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相良主将「ですね。1年上の部員より質では少し劣りますが数が多い分、昨年より豊作と言えます」
中西監督「うむ。それでは新入部員が更なる高みを目指せる様に、天狼学園に向かうか」
相良主将「天狼学園ですか?」
中西監督「あの
中西監督「有望なシニアの選手や海外の選手を集めているところから可能性はあるだろうな」
中西監督「確かに、1年目だしチームプレイが課題になるだろうな。だから偵察に行く訳だが」
斎藤「ところで瀬戸辰也さんって?」
中西監督「俺と同い年で当時は有名なピッチャーでな。決勝で宗が滅多打ちにして日本一に成った。まあ戦友って奴だな」
中西監督「ああ。当時は確実と言われていたプロ入りを蹴って渡米した。その後の足取りは不明になったらしいがここでまたその名を聞く事になるとはな」
中西監督「それじゃ今日は予定通りに天狼学園に向かう!」
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平下主将「…………と到着です」
平下主将「室内にもこれ以上の設備があります」
平下主将「ええ。お前達はプロ入りする為に来たんだから当然の設備だと初日に監督に教えられました」
瀬戸監督「戻って来たか、主将に雑用を頼んで悪かったな」
平下主将「いえ。構いませんよ」
瀬戸監督「話してなかったのか?」
柚「そうなの?」
相川「うん。柚さんのお兄さんとも仲が良かったらしいよ」
柚「ふむ」
堺「何だよ。本当に覚えてないのかよ
堺「いや、野球始めたのはここの理事長に言われてだよ」
斎藤「……お前、まだあの時の事を?」
堺「ま、話すとだな」
堺「俺はリトルの頃にそこの斎藤や村雨と同じチームで全国まで行ったんだよ」
真田「ひょっとして春の甲子園で話してたリードしてくれてた子が」
斎藤「ああ。それが堺だよ」
堺「何だ覚えてくれてたんじゃないか?」
真田「いや忘れてたみたいだよ。名前は出て来なかったから」
まあ、それは良いや」
斎藤(そう言えばこう言う奴だったな。何か雲みたいなつかみどころのない。だからあの時は野球をやめるなんて思えなかった)
堺「とにかく全国に行ったんだが、全国大会では俺のエラーでチームは負けてな。幼い俺はそのショックで野球をやめてしまったんだ」
真田「だけど今はやってるんだね」
堺「うむ。昨年も普通に帰宅部の高校生をやってたんだが俺の才能を評価してくれたここの理事長に再び野球をやらないかと誘われてな。最初は断ったんだけど甲子園での斎藤の活躍を聞いてな。もう一度始めてみようと入ったんだよ」
斎藤「順当に行けば今度は敵同士として対戦できるのか」
堺「うむ。ここは全国屈指の強豪地区だからな。特別ルールとして2校まで出場できるんだが、その制度も来年にはなくなるらしいしな。ひょっとすると俺の甲子園行きはこの夏がラストチャンスかも知れん」
真田「ちょっと意外だね。話に聞くともっと確実に甲子園行ける高校って感じだったんだけど」
堺「うむ。少なくとも俺以外は本気でそう思っている。しかし俺の見立てじゃ、現在は地区No.2の高校だ。無明にはまだ及ばん!」
斎藤「堺はこう見えても理知的で慎重だからな。言ってる事はまず正しいと思う
堺「現状ではチームプレイを芽生えさせる事だな。幸いレギュラーの大半は自分勝手な奴じゃないからな。話してて気持ちの良い奴らばっかりだよ」
堺「俺も最初はくだらんエリート意識な奴ばっかりと思ってたんだけどな。幸いコブシで語らずにすんでホッとした様な残念な様な」
堺「そうか、まあ、と言う訳で夏の甲子園で会いたい物だ!」
斎藤「うちも斉天と言う怪物と同じ地区だからな。絶対とは約束できないけど甲子園で会おうな!」
堺「うむ!」
中西監督「お互いの顔は知っててもこうやって話すのは初めてだな」
瀬戸監督「ああ。俺の世代では伝説の投手のお前は良く覚えている」
瀬戸監督「どうせなら最強を目指したいそう思って渡米したんだが、うまく行かないもんだ。トライアウトを受けて合格したがケガで投手生命は終わった。それ以来野球を絶った俺が監督として再び野球を始める事になるとは」
中西監督「絶った? ドラゴンズに居るのはお前の息子だろう?」
瀬戸監督「もう俺に父親の資格はないのさ」
中西監督「?」
瀬戸監督「孝太の事はどうでもいい。あいつは自立して俺を超えた才能で頑張っている。それでいい」
中西監督「…………そうか」
瀬戸監督「今の俺は総帥
中西監督「そこだ。何で世界的な有名なグループの総帥が高校にこだわる」
瀬戸監督「どうしてもやらなきゃならない事があるんだそうだ。その理由は知らんがな。が俺は奴には返しても返しきれん恩がある。再び野球の道に入ったのもその為だ!」
中西監督「……ふむ。まあ、俺には関係なさそうな話だしいいさ。お前が無明相手にどんな采配をするか参考にさせてもらうよ」
瀬戸監督「…………」
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中西監督「ああ。他の1年連中も試合次第じゃ出す予定だ。斎藤は何とか5回まで投げてくれ」
斎藤「俺が5回ですか、後は山中さんや柚が?」
中西監督「ああ。2人には2回ずつ投げてもらう予定だ。相手のスタメンはシニアで有名なのがほとんどだが、まだまだ実戦不足、うちなら十分に勝てるはずだ!」
相良主将「と言う訳だ。名前負けするなよ」
真田「ところで相川君、相手の池田君と言うのはどんなピッチャーなのかね?」
中西監督「池田は2年、つまりお前らと同じ歳だ」
中西監督「俺も詳しくは知らんからどんな投手かは分からん」
中西監督「うむ」
瀬戸監督「知っての通り赤竜高校と練習試合となった」
堺「うむ」
堺「相手は甲子園常連のチームだ。特にエースと4番は全国クラスだ。やって損はあるまい!」
鈴木「ところで俺の出番はあるんですか?」
瀬戸監督「池田の調子次第だな。打ち込まれなきゃ登板はないだろう」
池田「なら出番はないな。今日は俺に任せておけ!」
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堺「うむ。一言で言うならフォークピッチャーだな。球威もかなりあるぞ!」
相川「現在1軍で頑張っているバファローズ期待の新人ですね」
堺「やはり教えても問題なかったようだな」
池田「格好つけたセリフ言ってもごまかされないからな」
堺「むう」
池田「見事な守備に免じて許してやるか」
斎藤「さすがだな。アウトになったとは言え1打席であのフォークに当てるとは」
相川「バントは毎日欠かさず練習してますから」
斎藤「どっかの誰かに聞かせてやりたいな」
真田「失礼な。僕だって相川君ほどじゃないけど、バントはチームでも上手い方だよ!」
真田「ふっ、走るのは毎日やってるけど、何が悲しくてただ当てるだけのバントの練習をしなきゃならないんだい!」
堺(問題はここからだな。ミートが上手くパワーの高い斎藤をどうやって抑えるか―――フォークを低めと行くか)
池田(初球からフォークか、斎藤相手には特に慎重な感じがするな―――性格は信用できんがリードは信用できるしリード通り投げるか)
池田「初回から俺のフォークが当てられるとはな」
堺「甲子園に出る高校だからな。それくらいの力は持っているさ」
相良主将「あのフォークはかなり厄介そうだな」
斎藤「落差は石崎並、キレとコントロールは石崎以上ですからね。打つのはかなり難しいですよ」
相良主将「だな」
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吉田(それじゃラストはこいつで)
斎藤(ああ)
瀬戸監督「甲子園では観なかったな」
平下主将「さすがに甲子園の時よりレベルが上がってますね」
堺「しかし、打てない球じゃないな。カーブに比べたらキレも変化も大した事ないし」
斎藤(スライダーもカウント稼ぐくらいなら十分使えそうだな)
堺「どうだった?」
堺「やはりそうか」
堺「あいつの球を捕ってた事はあっても打つ事はあまりなかったからな。分からん」
斎藤「昔からミートは上手かったからな。村雨もだけどあいつが三振するところもあんまり見なかったな」
堺「むう」
平下主将「やはり1打席でヒットを打つのは難しそうですね」
堺「まあな」
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池田(相良さんか)
堺(むう。あの石崎すらも打ち砕く打者だからな。池田の球で通用するんだろうか?)
相良主将「俺としてはキレと変化より重さがやっかいだな」
堺(うむ。どうやら俺の想像を超える打者だった様だ。次の玖珂さんもフォーク打ちが得意だから歩かせて嵯峨さんから勝負するぞ)
池田(次は甲子園で活躍してた吉田か)
堺(長打力の高い打者だ。確か左に強かった気もする)
堺(うむ。とにかくバッティングセンスは良いからコントロールには気をつけろ)
池田(ああ)
堺「むう」
堺「……そうだな」
中西監督「ま、仕方ないか」
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斎藤(こいつが平下か)
吉田(今年の世代ではもっとも注目されている天才児だな。身長は俺とあんまり変わらないが
平下主将(斎藤一、1年から赤竜のエースとして活躍中、バランスの良いピッチャーで非常にノビがあるストレートを投げるか)
斎藤「三振に奪ったと言えあの鋭いスイングには寒気を感じるな」
斎藤「おっし!」
瀬戸監督(さすがだな。しかし無明の天野を打ち込むにはどうしても斎藤のストレートに慣れてもらう必要がある)
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斎藤「後は観てるだけか」
中西監督「たまにこうやってベンチで観るのも良い経験になると思うぞ!」
斎藤「?」
中西監督「斎藤にはまだ分からんかな」
堺(不運だな。仕方がない。次を抑えるぞ!)
堺(こうなったら球威でスタンド行きだけは抑える。ストレート中心のリードで行くぞ!)
堺(この人に小細工は逆の結果になりやすいからこの人にもストレート中心のリードで行くぞ!)
堺(ちっ、内野を後ろよりにするべきだったな。玖珂さんのパワーなら定位置で問題ないと思ったんだが)
中西監督「嵯峨には悪いが加納、代打だ!」
中西監督「ああ。得点圏で嵯峨は当てにならんからな」
中西監督「本当にたまにだからな。ここは頼む!」
池田(また代打か)
堺「確か長打力のある打者だ。ミートは下手だったと思う」
吉田(俺がここで打って山中さんや柚に楽させてやるぞ!)
平下主将「ふん!」
池田「何とか抑えられたな」
堺「―――うむ!」
瀬戸監督「池田はそろそろ限界だな。鈴木、ブルペンに行っとけ!」
鈴木「はい!」
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吉田(山中さん、落ち着いて)
池田「代打はなしですか?」
瀬戸監督「ああ。練習試合で全ての手札を見せる必要もあるまい!」
池田「確かに」
池田「あまい球が多かったな」
堺「得点圏で俺か、斎藤が降板したのは残念だがこのチャンスは物にしないとな!」
堺「よし!」
吉田「ええ。2アウト満塁の方が守りやすいってのも理由の1つですけど、それより平下はチャンスには恐ろしいほど強いって話ですから」
平下主将「ふう」
吉田(どうやら強打者としてのプライドを傷つけたらしいな。しかし力んでるんなら逆にチャンスだ!)
吉田「そうですね。今日はキレもコントロールもいまいちです。でもバックを信じて投げれば何とかなりますよ!」
相川「追いつける!」
中西監督「同点になったか」
中西監督「ブルペンじゃ調子が良いって聞いてたが仕方ない。次から風祭に投げてもらうか」
吉田「たまに良い球も来るんですけど?」
中西監督「この試合じゃ1、2球程度だろう。残念だがそれじゃ任せられんな」
吉田「そうですか」
吉田「ああ。シニアでは4番を打ってた強打者らしい。平下って怪物がいなければ4番を打ってんだろうな」
瀬戸監督「同点に追いつたか」
平下主将「山中さんは調子悪そうですね。あれなら次の回も得点できそうです!」
瀬戸監督「ああ(向こうもそれには気付いてるはず、次は誰で来る?)」
池田「それじゃ、後は頼むな」
鈴木「はい!」
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堺(お前の球なら高校でも十分通用する。臆せずドンドン投げ込んで来い!)
鈴木(はい!)
中西監督「どうだった?」
中西監督「話には聞いてたが厄介な投手だな。しかし天狼に速球派のピッチャーが居ないのは不幸中の幸いか」
鈴木(シュッ!)
真田「連続三振か、ここから観てると打てない球とも思えないんだけど?」
中西監督「思っていたよりずっと良い投手だな」
斎藤「らしいですね。池田は縦変化でしたけど、鈴木は横、斜め変化ですから慣れていない感じが出てますね」
中西監督「佐伯ほどじゃないけど、シュートの切れ味は良いな」
斎藤「カーブは俺と同じくらいの変化ですけど、手元でのキレはより上ですね」
中西監督「そして堺のリードだな。カーブとシュートの使い方が上手い」
斎藤「俺と組んでた頃からカーブの使い方が上手かったですよ」
中西監督「性格に似合わず頭は良いらしいな」
斎藤「ええ」
柚「出番来た?」
中西監督「ああ。もう代えの投手はいないから何とか頑張ってくれ」
吉田「ナックルカウンターがあれば打者一巡くらいは抑えられますよ」
中西監督「そうだな(ミートの良い打者、堺や平下、牧野には特に要注意なんだが)」
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柚(初球はストレート!)
柚(?)
吉田「ま、あの風祭の妹なんだ気にしないでくれ」
吉田「ああ」
吉田(追い込んだな。うん? ここで遊び球はなしでナックルカウンターか!)
吉田(初見でこの球は打てないだろうな。変化が少ないとは言えランダムに変化する魔球ナックルだからな
鈴木「最後のはSFFか?」
鈴木「はあ? 120後半くらいで変化しただろう?」
鈴木「だったら高速系の縦変化だろう」
鈴木「……ふむ」
柚(シュッ!)
瀬戸「ナックル?」
鈴木「ええ。変化は小さいけど、確かにナックルです。完成度は低いですけど速い分ストレートと見分けが難しいです」
瀬戸「ふむ。もしかしたらナックルカウンターかも知れんな」
平下主将「何ですかナックルカウンターって?」
瀬戸「ナックルの握りとは少し違ってな。こう言う風に浅く握って後は抜いて投げるんだが通常より速度のあるナックルを投げられるんだ」
鈴木「フォークを浅く握って投げる。SFFみたいですね」
瀬戸「ベースとしてはそれを参考にしてるんだろう。俺の知ってる奴でな無名だが海外で頑張ってるそいつが投げてるんだ」
池田「それじゃ攻略法も?」
瀬戸「球質が非常に軽いと言う欠点があるからミートだけに集中すれば長打になる!」
瀬戸「本人ではなく観ていた観客や打った選手がそう命名したんだ」
瀬戸「ま、あいつは気にせずメジャー目指して新しい変化球を画策してたけどな」
中西監督「確かに、公式戦に取って置きたいピッチングだったな」
柚「どっちでもやれば良い!」
斎藤「俺もカーブを覚えた時はこんな感じだったよ」
相良主将(残り2イニングか、確かに吉田の言う通り初めて見る変化球なら抑えられそうだな)
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鈴木「相川か、まさか赤竜高校に行ってるとは」
相川「鈴木か、全国大会で戦ったけど結局ヒットは打てなかったんだよな」
相川「ほっ、何とか打てたな」
堺「見かけによらず良いバッターだ。しかし1打席で鈴木からヒットを打つとは?」
鈴木「1打席じゃなく5打席ですから」
堺「どう言う意味だ?」
鈴木「シニアで戦った時に4の0と抑えましたから」
堺「通算5の1と言う訳か―――しかし昔の話だろう」
鈴木「ええ(しかし、あいつはずっと記憶していたんだろう。俺の変化球に初球から当てた時にそう言うふうに感じた)」
吉田「やっぱりお前が教えてもらえよ」
相良主将「なるほど、カーブかシュート、どちらかにヤマを張らなきゃ難しいか」
相良主将「ふむ」
鈴木(ランナー1塁で相良さんか)
堺(いくら相良さんでもお前から1打席では……
堺(うむ。慎重に行こう!)
相良主将(慎重にボールから来たか)
堺(次はこれな)
鈴木(コクッ! 本当に慎重だな)
相良主将(ストレートは平凡だな。これがストライクに入って来るなら遠慮なく叩ける!)
相良主将(俺を歩かすつもりか? 次は玖珂だし無理する事もないか)
鈴木(嫌です。たかだか練習試合で逃げて何の得があるんですか!)
堺(ピッチャーが勝負したいってなら勝負だな!)
鈴木(コクッ!)
相良主将「ちっ、想像以上にキレるな!」
鈴木「ふう。何とか抑えれた」
堺「次もミートの上手い玖珂さんだ。注意して行こう!」
鈴木「はい!」
鈴木「玖珂さんも綺麗に合わせて来ますね」
堺「うむ。変化が少なければヒットだったな。やはりお前のキレのある変化球を1打席でとらえるのは難しいんだよ」
中西監督「結局、相川は1塁止まりか、こうなるんなら盗塁しかけても良かったな」
斎藤「そうですね。強肩の堺から盗塁は難しそうですが相川の足なら試しても良かったかと」
瀬戸監督「クリーンナップは三者凡退に抑えたか」
池田「しかし鈴木の変化球に1打席で当てるとは油断は出来ませんね」
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柚「次は2番!」
吉田(うーむ。確か守備に定評のある選手でバッティングは大した事なかった気がする。シニアでは鈴木や平下とチームメイトだったけど、あんまり聞かない名前だったからな)
柚(当てられた!?)
柚(コクッ!)
堺「ああ。振り抜けばスタンドまで届くかな?」
堺「ふっ、狙って見るか!」
柚「!?」
堺「ストレートも軽いって事は元々、球威がないんだな。次は平下か勝負するなら得点必至って奴だな」
柚「構わない。まだ得点はされていない!」
吉田「あ、ああ。そうだな(いかん。打たれたピッチャーより俺の方が動揺しちゃダメだ。これじゃ春の時と同じじゃないか)」
柚(それより4番とは?)
吉田(監督からは敬遠のサインは出ていないから勝負なんだろう)
斎藤「勝負って良いんですか?」
中西監督「ああ。山中とは違って風祭は調子が良いからな。打たれたとしても良い経験になると思ってな」
斎藤「大事にしているんですね」
中西監督「俺もピッチャーだったからな。良いピッチャーを見ると自然と熱くなるんだよ!」
平下主将「風祭さんの妹さんか、話には聞いてたけど会うのは初めてだな。しかし野球で対決する事になるとは!?」
柚「初めてのナックルカウンターを芯でとらえられた!?」
瀬戸監督「どうだった?」
平下主将「ピッチャーとしては2流ってとこですね。ノビに関しては一級品ですけど、球威はないしコントロールも悪い。キレと変化球にも課題がありますね!」
平下主将「俺は事実を言ったまでです。ただ、ピッチャーとしてセンスはあるんじゃないかと思います!」
鈴木「まだまだ成長途中のピッチャーって事だな」
平下主将「ああ。これから化けるかも知れないし化けないかも知れない。何と言うか評価に困るピッチャーだな」
池田「なかなか面白そうなピッチャーだな。課題は決め球だな」
瀬戸監督「ミートが苦手な強打者には通用するか」
平下主将「1打席ならですが、慣れればしだいに打てますよ」
堺「うむ。ギリギリまで見分ける事が出来るバットコントロールの良い打者にはカモだけどな」
中西監督「ホームラン打たれた後はナイスなピッチングだったぞ!」
柚(コクッ!)
吉田「大振りする強打者には通用するんですけどね」
中西監督「上手さとパワーを兼ね備えた打者には通用せんか、ま、どのピッチャーもその手のタイプに一番苦戦するんだが」
相良主将「課題は決め球ですね」
中西監督「ああ。ストレートもナックルカウンターも決め手に欠けるからな」
斎藤「今は球種が増えて投球の幅が広がっただけで良しとしときましょうよ」
中西監督「そうだな。まだ1年だしこれからが成長期だな」
中西監督「そうだな。次は風祭からかとりあえず打つ事よりも確実にミートする事を心がけろ。お前なら当てる事はできるはずだ!」
柚(コクッ!)
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鈴木(風祭か、ピッチャーとしてあれならバッターとしても大した事はなさそうだな)
堺(油断は禁物だ。一応慎重に行くぞ!)
鈴木(分かりました。2点もリードがあれば問題ないと思うんだけどな)
柚(確かに見た目以上に変化する)
堺(振りが速いな。バッターとしてはやっかいかも?)
鈴木(ピクリともしなかった。なるほど、バッティングセンスは兄譲りか)
鈴木(1打席で俺の変化球に当てたか)
堺(非力そうだがミートは上手いな)
吉田「変化球はかなりキレるらしいからミートに集中するか」
堺「まあ、今のは仕方ないな。気にせず次で終わりにするぞ!」
鈴木「はい!」
中西監督「さすがは有望な選手が多い天狼学園だな。まだ課題があるだろうが良いチームだ」
瀬戸監督「どうも。そっちもエースの斎藤は噂以上だったな。出来れば9回まで見せてもらいたかったよ」
中西監督「出来る事なら甲子園で」
瀬戸監督「ああ」
斎藤「負けるとは思わなかったな」
堺「うむ。お前が完投していたらどうなっていた事やら」
堺「が後続が続かねば意味はない」
堺「出来る事なら甲子園で会いたい物だな」
鈴木「借りは公式戦で返す!」
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斎藤「と言う訳で試合は負けたよ」
月砂「新設校とは言えさすがは全国制覇を目指す高校ね」
結依「うむ。仲良き事は美しいのじゃ!」
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霞「いよいよ5月も終わりと言ったところですが、プロ野球は白熱の戦いを繰り広げております!」
武藤「ですね。セリーグはスワローズがダントツの勢いですしパリーグはライオンズとブルウェーブが激しい戦いを繰り広げています!」
真田「はあ、ベイスターズは4位か」
吉田「仕方ないさ。武藤さんの言う通りスワローズがダントツだし」
相川「入った時には色々言われましたけど、ライアンさんの活躍が凄まじくてもう誰も何も言わなくなりましたね」
真田「ちなみにもう1人の大物のブライアンさんもホームランダービートップだしね」
斎藤「さすがにメジャーの看板偽りなしか」
真田「だね」
霞「そしてスワローズがライアン選手ならブルーウェーブはこの人、現在、首位打者の久住選手!」
武藤「昨年の成績をマグレと言う人も多かったですが、そんな反論を無視する様な天才振りですね!」
霞「期待のルーキー奥森君も3勝2敗と頑張っています!」
真田「奥森さんか、甲子園で話したけど良い人そうだったな」
斎藤「ああ。プロでも頑張ってるみたいだな」
相川「首位のライオンズはOBの柳生さん達が頑張っていますね」
吉田「ああ。秋に会ったけど苦労人って感じだったな」
霞「以上、ドラスポでした!」
霞「放送時間がないもんで」