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−１９９７年 ４月 上旬−
斎藤は無事一軍入りし先発の一人として認められたのだが日常に置いては困った事がひとつできていた。
斎藤「やっぱり夢じゃないんだよな？」
球星「うむ！ ちなみに斎藤以外には見えないから気にする必要はないぞ！」
斎藤「まさか伝説の球星「まあ慣れるまで時間がかかると思うが気にせず日常を過ごすんだな」斎藤（慣れたら慣れたで恐ろしいがやっぱり普通に過ごすしかないよな）球星「ま、そう言う事だ。言うまでもない事だが考えている事も分かるから心の中で考えていても筒抜けだぞ！ それと友人がこっちに向かってるから俺は後ろで待機している！」
堺「いよいよ開幕戦だな。開幕投手は誰かまだ分からないけど俺達もと……
誰もいないな？ なんか気配がしたんだけどな。まあいいやとにかく行くぞ！」
斎藤「（こいつも結構するどいよな。それより試合だ！ 気持ちを切り替えてきっちりとやるぞ！）見ての通りひとりだよ。それじゃ行くか！」堺「（話し声がしたんだが、電話じゃないしひとり言でもないよな？）まあいいとにかく試合だ！」斎藤に問題が起きようとも周りは普通に進んで行く。それに斎藤は自称幽霊こと球星に妙な好感を持っており特に恐れなく接していると良く分からない気持ちを持っていた。
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垣内監督「それでは待望の開幕投手だが―――その名は斎藤一だ！」全員「さっき聞きましたよ！」
垣内監督「こう言うのは何度言っても良い物だろう！」全員（断言しやがった！？）
伴「まあ、俺や藤咲はオープン戦でも調子が上がらなかったから仕方ないですけど、妹尾さんは調子が良かったし斎藤とは少し意外でしたけど？」垣内監督「妹尾は好調だったが斎藤は絶好調だったからな。今年はその若い力で連覇を是非ともと言った采配だ！」藤咲「ふむ。こうなると中継ぎに不安がありますね？」垣内監督「そうでもないさ。斎藤が打たれたら出番も多くなるだろうがまあそうそう打たれる事はないと思うぞ。ピッチングコーチもこれだけのボールなら１年目で防御率のタイトル獲る可能性もあるって言ってたしな」
橘「しかしベストメンバーですね」上条「開幕戦なのにベストメンバーじゃないって事はないでしょう！」橘「ま、ケガやよっぽどのスランプじゃなければないかな」
嘉神「相手はスワローズか、普通なら開幕投手はライアンさんなんだけど、今年は藤堂さんですかね？」
神代「昨年タイトルも獲ったし松田監督なら藤堂さんを選ぶだろうな」
槙原「４番は神代か、ま、活躍すれば奪えるだろうし気長にやるか！」
籾山「同じく４番を狙うが、その前にリーグ違うと相手もうろ覚えとまずいよな」堺「オープン戦から打順だけは上がってないな。いずれは３番と頑張っているんだが」野原「ふむ。みんな良い顔をしてるしいつ引退しても大丈夫だな」
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松田監督「開幕投手は藤堂で４番は滝沢だ！」
滝沢「はい！」
藤堂「ついに俺も開幕投手の日が来たか」
姫川「ついに４番も奪われたか」
朝霧「今年は調子が上がってないし仕方ないと言えば仕方ないがな」赤崎「ルーキーが４番か」
丸目「俺も開幕スタメンか」土丸屋「守備に関しては問題ないし早いうちに試してみたいってところじゃないか？」丸目「いくらなんでも早すぎるような？」時雨「せっかくのチャンスだ。頑張れ！ 上手く行かなければ二軍に落ちるだけだし気にせず楽に行け！」丸目「凄いプレッシャーですよ！？」光宗「まあ、あまり意識せず試合に慣れて行こうな！」
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倉田「いよいよプロ野球も開幕となりました。驚きは両チームのエースと４番ですね！」
野村「垣内さんはルーキーピッチャーが好きなんで斎藤ももしかしたら開幕で投げるかなと思いましたし意外と言うほどではなかったですね。滝沢の４番は意外でしたけど」倉田「不動の４番と言われる姫川選手でしたが、昨年から調子が悪いのか松田監督は思い切った起用をしました！」野村「ですね。そして藤堂もついに開幕投手ですか、昨年はタイトルも獲ったし当然と言えば当然ですか」倉田「しかしジャイアンツのクリーンナップは１００本塁打トリオと反則と言うほどの打線ですね」野村「まあヤクルトは３０本打てた選手もいませんでしたからね」
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斎藤「ここからだな。まずは１勝と頑張って優勝を狙うぞ！」球星（うむうむ。このマウンドの感覚は懐かしいな）斎藤（脈絡もなく出て来ないで下さいよ！）球星（すまんすまん。まさかまたこの球場で投げられるとは思わなかったのでな）斎藤（いやいやドームはまだできてなかったし！）球星（細かい事は気にするな。それでは武運を期待している。助けが欲しければ言えいつでも代わりに投げてやる！）斎藤（結構です！ 俺は自分の力だけで投げる！）ズバ―――ン！
朝霧「話には聞いていたが本当に打ちにくいな」倉田「最後は１４６キロのストレートを見逃し三振といきなり三球三振で終わらせます！」野村「相変わらずテンポの良いピッチングですね！」赤崎「やっぱりかなりノビてるみたいですね」朝霧「合わせるのはかなり難しいな。大分速めに振らなきゃまず当たらないぞ！」斎藤（次はバッティングセンス抜群の赤崎さんか）ズバ―――ン！
赤崎「想像以上にノビてるのか！？」倉田「続く赤崎選手も三球三振と６球で巧打者２人を仕留めました！」野村「さすがですね。これなら３人で終わらせるかも……」
土丸屋「ふん！」カキ―――ン！
斎藤「なっ！？」倉田「１４２キロのストレートをセンター前ヒット！ ２アウトでランナーが出ます！」野村「……完全に３人で終わりと思ってのヒットとはさすがは土丸屋ですね！」滝沢（初球と決め球は抜群だし狙うなら２球目だな！）ガキッ！
斎藤「ふう」倉田「最後は１４５キロのストレートを打ち上げレフトフライに終わります！」野村「ヒットは打たれましたが結構安心して観てられたと斎藤は安定感がありますね！」堺「１回を抑えて見てどうだった？」斎藤「やっぱりプロは凄いって実感はしたかな」堺「うむ。やはり土丸屋さんクラスになると即座に対応できるかもな。ま、それでも連打は難しそうだし慣れるまではやっぱり時間はかかりそうだな」斎藤「まあそれならそれで変化球も混ぜて行くさ！」堺「だな！ まあ案ずるより産むが易しとも言うしなんとかなるだろう！」斎藤（これで慎重なリードするタイプなんだから、本当、人は見かけによらないよなー）
姫川「やはり打ちにくそうだな」滝沢「はい。ですが当たりますし次の打席では打ちます！」朝霧「しかし良く打てたな？」土丸屋「まあセンター前と綺麗に打てましたが俺も振り遅れでしたし当てる事が斎藤の攻略法なんじゃないですかね？」赤崎（当てる事が打つコツか）
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藤堂「こっちも負けずと行くぞ！」ガキッ！
橘「良い守備だな！」倉田「橘選手は打ち上げレフトフライとあっさり終わります！」野村「平凡なフライでしたが緊張せずあっさりと捕りましたね。ルーキーだから気になってたんですけど」倉田「そうです。滝沢選手だけでなくルーキーで開幕スタメンを獲得している選手がもう１人います。８番レフトとそれほど目立ってはいませんがルーキーでスタメンを獲得している丸目選手です！」野村「それくらい知ってますよ。それとルーキーキャッチャーの堺も注目です！」丸目「ふう、なんとか頑張らないとな」藤堂（バックが頼もしいと安心して投げられるな！）ククッ！
上条「これだけキレると手が出ないな！？」倉田「アウトコース、スクリューを空振り三振し２アウトです！」野村「ストライクからボールになる。あの決め球はさすがに打ちにくそうですね！」嘉神（今日の藤堂さんから打つのは難しそうだし決め球のスクリューだけを狙うか？）藤堂（こいつはどんな球でも打つから初球からスクリューを投げるか？）ズバ―――ン！
嘉神「げっ！？」倉田「最後は１５０キロのストレートを見逃し三振！ なんとストレート３つで三球三振に抑えました！」野村「多分、光宗のリードなんでしょうけど、完全にバッターの狙いを読んでますね！？」藤堂「危なかった！ スクリュー投げてたら確実に打たれてたな！？」
光宗「そうでもない。あれだけキレるボールなら狙ってもそうそうは打てない。今日は１点が命取りになりそうだしこの調子で頼むぞ！」藤堂「はい！」光宗（やはり先発が不足しているし優勝する為には藤堂の存在が重要だな！）神代「やっぱり光宗さんは苦手か？」嘉神「ええ。さとりかってくらい完全にこっちの思考を読んできますからね」橘「まあ読み打ちは難しいよなー」上条「まあ基本来た球打つ奴ばっかりだから大丈夫なんじゃないか？」嘉神「藤堂さん打つ事ばっかり考えて光宗さんの事忘れてたのが敗因だったな」神代「お前もしっかりしているようで結構抜けてるよな」嘉神「そんなにはないです！」神代「まあ良いけどな」このまま試合は動かず４回に入り斎藤と滝沢の二度目の対決が始まる。
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斎藤（シュッ！）ガキッ！
赤崎「当ててもそうそうはヒットにはならないか」倉田「１４５キロのストレートに当てますが結果はピッチャーゴロとヒットが出ませんね」野村「しかし当てて来てますしプロの力をだんだん見せている感じもしますし打てなくはないと思いますよ！」堺（少しずつだけど、修正して行ってるしさすがに変化球も混ぜないと抑えて行くのは難しいか）斎藤（こくっ！）ククッ！
土丸屋「カーブか！？」倉田「最後はカーブを空振り三振！ カーブを投げたのは今日初めてですね！」野村「スライダーは見ましたけどね。かなり変化してますし変化球を混ぜられるとますます打ちにくいでしょうね」斎藤（次は滝沢か、行くぞ！）滝沢（前の借りは返す！）ズバ―――ン！
倉田「１４７キロのストレートを空振り三振！ 斎藤、この回もバッターを寄せ付けないピッチングをします！」野村「まだ４回ですけど、既に怪物振りを見せ付けてますね！？（マジで１年目から投手部門のタイトル獲りそうだな！？）」堺「危なかったな。三振を奪ったとは言え少しでも球速が遅ければスタンド行きだったぞ！」斎藤「ああ。さすがは滝沢だな！」堺「嬉しそうに言うなよしかし一番注意するのが滝沢とは恐れ入ったよ」斎藤「そう言えば甲子園で雪影高校と戦った事はないんだったか？」堺「さすがに練習試合はあったけどな。しかしかつてとは違い過ぎると言うべきか、まあ他にも良い選手はいるが今日の展開じゃ長打の高いあいつが一番やっかいだ！」斎藤「失点は命取りって事だな」堺「まあ、そう言う事だ」滝沢「次は必ず打つ！」姫川「そうそうは打てないとかなりやっかいなピッチャーですね」光宗「甲子園で優勝しただけはあるな！」土丸屋「変化球を混ぜられるともっとやっかいですよ！」光宗「ま、こちらも無失点だしなんとかなるさ！」
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藤堂「ふう、ちょっと飛ばし過ぎかな？」光宗「少しな。しかし中継ぎや抑えもいるし責任回数くらいは問題ない」藤堂（完封したいとは言いにくいな。まあルーキーには負けたくないし意地で投げて見るかな）ガキッ！
橘「藤堂さん、年々速くなって来てるなっ！？」倉田「１５０キロのストレートを打ち上げショートフライと速いですね！」野村「昨年よりも更に速くなっている印象がありますね。まあ今年で６年目とまだ若くもありますからね」藤堂「とうっ！」ガキッ！
上条「意外に重くもあるな」倉田「上条選手はファーストゴロとストレートにあっさり詰まらされて２アウトです！」野村「藤堂って安定感のないタイプなんですが意外とトータルバランスは良いんですよね。今のも速度、球威、コントロールと良かったですしね」倉田「昨年は防御率のタイトル獲ってますからね……でも調子良いときはとことん良くて悪いときはとことこん悪い人ってイメージですよね？」野村「まあ今まで見た限りではそう言う印象ですよね」嘉神「ふっ！」カキ―――ン！
藤堂「……ここでもスクリュー狙いっ！？」倉田「キレのあるスクリューでしたが完全に狙い打って打球はレフトスタンドに入りました！」野村「しかし狙っていたとは言えあのキレと変化のスクリューをスタンドにまで運べるのは巧打と長打を合わせ持つ嘉神くらいですかね」藤堂「ぐぬぬっ！」ククッ！
神代「良いところに投げて来るな」倉田「期待の神代選手でしたが手が出ず見逃し三振に終わります。しかし嘉神選手の一振りで読売ジャイアンツが１点先制しました！」野村「ふむ。今年の藤堂もやっぱり凄いですね。しかしそれからあっさり打つ２年目の嘉神と今年も巨人が強いですね！」藤堂「くそっ！ ルーキー相手に投げ負けてるとは」光宗「まだ４回だし問題はないだろう（しかし斎藤のボールはかなり独特で１試合では難しいかも知れないな）」藤堂「そうですね（しかしうちは投手陣が不足しているな。おまけにライアンのあれもあったしこんなので優勝できるかな？）」嘉神「ま、１点止まりだがないよりマシってな」斎藤「１点あれば十分です！」堺「そう言って打たれるなよ！」斎藤「分かってるよ！」
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倉田「試合はいよいよ９回で斎藤選手は期待を裏切らないピッチングで後３人まで来ました！」野村「開幕戦をルーキーが完封と言うのは近年では珍しいと言うほどではないかも知れませんが、それでもそんなにはないですからね」倉田「そして最初に迎えたのは今日４番の滝沢選手です。ルーキー同士の対戦で今日は完全に斎藤選手が抑えています！」野村「ルーキーで３割３０本を期待されているほどの天才打者と聞いてますが斎藤有利と新人王争いは斎藤が少し上と言ったところでしょうか」斎藤「これで決める！」ガキッ！
滝沢「三球勝負に見せかけたボール球のストレート！？」倉田「１４５キロのストレートを打ち上げてピッチャーフライ！」野村「今まで追い込んだら遊び球なしだったので完全に狙いを外されたボール球で打ち取られるとルーキーの堺も良いリードしてますよ！」斎藤「次は姫川さんととんでもない人ばっかりだな！」ズバ―――ン！
姫川「今までも速いストレート投げる奴はいたがここまで異質なストレートは初めて見たな！？」倉田「実質４番とも言える姫川選手でしたが１４６キロのストレートを空振り三振に終わります！」野村「完封まで後１人ですか、これはもう決まりですかね？」斎藤「いずれは首位打者とも言われている光宗さんか」ズバ―――ン！
光宗「ルーキー相手に完封負けか」倉田「最後も空振り三振とここから見る限り打てそうなストレートに見えますが初の登板で完封勝利、おまけに奪三振は１８個ととんでもないルーキーが現れましたね！」野村「まったく大した物ですよ。お立ち台は当然斎藤と嘉神ですね。嘉神は昨年の首位打者ですが新人王は獲れなかったと斎藤には獲って欲しいですね！」倉田「開幕戦はエース同士の投げ合いだけあって期待を裏切らない投手戦で１対０で読売ジャイアンツが勝利しました！」野村「まだ始まったばかりですがこの調子で連覇を期待しましょう！」
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斎藤「ふう、疲れた」嘉神「いやヒーローインタビューは何回やっても良い物だな♪」堺「くそっ！ 完封できたのは斎藤だけの実力だってか、俺のリードもある事を忘れてるんじゃないか！」垣内監督「まあ打線は完全ではないが沈黙させられたからな。しかし今日の藤堂に勝てたのは大きいな。この調子なら今年も優勝だな！」神代「昨年は一気に盛り返したから参考にはならないんじゃないですか？」槙原「そう言えば夏から一気に逆転して優勝したんだったな」垣内監督「まあ明日も試合だ。バッターは明日に活躍してくれ。斎藤は次の登板までゆっくりして良いぞ！」斎藤「はあ」球星「時代も変わったと言う事か、昔なら連投も不思議ではなかったんだが」斎藤（先発で連投はさすがに……まあ高校では良くあるか？）垣内監督「どうした？」斎藤「い、いえ。やはりプロ相手だとプレッシャーも結構あったし疲れたなと思いまして」垣内監督「ああ。ゆっくり休んでくれ。次も期待している！」斎藤「はい！」
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松田監督「今日は負けたか」滝沢「すみません」松田監督「ま、こんな時もあるさ。気にするなとは言えないが次の試合では頼むぞ！」滝沢「はい！」藤堂「はあ、１失点で敗戦投手か、やっぱり今年は負け運かな？」光宗「そんな事はない。これからだ！」姫川「そう言えば土丸屋は１打席目であっさり打ってたけど、コツとかあるのか？」土丸屋「別にないですよ」姫川「そっか」丸目「せっかくのチャンスだったんだけどな。きっと監督も斎藤との対戦があったから起用してくれてたんだろうし期待に応えたかったな」
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和田監督「開幕戦では負けてしまったが今日は勝つぞ！」
全員「おう！」
定岡「開幕投手は逃したが今日は勝つぞ！」河原「開幕投手を逃したのはお前が当日に調子を崩したせいだろう！」
定岡「うっ！ しかしだ。今日勝てば一応５０勝ともなる試合だし今日は飛ばして行くぞ！」
直人「今日も２番レフトだ。守って行くぞ！」
石井「……４番は嬉しいが……ん？ 天野か、どうした？」直人「石井さん聞きたい事があるんですが？」石井「なんだ？」直人「昨年に石井さんはホームランを２８本打ってますけど全部で何試合出場したんですか？」石井「正確には覚えてないがスタメン出場は８０試合くらいだったかな？」直人「それで２８本ですか、やっぱり凄いですねっ！？」石井「ところでなんでそんな質問をするんだ？」
直人「俺はアベレージタイプなんですが実は石井さんみたいなパワータイプを目指しているんです！」石井「なるほど、それであんな質問したのか」直人「はい。それで石井さんの目から見て俺、パワータイプになれますか？」石井「難しい注文だな。まあ今の所お前は中距離打者だな。けどパワーもあると思うしこれからの練習次第だな」直人「可能性はあるんですね」石井「あくまで俺の目から見てだからな。そういう質問は俺より監督にした方がいいと思うぞ。あの人も昔は強打者だったらしいからな
まあ練習するときは俺が見てやるよ！」直人「ありがとうございます。参考になりました！」
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本田監督「開幕戦は勝利した。今日も勝って連勝と行くぞ。相手の先発は昨年も２ケタ勝った定岡だ！」
浅野「今日はエースが相手か」
八坂「いつも通り投げれば問題ないですよ」浅野「そうだな」
藤井「つうか今日も俺がスタメンなんですけどっ！？」本田監督「うむ。とりあえずファーストは決まってないから今日もお前で行く事にした！」桜庭「せっかくのチャンスだ。期待に応えて見せろ！」
藤井「うっす！」永久「ま、１年目と言う事は俺と同じだ。気楽に行こうな！」藤井「うっす！（さすがは即戦力の永久さん、俺と違って余裕があるなー）」リッチー「オマエも１年目だろう。調子はどうだ？」ギャラード「アッチと勝手が違いますから苦労しますけど、結局やれる事は変わりませんからすべき事をしますよ！」リッチー「ま、そんなもんかな」ギャラード「そんなもんですよ！」不破「姫島さんと寺井さんの１、２番コンビも当たり前になって来ましたね」寺井「俺も歳だしな。２番は別の奴に譲りそうだがな」小杉「それが俺だと？」寺井「いや、監督の性格上２番は三振しにくくバントの上手い奴になるんじゃないか？」姫島「スタメンにはいませんね」
不破＆小杉「……………………」寺井「そうだな」
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倉田「今日は日本ハムファイターズＶＳ千葉ロッテマリーンズの試合をお送りします。解説には本田監督の弟さんで首位打者を獲る多くの名捕手の１人である
竜二「よろしくお願いします！」倉田「今日は２戦目ですが昨年のエース同士の投げ合いと言う展開も珍しいですね？」竜二「そうですね。ファイターズは和田監督ですから結構その時の調子で決めますけど、兄、いえ本田監督は実績で決めるところがありますから浅野の方で問題があったんですかね？」倉田「それについては浅野より小島の方が良かったから投げさせただけと言ってましたね」竜二「きっちり調子を整える浅野にしては珍しいかなと思いましたけど、シーズンで調子が落ちる事なんて当たり前だしそれが開幕に来た程度と言ったら失礼かな。けどそんな問題だと思ってましたよ」倉田「なるほど、ちなみに定岡選手が今日勝てば通算５０勝となる試合でもあります！」竜二「へえつうか３年で４９勝もしてるんですか！？」倉田「ええ。定岡選手がエースと言われるのはその勝ち運と投球回数の凄さですね。馬力があった勢いで勝ち星を挙げて行くっていまさら言うまでもないですよね」竜二「確かに」倉田「逆に浅野選手はその安定した防御率で凄まじい勝率を維持していると対照的な２人ですね。昨年は２点台とプロに入ってからは一番悪かったですが、防御率２点台なら普通に考えると十分ですよね」竜二「ですね。浅野は３年連続１点台に抑えていると驚異的な安定感を見せましたから防御率のタイトルも既に２回獲得とこの若さでこの成績なら文句なしですよ」倉田「続いてスタメンと行きたいところですが長くなりましたので試合の方に集中させてもらいます！」竜二「………………（やっぱり変な放送だな）」
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定岡「行くぞ！」ガキッ！
リッチー「足が速いな」倉田「これは天野選手の守備範囲ですね。あっさりと追い着いて１アウトです！」竜二「定岡のボールは重いですからセンター方向のホームラン狙えるのは八坂くらいですかね」八坂「そろそろ１点が欲しいな！」カキ―――ン！
定岡「あれを持って行くか！？」倉田「噂をすればなんとやらですね。１点が欲しいと思ったところに待望の一発が出るとやはり打てるとしたらこの人しかいないって感じでした！」竜二「高めに来たとは言え１５１キロのストレートを良くもまあスタンドまで運べる物ですよ！」定岡「くそっ！ 相変わらず大したパワーだ！」ズバ―――ン！
小杉「良いところなしかよ」倉田「１５３キロのストレートを空振り三振と相変わらず速いボールを投げますね！」竜二「自己最速ですからね。しかしこうして観るとルーキーの頃に比べて抜群にコントロールが良くなっているイメージがありますね」定岡「おっしゃ！ この調子で行くぜ！」スト―――ン！
桜庭「くそっ！」倉田「続く桜庭選手にはフォークを投げて空振り三振と相変わらず力強いピッチングですね！」竜二「クールな浅野と熱血漢な定岡と、こう言うところも対照的ですね」倉田「そうですね。１アウトから八坂選手がホームランを打ちましたが続くバッターは連続三振に倒れ３アウトチェンジです！」竜二「とにかくこれで１点先制とこのままマリーンズが逃げ切れるかが浅野にかかっていますね（ま、浅野は完投タイプじゃないし後続が打たれる可能性もあるけど）」河原「完封は逃したがこの調子なら大量失点はなさそうだし問題ないだろう」定岡「だと良いがな」河原「相手が浅野さんだから１点が致命傷になるって事も分からなくはないが、あの人も年々敗数が上がって行ってるし気にし過ぎだと思うが」定岡「まあうちのバッターを信じて９回まで投げて行くだけだな！」河原「ああ。お前はそれで良い！」定岡「なんか単細胞扱いじゃないか？」河原「（ギクッ！？）気のせいだ」
定岡「顔に出ているんだよ！」
河原「うげっ！？」直人（いまさらだけど、変なチームに来たよな……つうかこの人達って俺に取って偉大な先輩に当たる人達なんだよな。こう言うの観ると尊敬よりも親しみがわくってそれが良いのか悪いのか？）八坂「とりあえず１点先制とこれを守って行きましょう！」浅野（コクッ！）藤井（リードだけでなくバッティングも凄いとやっぱり目標にするならこう言う人だよな！）小杉「くそっ！ 次の打席を見てろよ！」桜庭（相変わらずまとまってるのか、ないのか分からない奴らだよな）
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浅野（石井君からか）八坂（いつも通りガンガン振って来ると思うのでボール球を中心に投げて行きましょう！）浅野（石井君のホームランはほとんど失投だからコントロールだけには注意しないと！）ククッ！
石井「相変わらず相性が悪い！？」倉田「相変わらず浅野選手との相性は最悪か、また空振り三振に終わり１アウトです！」竜二「この選球眼の悪さがなければ打率ももっと上がるんですけどね」倉田「けど言うほど打率は悪くないんですよね。昨年は試合数が少なかったとは言え２割八分ちょうどでしたしね」竜二「へえ。意外ですね。いや、石井の打率が高いと言う事はコントロールの良いピッチャーがパリーグでは少ないって事なのかな？」浅野（スライダー１つで通用するのは楽で良いんだけど、あのスイングはやっぱり怖いな）ガキッ！
音無「芯を外して来る投球術はさすがだな」倉田「音無選手は打ち上げて２アウトとこちらもボール球に手を出しましたね」竜二「いまさら言うのもなんですけど、ファイターズはストライクでもボールでも振りまわすバッターが多いですからね」浅野（天王寺さんも三振が多いけど、あの人はあれでボール球には手を出さないからコースギリギリを狙おう！）ガキッ！
天王寺「こうコース付かれたらヒットも難しいな。しかし強振でとらえても難しいし相変わらず浅野は難攻不落か」倉田「天王寺選手も打ち上げてショートフライに終わり３アウトチェンジです！」竜二「スライダー、カーブ、カーブと相変わらず変化球中心か、やはり浅野は本田監督の再来って感じですね」倉田「しかしこの回は三者凡退ですが、他の回では意外と打たれていますよね？」竜二「まあラッキーヒットのたぐいですけどね。四死球も１つと絶好調とは言えないかも知れませんね」浅野「三者凡退とようやく抑えられた気がするな」八坂「結果はともかくボールに関しては文句なしですけどね」
浅野「そう言われると素直に嬉しいね」八坂「やっかいなのは天野ですね。天野が塁に出ても後が続かないので助かってますけど」浅野「今日は完全に負けているからね」八坂「ま、点を取られなければ問題ないんですけどね」
石井「相変わらず打ちにくくて嫌になるな」天王寺「１試合の失点が１点か２点だからそうそう点は取れないだろうな」音無「天野は変化球に強いせいか良く打ててるけどな」石井「天野が打っても後続が続けないとな」天王寺「浅野の失点は試合後半が多いしスタミナ切れを待つのが一番だと思うが」音無「………………」
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ギャラード「フンッ！」カキ―――ン！
定岡「げっ！？」倉田「１４９キロのストレートでしたがそれを引っ張って右中間を抜けてランナーのギャラード選手はセカンドでとまります！」竜二「球威のある定岡のストレートを引っ張るなんて……さすがに外国人選手だけあってパワーがありますね」定岡「食らえ！」ガキッ！
不破「おっし！」倉田「振り遅れたがなんとか当てて打球はライト前に落ちます！ これでノーアウトランナー１、３塁となります！」竜二「不破は運が良かったですね。しかしこのチャンスでルーキーの藤井ですか？」定岡「やばっ！？ しかし不幸中の幸いで次は９番か」藤井「こんなチャンスで俺か、まあ幸いノーアウトだしなんとか犠牲フライくらいはっ！」定岡（母校の後輩だろうと手加減はしない！）ズバ―――ン！
藤井「容赦なしか、いかにもって感じの先輩だな！？」倉田「最後は１５０キロのストレートを空振り三振し１アウトです！」竜二「ここまでのバッティングを見るといかにもって感じの強打者ですね。どちらかと言えばファイターズのバッターに多いパワーヒッターって感じですか」姫島「………………」カキ―――ン！
定岡「げっ！？」倉田「ここはスクイズかと思いましたが普通に打ってセンター前へ！ サードランナーのギャラード選手はホームに返って１アウトランナー１、２塁になります！」竜二「ランナーのギャラードは足が遅いしゲッツーを恐れてのヒッティングでしょうね」定岡（スクイズ警戒してあまく入っちまったな。次は寺井さんか……送りバントはないよな？）寺井（送りバントか）コツンッ！
定岡「やっぱり送りバントかよ！」倉田「ここは普通に送って来ましたね？」竜二「ランナーが俊足ですからね。１ヒットやエラーでの得点の可能性が高いと思っての事じゃないでしょうか？」倉田「送りバント成功で２アウトランナー２、３塁となります！ 次は３番のリッチー選手です！」竜二「前の打席では定岡の球威に負けましたが、今度はどうでしょうね？」定岡「こいつで終わりだ！」グイ―――ン！
リッチー「同じミスはしない！」カキ―――ン！
定岡「げっ！？」倉田「速いストレートでしたがセンター前に打ち返され１人ランナーが返ってこれで２アウト１、３塁となります！」竜二「長打ではなく確実に点を取る方法で来ましたか、昨年は規定打席に到達しなかったとは言え今年も安定した打撃は健在ですね！」河原（分かるな！）定岡（コクッ！）八坂（打ちたかったが……仕方ないか）倉田「さらなるピンチを迎えましたがここはあっさりと河原選手が立ち上がり八坂選手を敬遠し次のバッターは小杉選手です！」竜二「ここの敬遠は仕方ないですね。しかし３対０と既に浅野相手には絶望的な感じもしますが」小杉「うらっ！」カキ―――ン！
定岡「うぐっ！？」倉田「左中間を抜けた！ ランナーが２人返って打った小杉選手はセカンドにとまります！」竜二「高めのストレートでしたが良くあそこまで飛ばせましたね」河原（速度はあっても球威は落ちてるか、仕方ないな）定岡「シーズン初の先発がこんな終わり方か」進藤「とにかく交代ね」定岡「進藤さんが行くんですか？」進藤「ま、監督の指示だからね」スト―――ン！
桜庭「無念っ！？」倉田「最後はフォークを空振り三振と代わった進藤選手はあっさりと抑え３アウトチェンジです！」竜二「落差は定岡ほどではないんですが、手元でのキレと速度は上ですね。それとフォークではなくＳＦＦですよ！」倉田「おっと、失礼しました。ＳＦＦで三振を奪い３アウトチェンジです！ しかしこの回にマリーンズが４点追加し５対０となりました！」竜二「やはり浅野相手にこの点差は絶望的ですね。しかしこの回は八坂以外が活躍し定岡を降板させると私にもこの展開は読めませんでしたね」進藤「後２回か」河原「セーブも付かない場面ですみません」進藤「別に構わないよ。流れを断つための登板ってのも悪くないしね」河原「そう言ってもらえると助かります」小杉「ふっ、これで勝ちは決まったな！」八坂「まあ５点差ですし普通はそうなるんですけどね」リッチー「何か不安要素があるのか？」八坂「この展開だと浅野さんは途中で交代かと思いまして」姫島「スタミナは問題なさそうだがな」八坂「そうなんですけどね」
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倉田「結局７回裏と８回表は３人で終わり試合は８回裏に入りました！」竜二「観てますから知ってますよ！」倉田「いえいえ。この回から観始めた人もいるかも知れませんから！」竜二「それはそうですが」倉田「現在５対０でマリーンズがリード中です！ 試合はこのまま終わるのか？ そしてファイターズこの回は１番からの好打順です！」竜二（変わった娘だ）浅野「岩崎君か」ククッ！
岩崎「決め球はとんでもないな！？」倉田「最後はスライダーを空振り三振とやはり決め球は凄いですね！」
竜二「コントロールの使いどころを良く分かっている奴らですからね！」浅野「次はドラフト１位の天野君か」ククッ！
直人「ふんっ！」カキ―――ン！
浅野「なっ！？」倉田「岩崎君と同じく三振かと思いましたが決め球のスライダーを完全にとらえてレフトスタンドに持って行きました！」竜二「さすがに『天野』だけあって持っている物が凡人とは違うって事ですかね」直人「ようやく１点返せたな！」浅野「まさか決め球のスライダーをルーキーに打たれるとは……天野直人か、僕の天敵になるかも知れないな」ガキッ！
河原「打ち上げちまったか」倉田「河原選手はカーブを打ち上げて２アウトです！」竜二「ああ大きく変化すると芯に当てるのは難しそうですね」浅野「コントロールには気を付けてっと！」ズバ―――ン！
石井「無念っ！？」倉田「最後は１３７キロのストレートを空振り三振とやはり最後はボール球を振らされました！」竜二「強打者は相性が悪そうですね。巧打者の天野が一番相性が良いってのも分かるような分からないような。うーむ？」倉田「ま、それは置いといて天野選手のホームランでファイターズが１点返しこれで４点差となりました！」竜二「後１回で４点は厳しいですね。まあ進藤が投げていますからファイターズも諦めたわけではないでしょうが」八坂「しかし天野弟のホームランには驚きましたね」浅野「うん。変化球に合わせるのが上手い印象かな」八坂（甲子園で戦った事もあったが、あんまり印象に残っていないんだよなー。ただバッティングセンスは結構ありそうだな！）浅野「まだ成長途中だろうし先を考えると恐ろしいバッターに成長するかもね。現にヒットはともかくホームランを打たれるとは思わなかったからね」八坂「まあ父親は三冠王の天野成治さんだしホームランバッターに成長する可能性もありそうと言えばありそうですけどね」直人「我ながらさっきのは良い感じだったな。１０本も打てないと思ったけど、今日の感じなら２０本狙えるかもな！」石井「まあ浅野相手から打ったんだ。可能性はあるだろうな」直人「そうですかってまだ落ち込んでるんですか？」石井「今年も浅野とは相性が悪いからな」直人「ん？ 石井さんと浅野さんって同期でしたよね？」石井「ああ。同じ年に新人王を競い合った！」直人「たしか新人王を獲ったのは石井さん……なのに相性が悪いんですか？」石井「ああ。当時から相性が悪かったな」直人（たしか浅野さん……タイトルも獲ってたよな……なのに石井さんが新人王なのか？）石井「なんとなく考えてる事が分かるけどな。当時はファイターズとライオンズの優勝争いで盛り上がってたからな。それでだと思うぞ！」直人「優勝したのはライオンズで当時のルーキーは草薙さんが凄かったっけ？」石井「たしかに草薙は３割３０本と打ってたけどな。俺だってあいつより１本多くホームラン打ったんだからな！」直人「別に何も言ってませんよ！」石井「だから言わなくても考えてる事くらい分かるんだよ！」直人（たしかに考えはしたけど……と言うかこんなに読めてもバッティングにはプラスにならないのか？）
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進藤「後３人！」ガキッ！
姫島「Ｈスライダーか」倉田「Ｈスライダーを引っかけてピッチャーゴロに倒れ１アウト！」竜二「進藤に代わってからはヒットも打てませんね」進藤「最後はこいつで行く！」ズバ―――ン！
寺井「ダメか」倉田「最後は１４９キロのストレートを見逃し三振！」竜二「速くて重そうなボールですが昔の寺井なら打てないボールでもなかったですね」進藤（シュッ！）スト―――ン！
リッチー「ふう」倉田「ギリギリスイングをとめますが審判の判断は三振とこれで３アウトチェンジです！」竜二「打者７人を完全に抑えると文句なしのピッチングでしたね！」倉田「マリーンズの攻撃は３人で終わり９回裏に向かいます！」竜二「９回裏から５番と強打者が続きますが４点差は正直厳しいですね」進藤「後は攻撃で終わりか」河原（さすがにこの点差を１回でひっくり返すのは無理だろうな）定岡（はあ……この１敗はショックだなってまだ終わってないし）河原（これでうちのエースだもんな）八坂「今日の進藤さんはコントロール抜群ですね」浅野「それもだけど、点差のせいか攻撃があっさりとし過ぎているせいもあるかもね」八坂「まあ優勝争いには縁がありませんからね。俺が入団した頃に２位になったけど、首位のブルーウェーブとは大差でしたし」浅野「今年こそ優勝する為にはどうしてもここぞと言うときの力が欲しいけどね」八坂「まあ、分からなくはないですが」浅野「まあ、後１回抑えて終わりにしよう！」八坂「はい！」
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浅野「強打者３人か」ククッ！
音無「くそっ！」倉田「最後はスライダーを空振り三振と変化球に手が出ませんでしたね！」竜二「変化球の使い手としたら全球団でもトップクラスですからまず手が出ないでしょうね」浅野「まずは１人と」ガキッ！
天王寺「当たる事は当たるんだがな」倉田「天王寺選手はフォークを引っかけてサードゴロに終わり２アウトです！」竜二「ボール球に手を出しちゃダメですよね」浅野「これで終わりとするか」ガキッ！
佐々木「打ち上げちまった」倉田「最後はスライダーを打ち上げてピッチャーフライに終わり試合終了です！」竜二「最後はあっさり終わると、まあ浅野らしいピッチングでしたね！」倉田「エース同士の投げ合いでしたが結果は５対１で千葉ロッテマリーンズが勝利しました！」竜二「安定感のある浅野らしいピッチングで終わりましたね。個人的には日本ハムの天野のバッティングも誉めてやりたいところですが結局負けてしまいましたからね」倉田「逆に定岡選手は悪かったですね」竜二「うーん、悪いと言うほどじゃありませんでしたね。どっちかと言えばロッテ打線がコツコツ積み重ねて点を取ったイメージですね。まあロッテとしては打って守ってと良い試合でしたね！」
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和田監督「頼みの定岡でもダメだったか」定岡「すみません」河原「進藤さんは良く投げたんだけどな」
定岡（グサッ！）直人「凄いダメージを受けてるみたいなんですが？」進藤「いつもの事だよ」石井「うむ！」直人「石井さんもノーヒットなのがショックなんですね」石井「どうせ俺は４タコでしたよ。お前はホームランと完全に俺の負けですよ」直人「えっと、次に打てば良いじゃないですか」石井「そうだな」天野「立ち直り早っ！？」
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本田監督「今日のヒーローは浅野と姫島だな。浅野のピッチングは言うまでもないが姫島が点を取って勢いが出た！ 今年の打の中心は姫島になるかも知れないな！」姫島「どちらかと言えば不破のラッキーヒットで調子を崩したイメージがありますが？」不破「ラッキーヒットか」八坂「まあヒットはヒットですし、そう言えば浅野さんのピッチングはさすがでしたね」浅野「まあ１失点したけど、今年も勝てたし嬉しい１勝だったね」藤井「俺は全然打てませんでした」永久「俺なんて出番もなかったぞ」桜庭「ま、こう言う日もあるさ」
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斎藤「こうやって見るとみんな結構活躍してるよな」堺「うむ。甲子園は母校が優勝したしこのまま巨人も優勝して俺も新人王を獲るぜ！」斎藤「まあ確かに天狼学園は強かったし平下も凄かったけどな」堺「うむ。野球部創設と言うか母校創設３年目で優勝だからな。夏も優勝して欲しい物だ」斎藤「夏は１校だし無明実業相手じゃ厳しいと言いたいところだが平下のバッティングは凄い物があるからな」堺「ふむ。まあそれは置いといてリードしていて思ったんだが」斎藤「何か問題があったのか！？」堺「いやお前の事じゃなく妹尾さんの調子が悪いんだよ」斎藤「ああ。コーチも言ってたな。コントロールやキレが悪いって」堺「先発で調子良いのはお前と伴さんくらいだな。多分、２ケタ行くんじゃないか」斎藤「と言っても高校と違ってプロはシーズンが長いからな。春に良くても夏に落ちるとか……まあ逆に調子上がる場合もあるからなんとも言えないけど」堺「確かに先は長そうだ」こうして斎藤は既にプロ初勝利をしたが４月のプロ野球は長くまだ続くのだった。
