第??章 プロへ行くのかそれとも……

−1997年 11月−
今日は少年達の未来が決まるドラフト会議、日本シリーズも終わり来年に向けての補強も始まるのだがあの少年はプロに入れるのだろうか?
斎藤「いよいよ始まるな」
吉田「なんと言うか俺達の時とは別の緊張感だな」
真田「僕らの時よりマシでしょう! しかし相川君は決まりだろうけど、他はどうなるんだろうね? 特に柚ちゃんは注目の的だよ!」
大下「風祭は良く知らないがこれ以上出番がなくならない事を祈るだけだ」
嵯峨「噂によれば平下が野手での最多競合指名を塗り替えるとか言われてるな」
玖珂「………………」
相良「ところで何故俺のところに集まってるんですか?」
大下「お前以外は寮住まいなんだよ! お前は1年目から大活躍して金持ちだし特別に寮から出れてマンション住まいだしな! けっ!」
真田「今年も大活躍でしたしまた年俸が上がりますね。しかし最後の『けっ!』てところが気になりますなー」
吉田「大下さんは村雨の活躍のせいか出番が少なかったからな」
玖珂「俺と嵯峨も同じだが、お前らは大活躍だったな!」
嵯峨「俺だって来年こそは!」
吉田「タイトル獲った斎藤と比べると落ちますがスタメン獲得したしできすぎでしたね!」
真田「想像以上に活躍できたし言う事なしだね!」
斎藤「優勝を逃した事だけが心残りですが、プロの厳しさも知れたし1年目から良い経験をしたと思っています!」
相良「俺も来年こそホームラン王と頑張りますがそれより始まりますよ!」
真田「ドラスポも良いけど、プロになってからはインスポばっかり観てる気がするね!」
吉田「ドラスポはアマチュア、インスポはプロの特集が多いからかな?」

ドラフト会議
倉田「シーズンも無事に終わり来年に向けてのドラフト会議が始まります。昨年と同じく逆指名はなく競合必須の1位指名となりますがいったいどんな結末が待ち受けてるのでしょうか?」
野村「野手では平下君、投手では佐藤君と言われていますが、他にも凄い選手が多いと今年も昨年に負けず劣らずの怪物がいますからね!」

ドラフト会議
千葉ロッテマリーンズ
平下 和俊 17歳 外野手
天狼学園高校
中日ドラゴンズ
平下 和俊 17歳 外野手
天狼学園高校
福岡ダイエーホークス
佐藤 宗崇 18歳 投手
無所属
阪神タイガース
佐藤 宗崇 18歳 投手
無所属
日本ハムファイターズ
平下 和俊 17歳 外野手
天狼学園高校
読売ジャイアンツ
平下 和俊 17歳 外野手
天狼学園高校
近鉄バファローズ
佐藤 宗崇 18歳 投手
無所属
広島東洋カープ
佐藤 宗崇 18歳 投手
無所属
オリックスブルーウェーブ
佐藤 宗崇 18歳 投手
無所属
横浜ベイスターズ
佐藤 宗崇 18歳 投手
無所属
西武ライオンズ
平下 和俊 17歳 外野手
天狼学園高校
ヤクルトスワローズ
平下 和俊 17歳 外野手
天狼学園高校

倉田「2人共6球団競合とこれはかつてと言うかドラフトが始まった時とまったく同じです!?」
野村「可能性としてはあるかなと思いましたが実際起こるとまさかと言った感じですね!?」
倉田「クジ引きでの抽選となりますが軽く両選手のプロフィールを紹介します。平下君は甲子園での春夏連覇の立役者でアマチュアナンバーワンバッターとも呼ばれておりチャンス時には滅法強い事で知られております!」
野村「高校球児では知らぬ者はいないでしょう。創部3年目でチームを日本一にしたキャプテンですしカリスマや人気も高そうですね!」
倉田「続いて佐藤君はあの佐藤コンツェルンの御曹司でメジャーを志望していましたが何故か日本球界に乗り込んで来ました。平下君より1つ上と斎藤選手や風祭選手の世代なんですが既に100マイル、日本で言う160キロを投げる剛腕投手ですと話題性は既に凄いです!」
野村「本人は家の借金返す為と言ってるんですが……プロの契約金では届かないくらい借金がありますから返済は難しいでしょうね。活躍し続ければ返せるかも知れませんが凄いプレッシャーの中で投げる事になるでしょうし大丈夫かなと思いますよ!」
倉田「それではクジ引きの結果ですが……」

本田監督「外野の補強を優先したかったがそうそうに期待の選手はつかめないか?」
大村監督「もう1人良い外野が欲しかったんだけどな」
山岡監督「石崎も獲れたし佐藤もと思ってたけど、そうそうは来ないよな」
和田監督「攻撃力をもっともっと上げたいから来いと願ったんだが、願いは悲しく儚い物〜♪」
垣内監督「今年はシーズンもいまいちだったしドラフトこそはと思ったのにっ!」
天野監督「この俺が2年連続で外すだとっ!?」
福井監督「天野との勝負だし勝ってやると思ってたのに結果が引き分けとはっ!?」
中尾監督「そうそうは獲れんか」
山崎監督「やっぱり単独狙えば良かった」
松田監督「日本一で運を使い果たしたかな?」
堀内監督「獲ったぜ! 来年こそはAクラス―――いや日本一だ―――!」
中村監督「次代のスターも獲れたし連覇も決まったな!」

倉田「……獲得したのはホークスとライオンズとパリーグ同士の対戦が決まりました!」
野村「佐藤君は条件を満たせればどの球団でも入ると言ってましたし平下君も希望球団以外でも入団はすると言ってましたしパリーグはこの2人の新人王対決が注目ですね!」

競合必須の1位はこれで決まり次からはハズレ1位の指名が始まる。

相良のマンション
斎藤「まさか2人で他の選手全員のメンツを潰すとは!?」
真田「平下君が来たら再びベンチかと一瞬あせっちゃったよ!?」
吉田「佐藤とならバッテリー組んでみたいとも思ってたけど、香住さんからポジション奪うのは難しそうだし来てもバッテリー組むのは難しかったかな?」
嵯峨「やっぱり後輩共は下位指名か?」
相良「そんな事もないだろう。上位で指名される可能性は十分にある!」
玖珂「ふむ」
大下「1位は難しいだろうけどな」

ドラフト会議
倉田「それでは続けての指名が始まります。なんと言うか高校での選手が多いですね」
野村「まあ昨年もそんな感じでしたからね。しかし3年連続で逆指名の意味がないとこの調子じゃ制度じたいなくなるんじゃないかと思いたくなりますね」

ドラフト会議
千葉ロッテマリーンズ
川名 辰徳 24歳 投手
八束運輸
中日ドラゴンズ
鈴木 仁志 18歳 投手
天狼学園高校
福岡ダイエーホークス
佐藤 宗崇 18歳 投手
無所属
阪神タイガース
大島 圭一 18歳 外野手
旭光商業高校
日本ハムファイターズ
来栖 常春 18歳 内野手
星雲高校
読売ジャイアンツ
御堂 貴人 18歳 投手
明鏡大附属高校
近鉄バファローズ
後藤 剛 17歳 投手
雪影高校
広島東洋カープ
相川 正人 18歳 内野手
赤竜高校
オリックスブルーウェーブ
中尾 忠光 18歳 捕手
斉天大附属高校
横浜ベイスターズ
松井 鉄平 18歳 投手
千歳高校
西武ライオンズ
平下 和俊 17歳 外野手
天狼学園高校
ヤクルトスワローズ
坂本 隆行 18歳 内野手
無明実業高校

倉田「見事に高卒選手一色に近い形となりました。こうして観ると甲子園で活躍した選手が大半ですね」
野村「今年の大卒や社会人には昨年以上の大物が少ないですからね。将来性とも見えますが即戦力がほとんどとさすがはドラフト1位ですね」

本田監督「俺以外は全部高卒指名ってのも凄いよな!?」
大村監督「抑えの切り札も手に入れたしこれなら最下位脱出は問題ないだろう!」
山岡監督「スカウト一押しの逸材だが、やはり不安があるな」
和田監督「来栖を単独で指名できたのはデカイな!」
垣内監督「マジか!? 単独で獲れるとは思わなかったぞ!」
天野監督「勝てるピッチャーさえいれば問題ない!しかし御堂を避けては……まあ福井も避けて欲しい選手を指名してるからいいか」
福井「2位だと微妙だし、指名できる時に指名しとくさ!」
中尾「轟と言う正捕手がいるが、ケガの事やFA権の行使を考えると後釜は必要だな。ま、自分の息子を1位で指名するとは思わなかったが」
山崎監督「欲しい先発も手に入ったし次は!」
松田監督「時雨や土丸屋の後釜になるしバッティングも抜群と1位も当然だな。競合にならないだけツキもこっちにあるとまだまだ運もありそうだ!」

相良のマンション
斎藤「御堂か、夏に評価を落としたとは言え即戦力で2ケタは期待できるな!」
真田「鈴木君か、変化球が凄かった気がするけど、1軍で通用するかな?」
吉田「1位は後輩の相川と、赤竜はカープに縁があるな」
嵯峨「八雲さんも後継者を探してるし1軍入りは期待できるな」
大下「うちはピッチャーを指名してるな」
相良「甲子園でも結構良いボールを投げてましたね。即戦力と言えるかは分かりませんが?」
玖珂「2位指名も始まるな」

ドラフト会議
倉田「それでは2位指名ですがこちらも高卒選手が多いですね」
野村「即戦力と言うほどではありませんので将来性を考えての指名が多いですね」

ドラフト会議
千葉ロッテマリーンズ
篠原 直道 18歳 外野手
赤竜高校
中日ドラゴンズ
内山 春彦 17歳 内野手
黒龍高校
福岡ダイエーホークス
荒木 海 18歳 捕手
葉山高校
阪神タイガース
霧島 進 18歳 内野手
流球高校
日本ハムファイターズ
弘中 英輔 22歳 投手
恒念大学
読売ジャイアンツ
小椋 真司 18歳 投手
無明実業高校
近鉄バファローズ
笠井 宏和 22歳 投手
鏡星大学
広島東洋カープ
東山 勝平 18歳 投手
紅蓮高校
オリックスブルーウェーブ
熊井 輝夫 18歳 捕手
黒龍高校
横浜ベイスターズ
箕輪 春人 18歳 外野手
轟天農業高校
西武ライオンズ
鳥沢 智之 22歳 外野手
汐視大学
ヤクルトスワローズ
小西 昌孝 18歳 捕手
紅蓮高校

倉田「全体的には小粒と言ったところでしょうか、甲子園で活躍してた荒木君なんかは評価が高いですよね」
野村「強肩強打と中日の星野選手に近いですよね。リードも抜群と言う話だし1位でもおかしくはなかったですね」

本田監督「スカウト一押しか、今から楽しみな逸材だな!」
大村監督「うーむ、二軍からゆっくり上げて行けばスタメンも問題ないだろう」
堀内監督「佐藤に続けて荒木も獲得と若きゴールデンバッテリーの誕生になるかな!」
山岡監督「鎖是も歳だしな。しかし相川がこんなに早く指名されるとはな」
和田監督「即戦力と聞いてるがいきなり2ケタは難しいかな?」
垣内監督「例年なら1位でもおかしくない投手を2位で指名とはお得な感じだな!」
天野監督「福井もピッチャーと歳も上だし東山よりは活躍して欲しいな!」
福井監督「佐藤に比べると落ちるがゆっくり成長すれば良いピッチャーになるな!」
中尾監督「続けてのキャッチャー指名だが、熊井はDHかファーストになるだろうな」
山崎監督「良い選手だけど、先発が欲しいんだよなー」
中村監督「続けて外野手を指名と平下と競って成長して欲しい物だ!」
松田監督「光宗がいる限りキャッチャーは不要とも言えるがやはり次代のキャッチャーは必要だよな」

相良のマンション
斎藤「篠原が2位とは驚きだな」
真田「このまま行けば母校の最多指名記録を越えるかもね!」
吉田「当然だが柚の指名はないか?」
斎藤「実力的には指名されてもおかしくない気はするけど、指名するとしたら初になるし各球団も慎重になっても仕方ないんじゃないか?」
大下「ま、指名されるとしても下位だろうしってそれよりもだ! また外野って首脳陣はそんなに俺をレギュラーから遠ざけたいのか!?」
斎藤&真田&吉田「………………………………………………」
玖珂「箕輪は投手能力も高いですからピッチャーとして使うのかも知れませんよ!」
相良「145キロは出すと強肩だからな。その可能性もあるか?」
大下「なら俺の立場が危うくなる事はもうないと!」
真田「ただ、箕輪君ってコントロールが悪かったよね?」
吉田「小林ってエースが来てから外野に専念してるみたいだしやっぱり外野手として使うつもりなんだと思うが?」
斎藤「重い良いボールを投げるし個人的にはピッチャーとして育てるのも面白いと思うけどな」
大下「斎藤がそう言うならピッチャーで決まりだな。俺の心労が絶えないなんてごめんだからピッチャーで決まりだ!」
斎藤&真田&吉田「………………………………………………」
相良「と、とにかく3位の指名も始まるぞ!」

ドラフト会議
倉田「それでは3位の指名に入ります。やはり大学、社会人が多いですね。阪神タイガースが流球高校の橋本君を指名しました!」
野村「守備は文句のない選手ですがバッティングの事もありますし上位での指名はやはり意外ですね」
倉田「……読売ジャイアンツ、3位、風祭柚さん……」
野村「ええっ!? うちが指名ですか?」
倉田「1位指名より凄く会場が騒がしくなっております!?」
野村「そりゃそうでしょう! 入団したら初の女性プロ野球選手の誕生ですよ!」
倉田「それではカメラを赤竜高校の風祭さんに合わせましょう!」
野村「赤竜高校に取材行ってるとは思ったけど、テレビカメラも行ってるんですね!」

赤竜高校
霞「それでは柚さん、今の気持ちを!」
柚「えっと、素直に嬉しい、です……」
霞「そうですね。先輩達は既に活躍してますし柚ちゃんではなく柚さんはどう言う目標を持っていますか?」
柚「ごめんなさい。プロに入れる事も半信半疑だったからあんまり考えてなかったです」
霞「そうですか、無理もないかも知れませんね。では入る意志はあるんでしょうか?」
柚「指名されたのならその球団の期待に応える為にも入ります!」
霞「知っている先輩もいるチームですしね。きっと柚さんに取って良い環境になりますよ! 私も今から活躍を期待しています!」
柚「あ、ありがとう。精一杯頑張って期待に応える、です!」
霞(ファン1号は必ず私が!)

この柚の指名で取材は柚に集中しすっかり相川や篠原の存在は忘れられた。
篠原「なんか俺達は眼中にないって感じだな」
相川「まあ女性の初指名だからね。話題性と言う点では平下君や佐藤さんも越えるだろうし仕方ないよ」
福西「今、ラジオ聞いてるけど、俺達は指名されそうもないぜ!」
木下「しかし斎藤さんや吉田さんと同じ球団が多いと思ったけど、お前は別だったな?」
篠原「母校でロッテに行くのは俺が初めてだな。だがお前の言う通り同じチームに行く選手が妙に多いな?」
柚「ふう、それは指名されたチームの選手が活躍したからだと聞いてる」
相川「取材終わったんだね」
柚(こくっ!)
篠原「なるほど、活躍した選手のツテで監督が情報を流してるのかもな?」
福西「なら俺が指名されないのは監督のせいって事っ!?」
木下「情報の見返りに金を要求してたりして……まさかプロ入りした先輩達は監督に脅されて?」
中西監督「そんな訳あるか! つうかそんな事言ってたらせっかくのプロ入りがなくなるかも知れないぞ!」
篠原「しかしそう言う話は結構ありますね」
中西監督「まあな。けど真偽は分からんし俺は絶対やってないからな!」
木下(向きになると余計怪しいような)
矢吹「とにかく先輩達はプロ入りおめでとうございます!」
村田主将「俺達も必ず続きます!」
工藤「今年も3人がプロ入りか」
小田切「2年で6人がプロと言うのは凄い事だな」
孝介「来年も3人が行きそうですけどね。指名されるとしたら小田切さんもか」
桐島「大学希望ってのももったいないよな」
灯子「そうね。けど大学からだと2002年には逆指名かも」
孝介「ま、それだけのポテンシャルは十分にあるよな」

ドラフト会議
倉田「これで今年の指名は終わりです。こうやって観ると8位まで指名する球団も多くはないですね?」
野村「それだけ厳しい世界って事ですよ。しかし毎年高卒選手が多くなって来てますが他の即戦力選手は指名されませんでしたね?」
倉田「選手の意志を尊重したんでしょうね」
野村「それでも下位で指名して説得するとかもあると思ったんですが、まあ即戦力とも限らないし大学や社会人で様子を見るのか、それとも今の戦力なら十分やって行けると言う自信の現れなのか?」
倉田「とにかく今年の指名も終わりです。今年も多くの選手が入団する事を期待して来年での活躍を楽しみにしましょう!」
野村「上位指名を見る限り来年の新人王争いも熾烈そうですね。そう言えば今年はFAでも大物の移籍が噂されていますが」
倉田「時間がないのでこれまでです!」

相良のマンション
真田「なんと柚ちゃんが3位で指名されたよ!?」
吉田「それもうやっただろう?」
真田「乗りが悪いなーこう言うのはお約束なんだよー」
斎藤「しかし同じチームとはな」
相良「流れ的にオリックスかとも思ったが、これはこれでなるようになった感じだな」
玖珂「と言うか俺達全員同じリーグでバッターだから対戦する事になるぞ!」
真田「うわっ!? そう言えばそうだよ!!」
吉田「気付いてなかったのかよ!」
斎藤「しかしパリーグも凄いよな。佐藤、平下、来栖の対決は特に注目の的だ!」
吉田「他にも凄い奴がいるけど、バッターじゃ平下か来栖がナンバーワンと凄いからな」
真田「うんうん。ところで来栖君ってそんなに凄いの?」
斎藤&吉田「……………………」
嵯峨「見事にこけたな」
相良「まあ無理もないとは思うが」
玖珂「そうでもないだろう。来栖の名が知られて来たのは今年からだし卒業した後じゃ知らなくても不思議じゃない」
吉田「いえいえ、噂くらいは聞くでしょう。普通は!」
真田「普通? 僕には似合わない言葉だね!」
吉田「まあな。確かにお前には似合わないな。お前はただの変な奴だ!」
真田「ふっ、僕をこかせるとは吉田も成長したね」
斎藤「プロになっても全然変わらないな。妙に安心するけど、これで良いのかな?」

今年のドラフトも無事終わり大半の選手が入団する事に決まった。そしてその選手達はと言うと?

斉天大附属高校
大島監督「プロ入りか、お前らは良かったよな」
中尾「まだ気にしてるんですか?」
大島監督「下手すればクビが飛ぶんだぞ! これでどうすれば落ち着けるってんだ?」
小比類巻「もう監督を続ける事が決まったと聞きましたが?」
大島監督「結果を出せなきゃクビかと思うとな」
中川「大差負けだし俺達に責任があるな」
小暮「いや、夏は無失点に抑えて秋は打たれたしやっぱり俺のせいだ」
大島監督「単純に調子が悪かったのもあるしそんなに気にするな」
大蔵「調子が悪くても抑えるのがエースと言いたいところだがバッターも無得点で終わったし先輩達の力を思い知ったな」
大島監督「スタメンと控えじゃ力の差は歴然だったからな。たった一度の敗戦だが高校野球ではこれが全てだ。夏にはメンタル面を思いっ切り鍛えないとな!」
全員「よろしくお願いします!」
西田「つうか今日は俺達のプロ入りが決まった日なんだけどな」
中尾「まあ良いじゃないか、後輩達に負けないようお互いプロでも頑張ろうな!」
西田「おう!」

旭光商業高校
大島「ふっ、ドラフト1位とは我ながら驚きだぜ!」
中原「残念ながら僕は指名されなかったから大学だけど、ま、大学野球ってのも楽しそうだしいっか!」
九重監督「大島家には暗い話があったが良い話もできて良かったな!」
大島「ええ。これで親父がクビになっても路頭に迷う事はなくなりましたよ! さあホームラン王狙って行くぞ!」
森高「凄い自信だなー」
大道寺主将「俺達も負けないよう頑張るだけだ! まずは春の優勝を目標にして来年はドラフトで指名されてプロ入りだ!」
大西「あっさりと言ってくれるな」
浅木「しかし甲子園行きは決まってるしこう言う目標があっても良いと思うな!」
新村「優勝にプロ入りか、できたら良いと思うが」
前田「できたらではなくやってやるで良いんですよ!」
新村「う、うむ!」

天狼学園高校
瀬戸監督「昨年を上回って3人を指名か」
平下「2人共新人王は逃しましたし俺が獲って見せます!」
鈴木「俺も獲ってセパ両方で同校が新人王と言う初の快挙(かいきょ)を成しとげるか!」
篠田「俺は平下と同じチームと、双見さんからスタメン奪えるかな?」
大野主将「俺も続きますからプロでも頑張って下さい!」

色々黒い噂の多い天狼学園だが野球部にはなんの関係もなくプロ入りの先輩を喜んで見送るのだった。
瀬戸監督(大野だけのチームだと春の大会を勝ち上がるのは厳しいだろうな。得点力もいるし良いバッターを探すか?)
大野主将(神童に小林と俺より上と言われるのは気に入らん! 春には評価を引っくり返してやる!)

無明実業高校
大岡監督「春夏春と3回連続で甲子園出場を逃すとはっ!?」
水島主将「せっかく先輩達がプロ入りしたんだしもっと喜びましょうよ!」
大岡監督「喜んではいるさ。しかし即戦力の1年は天狼に流れちまったし暗黒時代が続くかもな」
紫集院「縁起でもない事を言わないで下さいよ!」
小椋「一応2位で指名されたんだけどな」
坂本「俺は日本一のチームから1位指名だが、まあ後はお前らで頑張ってくれ!」
紫集院「あっさりですね」
水島主将「それじゃ後学の為にも目標とか聞きたいんですけど?」
坂本「目標ねえ……そうだな。新人王くらいしか思い付かないな?」
小椋「俺は先発でも中継ぎでも良いからチームに貢献したいな」
紫集院(僕も負けないよう来年こそ甲子園優勝を狙おう!)

雪影高校
白銀監督「まさか大沢もプロ入りとは思わなかったがおめでとうと言わせてもらおう!」
大沢「ありがとうございます。なんとかスタメン目指して頑張ります!」
後藤「目指すは2ケタ勝利だ!」
赤園主将「俺もプロ入り狙うぞ!」
堀内「その前に甲子園がありますよ」
柏田「エースとしても無様なピッチングは見せられない!」
白銀監督(1年の柏田じゃ甲子園を勝ち上がるのはきついだろうが何事も経験か、良くも悪くも甲子園と言う舞台で成長してくれるだろう!)

明鏡大附属高校
赤城監督「1位は当然だがハズレ1位とは思わなかったな」
貴人「何位でも指名された以上は頑張るだけです!」
釘宮「ふーん、希望球団じゃないのに入るのか?」
貴人「正直、兄さんと同じチームでプレーしたかったけど、僕よりも欲しい選手がいたんじゃ仕方ないよ」
西藤「佐藤さんか、やっぱり凄いんだよね。6球団競合で当たりクジ引いたホークスも凄いけど」
釘宮「クジ外してたら御堂を指名したのにツイてなかったな(まあホークスが御堂のクジ引けたかは分からないが?)」
貴人「いいよ。父さんや兄さんと同じチームが良かったけど、こうなったら1位で指名してくれた球団の期待に応えるだけだよ!」
瀬斗「優等生なセリフですね」
釘宮「確かに厳しさで知られるプロでやって行けるか不安になるよな」
貴人「ご心配なく。昔からプロ野球選手に育てられたしプロでもやって行けるよ! それより2人共大学野球でも頑張ってよ!」
西藤「僕もプロ目指して頑張るよ!」
釘宮「俺は元々プロ入りできるだけの力があると思っている。俺が大学行く理由は確実に入りたい球団に入るだけだ!」
貴人(そんな事言って入りたい球団が別の選手を指名したらどうするんだか?)
瀬斗「俺達もプロ入り目指して頑張ります!」
貴人「頑張れよ!」
釘宮(1年にだけこのセリフを言わせるとは、来年のプロ入りは期待できそうもないな)

紅蓮高校
女川監督「3人指名は過去最多だな」
東山「地元から2位で指名か、甲子園でホームラン打たれた吉田さんと同じチームとは不思議な縁だな」
小西「赤竜高校はカープと縁があるな。福井さんの母校って事もあるんだろうが……そう言えばせっかく俺と同じ球団で指名されたのに入団を断るのか?」
東山(灯子も近いからって赤竜高校に入学したし章助も近いからって赤竜高校に入学するのかな? っとそれより今は……)
九条「……家業を継がなきゃダメだし無理だろうね」
小西「でも実際指名されたし両親も無理に継げとは言わないんじゃないか?」
九条「うーん、ただでさえ迷惑かけてるしね。まあ相談してから決めるけど、プロは無理だと思うよ」
妙高「お前らしくもないネガティブなセリフだな」
九条「あっ! プロ入り確実とか言われながら指名されなかった妙高君じゃないですか?」
妙高「プロ入りしなかったのは大学に行きたくて退部届けを出してなかったからだ!」
東山「と言うかあっさり元の九条に戻ってるね」
小西「まあ、いつでもどこでもあいつはあいつって事だな。心配するだけ無駄か」

結局、九条は指名されながらも入団を拒否し紅蓮高校初の3人のプロ入りはなくなり今年のドラフトでは指名されながら唯一入団を拒否したのは九条のみとなった。

轟天農業高校
村上監督「高卒でプロ入りは安田以来だな」
箕輪「さすがは横浜ベイスターズ! 俺が入団したからには来年の日本一は決まりだな!」
橋本「ひそひそ(ベイスターズの外野でスタメンは無理だろう)」
関根「ひそひそ(まあな。ピッチャーとして使うのも難しいだろうし最初は二軍からかな?)」
小林「おめでとうございます。俺達も来年のプロ入り目指して頑張ります!」
箕輪「ふっふっふ、君達も頑張って追い着いて来なさい!」
橋本「思いっ切り上から目線だな(なんかむかつくな!)」関根「プロ入りしたし上から見られて当然なんだが(やっぱりむかつくぞ!)」
小林(先行き不安だな)

黒龍高校
鬼頭監督「沢田は大学志望なので希望通り指名なしで熊井と内山はプロ入りか、おめでとう!」
熊井&内山「ありがとうございます!!」
沢田(俺のライバルになるのは指名されなかった奴らか)
熊井「しかしプロでもバッテリー組みたいし慎にはブルーウェーブに来て欲しいな」
内山「スタメンの轟さんや同期の中尾とキャッチャーの出番は少なそうだけどな」
熊井「そう言ううっちーは外野なら結構出番が多そうで良いね」
沢田「しかしまあ別のリーグと、逆指名になるとどっちに行けば良いのか分からないな?」
熊井「もちろんブルーウェーブへ!」内山「もちろんドラゴンズへ!」
沢田「はあ(こいつらとは別の球団で戦うのが一番面白そうだな!)」

流球高校
児玉監督「まさかお前らがプロ入りで上位指名とはっ!?」
霧島「泣きますよ!」
橋本「しかも同じ球団と縁があるよな」
児玉監督「まあセカンドとキャッチャーは欲しいとチーム事情もあるしどうせなら同じ高校とでも思ったんだろうな」
速水「指名された先輩達も一軍で活躍してるし先輩達も活躍して下さいね!」
霧島「厳しいだろうが鎖是さんからポジション奪って見せるぜ。そして盗塁王だ!」
橋本「総合的な自信はないけど、リードなら自信があるしなんとかスタメン獲って見せる!」
児玉監督「おっし! 来年も指名とお前らも続けよ!」
全員「おう!」

相良のマンション
真田「美味美味と今年のドラフトも終わりましたね。解説の吉田さん!」
吉田「解説じゃねえしところで何食ってんだ?」
真田「冷蔵庫に落ちてた魚肉ソーセージ! 真田は魚肉ソーセージを使って食った! 体力が回復したパワーが5上がった!」
吉田「なんのゲームだよ!」
斎藤「その前に落ちてたんじゃないだろう! つうかこれって窃盗罪になるのか?」
相良「ふっ、ソーセージ1本くらい食べられて訴えても人に笑われるだけさ!」
嵯峨「うむ(モグモグ!)こいつは美味い!」
玖珂「しかし数千万稼いでるとは思えないくらい大学生の1人暮らしみたいな中身だな」
相良「悪かったな!」
大下「ふう、来年も最大の敵は味方の中か」
斎藤「と、とにかく来年も強敵は多そうと楽しみですね」
相良「そうだな」
真田「怪物共が揃ってパリーグと来年も安泰だね!」
吉田「例外が1人いるがな。しかしあそこまでのピッチャーがハズレ1位とは来年も厳しそうだ」

こうして来年も多くの怪物達が入団するのだった。セリーグではやはり御堂が抜けているが他の選手達も実力はさほど劣っていないと来年のルーキーもレベルは高そうだ。そしてパリーグはセリーグ以上に大物が集まるととんでもない記録が出そうだがあの佐藤は本当に入団するのだろうか?