?「健二?」
後ろから聞き覚えのある声がした。
海藤「誰だ?」
海藤はそう呟き後ろを振り向いた。海藤は後ろを向いた瞬間、声が出なくなった。
海藤「く、工藤先輩??」
海藤は腹から振り絞ったような声を出した。
海藤「ど、どうしてこんな学校に??」
工藤「おいおい・・・こんな学校はないだろう」
海藤「あっ、はいすいません・・・」
海藤と話をしているのは工藤昌弘・・・海藤の1年先輩でバッテリーを組んでいた。
海藤と工藤は色々話をしながら廊下を歩いていた。
海藤「という事は・・・先輩受験失敗したんですね・・・」
工藤「まぁ・・・そういう事だ・・・・」
海藤は気まずい雰囲気を感じたのか直ぐに違う話を話し始めた。
海藤「そ、そういえば先輩は野球部入っているんですか?」
工藤「まぁな・・・野球はやめれないからな・・・健二は何故この学校に?」
工藤は海藤の今、一番気にしているところをついた。
工藤「すまん。悪い事聞いたか?」
海藤「いや、いいですよ・・・・・俺・・・・・野球やめたんですよ・・・」
その言葉を聞いた瞬間・・・工藤は即座に反応した。
工藤「何〜〜〜〜〜!!!!!!おいどうゆう事や?」
工藤は海藤につかかった。
海藤「それが・・・・・・」
海藤は重い口を開いて話し始めた・・・・・
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工藤「・・・・・という事は・・・・・・・・」
海藤「はい・・・もう投げれないんです」
二人の間にいやな空間が漂う・・・・・・・・そんな二人の間に工藤が話し始めた。
工藤「なら・・・野手で頑張ればいいじゃねぇか」
海藤「えっ?!」
海藤は意外な答えに驚きを隠しきれなかった。
海藤「でも・・・どこ守るんですか?もう僕の肩は・・・」
工藤「お前はそれでいいんか?これで終わって・・・」
工藤の言葉に海藤は迷った。確かに自分は野球命だった。暇があれば野球をやっていた自分・・・その自分はあの怪我があってか死んでいた。その自分の息を吹き返すチャンス・・・
海藤「分かりました!俺、もう一度野球やってみます!!」
工藤「そうか・・・一緒に頑張ろうぜ!!!」
工藤と硬く握手をして、海藤は聞きたい事を聞いてみた。
海藤「あの・・・他の野球部員は?」
海藤の質問に工藤は即答した。
工藤「部員は俺だけだよ」
海藤はこの言葉を聞いて心底思った。
海藤「(騙された・・・・・・・・・)」