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堺「しかし既に3勝とエースクラスの力を見せているな!」
マヌエル「9回を2失点の完投勝利なら十分ですよ!」
堺「おいおい。無敗のお前が謝ると嫌味になっちまうぞ!」
堺「まあ俺達のように未成年には行けないところへ行くかも知れませんが」
マヌエル「まあここのラーメンは美味しいし難しい話は良いじゃないですか」
堺「それに明日は休みだしゆっくりして行こうか」
斎藤「そうですね。しかしさっきから時計ばっかり見てて何かあるんですか?」
堺「バカだな。深夜と言えば」
マヌエル「スポーツニュースですね」
堺「そうそう
斎藤「……今日は何かの記念日なんですか?」
堺「しかしお世話になってるし何かできないものか?」
マヌエル「野球好きな店主さんにプレゼントですか、やっぱり優勝とかですかね?」
斎藤「話して楽になると言うなら聞かせてもらいますが」
マヌエル「ワタシも興味あります!」
堺「大川じゃなかったですか?」
マヌエル「大村さん?」
堺「確か捕手でしたっけ?」
堺「俺達が知ってる高校なんですか?」
堺「ほほう。ちなみに甲子園での優勝経験は?」
斎藤(プロで指名されるほどの投手だったんだ!?)
マヌエル「それで結果は?」ズバ―――ン! ククッ! スパ―――ン! マイナーでも最初は敗戦処理だったけど力を認められて2年でダブルAに昇格と良いスタートをしたんだ。 彼は同期のアーチャー、歳は2つ上だけど当時は一緒にメジャー目指して頑張っていたね。チームメイトの中でも特に仲良くなった1人が彼だったよ。 実際、苦労したのは野球よりもチームメイトのコミュニケーションだった。1年の終わり頃にはなんとか普通に話せるようになったと2年で昇格した理由の大半はそれだったね。 意気揚々だったのは最初だけで初めて向こうの厳しさを感じた年でもあったよ。 カキ―――ン! カキ―――ン! カキ―――ン! この年は何故か思ってたところに変化球が行かないのとあまいボールが多すぎたせいか負けに負けると惨敗の年だった。 感じたのは違和感だった。自信家と言うつもりはないけど本来の力なら抑えられる相手からいっぱい打たれた。3年目はそう言う感覚で終わった感じだった。 とりあえずアーチャーの勧める病院へ行ってわずかに肘を痛められていると診断された。 4年目はシーズン前にケガが治り普段の投球をしたんだけど…… カキ―――ン! カキ―――ン! ……昨年よりマシとは言えブランクがあるせいか良く打たれたんだよね。 友人に先に行かれると悔しいよりは寂しかったかな。でもすぐに追い着いてやると言う気持ちで来年へと望んだんだけど…… ……5年目のシーズン中に肘ではなく肩を壊して投手生命を終えて僕の挑戦は終わった。 |
マヌエル「それでアーチャーさんはどうなったんですか?」
斎藤「アーチャーと言うとクリス=アーチャーですか?」
堺「そう言われるとガキの頃にそんなのがいたようないなかったような?」
堺「と言うか良くそんな昔の事覚えているな?」
斎藤「外国人投手でタイトル獲るなんてあんまり聞かないから今でも覚えてたんだよ」
マヌエル「なるほど! こっちでは通用するとやっぱりメジャーは凄いんですね」
斎藤「アーチャーさんとは今も連絡取ったりしてるんですか?」
マヌエル「メジャー経験もある先輩ですし話が聞きたいです?」
堺「ちなみに今言ったのは三冠王獲った外国人選手だぞ!」