第3章 最後の球場

−1992年 10月−
プロ2年目の御堂だったが昨年から更に力を付けて成績も伸ばし抜群の安定感で防御率のタイトルを独走している。
海藤「と言っても今日対戦する相馬さんとはほとんど差がないよな」
御堂「何を言ってるんですか?」
海藤「防御率のタイトルだよ。もうお前か相馬さんに決まりだろうし今日の試合で決着が付くんじゃないかと思ってな」
御堂「他にも宮本さんとか防御率1点台はまだいますし決まったとは言い切れないんじゃないですか?」
海藤「と言っても残りの試合も数える程度だろう」
御堂「いや僕も今日が最後の登板って訳じゃありませんから」
堀内監督「確かにシーズンでは最後の登板ではないがこの球場では最後の登板になるんだ。これだけのファンの為にも今日は何が何でも勝て!」
鳥海「そういや来年からドームなんだよな」
御堂「ピッチャーには有り難いってくらい大きなドームでしたね!?」
海藤「野手にホームランは難しいだろうと言うくらい大きなドームだったな!?」
堀内監督「いや新しい球場じゃなくてな。初代の本拠地がこれで最後になるんだから最後は勝って締めようとか思わないのかよ?」
近衛「ちなみに屋根は開閉式らしい」
堀内監督「ってお前も新球場の方が良いのかよ」
近衛「元々新球場ができるまでって言われてたしな。今更だよ。しかし今日は御堂の防御率のタイトルもかかってるし何より応援してくれてるファンの人の為にも死ぬ気で勝つぞ!」
全員「おう!」
堀内監督「って何故に近衛のセリフには賛同するんだ!?」

白銀「と言う訳で今日は平和台では最後の試合だな。俺ではなく何故か相馬さんが先発なのが気になるんだが?」
高木監督「今年の成績じゃ相馬の方が上だろう」
相馬「勝率はトップですけどね。奪三振では白銀に一生勝てないでしょうね」
高木監督「プロは年間の安定感や投球回数とかが期待されるが俺がピッチャーに要求するのは勝ち星だ! どんだけ防御率が悪かろうが奪三振が奪えなくても勝てれば良い!」
籾山「だから今年のエースは相馬さんと」
高木監督「そう言う事だ!」
白銀「確かに13勝と相馬さんには届きませんけど今までの実績もあるのに…………それでも2年目の相馬さんの方が上なんですか?」
高木監督「今年はな。悔しいなら来年はタイトル獲って優勝して見ろ!」
相馬「タイトルか、勝率にしても防御率にしても微妙だし敗戦投手にならなければ獲れるかもな」
坂本「ちなみに失点も許されないけどな」
高木監督「つまり無失点に抑え続ければ良いと言う事だ。無失点なら負ける事はないしな」
相馬「滅茶苦茶厳しいんですけど」
高木監督「どれも大して差がないんだから仕方ないだろう。今日の試合も死ぬ気で投げろ。後ろには三沢もいるし放って置いても後は大丈夫だろう!」
三沢「こっちもタイトルかかっているし任せて下さい!」
相馬「おう!」

−1992年公式戦 平和台球場−
鳥海 新之助
後攻 先攻
VS
神坂 睦月
野上 憲弘 坂本 祐樹
DH 近衛 正義 トーレス DH
モーガン 籾山 圭太
海藤 知也 畑山 充
下山 隆祐 飯田 友哉
高原 竦 道山 正則
高杉 充 鷹見 太一
加茂 史虎 小栗 誠一
御堂 誠人 相馬 敦史

放送席
類「シーズンももうすぐ終わりですがタイトル争いは微妙と言う事で解説は伝説の天野さんと実況は類でお送りさせてもらいます!」
天野「微妙って」
類「とにかく僅差って事です」
天野「まあ今年のタイトルは接戦が多いですけど」
類「注目するのはやはり先発の2人ですね。高卒と大卒と歳は離れていますが2年目でチームの主力となっております!」
天野「昨年の新人王は御堂が獲ったんですよね。相馬は5勝とそこそこ活躍しましたね。元々体格はできてないし実力を疑問視されていましたが今年の活躍でプロで通用する事を証明した訳ですね」
類「プロで一番小さいと噂されている日暮君より小さいですからね。ちなみに体格通りと言っては失礼かも知れませんがストレートは130キロがMAXです」
天野「変化球とコントロール、特に高速スライダーと言うには遅い気もしますがとにかく変化は凄いですね」
類「御堂君は特に変わっていませんがストレートは昨年149キロがMAXでしたが今年は151キロがMAXになっていると全体的に能力が上がっていますね」
天野「今年も安定感あるしメンタル面は大した物ですね。どちらも若いですがプロとしての顔になっていると将来のチームを引っ張って行く存在になりそうです!」
類「もうなっている気もしますけどね。それとタイトルですが鳥海選手は首位打者と最多安打の可能性があります。残念ながら近鉄のスタメンには3割打者が1人もいません」
天野「まあ一番高い打率は3番のトーレスの2割後半ですからね。ホームランは30本以上打っている籾山なんですが打率と打点の低さと言えば泣いて良いくらいですからね」
類「まあ30本以上で打点が60点台と言うのは悲しくなるほどのチャンスに弱いってイメージがありますよね」
天野「そうですね」
類「ちなみに今年で引退すると言った神坂選手にも注目です!」
天野「あいつもついに引退か、昨年は3割打ってまだ現役だなと思わされたんですがね。まあ歳だしかなりきついって話ですからね」
類「神坂選手ですが1987年には首位打者を獲っておりシーズン4位の187安打などの記録を持っております!」
天野「あいつも初めてタイトル獲ったのは最近なんですよね。しかし引退か、世代が変わって行くのは楽しくも寂しいもんですね」

1回表 ダイエー0−0近鉄 平和台球場での最後の試合で見事に勝利してタイトルへと走れるかと言う大事な試合が始まる!
御堂(打線は大して強力じゃないけど、一発のあるバッターが多いし不用意に投げないように行こう!)

ガキッ!
神坂「想像よりもノビて来るな」

類「145キロのストレートを打ち上げてまずは1アウトですね!」
天野「やっぱりスイングスピードは衰えてますね。しかしバットコントロールは悪くないと技術面は大した物ですよ!」

御堂(シュッ!)

ガキッ!
坂本「タイミングが合わないな」

類「これは平凡なサードゴロでアウトと坂本選手が苦手なバッティングですが昨年に比べて上手くなった気がしますね」
天野「打率は昨年の方が上ですけどね。選球眼やバント技術などある2番のキャッチャーってのも何気に珍しいですよね。チームでは重要な選手ですがやっぱり守備の選手ですよね」

御堂(シュッ!)

ククッ!
トーレス「しまった!?」

類「最後はスライダーを空振り三振! 御堂選手は1回を三者凡退と相変わらず立ち上がりは良いですね!」
天野「年間通しての安定感あるピッチングは2年目とは思えませんね。将来性と言うより既にチームでもエースと言う貫禄を持っていますね」
類「ここから観ると威厳とかは感じませんけどね。相対しているバッターからはそう言う物を感じるのかも知れませんね」
天野「今日勝てば13勝か、ダイエーで2年連続2ケタ勝利したからやっぱりエースと呼ぶべきですよね」

御堂「まずは三者凡退と順調だよね」
海藤「呆れるくらい防御率の良い御堂だし1点か2点取れば勝てそうだな」
鳥海「ここは3割打者の俺に任せろ!」
海藤(ちなみに俺も3割打ってるんだよな)

1回裏 ダイエー0−0近鉄 こちらの先発は防御率2位の相馬と今日の試合は投手戦を予想されるが
相馬「相手は弱小と言っても今年は結構良いからな。くれぐれも慎重に行こう!」

ガキッ!
鳥海「球は遅いし球種は多いし変化球は何か独特と相変わらず打ちにくいぜ!?」

類「スライダーと言うよりはカーブに近い変化球なんですが引っかけてサードゴロですね!」
天野「握りはスライダーなんですが沈んでカーブに近い変化になってるんですよね。Sスライダーとでも呼んどきましょうかね?」
類「ちなみに相馬選手の決め球は高速と呼ぶべきか分かりませんがスライダーです。だから今のはスライダーと言うよりカーブと呼んでおきましょうか」
天野「本人はともかくバッターはカーブと思っているでしょうしまあ良いんじゃないですか」

坂本(今日もキレてるしコントロールも良い。そうそう連打は続かないだろうし一発に注意しとけば得点はできないだろうな。これなら強打者以外は恐れる必要はないか)
相馬(変化球で惑わせれば問題ないか)

ククッ!
野上「チェンジアップと高速スライダーを混ぜられると手が出ないな」

類「最後は120キロ台のスライダーとストレートと同じくらい球速が出ているんですけどやっぱり遅いですね。ちなみに野上選手は空振り三振です!」
天野「まあね。ただ変化の大きさは大したもんですよ!」

相馬(次は一発のある近衛さんか)

ガキッ!
近衛「シュートか」

類「最後は高速シュートですね。残念ながらセンターフライとスタンドにまでは届きませんね」
天野「相馬の一番の武器は高速スライダーと言われていますが球種の多さとコントロールが最大の武器ですかね」
類「相馬選手も三者凡退と立ち上がりは良いですね」
天野「昨年と違って今年はコントロールが良いせいか被本塁打も少ないと防御率が良いですからね。やっぱりピッチャーはコントロールが命って事ですかね」
類「ちなみに御堂選手もコントロールは良いですね。四死球の少なさは御堂選手が上ですが投球回数は相馬選手が上とスタミナは相馬選手の方が上みたいですね。ですが完投数は御堂選手が上となんか良く分かりませんね?」
天野「それは御堂の方がスタミナあるって事じゃないかな。それともリリーフの差ですかね」
類「近鉄の抑えは現在セーブ王の三沢選手です。ダイエーの抑えは防御率1点台と抜群の安定感の川崎選手ですね」
天野「今日の先発に負けず劣らずの良い成績ですねとなると判断は難しいか」

坂本「ふう、相馬は球質の軽さが最大の弱点だしこう言う僅差になりそうな試合だと強打者相手はやっぱり怖いな」
相馬「ご苦労かけます」
坂本「いやコントロールの良いピッチャーはキャッチャーとしてのリード力を要求されるしお前と組むのは気に入ってるぞ!」
相馬「はい。これからもお願いします!」

試合はこのまま投手戦が続き無失点イニングを続けて8回に入る。

8回表 ダイエー0−0近鉄 投手戦が続き両投手無失点の投げ合いで試合は進んで行く!
海藤「大丈夫か? 下位打線からと言え球数的に疲労が出てるだろう」
御堂「確かにスタミナは落ちてますけど、ここまで来たんだし完封を狙います!」
海藤「1点取れば勝てる流れなのに打線が沈黙したままで悪いな」
御堂「最低でも後2回は投げなきゃダメですし後2回で得点できれば問題ないですよ!」
海藤「そうだな(しかし向こうも同じ条件だしスタミナもだが精神的にもきついだろうにメンタル面は若手と言うよりは既にベテランの域だな!)」
御堂(確実に1人ずつ抑えて行く!)

ズバ―――ン!
鷹見「まだボールが生きてるな!?」

類「相変わらず投手戦が続いてますね。鷹見選手はストレートを見逃しの三振です!」
天野「最後は145キロと2イニングくらい投げるスタミナはあると昨年よりスタミナは上ですかね」

御堂(次も抑える!)

ガキッ!
小栗「間に合わないか」

類「足の速い小栗選手でしたが間に合わずショートゴロと言う結果に終わります!」
天野「あいつも昔は足が速かったんですが今じゃ遅いと言う訳ではありませんが速くなくなって来てますね」
類「今年の盗塁数は30何個でしたっけ?」
天野「まだまだ足は速いんですね(盗塁技術は昔より上だしそのせいかな)」

御堂(残り1人!)

カキ―――ン! パシッ!
神坂(やはりパワーが落ちてるか)

類「良い当たりでしたがセンター定位置のフライと言う結果に終わります!」
天野「不運でしたね(しかし芯でとらえたのに飛距離が出ないと……まあ元々長打力は高くないし衰えたとも言い切れないか)」

御堂(残り1回か、やっぱり1点が欲しいな)」
海藤「後2回か、何とか1点くらいは……取れるだろうと思いたいな」
御堂(ダメっぽいなー)

8回裏 ダイエー0−0近鉄 相馬も無失点と見事なピッチングをしているがスタミナは落ちて来ているとどちらが勝つのだろうか?
相馬「行くぞ!」

ガキッ!
近衛「想像以上に曲がって来るな」

類「近衛選手ですが最後は高速スライダーを打ち上げると衰えですかね」
天野「試合数は少ないですが長打力は高いと来年も行けそうですがね。まあ試合数が少ないのは衰えていると言えなくもないですが」

相馬「次も抑える!」

ガキッ!
モーガン「3割は届かないな」

類「忘れてましたが現在無失点と防御率争いは熾烈です。それからモーガン選手に昨年のノーブル選手ですが外国人選手は結構活躍していますね。ちなみにファーストフライで終わりました!」
天野「無失点を続ければ防御率は良くなるし3位と差は出るでしょうね。それから外国人選手ですが確かに活躍していますね。モーガンも3割打ててないとは言え打点王の可能性はありますからねと言うか忘れている事に驚きですよ!?」
類「この球場も最後と言うとそっちが気になりまして」
天野「そうですね。ダイエーとしたら初代のホームって事になりますからね。今日は勝って終わらせて欲しいと言う願いからでしょうかファンも多いですし勝って終わらせられるでしょうか?」

カキ―――ン!
海藤「ん?」相馬「まさか!?」

類「フルスイングでしたが見事にと言うよりは偶然真芯でとらえたと言う感じでしたがスタンドに入りました!」
天野「もう少し言い方があると思いますが球威やコントロールの落ちて来た相馬だしこの結果は仕方ありませんね」

海藤「待望の1点を俺のバットで取ったぜ!」
下山「さすがは3割打者だな。俺も続くぜ!」
三沢「させるか!」

ククッ!
下山「最近の若手は元気過ぎるぜ!?」

類「最後はエアカッターを空振り三振し3アウトチェンジです!」
天野「あの高速スライダーは切れ味が凄いですからね」
類「今更ですが相馬選手は降板して三沢選手がマウンドに立っています。まあ次で終われば打者1人だけと意味がない気もしますが」
天野「まだ1点差ですし何よりファンの為にも勝ってやろうって気持ちの現れでしょうね!」

高木監督「そう落ち込むな。1失点くらいならまだチャンスはある!」
相馬「分かっています」
三沢「俺はちょっと差があるしタイトルは問題なさそうです!」
高木監督「タイトルも良いがまずは試合に勝つ事だ。まずは1点だ!」
全員「はい!」

9回表 ダイエー1−0近鉄 頼れる先輩海藤の一発で待望の勝ち越しとなった!
御堂(待望の1点が入ったしこのまま完封するぞ!)
海藤(きついかも知れないが完封してるしやっぱり続投か、川崎さんに交代で良い気もするけど)

ガキッ!
坂本「コントロールは落ちて来ないしやっかいなピッチャーだ」

類「結果はピッチャーゴロですがかなり粘って球数は多くなりましたね」
天野「良い結果ではありませんが最低限の仕事はしましたかね? 御堂も球威が落ちてるだろうしここからは一発狙いの方が良いかも知れません。長打や四死球が出たなら結果的に坂本は良い仕事をしたって事になるんでしょうが」

御堂(後2人だ!)

ブ―――ン!
トーレス「しまった!?」

類「完全に失投でしたが力み過ぎて空振り三振です。良い仕事してもこれじゃダメですよね」
天野「一発狙いじゃなかったらスタンドに行ってたかも知れませんね(この場面で打てないと流れが全然来ないな。こりゃ負けたな)」

籾山「まだだ。一振りで勝ち越されたなら一振りで同点にする事もできるはずだ!」
御堂(これで決める!)

カキ―――ン!
籾山「手応え有り!」

パシッ!
鳥海「楽勝!」

類「ライト方向のホームランかなと思いましたが鳥海選手が追い着いて試合終了です! 注目された投手戦でしたが見事に御堂選手が完封勝利でタイトル独走中です!」
天野「敗戦投手の相馬ですがまだ登板機会はあるでしょうしタイトル争いは分かりませんね。それと芯をわずかに外されたか風かの影響でアウトになっただけと思いますし籾山も良く打ったと思いますよ」
類「とにかくダイエーが勝利し平和台球場もファンも満足してくれたでしょう。それでは来年の福岡ドームでお会いしましょう!」
天野「まだシーズンは終わっていませんよ」

とにかく御堂と相馬の防御率争いは熾烈だったが最終的に御堂が勝利してタイトルを獲得すると2年目はジンクスに関係のない活躍をするのだった。

福岡ダイエーホークス選手寮
海藤「変態だ!?」
御堂「いきなり人の部屋に入って来て何を言ってるんですか?」
海藤「素で間違えたってとにかく大変なんだよ!?」
御堂「大変って言いたかったんですね。それで何が大変なんですか?」
海藤「トレードでんがな!?」
御堂「でんがなってトレードですかええっ―――海藤さんトレードに出されたんですか!?」
海藤「俺じゃねえ―――はあはあ、大声で叫んでたら酸欠になっちまったぜ」
御堂「こんな大声出して今に誰かが怒鳴り込んで来ますって」
近衛「どうした?」

そう言って部屋に入って来たのはミスターホークスである近衛だった。
海藤「近衛さん! トレードってマジですか?」
近衛「やっぱり知ってたか、ああ。今日はその事を伝えに来たんだが」
御堂「へ?」
近衛「御堂は知らなかったのか?」
御堂「近衛さんがトレードですか? FAとかじゃなくて?」
近衛「ああ。相手は西武の大友と俺も高く評価されたもんだと言いたいが豪田と園川を付けると豪華なトレードだな。しかし向こうも良く出したもんだ」
御堂「大友さんとですか、確かに凄いトレードですね。しかし2ケタ勝った豪田さんも出すとは……」
近衛「それだけ欲しいんだろう。正直俺も引退を考えてたし来年は移籍して心機一転頑張って見ようと思う!」
御堂「もう決めてるんですね」
近衛「ああ。最初から最後までホークスで終わりたかったが移籍先は強いし有終の美を飾って終わるのも悪くないかも知れんと思ってな」
海藤「俺もいつか近衛さんみたいになりたいと思ってたのに敵になるとは」
近衛「昨日の敵は今日の友、昨日の友は今日の仇とも言うし心強い仲間が増えるんだ。これもプロの世界と思って頑張れ!」
海藤「負けませんよ!」
御堂「僕も来年はタイトルだけでなく優勝を目指して頑張ります!」
近衛「それで良い!」

こうして心強い仲間が去って心強い仲間が増えるのだった。これもまたプロだと御堂は寂しさと嬉しさを感じるようになるのだがそれはもう少し後の事だった。