11話 新チーム、初の練習試合

今日は2年生と1年生の新チームでの初の練習試合である。
監督「全員集合!」

ザッ!!
監督「では、今日は気合入れていけよ!!」
全員「ハイ!!」

ではスタメンを発表する。

練習試合
先攻 後攻
帝都大学附属高等学校 明清学園高等学校
1番 野田 俊太 2年生 1番 細野 寿 2年生
2番 久住 常隆 2年生 2番 松山 正晴 2年生
3番 富代 文也 1年生 3番 村木 彰一 1年生
4番 牙神 蒼龍 1年生 4番 本原 大輔 2年生
5番 箕輪 空 1年生 5番 河埜 和幸 2年生
6番 安元 太一郎 1年生 6番 風岡  翔 1年生
7番 鈴木 竜太 2年生 7番 高 裕希 2年生
8番 笹々川 裕一 1年生 8番 周  賢一 1年生
9番 日下部 満 2年生 9番 箕輪  陸 1年生

冨代「風岡!!」
風岡「冨代!!」
冨代「まさか、こんな形で再会するとは思わなかったよ。」
風岡「それは、こっちにも言える事だ。中学からどのようにお前が成長したか、楽しみだ。」
冨代「こっちも、どれ位そっちが変わったか期待してるよ!!じゃあ、また後で」
風岡「おう!!」
???「兄貴、久しぶりだな…」
箕輪「空!!見ないうちに大分変わったな…」

箕輪 空(みのわ そら)
主人公である箕輪陸の双子の弟で性格は誠実で謙虚でしっかり者である。
かなりのイケメンで女性ファンが多い。中学校入学直前に彼は何とアメリカへ行く事を決意。
両親と兄の反対を押し切り渡米する。そこでメキメキと力を付け今では最高の選手となり、そして帰国した。

箕輪(空)「兄貴との対決、楽しみにしてたぜ」
箕輪(陸)「…やるからには全力でやらせて貰うぜ!!」
箕輪(空)「おっと、そろそろ時間だぜ。続きはこの後でな!!」
箕輪(陸)「ああ、お前との対決楽しみにしてるぜ」

プレイボール!!

1回表
箕輪(陸)「気合入れていくぞ〜!!」

箕輪は楽に1・2番を打ち取った。
冨代「宜しく♪」
箕輪(陸)「ああ!!」
風岡「さっきまでの気合は何処に行った?!」

シュッ!!

ストライーク!!
冨代「(初球はシュートからか)」

シュッ!!
冨代「(次もシュートか、狙い通りだな)」

カーン!!
風岡「?!」

打球はライトのポール際を右に逸れた!!

ファールボール!!
箕輪(陸)・風岡「あっぶねぇ〜…」

シュッ!!
冨代「(次はやはりストレートか、これも狙い通り!!)」

ブーン!!

ストライーク!!バッターアウト!!
冨代「?!」

陸の放った球はストレートではなく、FRBだった!!
箕輪(陸)「今日は調子がいいな♪」
冨代「うーむ・・・これがあるから野球は面白い!!」

1回裏
??「さてと、神成はいねーのか。めんどくせ…殆ど雑魚じゃん。唯一骨のありそうな奴はあの3番バッター位かな…」

牙神 蒼龍(きばがみ そうりゅう)
無愛想で周囲から冷たい奴と印象付けられているが、誇り高い努力家である。
しかし彼は人付き合いよりも練習を選びチームメイトを全く信用しておらず、強い者や興味のある者以外冷たい態度をとる。
その他 中学時代、全国大会決勝で彼は神成甲子郎のいるチームに敗れ、それ以来神成をライバル視している。
彼の投球は相手の急所を素早くつくことから「マウンドの殺し屋」と呼ばれている。
特に彼がもっとも得意としているのがシンカーで、その異常なほどのキレは「ヘルシンカー」と呼ばれ誰一人として攻略していない。

プレイボール!
細野「威圧感のあるピッチャーだな。」

シュッ!ズバン!

ストライーク!
細野「(凄まじい直球だな。)」

シュッ!ズバーン!

ストライーク!
細野「(この速度は…!!辻村先輩と同等、いやそれ以上か?!)」

シュッ!!クククッ!!
細野「!!」

スパーン!!

ストライーク!!バッターアウト!!
細野「何というシンカーだ!!あれほどまで落ちるシンカーは見たことが無い。」

2番・松山も牙神の神がかり的な投球に手が出せず、キャッチャーファールフライに終わる。
村木「お願いします!!」
牙神「果たしてどんな実力かな?」

シュッ!!ズバーン!!

ストライーク!!
村木「やはり直球は速いな。球が見えるか見えないかも微妙だな。」
牙神「ほう、スイングは良いな。ただ振ってるだけじゃ打てないな。」

村木は何とか粘り、カウントを2−3にまで粘る。
牙神「これで最後だ!!」

牙神の投じた球は…ヘルシンカーだった。
村木「くっ…」

村木は何とか当てるもののキャッチャーのファールチップで三振に終わる。
牙神「俺のヘルシンカーに当てるとはな。」

2回表
牙神「ふん、果たしてどんな実力かな?!」

ズバーン!!ストラーイク!!バッターアウト
牙神「まずは様子見だな。」
箕輪(空)「必ず打ってやる!!」
箕輪(陸)「必ず抑えてやる!!」

ズバーン!!
箕輪(陸)「最後はこれだ!!」
箕輪(空)「やはり予想通りFRBか!」

ストーン!!

ストライーク!!バッターアウト!!
箕輪(空)「前よりさらにFRBの実力が上がっている?!1打席目は完敗だな。」

試合は両チーム、2桁安打を放つも、得点は0行進で9回まで進む。

9回表

箕輪(陸)は1番・野田と2番・久住を二者連続三振で打ち取る。
箕輪(陸)「ハァハァ…あと一人だ。。。」
冨代「甘い!!」

キーン!!

FRBの失投を捉えた冨代の打球はセンターを超え、二塁打。
冨代「でも、やっぱり彼は凄いな。何か手が痺れるし」

2死二塁
箕輪(陸)「これ以上、打たれて溜まるか!!」
牙神「良いコースだな。だが、打てる!!」

キィイイイイイイイイイン!!

ドン!!

牙神の打球は無情にも、バックスクリーンに叩き込まれた。。。
箕輪(陸)「ちっくしょううううううううううううう!!」

ストライーク!!バッターアウト!!

9回裏
牙神「肩をそろそろ冷やさなくてはな。」

ウグイス「帝都大学附属高等学校、選手の交代をお知らせいたします。4番・ピッチャー牙神君に代わりまして、加東君。」

バッターは1番の細野から。
細野「さぁ、来い!!」

細野が1−2と粘り、相手投手のカーブを打ち、三遊間を抜ける打球で安打を放つ。

続いて2番・松山がきっちりと送り、1死二塁。
村木「さぁ、打ってやる!!」
加東「?!」
村木「失投来たー!!」

キーーーーーーーーーーーーン!!

村木の打球はレフトポール際スレスレのホームラン。
村木「しゃぁあああああああああ!!」
牙神「所詮、俺だけがエースなんだよ。。。」

案の定、4番・本原と5番・河埜は三振し、試合終了。
本原・河埜「案の定とはどういう事だー」

1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
帝都大附属 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 12 0
明清学園 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 11 0
勝利
敗戦
セーブ
本塁打
牙神 蒼龍 15号
村木 彰一 12号

全員「ありがとうございました〜!!」
箕輪(空)「兄貴…次こそは勝ってやる!!」
箕輪(陸)「監督に、お前をマークしておくこと伝えておくからな...」
風岡「うーむ...引き分けか。」
冨代「引き分けか...まあ、箕輪君からヒット打てたし、いっか♪」
牙神「こんなものか...明清学園意外と侮れないな。ただし、次は絶対に勝つ!!」
箕輪監督「今回の試合は引き分けという結果に終わったが、各自得られるものがあったはずだ。今回の試合の反省を糧にして、次回こそは勝利を目指すことを意識しろ!!以上!!」
全員「ありがとうございました!!」

今回の練習試合で新チームとしての形がまた一つ出来上がったであろう明清学園。しかし、牙神・箕輪空などといった強敵も登場し、秋の大会は大波乱の予感!!果たして、次こそは牙神のヘルシンカーを打つことが出来るのであろうか?!次回の偵察で得られるものとはいったい何なのか?!

次回予告・12話 「偵察」

お楽しみに!!