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斎藤主将「もうすぐ夏だな」
吉田「ああ。公式戦で負けたらすぐに引退と俺達も歳取ったもんだ」
吉田「いや、こんなお前ともこれで終わりだと思うとな」
吉田「俺はカープから話が来てるけどな」
前におじさんがスコアラーやってるって言ってただろう」
斎藤主将「ああ。カープで仕事してたのか」
吉田「ああ。そこのおじさんが監督に話して俺が指名されるかもって言ってたからな」
斎藤主将「吉田は上位で指名されるのかな?」
吉田「確かにバラバラになる可能性が高いだろうな」
斎藤主将「リーグが同じとも限らないから試合で顔を合わせる事もないかもな」
吉田「今から考えても仕方ないか」
斎藤主将「それじゃ練習続けるか」
真田&吉田「おう!!」
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零「理事長の
平下主将「それでそこの2人は?」
神野&月杜「……………………」
零「彼らは私の秘書のような者です。気になるようなら下がらせますが?」
平下主将「いえ、少し気になっただけですから」
堺「SPとかはいないんですか?」
零「彼らは別の場所で待機させています。私に何かあれば飛んで来るでしょうがね」
瀬戸監督「気にせずいつも通り練習をしろ。仮にボールが当たったとしても問題ない!」
瀬戸監督「まず当たる事はない。あれは別格の怪物だ!」
零「こう見えても身体能力には自信があるんですよ」
瀬戸監督「だからSPが別の場所にいても誰も文句は言わないって事だ。身体能力はただケンカに強いと言うだけでなく運動能力も比較にならないほど凡人とはレベルが違うと言うわけだ!」
零「野球には想い入れがありますから楽しんで見学させてもらいますよ!」
平下主将「………………」

大野&池田&鈴木(シュッ!)
月杜「結構良いボールを投げるね」
神野「まあな」
零(才能があるって程度だな。化ける可能性もあるが、身体能力は特に図抜けてるわけじゃないか)
神野「自分とポジションが同じだから気になってるだけだろう」
神野「そういやそうだったな。俺もお前も普通に過ごしてたら高校行って野球やってたんだろうな」
月杜「…………そうだね」
神野「グチ言っても仕方ないか」
零(どちらかと言えば努力家ってタイプだな。一応データになるか)
平下主将&堺(サッ!)
月杜「この2人は大した物だね。どっちもセンス抜群!!」
神野「ああ。確か堺は今年のドラフト候補だったな。このセンスならプロでも通用しそうだ」
零(この2人の能力はここにいる紫苑と十六夜に匹敵するな)
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瀬戸監督「で収穫はあったか?」
零「高校レベルはこんな物かって程度にはな」
月杜「アマチュアのレベルが上がってるとは言えこっちはプロクラスのデータを調べてるからね」
神野「だが発展途上だからこその未知数ってのを調べる為にわざわざ来たんだろう」
零「化けた後のデータと比較したいからな」
瀬戸監督「必要があれば試合のビデオも送るが?」
零「そうだな。公式戦、特に3年のデータが欲しいな」
月杜「けどモニターからだと、緊迫感があんまり伝わらないからな」
神野「それでもデータにはなるから良いんじゃないか」
零「バカバカしい。ただ情報を集めてるだけで何故心を痛める」
神野「お前がそれをどう使うかが怖いからだろう」
零「そうなのか?」
零「ふっ、安心しろ。少なくともお前らには悪い話ではない!」
神野「逆に考えたら他の連中には悪い話って事か?」
零「ふっ、妙に突っかかるが何かあったのか?」
神野「…………別に」
零「少なくとも危害を加えるつもりはない。それにお前の目的と俺の目的は一致している。まあ強制はしたくないからお前がここで退くと言うなら別に構わんが?」
神野「ここで退いたりはしないさ!」
零「そう言う事だ。十六夜にも紫苑にもまだまだ働いてもらわないとね。もちろん瀬戸君にも仕事はしてもらう」
瀬戸監督「ああ。必要な事があれば言え。犯罪関係はごめんだがな」
零「安心して良いよ。こっちもそうそう権力を使うわけには行かないし何よりもそう言うのは嫌いだからね!」
月杜「そうそう悪いんですが俺はちょっと実家に帰らせてもらいますね」
零「別に構わんよ。紫苑は良いのか?」
神野「俺の家はこの国にないって知ってるだろう」
零「そうじゃなく連絡くらいしたらどうかと思ったんだ? もちろん瀬戸君も息子さんに会いたいならセッティングくらいはするが?」
瀬戸監督「…………必要ない」
神野「俺も事情の説明ができないしそれに人の事より自分の事だろう。とっとと兄貴と仲直りするんだな」
零「会おうともしてくれないのにどうやって仲直りしろと?」
神野「兄弟ってのも難しい物だな」
零「そもそも仲直りってのが間違ってるんだよ。あっちが一方的に敵視してるだけなんだから」
神野「ちなみに例の計画はいつできるんだ?」
零「データがもっとたまったらだから…………最低でも1年後、下手すればもっとかかるかな。それに彼しだいだしね」
神野「そうか」
零(さてと、こっちもそろそろ本格的に始めるか、紫苑には言えないがこれも目的の為だ。佐藤君、君に会えるのを楽しみにしてるよ!)
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斎藤主将「今度の大会で俺の高校野球も終わるのか」
月砂「3年前にも似たような事言ってなかったっけ?」
月砂「言い切ったわね」
とにかく最後の夏の大会だ。打倒風祭&全国制覇を達成して笑って終わってやるぞ!」
柚(コクッ!)
月砂「痛いわね」
柚「とにかく練習試合でもレベルアップを実感してるくらい赤竜高校は強くなっている!」
月砂「最後の夏か、高校球児って感じね」
柚「バカ兄貴のところはどうなってるのか?」
月砂「天狼学園ってとこは?」
柚「眼中にない!」
結依「とにかく3年間の集大成を見せる試合じゃな!」
月砂「まるでマンガね」
ただ、あいつと対戦すると自分の限界を超えた力を出せる気がするんだよ!」
月砂「ライバルね。ますますマンガっぽいわ」
月砂「ただの感想よ」
結依「月砂はハジメにいつも通りリラックスして欲しいからそう言ってるんじゃろ」
月砂「さあね」
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風祭主将「はっ!」
佐野主将「しかし甲子園に行く為には無明実業と天狼学園を倒さなければならない!」
佐野主将「錬生は古豪ってイメージだけどな」
景山「しかし錬生高校はあの天海彼方さんの出身校だからな」
佐野主将「あまいな! 野球経験者=野球選手に詳しいと言うわけではない!」
咲野監督「ふむふむ。野球経験者=野球選手に詳しいと言うわけではないと(カキカキ!)」
咲野監督「大丈夫ですよ。無意味な物なんてないんですから」
咲野監督「ええ。部室にあったマンガのセリフです」
直人「よっと!」
佐野主将「と言っても下手なりにみんなセンスあるからお前も3年後にはあのレベルに到達できるかも知れんぞ!」
佐野主将「試合やってれば勝手に上手くなって行くよ。基本的にみんな試合経験が足りないだけだから」
坂本「スカウトに観られるのは慣れてるんだがライバル校に観られるのは変な気分だな」
水島「そうですね」
佐野主将「坂本さんはさすがとして見慣れないが凄まじい打球を飛ばしているあの人は誰だ?」
咲野監督「本人に聞いて見れば良いじゃない?」
佐野主将「えっと君?」
佐野主将「あそこで打ってる人は誰なのかな?」
佐野主将「しかし甲子園に行く為にはこの投手達を倒さねばならないと言うわけで望に頑張ってもらおう!」
佐野主将「僕は投げる人で君は打つ人ですから」
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小林(シュッ!)
楓「うーん、さすがにうちのお兄様は凄いですね」
楓「なんですかいちゃまずいんですか?」
楓「…………今日は開校記念日で休みですけど」
楓「えっと」
楓「ええっ!?」
楓「仕方ないですね。ところでお兄様にはツッコマないんですね?」
楓「そのわりにはいた事にツッコムのは遅かったですね」
楓「練習風景を観るのが好きですから」
楓「あっちはレベルが低くてワクワク感がないんですよ。その点こっちはなかなか良いレベルですよ!」
楓「はーい」
小林「いつも悪いな」
小林「そう言う事だ。まあ将来は弟になりそうだしよろしく頼むよ」
小林「先輩達は微笑ましく見てるけどな」
小林「そう言えば夏の大会に1勝もできなかったら廃部になるんでしたね」
小林「しかし1人でもケガしたら終わりですからね」
小林「試合に出たくても出れない選手がいるのが当たり前だったからな」
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斎藤主将「それじゃレギュラーを発表する!」
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吉田「ベンチにも1年が4人か、他の2年が使えないわけでもなさそうなのにな?」
中西監督「秋の事も考えて1年に経験を積ませる事にした。2年に経験積ませても良いがベンチ入りした選手はセンスが良いからな」
吉田「なるほど」
中西監督「影の功労者の吉田のおかげだな」
工藤「スタメンは村田と矢吹だけどな」
相川「僕は別にセカンドにこだわってるわけじゃないし別のポジションでも良いけど」
相川「…………監督の事だから福西君の器用さを買ってるんじゃないかな?」
相川「僕が他のポジションを守るとなると福西君の数倍は時間がかかるだろうしアクシデントで選手が退場した場合に色々なポジションを守れる選手が1人くらいいた方が良いしそう言うところを評価してじゃないかな」
吉田「まあな」
斎藤主将「ああ。絶対に全国制覇して見せる!」
真田「うむ!(
斎藤主将「とにかく最後の夏だ。真田が言った様に笑って終わろう!」