキャッチャーでした。肩の強さやパワーに自信
があります。」
田「田本 剛史(たもと つよし)です。今まで陸上をやってきましたが、野球に惹
かれて野球を始める事に
なりました。足と肩には自信があります。ポジションは外野手です。」
村「村木 彰一(むらき しょういち)です。ポジションはショートです。宜しくお
願いします。」
周「周 賢一(しゅう けんいち)です。身体能力全般には自信があります。ポジ
ションはセカンドです。」
監「これで全員だな。それではこれから新入生はテストをする。」
陸「テスト?」
監「ああ、テストとはいっても試験では無い。実力を見るだけだ。打撃テスト→走塁
テスト→守備テスト→投球 テストの順でやっていく。順番はさっき自己紹介を
した順番で行くぞ。まずは陸おまえからだ。」
陸「はい!」
カーン!カーン!ズザザッ!ズザザッ!パシッ、シュッ!パシッ、シュッ!
そして1時間が経過した…
次は投球テストだ。
新入生で唯一の投手、陸ちょっとついて来い!
陸「(唯一の投手は余計だ)はい!」
監「それでは投げてみろ!」
陸「まずはストレート!」
シュッ!バーン!
監「球速は140`か。なかなか速いな。」
陸「次は変化球!」
ククッ、パーン!ググッ、パーン!
監「ふむ俺がお前が小さい頃に教えたHスライダーとシュートか。ここまで上達して
いるとはな。Hスライダーは3で、シュートは3あるな。」
陸「Hスライダーは3で、シュートは3はある?何の事だ?」
監「まああまり気にするな。これで終わりか?」
陸「いやまだまだあります。ラストはこれだ!」
シューン、ストーン!
監「凄いぞ!今のは何なんだ!」
彼が最後に放った変化球は下に鋭く落ちたフォークだった。
陸「僕が今放った変化球は自信作です。その名もファストレインボールです。」
そして…
監「それではテストでの成績を発表する。」
打撃テスト成績(10球投げて放った安打数) |
箕輪 |
風岡 |
田本 |
村木 |
周 |
10-6 |
10-4 |
10-1 |
10-9 |
10-4 |
走塁テスト成績(50mのタイム) |
箕輪 |
風岡 |
田本 |
村木 |
周 |
6.5 |
7.9 |
6.0 |
5.9 |
6.7 |
守備テスト(上段:10球中の捕球数 下段:遠投の距離) |
箕輪 |
風岡 |
田本 |
村木 |
周 |
10-5 |
10-7 |
10-1 |
10-9 |
10-3 |
104m |
103m |
100m |
112m |
95m |
今回のテストについての1年生の各コメント
陸「全てなんとも言えない成績だな。ノーコメントと言う事で。」
翔「打撃と走塁は酷いな。でも打撃は全部ホームラン性の当たりだしい
いか」
田「打撃と守備は酷いな。でも走塁と遠投が良かったから良しとする
か。」
村「まあこんなものかな。まあまあの出来だったかな。」
周「やべぇ、皆結構レベル高いぞ。野球経験は無いけど皆に追いつかな
いとな!」
監「今日のテストの出来が悪くてもそんなに落ち込むな。お前らはまだ1年生だ。ま
だまだ伸びるし、可能性はあ るんだからこれ以上の結果が出せるように個
人の能力を伸ばしていけ!今日はテストだけで終了する。明日からは普通の
練習が待っているぞ。それでは気をつけて帰れよ。」
全「お疲れ様でした!」