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斎藤「ここまで3勝と文句なしだな」
球星「うむ! 我が弟子ながらなかなかの活躍だな!」
球星「しかし速球で三振を奪って行く姿を観るとワシの若い頃を思い出すのー」
球星「話すと長くなるが俺が草野球で活躍した頃に近所の少年が興味深そうな目でこっちを観ていたんだ。俺は直感したね。こいつは物になるとそれで幸いとあっさり乗り移ったのは良かったんだが」
球星「しかし意思疎通がどうも上手く行かなくてな。今はこうして会話できているが昔は全然できなくてな」
球星「そう言えば話してなかったか? 切欠はあの変な姉さんじゃな。まあ歳の方は正直俺にも良く分からんが?」
球星「あれで少しずつ認識が変わって行った。恐らくだが少しずつ視えるようになって来てるんじゃないか?」
球星「うむ。幽霊とか怪異とか呼ばれる物が視えるようになって来ているんじゃないか」
球星「ゆっくり馴染むようにしてくれたんだろう。いきなり視えるようになったら怖いからな」
球星「大丈夫だろう。その手の物は危険なところにいるから近づかなきゃなんの問題もないと思うぞ」
球星「その手の噂があるところだ。例えるなら古井戸とか廃院とかその手の物が出ると言う噂が多いだろう」
球星「まあ危険があれば教えてやるからいつも通りに過ごしてろ。場合に寄ってはあの変な姉さんに頼めば良いだろう」
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天道「現在のホームランキングですからね」
藤原「打率も4割近く打っているしスタメンの中でも一番やっかいなバッターですからね」
石崎「足の速い選手も多そうだしランナー出すとうるさそうですね」
石崎「任せるって言っても村雨の事は良く知らないんですよね?」
石崎「代打で活躍しているのを観てるとミートの上手い勝負強いバッターって感じですね」
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相良「現在負けなしの3連勝ですからね」
村雨「甲子園でも投げてたけど相手を寄せ付けないピッチングはプロでも健在ですからね」
真島「高岡さんだと不安もありますが今日の投手陣では一番ですからなんとかなるでしょう……たぶん」
高岡「俺に任せとけ!」
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倉田「今日の先発は石崎選手と高岡選手となりました。エース対決とは言い切れませんがどちらもチームの中では重要な選手と注目の対決になりそうです!」
倉田「注目は4番にもあります。シーズン始まったばかりですが、どちらも好調で4月の月間MVP候補の有力者って感じですね」
倉田「そして一番の注目はルーキーながら3番を勝ち取った村雨選手でもありますね」
倉田「遅れながら今日の解説は水原さんです!」
倉田「それでは良い試合を期待しましょう!」
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石崎「たたき潰す!」
及川「前に戦ったときより速くなっているような?」
倉田「150キロのストレートを見逃し三振と初回からとんでもないボールが出ましたね!」
石崎(ここでフォークか)
倉田「相変わらず凄いフォークですね……失礼しました。結果は空振り三振で2アウトです!」
石崎「村雨か……これが初対戦って事になるのか、考えて見ればどいつもこいつも抑えて来たけど風祭は別だったな。そして村雨は風祭クラスと言われるほどの選手と……プロになっても退屈だけはしなさそうだな」
倉田「152キロのストレートを打った! 打球はセンター前に抜けて2アウトランナー1塁となりました!」
石崎「左対左なのに苦もなく打って来やがったな!」
相良「スタンドまでは届かないか」
倉田「これは大きいがライトスタンドまでは届きません! しかしライトの頭を越えて打球は深いところまで落ちます! 打った相良選手は三塁まで走りました! 横浜ベイスターズが1点先制します!」
ジャクソン「良いボールだ!」
倉田「154キロのストレートを空振り三振と、石崎選手、奪ったアウトはすべて三振と失点しましたが良いピッチングを見せましたね!」
石崎「左打者に強いつもりだったが村雨の奴は別格なのか?」
相良「石崎は立ち上がりが悪いからエンジンかかる前にたたくのが攻略のコツだな!」
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倉田「148キロのストレートに当てますがサードゴロに終わり1アウトです!」
倉田「143キロのヘルシュートを空振り三振と一気に2アウトです!」
天道「このシュートを打つ!」
倉田「レフトスタンドに入った! 得意のヘルシュートでしたが完全にとらえられて同点となります!」
ブライアン「クッ!?」
倉田「最後は151キロのストレートを空振り三振で3アウトチェンジです!」
倉田「1回を終わって1対1の同点と両投手の立ち上がりはいまいちだったらしいです」
真島「良いボールでもスタンドまで運ばれると今年の天道さんも手強そうですね」
高岡「俺だって今年は調子が良いぜ!」
真島「今年こそは投手部門のタイトルをと言うわけですか」
真島「そこまでは言ってませんよ(思いはしましたけどね)」
天道「今日は良い感じだな。打線も爆発して勝てれば文句なしなんだが」
咲良「まあ回を重ねれば高岡さんも調子落とすんじゃないですか?」
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倉田「156キロのストレートを見逃し三振! 今日は2打数2三振と三振の少ない及川選手にしては珍しいですね?」
倉田「155キロのストレートを打ち上げセンターフライに終わり2アウトです!」
倉田「村雨選手はシュートを打ち上げてサードフライに終わり3アウトチェンジです!」
相良「やっぱり合わせるのが難しいか」
村雨「ですね。150キロを超えてるし話に聞いたライアンさんと変わらないって感じのボールなんじゃないですか?」
相良「たしかにタイプは似ているな。将来性を考えると石崎はライアンさん以上になるかもな」
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高岡「たたき潰してやるぜ!」
倉田「150キロのストレートを空振り三振で1アウトです!」
倉田「ストレートを思いっきり引っ張った! 打球は右中間を抜けて打った石崎選手はセカンドで止まります!」
倉田「ランナーを警戒したかここはフォアボールでランナーを出します。これで1アウトランナー1、2塁となりました!」
咲良(この場面なら普通にヒットで良い! 力を抜いて打つぞ!)
倉田「決め球を綺麗に打たれましたがランナーは返れずこれで1アウト満塁となりました!」
真島(落ち着いて下さい。この際1点くらいはやっても良いですからバッターを確実に打ち取る気持ちで投げて下さい!)
高岡(おう! 任せとけ!)
倉田「また打った! ランナーは2人返ってこれで1アウトランナー2、3塁となりました!」
ブライアン「犠牲フライかよ」
倉田「続くブライアン選手はライトフライに終わりましたがサードランナーは返ってこれで2アウトランナー3塁となりました!」
倉田「続く小野選手はヘルシュートを引っかけて3アウトチェンジです!」
倉田「試合は3回を終わって4対1と阪神タイガースがリードしています!」
真島「良いボールだったんですけどね」
真島「たしかに」
真島「高岡さんは調子に乗るとダメなところもありますからたまに落ち込むのも良いと思いますよ!」
真島(やれやれ)
ブライアン「俺のときも良いボールだったな。天道の調子がよほど良かったんだろう!」
天道「たしかに調子は良いですけどね。突破口を開いた石崎のバッティングにも注目ですよ!」
ブライアン「……と言ってもあの高岡は格下には舐めてかかるところがあるからな。ピッチャーにあまいボールを投げるのなんて日常茶飯事だったか? だしな」
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倉田「試合はいよいよ9回に入ります。8失点した高岡選手ですがまだ登板中と妙な展開になっておりますが6点差は絶望的ですね」
倉田「152キロのストレートを空振り三振と石崎選手の球速は9回でも衰えませんね!」
倉田「ここでようやく代打を出します。高岡選手に代わって玖珂選手が打席に向かいます!」
倉田「150キロのストレートを打ちましたが結果はピッチャーゴロに終わり2アウトです!」
倉田「最後はフォークを空振り三振! 試合終了! 8対2で阪神タイガースが勝利しました! 連敗脱出です!」
倉田「今日のヒーローですが完投勝利の石崎選手と勝ち越し点を取った天道選手の2人のようですね」
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咲良「ピッチャーのみんなは色々あるみたいだね」
咲良「なるほどね」
天道「樋川と対戦できなかったのは残念だがまあ悪くない活躍だったな」
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樋川「まったくこれじゃ3年連続のタイトルも危ういじゃないか」
村雨「ケガか」
相良「一流選手でもケガに泣かされた人は多いからな。お前もこれから頑張って行くならケガには注意しとけよ!」
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中尾監督「今日の相手はライオンズだ。相手の先発は今年で引退予定の椎名らしい」
久住「椎名さんも引退か、監督も寂しいでしょう」
中尾監督「いやあいつがタイトル獲る前の年に俺は引退したからな。特に何もないな」
風祭「いやあいつは二軍だから」
青木「ちなみに常葉も二軍と優勝経験が多いだけあってライオンズは選手層が厚いな」
中尾監督「と言うか常葉は一軍だ。今日はスタメンだぞ!」
中尾監督「うちは河島だ。轟、リードを頼むぞ!」
中尾監督「エースが何を言ってんだか」
中尾監督「ああ。とっとと勝って優勝決めてくれ!」
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中村監督「さてと今日の相手はブルーウェーブで先発は2勝2敗といまいちな河島だな」
柳生「いまいちって言っても乗ってるときは手が付けられませんからやっかいですよ」
中村監督「うむ。今日の先発は椎名だがベテランの味を教えてやれ!」
椎名「まあ今年で引退決めましたしね。不甲斐ないピッチングはしませんよ!」
東雲「それよりも打線ですね。1番から足の速い選手が続くのが怖いですよ」
中村監督「どうもレフトが決まらなくてな。下で素質のありそうな奴を上げてくれって言ったらお前が指名されたと言うわけだ」
中村監督「二軍じゃ文句ない成績だったしこっちでも頼むぞ!」
草薙「今年も熾烈な4番争いか」
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倉田「今日はオリックスブルーウェーブVS西武ライオンズの試合をお伝えします。今日の解説は鉄人と呼ばれた前田修平さんです!」
倉田「ですがプロ野球歴30年と言うのは歴史的な偉業ですよ」
倉田「昨年も11勝と先発の柱の1人として活躍しましたからね。しかし本人曰く……」 椎名「引退を決めた理由ですか?」 倉田「はい。今でもチームの主力として活躍できているわけでしょう。それで引退するのは何故なんですか?」 椎名「そうですね。一番は既に自身の後釜達が出てきていると言う事、もう一つは自身の力の限界を感じている事ですね」 倉田「後釜と言うのは御影選手達の事ですね。それで限界と言うのは?」 椎名「近年じゃめっきりタイトルに縁がなくなったのが理由ですね。若いときは届いたのに今は届かない。衰えも自覚しますよ」 倉田「……ですけど」 椎名「もう200勝も達成しましたしね。思い残すこともないですよ。今年日本一になって胸を張って引退しますよ!」 倉田「そうですか、では今年も頑張ってください!」 椎名「ええ!」 |
倉田「……との事です!」
倉田「椎名選手がエースになった年から常勝チームと呼ばれるようになりましたからね。椎名選手はチームの顔と言えるわけですしファンもですがチームメイトも寂しがるでしょうね」
倉田「MVPを3年連続ですからチームと言うより球界の顔って感じですけどね。そうそう久住選手が覚醒した年は2位でその後は連覇していますね」
倉田「おっと、選手の解説をする時間もなくなりプレーボールです!」
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東雲「ふう、相変わらずとんでもないボールだな」
倉田「155キロのストレートをライト前に打って東雲選手が出塁します!」
東雲「まあ河島相手ならな」
倉田「あっさりと盗塁を決めてノーアウトランナー2塁となりました!」
倉田「備前選手はファーストゴロに終わりましたがセカンドランナーの東雲選手はサードへ向かうと進塁打になりました!」
倉田「158キロのストレートでしたが完全な暴投でサードランナーの東雲選手がホームへ返ります!」
倉田「………………」
倉田「なんか調子良くなりましたね。草薙選手は157キロのストレートを空振り三振に終わります!」
倉田「158キロのストレートを空振り三振で3アウトチェンジです! 1失点しましたが球速を見る限りは調子良さそうですね?」
東雲「まあ1ヒットで1点なら上出来かな」
草薙「三振したんで偉そうには言えませんけど、今日の河島の調子からして幸先が良いんじゃないですか」
柳生「まあ椎名さんなら大崩れはしないから後2点取れば問題ないんじゃないか?」
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椎名「嫌なバッターが続くな」
風祭「結構ノビているな」
倉田「145キロのストレートを引っかけてセカンドゴロに終わり1アウトです!」
椎名「個人的にはこいつが一番苦手だな」
倉田「SFFを引っかけてピッチャーゴロに終わると日暮選手は開幕から不調が続いていますね」
椎名「こいつでどうだ!」
倉田「146キロのストレートを打ち上げて3アウトチェンジです!」
倉田「河島選手は奪三振男と有名ですが、この椎名選手は防御率の良さが有名ですよね」
椎名「ああ。やっかいなランナー出さずにホッとしているところだよ」
椎名「ああ。分かってるよ!」
風祭「ストレートは結構ノビていますね」
久住「まあな。打てないボールでもないんだがストレートは慣れないと、どうにもならないからな」
青木「芯でとらえるのはかなり難しそうですね」
久住「相変わらずポジティブな奴と今年も始まった感じがするな」
久住「そう思うんだから仕方ねえだろう!」
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倉田「最後は入ったか見逃しの三振で1アウトです!」
倉田「そう言えばそうですね。初スタメンの相手が高校の先輩と言うのも何かの縁って事なんでしょうか?」
倉田「158キロのストレートに当てましたが結果はピッチャーゴロに終わり2アウトです!」
東雲「やれやれ」
倉田「東雲選手はカーブを打ち損じて3アウトチェンジです!」
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椎名「ここまでは完全だが」
倉田「バットは届かず高野選手は空振りの三振に終わり1アウトです!」
椎名「次も抑えてと」
倉田「高速スライダーに当てましたが結果はセンターフライに終わり2アウトです!」
木村「ふっ!」
椎名「2アウトでランナーが出たか」
倉田「綺麗に打った! 打球は三遊間を抜けて2アウトランナー1塁となりました!」
椎名「ランナーがいるとは言え2アウトならマシな方か」
風祭「同じボールは通用しない!」
倉田「147キロのストレートでしたが綺麗に打ちました! これで2アウトランナー1、2塁となります!」
椎名「日暮に長打警戒は必要ないが」
倉田「最後は外れてフォアボール! 2アウトですが満塁に追い込まれました!」
久住「文句なし!」
倉田「140キロで変化した高速スライダーでしたが完全にとらえて打球は右中間を抜けて打った久住選手は三塁まで走ります!」
倉田「144キロのストレートを空振り三振! 青木選手はチャンスに続きませんでしたがブルーウェーブ、3点取って逆転しました!」
倉田「3回を終わって試合は3対1このまま終わるのでしょうか?」
椎名「2点差か、正直今日の河島からはきついな」
椎名「今日はとことん良い河島だろう。こう言うときの勘は良く当たるんだ」
久住「一気に3打点と満塁に強くなった気がするな」
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倉田「3回以降目立った展開はなく試合は3対1のまま続き当然のようにマウンドにいるの河島選手です!」
倉田「155キロのストレートを空振り三振と完全に河島選手のリズムで試合が動いていますね」
倉田「好調の鳥海選手も打てずピッチャーゴロに終わり2アウトです!」
倉田「最後は後輩にも容赦なしの159キロのストレートで抑えて試合終了です!」
倉田「結局3回の攻撃で決まりましたね」
倉田「7回3失点ですからまあ悪くはない方ですが」
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久住「今日もヒーローと今月のMVP候補だな」
久住「だよな!」
風祭「ピッチャーは浅野(ロッテ)さんが一番の候補だと言われていますが投球回数で河島さんが選ばれる事もあるんじゃないですか?」
中尾監督(うちの動力源はこの河島かな。こいつが調子良ければ優勝も難しくないんだろうが……)
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椎名「まあ勝てないときは勝てないからな」
柳生「4タコなんて良くある話さ。明日に打てば評価は取り戻せるはずだ!」
中村監督「いや他の選手も試したいから明日は代打で頑張ってくれ!」
東雲「ファイターズですよ」
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倉田「4月も終わって圧倒的にスワローズがトップでしたが今は調子を落としている感じですね」
野村「やはり一番の注目はルーキーで4番の滝沢ですね。昨年の高須(広島)に負けない活躍をしていますよ」
倉田「投手陣でも昨年のタイトルホルダーの藤堂選手や新星の本郷選手などが出て来ましたね」
野村「そうですね」
倉田「パリーグは混戦しています。ファイターズだけが負けまくっているって感じなので頑張って欲しいところですね」
倉田「そして今月の月間MVPですがこんな感じです!」
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倉田「面倒なので……ちなみに相良選手は11本で現在ホームランキングです。石崎選手は5勝1敗で現在の最多勝です。風祭選手は現在の首位打者で河島選手は無冠ですが4勝2敗で何故か選ばれました!」
倉田「石崎選手と風祭選手はルーキーなので現在の新人王候補の筆頭とも言えるんじゃないでしょうか」
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球星「お前の名はないな」
球星「ちなみにあの石崎と言うのは凄いのか」
斎藤「そりゃセリーグの新人王候補ですから凄いですよ。甲子園でも155キロって記録を出してますし」
球星「甲子園か……ちなみに斎藤は石崎と戦ったことはあるのか?」
球星「なるほどのー、ん? 誰か来るぞ?」
球星「行ったな。ところで本当に何もないのか?」
球星「ん? ワシがもらってもいいのか?」
球星「無欲な奴だな……それじゃ……」