第一章 初めての大会
中村「やっと大会に出れるぜ!」
こいつの名前は中村聖矢。この話の主人公。
原田「今まで人数が足らなかったから出られなかったからな。」
桑原「一回戦は優勝候補の大阪吉本工業高校だ。怒 大金星を上げてやろうぜ!」
全員「おう!」
この花柳第一高校は、男子が少ない学校で、今まで20人しか男子生徒がいなかった。野球部は7人しかいなかったの
今まで一度も大会に出たことが無い。しかしこの秋、何人かが入部したので大会に出れるようになった。
沢田監督「みんな、とにかく一回戦、勝つことだけを考えろ。」
「はい!」
花柳第一
大阪吉本
1
山口
7
1
小松
1
2
平岡
4
2
剛田
3
3
桑原
6
3
上松
6
4
中村
1
4
山下
7
5
原田
9
5
辻嵩
5
6
名波
3
6
飯田
8
7
松尾
2
7
又場
9
8
重宗
5
8
江口
2
9
松永
8
9
平鳥
4
実況「今日は元読売ジャイアンツの松田進さんにきてもらいた。」
松田「宜しくお願いします。」
実況「松田さん、今日の注目はどのようなところですか?」
松田「そうですね。大阪吉本の上松選手、山下選手の両選
手を中村投手がどう抑えていくか、そういったところが見所
ですね。」
中村「この回を抑えてリズムにのるぞ!」
ズド――ン!ギュルルル バシー―ン!
桑原「調子いいな、中村。」
中村「ああ」
小松「俺も抑える!!」
コン!
アナ「ああーと。山口選手、セーフティバント。」
松田「完全に意表をつきましたね。足はそれほど速くないのですが、バントの上手さとスタートダッシュの速さでカバーしましたね。」
山口「一番打者は塁に出るのが仕事だい!」
平岡「俺も塁に出てやる!」
江口「こいつもバントか?よし一球はずそう。」
小松「いくぜ!」
シュルルルルルル
平岡「なに!はずされた!」
アナ「平岡君、ボール球をバントしてしまいバント失敗。」
松田「江口君のファインプレーですね。平岡君がバントしてくると読んで
わざと高めのボール球を投げさせましたね。小松君ぐらいの速球なら
ボールでもつい手が出てしまうんですよ。」
平岡「クソッ」
桑原「俺は中村に繋げる!」
カキ―――ン
桑原「繋げたぞ!」
中村「こい、小松。」
小松「いくぜ!」
ギュオ―――ン
中村「皆が作ってくれたチャンスは無駄にはしない!
な、に!
カーブ?」
スコッ
中村「打ち上げてしまった!」
アナ「ランナーが全員スタートしてしまった!」
桑原「う、うわー。もうもどれね―よ!」
ボテ
中村「ラッキー!風に流されてボールが三塁線におちた!」
さらにその後、原田のヒットで2点を入れた。その二点を中村が守りきり
花柳第一高校、一回戦突破。
全員「やったー!優勝候補にかったー!」
沢田監督「おいおい、まだまださきはながいぞ」
こうして中村達は一回戦を突破した。