今日は夏の大会の前日
監督「全員集合!」

ザッ!
監督「明日から夏の大会が始まる。そこで背番号を発表する。」
全員「ゴクッ!」

1番 辻村
2番 東條
3番 本原
4番 松山
5番 沢井
6番 村木
7番 相良
8番 細野
9番 望月
10番 箕輪
11番 風岡
12番 本原
13番 片岡
14番 河埜
15番 木本
16番 早川
17番 藤林
18番 飯塚
19番   高
20番 木管
監督「それでは試合に臨んでいくぞスタメンに入っている者も入っていない者も頑張
れよ!」
全員「はい!」

そして…

遂に夏の高校野球大会地区予選が始まる!

明清学園は昨年とは違う実力を見せつけ5回戦まで楽勝に突破する。

そして準決勝に挑む事になる。
監督「準決勝の相手は大漁水産だ。前回はあえなく負けたが前回の俺達とは違うん
だ。格段に成長した姿を見せ付けてやれ。」
全員「オーーッ!」

アナ「本日は明清学園と大漁水産の準決勝をお送りいたします。本日の解説者は元
近鉄の主砲として活躍していた寺尾さんです。今日は宜しくお願いします。」
寺尾「はい宜しくお願いします。」

アナ「今日の試合の見所は何ですか?」
寺尾「そうですね。両チームのエースですね。辻村君も星村君も速球が武器なんです
よ。あとは両チームのクリーンアップを打っている村木君と神成君ですね。両方とも
1年生ですよ。」

アナ「そうですか。ありがとうございます。両チームのスターティングメンバーが発
表されました。」

地区予選準決勝
先攻 後攻
大漁水産 明清学園
1番 皆川 良典 3年 1番 細野 寿 2年
2番 海江田 純 3年 2番 東條 功一郎 3年
3番 佐伯 啓一 2年 3番 村木 彰一 1年
4番 神成 甲子郎 1年 4番 沢井 知永 3年
5番 星村 渡 1年 5番 本原 大祐 2年
6番 大友 和輝 3年 6番 辻村 章太 3年
7番 柳川 剛樹 3年 7番 松山 正晴 2年
8番 穂積 新一 3年 8番 望月 勝 3年
9番 山本 宗光 2年 9番 佐々本 智充 3年

全員「お願いしまーす!」

主審「プレイボール!」

アナ「さあ試合が開始されました。」

シュッ!ズバーン!

ストライク!バッターアウト!

アナ「明清学園のエース辻村君は初回から飛ばしていきます。三人を奪三振で決めま
した。」
寺尾「後ろに信頼できる中継ぎがいるんでしょう。去年でしたらこんな初回から全力
ではありませんでしたよ。」

アナ「それでは明清学園の投手陣を見てみるとしましょう。3人いますね。箕輪君、
片岡君、河埜君ですね。」
寺尾「箕輪君はまだまだ発展途上ですが今後の成長が楽しみです。片岡君は速球より
もコントロールで勝負する打者を翻弄させる技巧派です。河埜君は速球一筋の速球派
ですね。」

アナ「そうですか。情報ありがとうございます。では試合のほうを見てみましょ
う。」

カキーン!

カキーン!

カン!パシッ!シュッ!パン!パン!

審判「スリーアウト!チェンジ!」

アナ「1回裏は1番細野君がセンターフライに倒れて、2番東條君と3番村木君が
ヒットで出塁するも4番の沢井君が惜しくも相手のファインプレーに阻まれて併殺打
となってしまいました。お互い無得点に終わりました。」

そして両チームは安打を放つも点がなかなか入れられず試合は6回へと進む。
箕輪「監督?本当に俺でいいんですか?」
監督「お遊びでお前を指名したわけじゃない。お前なら抑えられると思ったからだ。
どうした?やはり片岡か河埜にするか?」
箕輪「いっ、いぇっ!やります!投げます!」
監督「じゃあ行って来い!期待してるぞ!」

ウグイス嬢「明清学園選手の交代をお知らせいたします。ピッチャー辻村君に代わり
まして箕輪君。ピッチャー箕輪君背番号10。」

アナ「どうやら明清学園投手を代えてくるようです。」

寺尾「ピッチャーは何と1年生の箕輪君です。どうやらこの試合は全て彼に任せたよ
うですね。」
箕輪「絶対に抑えるぞー!」

ズバン!ズバン!ズバン!

審判「ストライク!バッターアウト!」

アナ「1アウトになりました。バッターは同じ1年生の神成君です。」

ズバン!ズバン!

アナ「あっという間に2ストライクに追い込みました。」
箕輪「これで終わりだ!」
神成「(予想通り内角を抉るシュートだ!)」

カキーン!

アナ「打った!打った!これは大きい!入るか?入るか?入ったぁーーーーー!!0
点の均衡を破る1発が出ました。」
箕輪「くっそー!!」

カン!シュッ!パシッ!

審判「アウト!チェンジ!」

その後箕輪は安打を打たれるも気迫の投球で点を許さなかった。

8回裏

先頭打者本原は三振に倒れる。
箕輪「ここで出塁しておかないと…」

シュッ!
星村「!」
箕輪「(よし!絶好球だ!)」

カキーン!

アナ「星村君の失投を見逃さず打った打球はフェンス直撃のツーベースとなりまし
た!」
星村「(つい手が滑ってしまった…何たる不覚!)」

アナ「おっと松山君にピンチヒッターを出します。代打はまたまた1年生の風岡
君。」
風岡「(あれから俺たちは成長したんだ)」

シュッ!
風岡「低めに決まるシンカーだ。だがこれを打つ他無い!!」

カーーーーーン!

アナ「風岡君フォームを崩しながらも打球はライトスタンドに吸い込まれていっ
たぁーーーーーーーーーーー!」
寺尾「これはもはや予想外の出来事ですよ。」

星村はその後後続を抑えついに最終回になった。

箕輪は打者を抑えるもツーアウトにしたが3番佐伯に粘られてしまい四球で出塁を許
してしまう。

アナ「四球で走者を出してツーアウトながらも1塁。ここで打者は神成君です。先程
は本塁打を喰らっていましたがどうでしょうか?ここで明清学園タイムです。」
箕輪「監督…」
監督「どうした?またまた打たれるとでも思っているのか?そんなに自信が無ければ
降板しても良い。ただここで諦めるような今までのお前とは違うだろう?それを見せ
付けてやれ!」
箕輪「……」
監督「どうした続投か降板か?」
箕輪「…いえ!続投します!投げさせてください!」
監督「そうだ!それでいい!」

アナ「おっとどうやら箕輪君続投のようです。」

シュッ!ズバーン!シュッ!ズバーン!シュッ!カン!シュッ!カン!

アナ「ツーストライクに追い込んでから神成君粘ります。」
箕輪「(これで終わりだ!)」

シュッ!
神成「(やはりFRBか)!!」

ストーン!

審判「ストライク!バッターアウト!ゲームセット!」

1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H
大漁水産 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 10
明清学園 0 0 0 0 0 0 0 2 × 2 8

神成「分かっていたのに打てなかった…こんな事なんて初めてだ…」

スッ

箕輪が神成に手を差しのべる
神成「完敗だ。完敗だよ…箕輪君」
箕輪「そんな事無いさ僕だってまだまだ力不足だよ。翔のホームランが無かったら負
けてたかもしれない。次は全部三振で抑えるつもりでいくよ!」
神成「こっちだって全打席ホームランで行くから!」

こうして明清学園と大漁水産の公式試合は風岡翔の逆転本塁打のおかげで明清学園の
勝利という結果に終わった。次は遂に甲子園への最終登竜門である決勝である。果た
して相手は何処なのか?勝利で明清学園を甲子園に連れて行くことができるのか?そ
れとも敗退で3年生の先輩達を甲子園に連れて行くことができないまま引退となって
しまうのか?それが分かるのは次回である。

次回 決勝戦! 〜甲子園への最終登竜門〜
お楽しみに!