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吉田「そりゃ夏の大会は先輩達に取って最後の大会とも言えるからな」
中西監督「その辺の弱小校だ。話を聞く限りさほど警戒する必要はないだろうな」
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霞「いよいよ準決勝戦へと突入しました。まずは赤竜高校VS風雲高校の試合をお伝えします。アナウンサーはわたくし白銀霞で解説はお馴染みの武藤小太郎さんです!」
武藤「どうも。やっぱりこの試合では赤竜高校が有利でしょうね」
霞「武藤さんが解説に入ってからは夏では2回ぶつかって2回負けてますからね」
霞「とにかく両校共にプロも注目している選手もいるのでレベルの高い試合となると思います!」
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斎藤主将(シュッ!)
霞「最後は142キロのストレートで三振と今日もストレートが走ってますね!」
武藤「これはなかなか打てませんよ。打てるとしたら村雨君くらいですかね」
斎藤主将(シュッ!)
霞「渡辺君も141キロのストレートを空振り三振しあっと言う間に2アウト!」
斎藤主将(シュッ!)
霞「最後は143キロを記録と今日も立ち上がりは完璧ですね」
霞「とにかく1回を三者三振と今日も難攻不落な斎藤君でした!」
吉田「今日も見事な立ち上がりだな」
斎藤主将「全体的に名門に比べて打線は劣るし無難な立ち上がりだな」
吉田「余裕だな」
斎藤主将「余裕ってわけじゃない。それに次は村雨だ。あいつに対しては苦手意識があるくらい打たれてるからな」
斎藤主将「今まで風雲高校には大差で勝って来た印象があるが、向こうのピッチャーしだいでは強敵と言えるだろうな」
斎藤主将「俺はそう思う!」
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霞「初球を打ってノーアウト3塁となりました。ここで迎えるバッターは甲子園でも活躍した2番の相川君です!」
相川(サッ!)
村雨主将「いきなりですなー」
霞「スクイズ成功で赤竜高校が1点を先制しました!」
霞「そう言えばダッシュしたわりにファーストに送球する時にはベースにいましたね」
相川「村雨さんが恐ろしい速さで接近して来たからサード方面に切り替えたんですが正直、成功してホッとしました」
相川「はい。団長の足でないとアウトの可能性が高かったですね」
霞「吉田君はHスライダーを打ち上げレフトフライに倒れます!」
武藤「Hスライダーは一級品ですね。これでコントロールや球速が上がったらプロでも通用しそうですね」
霞「吉田君を打ち取ったHスライダーだったが斎藤君はとらえた―――! レフトスタンドを越えて場外へ行った―――!」
霞「初回から2点取られた物の最後は空振り三振に抑えると調子は良いんでしょうか?」
霞「村田君はここまで結構と言うか1年生にしてはかなり打ってますからね。エラー数もそれを上回るほどですからなんとも言えませんが?」
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斎藤主将「村雨か―――これで最後だ。決着をつけよう!」
村雨主将「泣いても笑ってもこれで最後の試合か―――来い斎藤!」
霞「初球から振ったがギリギリ入らずファール!」
霞「確かに打たれる事の数少ない斎藤君にしては良く打たれてる印象がありますね」
霞「なるほどっと斎藤君が2球目を投げた!」
斎藤主将(いきなりタイミングを合わせて来たな。次はこいつで行くか!)
霞「次のカーブはタイミングが合わずに空振り2ストライクと追い込まれました!」
斎藤主将(3球勝負で決める!)
村雨主将(最後はストレートだ。今度こそスタンドに運ぶ!)
斎藤主将(シュッ!)
霞「最後は自己最速145キロのストレートで空振り三振に抑えます!」
村雨主将「球速もだけどノビも凄くなってるからそうそうは打てないね」
斎藤主将(シュッ!)
霞「最後はアウトコースのスライダーを空振り三振し2アウトです!」
斎藤主将(シュッ!)
霞「ミートに定評のある中村君でしたが彼も三振とこれで6連続奪三振です!」
霞「采配に関しては疑問の声が上がってますがプロ入り選手を出すなど選手指導はかなりの腕と言われています」
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霞「今日絶好調の真田君でしたがボール球のスラーブを打ち上げて1アウトです!」
霞「なんか半信半疑っぽい解説ですね」
相川「良し!」
霞「相川君は良く見てフォアボールで出塁と今日ヒットはありませんが地味に活躍してますね」
霞「今日は盗塁を決めてますが、また走って来るでしょうかね?」
武藤「そうですね。次は吉田君だしランナーは放って置いた方が良い
吉田「失投か―――もらったぜ!」
村雨主将「あまい!」
霞「盗塁を決めてた相川君でしたが村雨君のジャンピングキャッチ&パスで戻れずにダブルプレーで3アウトチェンジです!」
霞「私もそう思いましたけど、現実で起こった事ですからね」
霞「ちなみにセンター抜ける当たりだったのに捕れたのは」
霞「とにかく抜ければタイムリーって打球をアウトにしたんだから凄いの一言ですね」
霞「そんな事ありましたかね?」
村雨「………………
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霞「試合はいよいよ9回へ入ります。ここまで赤竜高校が2対0のままですが風雲高校も負けずと斎藤君からヒットを打ってます!」
武藤「と言ってもシングルで残塁や四死球でも同じく残塁と繋がりが悪いですねと言うよりは斎藤君が凄いのかな」
霞「そして伊藤君からでしたがここでピンチヒッター刀根君です」
武藤「確か1年生ですが代打ホームランを打つなど長打力を見せてますね」
斎藤主将(1年ってくらいしか分からない。代打だしバッティングが良いんだろう?)
斎藤主将(真っ向勝負だ。タイミングが合わないなら3球で決着をつける!)
霞「期待の刀根君でしたが結果はピッチャーゴロです!」
武藤「斎藤君のストレートに3球で当てるところはさすがですね。将来が楽しみですよ!」
斎藤主将(シュッ!)
霞「ストライクかボールか微妙なコースでしたが審判はボールとコールし河村君はファーストへ出塁します!」
武藤「ストライクなら見逃し三振、ボールならデッドボールですか、まあ審判の判定にケチを付けても仕方ないですか」
斎藤主将(それよりランナーは真田に匹敵する足だ。刺せるか?)
霞「なんでもない牽制球でしたがここで村田君が逸らして河村君はセカンドへ行きます!」
霞「そうですね。今のも特に早い牽制でもなかったし守備は不安がありますね」
霞「高校野球にはDHがないですからね」
斎藤主将「いつもの事だし気にするな」
吉田「接戦でこれじゃなんか怖いし交代させるか?」
斎藤主将「そんな事しても守備は良くならないしこのまま任せる!」
吉田「でもなー」
斎藤主将「それに交代の権限は監督にある。監督が起用し続ける限り俺達も信じるだけだ!」
斎藤主将「おう!」
霞「ファースト前の送りバントでしたが村田君はなんとかファーストへ投げて2アウトにします!」
霞「はい。しかし結果はアウトです!」
斎藤主将「お前は肩が良いし今度からはもっと軽く投げろ!」
村田「うっす!」
霞「2アウトですがここで迎えるバッターは3番の吉岡君です!」
武藤「タイミングが合ってるとは言えませんが今日は一応ヒットを打ってますね」
村雨主将「ここでホームランを打てば同点だけど
霞「ここで今日2つめのデッドボールと今日の斎藤君はなんか安定感がありませんね」
武藤「そうですね。今日のコントロールは安定していない印象がありますね」
霞「そしてここで迎えるバッターは今日はヒットを打っている村雨君です。一発が出れば逆転、抑えれば勝利と最後まで盛り上げて行きます!」
吉岡の足は速くないし向こうもこの場面で盗塁なんて狙わないだろうしバッターに集中するぞ!)」
村雨主将「最後の夏は俺達が勝たせてもらう!」
斎藤主将「こっちも譲れないんだよ!」
村雨主将「最後は人の得意技で終わりか―――負けたよ。斎藤!」
霞「ピッチャーの頭を抜けるかと思いましたがここで斎藤君がキャッチし試合終了です!」
霞「はい。まず決勝に進出したのは赤竜高校となりました。不調と言いましたが終わって見れば完封とやはり斎藤君は凄いですね」
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吉田「けど今年は旭光も恐ろしく強いけどな」