第６１章　みんな集まれオールスター！（オールスター編）

−１９９７年　７月　下旬−
前半戦も終わりセリーグの首位は２位に差をつけてスワローズ、パリーグの首位は並んでブルーウェーブとライオンズと激戦となっている！
球星「いよいよオールスターだな」
斎藤「ええ」

ドカッ！
堺「斎藤！　今日はオールスターの発表があるぞ！」
斎藤「いきなり入って来るなよ！？」
堺「そんな事よりテレビを観るぞ！」
斎藤「はあ、心臓に悪い」
球星（やれやれ）

インフィニティスポーツ
倉田「それではいよいよオールスターも始まると言う事でファン投票１位で選ばれた選手の発表です！」
野村「さすがに１位に選ばれるだけあって有名な選手ばっかりですね」
倉田「……まだ発表してませんが？」
野村「……ですね」

オールスターファン投票
斎藤　一 天野　宗介
星野　哲也 八坂　健太
滝沢　裕司 広瀬　幸一
土丸屋　信吾 葛城　紅葉
高須　光圀 柳生　雷蔵
天道　出流 風祭　大吾
嘉神　高政 久住　鴉
相良　京一 天野　直人
神代　一歩 草薙　刃

倉田「さすがに１位だけあって誰もが知っているメンバーですね」
野村「投票数とかは出てないんですね？」
倉田「まあ結果だけで問題ないと言う事で」
野村「…………それじゃ天道選手の色がグレーなのは？」
倉田「天道選手は出場辞退なので」
野村「それは残念ですね」
倉田「その代わりと言う事で監督推薦で選ばれた選手はこちらです！」

オールスター監督推薦
石崎　和久 佐伯　真敏
竜崎　武蔵 浅野　学
樋川　天地 河島　京太
ライアン 定岡　篤司
紅月　悠 御堂　誠人
伴　省吾 宮本　連夜
藤堂　太郎 仙石　冬人
本郷　丈太郎 大山　洋平
中西　宏 日向　流平
光宗　正 轟　賢太郎
槙原　凍牙 青葉　棗
小山　力 石井　明
ジャクソン
天王寺　恵
青木　悟
雨宮　渉 東雲　暴
服部　雄太 姫島　正夫
ブライアン 木下　神楽
姫川　篝 アルバート
村雨　剣 日暮　雅敏
真田　和希
吉田　毅

野村「……今年もルーキーが多いですね」
倉田「そうですね。推薦もですがファン投票で選ばれた５人の選手に注目したいところです！」
野村「確かに斎藤や石崎ＶＳ風祭の対決はオールスターやオープン戦くらいですからね」

巨人寮　斎藤の部屋
堺「やっぱり選ばれなかったか」
斎藤「まあ星野さんや光宗さん相手だとさすがにな」
堺「あの仲良し３人組にも成績は負けてるし仕方ないけどな」
斎藤「まあ３人共外野守っているけど、球団は別々だからな」
堺「くそっ！　奴らを抑え続けた俺のリードは認められなかったのか？」
球星（リードと言うよりお前の実力だな）
斎藤（素直にうなずきにくい事を言わないで下さいよ）
球星（それにしてもオールスターか、俺も一度は投げてみたい物だ）

堺は選ばれなかったが斎藤と風祭の対決が再び始まるのだった！

オールセントラル
斎藤「なんか有名人ばっかりだな」
嘉神「一番の有名人が何言ってるんだ？」
斎藤「あいつには負けますよ」
真田「いやいや照れますなー」
吉田「相変わらずだな」
真田「僕達、仲良し３人組がこうして同じチームを組めるんだからね。嬉しくてたまらないよ！」
嘉神「ふむ。たしかに俺達仲良し３人組も同じチームで組めるんだ。嬉しいよなー」
高須「まあそうだな」
相良「出身校は別だがな」
斎藤（仲良し３人組って言葉流行(はや)ってるのかな？）
村雨「なんか同窓会みたいだよね」
斎藤「たしかにな」
村雨「まあ俺は甲子園にも出ていないし滝沢相手だとポジションを奪うのも難しいしとベンチだけどね」
斎藤（俺が心の中で考えても言わなかった事をあっさりと認めやがったな！？）
滝沢「まあ守備の名手だし後半は出番もあるんじゃないか？」
村雨「後半かまあ最初は高みの見物で後半に出て来るボスキャラってのも良い物だからね」
滝沢「すまん。意味が分からん？」斎藤（同感）
星野「こうやって若手を見ると歳を感じさせるな」
神代「そうですね。だけど若くて頼もしい仲間が加わるのは嬉しい物ですよ！」
星野「ふっ、そうだな」
ブライアン「オマエは４回から行くんだったか？」
石崎「うっす！　９人パーフェクトに抑えて見せます！」
ブライアン「それで最後はオマエか？」
竜崎「ええ。個人的に真剣勝負したい相手がいるので楽しみです！」
石崎「それって風祭ですか？」
竜崎「いや別の奴だよ」

オールパシフィック
風祭「いきなり斎藤が相手か」
久住「おうおう。オープン戦といい初戦で縁があるな。シリーズでも初戦に縁があるとか言うなよ！」
風祭「まあそれ言ったら今年は優勝できませんってなりますからね」
久住「うむ！　今日はオールスターだから良いが後半戦になったら確実にライオンズに勝たないとな！」
柳生「だとよ」
草薙「まあ負ける物かとでも言えばいいんでしょうけど、今日はオールスターと仲間ですからね」
佐伯「今日は仲間か」
宗介「そう。今日の敵はあいつらだ！」
浅野「宗介君のライバルはオールセントラルのクリーンナップを打つほどの選手ばっかりだからね」
佐伯「たしかに」
八坂「俺でも６番なのに可愛げのない奴らですよ」
宗介「そうそう。風祭に負けたからってすねるなよ！」
直人「いや高校のときもこうだったし」
広瀬「俺は５番だ！」

−１９９７年オールスター戦　大阪ドーム−
右 久住　鴉 １
後攻 先攻
ＶＳ
１ 真田　和希 中
中 天野　直人 ２ ２ 雨宮　渉 遊
遊 風祭　大吾 ３ ３ 嘉神　高政 左
三 柳生　雷蔵 ４ ４ 高須　光圀 三
ＤＨ 広瀬　幸一 ５ ５ 相良　京一 右
捕 八坂　健太 ６ ６ ブライアン ＤＨ
二 葛城　紅葉 ７ ７ 滝沢　裕司 一
一 石井　明 ８ ８ 星野　哲也 捕
左 草薙　刃 ９ ９ ジャクソン 二
投 天野　宗介 Ｐ Ｐ 斎藤　一 投

放送席
倉田「いよいよオールスター戦が始まりましたと言っても明日で終わりですけどね」
野村「そう言う事を言わないで下さいよ」
倉田「ええー今年のオールスター戦も新顔が多いと言う事で今年も２人のゲスト解説を招きましたのでよろしくお願いします！」
太田＆高木「よろしくお願いします！！」
倉田「元カープの太田茂選手は通算３００本塁打を達成し元バファローズの高木武司選手は通算３００勝を達成したと言う実績を持っています！」
太田「３００本と３００勝じゃ差があると思いますけどね」
高木「と言っても俺は３００勝ちょっとだけどお前は４００本近く打ってるしすごいと言えばお前もすごいと思うがな」
倉田「とにかく今年のスタメンで気になるのは天野兄弟ですね！」
太田「現役の天野さんとかなり違うタイプですね」
高木「ミートや守備と共通点はあるが、先輩はパワーヒッターだったからな」
倉田「そろそろ試合が始まるので簡潔に(　かんけつ　)おふたりが気になる選手を言ってもらいましょうか？」
太田「やっぱり僕が注目するのは現在無敗の斎藤ですね」
高木「私は天野兄弟と言いたいところですがブルーウェーブの風祭ですね。久住を抜いての首位打者はルーキーながら驚異ですよ！」
野村「あのー」
倉田「おっと、野村さんの事を忘れていました。聞きたいところですが試合が始まりますので残念ながら答えなくていいですよ」
野村「………………」
太田＆高木「………………………………」

１回表　オールパシフィック０−０オールセントラル　いよいよオールスター戦もスタート！
宗介「真田がオールスターの１番か、あの無明実業(　　うち　　)の三軍相手に手こずっていた奴がなー」

ズバ―――ン！
真田「相変わらず速いなー」

倉田「まずは１ストライク！　球速は１５１キロを記録しております！」
野村「天野のストレートは(　ブレイジングショット　)天下一品ですからね。リーグの違うバッターはまず１打席では打てないでしょうね！」

宗介（シュッ！）

ククッ！
真田「こんなキレる変化球いきなり打てないし（こりゃ狙い球絞って打たないとな）」

倉田「スライダーも空振りこれで２ストライク！」
野村「ブレイジングショットにタイミングが合わないから続くかと思いましたけど、次は普通に変化球ですか？」

宗介（こいつで終わりだ！）

スト―――ン！
真田「無理っ！？　こんな怪物を１打席で打てるわけないっての―――！！」

倉田「最後はフォークを空振り三振し１アウトです！　さすがは昨年ルーキーながらエースの座を奪った天野選手です！」
野村「さすがは昨年の新人王ですね！」
太田「しかし三球三振とは言え球種を多く見せて来ましたね？」
高木「まあお祭りだからな。ファンサービスなんだろう。天野のリードか、八坂のリードかは分からないがな？」

真田「すみません。とてもじゃないけど手が出ません」
雨宮「まあ対戦が少ないからな。俺はなんとか打って見せるさ！」

宗介「次は３割３０本３０盗塁(　　　　トリプルスリー　　　　)を達成した事もある雨宮さんか、まったくオールスターは気が抜けないな」

カキ―――ン！
雨宮「おっしゃー！」

倉田「ボール球のブレイジングショットでしたが初球から手を出してライト前に落ちます。１アウトですがランナー１塁となりました！」
野村「さすがは雨宮ってとこですか」
太田「さすがはカープのトップバッターですね！」
高木「少し衰えが見えて来たと思いましたが天野から打てると言う事はまだまだできるって事ですかね」

宗介「まさか見せ球のブレイジングショットを打って来るとはっ！？」
八坂「初球ボールから入ったせいかストレートの威力が落ちていたな」
宗介「お祭りでも気を抜けないか、いやオールスターだからこそか、次のクリーンナップはあのボケナストリオ共か」
八坂（あの３人もひどい言われようだな）

ズバ―――ン！
嘉神「敵ながら良いボールを投げやがる」

倉田「１５３キロのブレイジングショットを空振り三振しこれで２アウトランナー１塁となります！」
野村「昨年に比べて球速も上がっていると天野もまだまだ成長しますね！」
高木「あいつも１９と若いからな。大学行って成長するなんて珍しい話でもないしな」
野村「そうですね」
太田「しかし次はセリーグの―――いや球界の４番ですからね！」
高木「まあな（まだ２年目だが今年もすごく打っているしな。こいつはこれから色んな記録を作って行くんだろうな。俺が監督ならこいつをドラフトで指名してたな）」

宗介（シュッ！）

ズバ―――ン！
高須「オープン戦のときとは比べようもない良いボールだったな」

倉田「１５４キロのブレイジングショットを空振り三振しこれで３アウトチェンジ！　天野選手は１回を１安打３奪三振に抑えると結構調子は良さそうですね？」
野村「まあ雨宮の一打は不意打ちって感じでしたし抑えたバッターは全員三振ですからね」
太田「取ったアウトは全部三振か、すごいですね」
高木「たしかにシーズンでも昨年に比べて奪三振は多くなってますね」
太田「しかしこう言うのを観ると親子対決ってのを期待しちゃいますね」
高木「天野さんが現役でも同じチームじゃ対戦しようもないけどな。弟の直人はバッターだしな」
太田「そう言えばそうですね」
高木「兄の方は良いピッチングでしたし次はその弟の打席に注目したいですね！」

１回裏　オールパシフィック０−０オールセントラル　天野は現在１回を１安打３奪三振！
斎藤「やっぱり緊張するなだけど初めてのオールスターだ頑張るぞ！」

カキ―――ン！
久住「あまいぜ！」

倉田「入りましたね！？　初球のストレートを完全にとらえて打った久住選手はホームインしオールパシフィックが１点先制します！」
野村「オールスターの第１球がホームランですか？　そう言えばオープン戦でも初球だったかは忘れましたけど？　ホームラン打たれてましたね！」
太田「まさかの初球ホームランですか！？」
高木「とは言っても決してあまい球じゃありませんでしたね」

斎藤「俺のストレートが…………もう１点もやらない！」

ズバ―――ン！
直人「相変わらず反則だろう！？」

倉田「１４９キロのストレートを空振り三振し１アウトです！」
野村「ん？　１４９キロって自己最速更新してませんか？」
太田「って事は斎藤も調子は良いんですね！」
高木「楽しみな対戦でしたが結果は斎藤の勝ちと現在(いま)は斎藤の方が上って事ですね」

直人「反則的なボールだったぜ！？」
風祭「オープン戦のときとは違うって事か！」
斎藤「次は風祭か、オープン戦の借りはここで返す！」

ズバ―――ン！
風祭「おいおい、とんでもなく速く感じたぞ！？」

倉田「自己最速更新の１５０キロのストレートを空振り三振し２アウトとなりました！」
野村「斎藤がついに１５０キロを記録した！？」
太田「これぞお祭り男の本骨頂ですね！」
高木「お祭り男か？　たしかに甲子園でも活躍したピッチャーだしそう言えなくもないな！」

風祭「１５０キロか、更に成長してやがる！？」
柳生「お前が空振り三振ってそんなにすごいのか？」
風祭「打席に立てば分かりますよ」

斎藤（シュッ！）

ズバ―――ン！
柳生「なんてボールだっ！？（こんなにノビるストレートは俺も初めてだぞっ！？）」

倉田「さすがの柳生選手も１打席で打つのは厳しいか空振りの三振に終わり３アウトチェンジです！　斎藤選手は１回を１安打３奪三振と抑えますが久住選手のホームランで早くもオールパシフィックが１点を先制します！」
野村「今日の先発は３奪三振と完全に抑えてるように見えますが１安打といきなり打たれてるんですよね？」
太田「その１安打もヒットとホームランで結構差がありますけどね」
高木「成長期とピークを過ぎた者の差だと思うがな」
野村「きついですね」
太田「たしかに雨宮は今年で３０ですけど、まだやれますよ！」
高木「まあそれはともかくさすがは負けなしのピッチャーのボールだったな！」

２回表　オールパシフィック１−０オールセントラル　斎藤は現在１回を１安打１失点３奪三振！
相良「食らえ！」

カキ―――ン！
宗介「ちょっとコースがあまかったか」

倉田「相良選手、まさかの初球ホームランと！　久住選手に負けないバッティングでオールセントラルが同点にします！」
野村「今のはコースがあまかったですね」
太田「そうですね。それに相良の初球ホームランはそんなに珍しくはないですよ。いつも初球からガンガン振ってますし」
高木「しかし飛距離は大した物だ。高須がいなければセリーグの４番はこいつかもな！」

ブライアン「フンッ！」

ブ―――ン！
宗介「この空振りはさすがにメジャーでもタイトル獲った人だな」

倉田「続くブライアン選手は空振り三振に終わり１アウトです！」
野村「さすがにメジャーでもホームラン王を獲得した事のあるバッターですね。すごいスイングでしたよ！？」
太田「次はルーキーで姫川から４番を奪った滝沢ですね」
高木「ライアンや光宗と共にスワローズの原動力って言われている選手だな」

滝沢「良いコースだけど―――今の俺なら打てる！」

カキ―――ン！
宗介「そう言えば甲子園でもこいつに打たれた事があったな」

倉田「１５０キロのブレイジングショットでしたが引っ張った！　打球はライトの頭を越えて打った滝沢選手はセカンドに止まります！」
野村「やっぱりバッティングセンスは高須（広島）並みですね！？」
太田「ルーキーで４番を打つだけはありますね！」
高木「この調子で行けば３割３０本は行きますね！　いや更にペースを上げれば１００打点も夢じゃありませんよ！」

宗介「さすがはオールスター、気が抜けないな」

ガキッ！
星野「良くこれを打てたな？」

倉田「星野選手は１５１キロのブレイジングショットを打ち上げて２アウトランナー２塁となります！」
野村「良いコースに投げて来ますね。これじゃさすがの星野でも打てませんよ」
太田「１５０キロのストレートでコース付かれたらさすがにきついか」
高木「前の打席の滝沢はそれでも打ったけどな」

宗介（シュッ！）

ガキッ！
ジャクソン「良いボールだぜ！」

倉田「続くジャクソン選手も打ち上げ３アウトチェンジです！　この回には相良選手のホームランが出てオールセントラルが同点に返します！」
野村「２回を終わって３安打１失点４奪三振と天野兄はこの回で調子を落としましたね！」
太田「ボールは良かったんですが？」
高木「それでもリーグを代表するバッター相手だと苦しいって事だろう。それにしても初対戦だと普通ピッチャーが有利なんだがな？」

２回裏　オールパシフィック１−１オールセントラル　天野は現在２回を３安打１失点４奪三振！
斎藤「広瀬！　甲子園でのホームランの借りを返してやる！」
広瀬「望むところだ！　来い斎藤！」
斎藤「行くぞ！」

ズバ―――ン！
広瀬「おのれ！　この借りは必ず返してやる！」

倉田「なんか永遠にループしそうな会話ですね？」
野村「はあ？」
倉田「いえ。広瀬選手は手が出ず見逃しの三振に終わりこれで１アウトです！」
野村「積極的に振る広瀬が見逃しの三振ってのも珍しいですね？」
太田「１４８キロと高校のときより球速が上がっているせいじゃないですか？」
高木「しかしこれで４連続奪三振か」

斎藤（シュッ！）

ガキッ！
八坂「高校時代よりさすがにボールは上だな」

倉田「５連続奪三振はならず！　しかし八坂選手は打ち上げ２アウトとなります！」
野村「なんか天野兄のときと同じ感じですね？」
太田「久住に打たれた物の斎藤の９連続奪三振に期待したんだけどな！？」
高木「奪三振は石崎と斎藤の２人対決だからな。ライアンがもっと早く登板できていれば３人対決も有り得たかも知れないが？」

斎藤（シュッ！）

ガキッ！
葛城「聞きしに勝( まさ )るストレートだな！？」

倉田「続く葛城選手にも打ち上げられて３アウトチェンジです！」
野村「ルーキーの登板としては良いんですが、斎藤の実力からしたら少し不満な展開ですね」
太田「ファンも心なしか残念な顔をしている感じだしな」
高木「まあリーグを代表するバッター相手だとシーズンよりはきびしいだろうな」

３回表　オールパシフィック１−１オールセントラル　斎藤は現在２回を１安打１失点４奪三振！
宗介「この回で終わりだし最後くらいはきっちりと行くか！」

ズバ―――ン！
真田「だから無理ですよ！？」

倉田「現在盗塁王の真田選手でしたがこの回も空振りの三振に終わり１アウトです！」
野村「まあ足は速いですがバッティングはいまいちですからね」
太田「それでも３割打っているからすごいですね」
高木「内野安打を量産するとここにいる野村みたいなタイプだと聞いているけどな」
野村「そうですね。スタイルは似ているしジャイアンツに来たら私の二世とか言われそうですね」

宗介「前の打席の借りも返させてもらいますよっと！」

ククッ！
雨宮「カーブか」

倉田「最後はカーブを空振り三振しこれで２アウトです！」
野村「天野兄は変化球もすごいですからブレイジングショットと混ぜられたら手に負えませんね！」
太田「斎藤もバランス型ですけど、天野に比べるとさすがに落ちますからね」
高木「しかしストレートの威力は天野以上だな。だからこその成績なんだろう」

嘉神「さっきのお返しだ！」

カキ―――ン！
宗介「またかよ！？　こいつだけは１試合ノーヒットに抑えられそうもないな」

倉田「これは行った―――！　バックスクリーンに入る勝ち越し弾で２対１となりました！」
野村「さすがは嘉神！　１回では抑えられましたけど、２打席目にはホームランと大した奴ですよ！」
太田「たしかに嘉神はルーキーながら３番を打つほどの選手ですが次の高須も負けてないですよ！」
高木（昔ならともかく今じゃルーキーで４番も珍しくないからな。プロ野球も変わって来たもんだ）

宗介「３回２失点と完全に失敗だが最後のバッターがこいつなら悪くないぜ！」

グイ―――ン！
高須「良いボールだが―――こいつは前の打席でも見たぜ！」

カキ―――ン！
宗介「まったくあっさり打ちやがる！？」

倉田「これも行った―――！　１５４キロのブレイジングショットを完全にとらえてこれで３対１となります！」
野村「せいぜいヒットのところをホームランと…………やっぱり高須は怪物ですね！？」
太田「ほら、負けてないでしょう！」
高木「私が監督なら天野兄でなく高須の方をドラフトで指名してたかも知れませんね」

相良「俺も続いて３連発と行くか！」

ズバ―――ン！
宗介「くそっ！」

倉田「相良選手にはストライクが入らず全球ボールのフォアボール！」
野村「嘉神、高須と連続ホームランで相良が怖くなったのか逃げ腰のフォアボールと天野兄らしくなかったですね！」
太田「嘉神、高須、相良は友人同士だしその辺が引っかかったフォアボールですかね？」
高木「まあ次のブライアンをどう抑えるかでこのフォアボールが良かったのか悪かったのかが分かりますよ？」

宗介「ええい！　意地でも抑えてやる！」

ズバ―――ン！
ブライアン「こんなボールを良くスタンドまで運べたな？」

倉田「最後は１５２キロのブレイジングショットで空振り三振！　天野兄選手は３回を５安打３失点と誉められませんが奪三振は７個とこれはすごいですね！」
野村「そうですね。失点は多くても奪三振は多いと調子は悪くなかったと思いますよ」
太田「それだけオールセントラルのバッターがすごいって事ですよ！」
高木「点差は２点とちょっと痛いですが、まだ試合の行方は分かりませんね。この後の展開にも期待したいです！」

宗介「結構打たれたな」
八坂「まあ良くやった方だ！　嘉神と高須に関してはボールは悪くなかったし打った相手を誉めるしかないな」
宗介「後は頼みます！」
八坂「ああ。お疲れさん！」

３回裏　オールパシフィック１−３オールセントラル　天野は３回を５安打３失点７奪三振１四球と言う結果に終わった！
斎藤「後３人だ！　きっちりと抑えるぞ！」

ズバ―――ン！
石井「すげえノビだ！？　よくこんなの打てたな久住さんは？」

倉田「最後は１４７キロのストレートを空振り三振し１アウトです！」
野村「前の回で八坂、葛城と当てられましたからストレートの威力が落ちているかと思いましたがそんな事もありませんね」
太田「前の回でも１４０キロ以上出てたし調子は良いと思いますよ！」
高木「さすがは垣内が強硬に指名した選手ではありますね」

斎藤（シュッ！）

ズバ―――ン！
草薙「本当に速いな！？」

倉田「草薙選手も１４９キロのストレートを空振り三振！　これで一気に６奪三振とさっきの天野宗介選手と同じ展開です！？」
野村「天野はここから連続ホームランを食らいましたが」
太田「ここで今日ホームラン打っている久住ですか」
高木「まあ斎藤は天野兄より打たれているヒットは少ないですけどね」

斎藤「次は久住さんか、さっきのお返しだ！」

グイ―――ン！
久住「速いが―――これなら打てる！」

カキ―――ン！
斎藤「どりゃ！」

パシッ！
久住「マジか！？」

倉田「センター前に行くかと思いきや斎藤選手がジャンピングキャッチし３アウトチェンジです！」
野村「危なかったですがこの回では斎藤の勝利ですね！」
太田「ふむ。斎藤は３回を１安打１失点６奪三振と初めてのオールスターにしては上出来ですね！」
高木「しかしまあ９連続奪三振を期待したんですが、なかなか出る物ではないですね」

斎藤「よし借りは返したぞ！」
星野「お疲れさん！　後はベンチでゆっくりしてくれ！」
斎藤「はい！」

４回表　オールパシフィック１−３オールセントラル　斎藤は３回を１安打１失点６奪三振とルーキーとしては上出来の結果に終わった！
倉田「４回表のオールパシフィックのマウンドに立つのはこの選手(ひと)！」

浅野「………………」

倉田「ミスター防御率と呼ばれるマリーンズの浅野選手です！」
野村「その呼び名は初耳ですが？　現在防御率１位の安定感あるピッチャーですね！」
太田「ルーキー時代から大活躍しているピッチャーですが、昨年は少し落ちた感じでしたね」
高木「と言っても成績は一流だったし球界を代表する変化球投手に違いはありませんよ！」

浅野（今年も頑張るぞ！）

ククッ！
滝沢「まずい！？　この人、すごく苦手なタイプかも！？」

倉田「最後はインコースのスライダー！　デッドボールかとも思いましたが滝沢選手は手が出ず見逃しの三振に終わります！」
野村「左対左であのスライダーの変化は脅威ですよ！？」
太田「浅野の特徴はキレる変化球に針の穴を通すコントロールで勝ち星を量産すると言われていますからね」
高木「２位との防御率の差は歴然だからそうそう点は取れないだろうな」

浅野（シュッ！）

スト―――ン！
星野「１打席で打てるボールじゃないな」

倉田「最後はフォークを空振り三振し２アウトとなりました！」
野村「ボール球のフォークに手を出すと八坂のリードもさえてますね！」
太田「浅野のコントロールもすごいですよ！」
高木「まあ同じチームで２人共良い成績で来ているしこの結果も当然かもな」

浅野（シュッ！）

ククッ！
ジャクソン「どの球種も変化がすごいな」

倉田「最後はカーブを空振り三振と―――なんと浅野選手は三者三振の立ち上がりを見せました！？」
野村「浅野って奪三振のイメージはなかったんですが、こうやって観ると三振奪えるボールも多くありますね？」
太田「そう言えばそうですね。そこのところはどうなんですか高木さん？」
高木「ここまで浅野は打たせて捕るボールで球数の節約をするピッチングで結果を出し続けていますからね。オールスターのようなイニング数の短い制限された登板だから奪三振が多くなってるんだと思いますよ！」
倉田「逆に言うならセットアッパーやクローザーなら奪三振は多くなると言う事でしょうか？」
高木「まあ断言はできませんが、可能性は高いと思いますよ！」

４回裏　オールパシフィック１−３オールセントラル　この回から登板した浅野は１回を無安打３奪三振！
倉田「４回裏のオールセントラルのマウンドに立つのはこの選手(ひと)だ！」

石崎「うぉ―――！」

倉田「現在最多勝の石崎選手のピッチングにも注目です！」
野村「石崎は斎藤との新人王対決で注目されていますが、同じ速球派のタイプとしても注目されているんですよね」
太田「斎藤はノビで石崎は球威だったか？」
野村「ええ。石崎の球威は球界でもトップクラスと言われています。球界最速のサウスポーは現在スワローズのライアンですが、石崎なら超える可能性もありますね！」
高木「たしかにノーヒットノーランした試合では１５８キロを記録していたからな！」
倉田「日本最速はライアン選手の１６０キロと―――残念ながら母国のピッチャーではありませんね。しかし日本人最速は１５９キロの河島（オリックス）選手と僅差なので近いうちに更新される事を願いましょう！」
野村「そう言えば昨年もルーキーの河島が１５８キロを記録してましたね！？」
高木「スピードガンが広まったのはバファローズ(　　　　うち　　　　)とカープが優勝した年だったか、なんか懐かしいな」
太田「そうですね」

石崎「目標は９連続奪三振だ！」

スト―――ン！
直人「斎藤の次は石崎と懐かしい相手ばかりだな」

倉田「最後はフォークを空振り三振と―――石崎選手はストレートだけでなくこのフォークもすごいですね！」
野村「と言うか今のフォーク、１４２キロって出てませんでしたか！？」
太田「そうでしたっけ？　フォークの落差に目が行ってて気が付きませんでした？」
高木「野村の話が本当なら落差はフォークでＳＦＦ並みの速さで落ちると言う事だな！」

石崎「食らえ風祭！」

スト―――ン！
風祭「大した変化だがストライクのコースなら打つ！」

カキ―――ン！
石崎「なんだとっ！？」

倉田「どうも野村さんの話は本当だったみたいですね。風祭選手は１４３キロのフォークをセンター前に打ち返しました！　試合前に９連続奪三振を狙うと石崎選手は言ってましたがあっさりと終わってしまいました！」
野村「さすがは風祭ですね。甲子園でも相性が悪かったけど、リーグは違いますけどプロでも相性が悪いみたいですね」
太田「多分ですけどストレートなら三振か凡退だったんじゃなかったんでしょうか？」
高木「たしかに私の目からもフォークを意識した打席に見えましたね！」
太田（と言っても狙ってあっさり打てるかっ！？）

石崎「９連続奪三振が！？こうなったら後のバッターを全員三振に取ってやる！」
風祭（タッ！）

倉田「石崎選手が投げると同時に風祭選手が走った！」
野村（石崎の奴、まったく警戒してなかったな！？　いくら星野でもこれは無理だろう？）

星野（パシッ！　シュッ！）

ビュ―――ン！
ジャクソン（パシッ！）
風祭（オールスターだし積極的に行って見たが石崎のクイックの悪さは相変わらずだったな）

倉田「セーフ！　現在盗塁王の風祭選手でしたがオールスターでも積極的に走って来ました！」
野村「完全に無警戒でしたからね。星野からサインは出てたんでしょうが石崎が見逃したってとこですかね？」

石崎「クイックは苦手なんだよなー」

ズバ―――ン！
柳生「打ちたかったな」

倉田「２−３から外れてフォアボール！　これで１アウトランナー１、２塁となりました！」
野村「やっぱり石崎は立ち上がりが悪いですね」
太田「たしかに失点のほとんどは１回とか２回が多かったですね」
高木「そして次は広瀬と高校時代のバッテリーとの対決だな」

石崎「フォアボールがなんだ！　広瀬との勝負にはなんの問題もない！」

バキッ！
広瀬「行けえ―――！」

倉田「バットが折れました！　これは完全なセンターフライ―――と思いましたが意外に伸びてますね？」
野村「そう言えば甲子園でもこんな打球があったような？」

真田「オーライ！　オーライ！あれ？どりゃっ！」

倉田「真田選手！　ジャンプして捕った！　これで２アウトランナー１、３塁となります！　ちなみに風祭選手はこの間に３塁に行っております！」
野村「一瞬、スタンドまで届くかと思いましたよ！？」
太田「バットを折ってあそこまで飛ばすとは！？」
高木「いや、真田がジャンプしなければ入ってただろう！？」

石崎「嘘だろう！？　バットを折って俺のボールをあそこまで飛ばすか！？」
真田（ジ〜！）
石崎「ん？　ああっ！？　ありがとな！」
真田「うむうむ！（しかし広瀬には要注意だな。完全にボールの落下地点を間違えたし）」

広瀬「斎藤並みの球威なら完全にスタンドだったが石崎の球威にわずかに押されたか」
八坂（広瀬のあんな打球見せられた後では打ちにくいが、俺もマリーンズの４番だ！）

石崎「行くぞ！」

ズバ―――ン！
八坂（河島をサウスポーにした感じか、いやあいつに比べてコントロールは良いんだったな）

倉田「１５８キロのストレートを空振り三振し３アウトチェンジです！　チャンスでしたが生かす事はできずこの回のオールパシフィックは無得点に終わります！」
野村「無失点と、ルーキーの登板としては上出来だと思いますけど、石崎には不満な結果なんでしょうね」
太田「（立ち上がりの悪さにクイックのあまさと、それでも奪三振を奪うか）まあ良くも悪くも石崎らしさの出た回でしたね」
高木「ふむ。球速は出てたし調子は悪くないな。ただ風祭の一打で調子を狂わしたんでしょうね」

５回表　オールパシフィック１−３オールセントラル　石崎は１回を１安打１四球２奪三振と本人としては不満な結果となった！
浅野「現在盗塁王の真田君か」

スト―――ン！
真田「なぬっ！？」

倉田「ストライクからボールになるフォークを空振り三振しこれで４連続奪三振達成です！」
野村「浅野がまさかの４連続奪三振ですか、意外でしたね」
太田「そうか？　これだけの変化球なら三振が多くても不思議じゃないと思うが？」
高木「まあ奪三振が多くないとは言ってもタイトル獲る相手に比べたらだからな。普通のピッチャーと比べたら十分多い方だしな！」

浅野「そして次はヒットを打っている雨宮さんか」

ククッ！
雨宮「タイプは違うが本郷（ヤクルト）のようなスライダーか？」

倉田「外のスライダーを見逃し三振！　これで２アウトです！」
野村「球界一のスライダーの使い手と言えば竜崎（阪神）ですが、右と左ではスイッチヒッターの雨宮と言えど勝手が違うんでしょうね」
太田「そうでしょうね。しかしこれで５連続奪三振と……まさかね」
高木「まあ次のバッターを見てからだな」

浅野（シュッ！）

ククッ！
嘉神「くっ！？」

倉田「ミートの達人の嘉神選手も手が出ず見逃し三振で３アウトチェンジです！」
野村「マジかよ！？（これは予想外だ！？）」
太田「これは９連続奪三振行くかも」
高木「しかし毎年オールスターで浅野を観てるがここまですごいのは初めてだな」

５回裏　オールパシフィック１−３オールセントラル　浅野は２回を無安打まさかの６連続奪三振！？
倉田「試合は現在５回裏、３対１でオールセントラルがリードしております！」
野村「知っていますよ！」
太田「しかし昨年はオールスターで活躍した天野が３失点とはな」
高木「いまさらだな。だが７奪三振だから調子は悪くなかったんだと思うぞ！」

石崎「うらっ！」

ククッ！
葛城「これがルーキーのボールか！？」

倉田「シュートでしょうか？　１４５キロと表示されていますけど？」
野村「たしかに曲がったように観えましたね！？」
太田「フォークでも１４０キロを記録しているしシュートでも不思議はないと思うが」
高木「うむ」
倉田「とにかくシュートを空振り三振し１アウトです！」

石崎「まだまだっ！」

ククッ！
石井「今日良いところなしだな」

倉田「石井選手はスライダーを空振り三振し２アウトです！」
野村「キレは大した事がなさそうですけど、速度はありますね」
太田「と言うより三振した石井の調子が悪いだけのような？」
野村「そうとも言えますね」
高木「フォークはすごいがスライダーやシュートはフォークのように三振を奪えるボールには見えないな」

石崎「こいつで終わりだ！」

スト―――ン！
草薙「パリーグでここまでのフォーク使いはさすがにいないな」

倉田「最後はフォークボールで空振り三振を奪い３アウトチェンジです！」
野村「この回は三者三振と、やっぱり石崎は奪三振が多いですね！」
太田「石崎もルーキーながら良いピッチングですが、やっぱり裏の浅野の方に期待してしまいますね」
高木「後１回で大記録が出るかもだからな」

６回表　オールパシフィック１−３オールセントラル　石崎は２回を１安打１四球５奪三振とルーキーとしては良いピッチングを見せる！
倉田「試合は６回に入ります！　狙うは９連続奪三振と浅野選手がマウンドに向かいます！」
野村「ここまで来たら期待したいですね！」
太田「相良とブライアンは三振の多いバッターですから期待できますけど」
高木「問題は高須だな。ホームランバッターなのに三振数が異常に少ないバッターでも知られているからな」
倉田「さてさて結果はどうなるか楽しみですね〜♪」

浅野「ここまで来たんだ。狙うぞ！　この回で一番注意するのはここだ！」
高須「浅野さんか、たしかうちの高校のＯＢだよな。個人的には記録を達成して欲しい気もするが、ここは全力を持って記録を阻止する！」
浅野（最後はこれで決める！）

ククッ！
高須「一応粘っては見た物の完全に負けてしまったな」

倉田「１２球目！　スライダーを空振り三振しこれで７連続奪三振です！」
野村「さすがの高須でもあのスライダーには手が出ませんでしたか」
太田「けどあいつ、竜崎のスライダーをスタンドまで運んだ事もあるんだぞ！」
高木「右と左じゃタイミングが取りづらいのかもな」

浅野「なんとか三振を奪えたな」

ククッ！
相良「くそっ！」

倉田「相良選手もスライダーを空振り三振と後１人まで来ちゃいました！」
野村「倉田さん、口調が素になっていますよ！」
倉田「失礼しました。とにかくこれで８連続奪三振を達成です！」
太田「決め球はやはりスライダーか、次はブライアンだし……あれ？」
高木「ふん！　さすがの垣内もここで動くか」
倉田「ここでピンチヒッターです！　ブライアン選手に代わって選ばれたのはルーキーながら３割を打っているベイスターズの村雨選手です！」
太田「たしかにこの記録は防がなければなりませんが……（メジャーでも４番を打っていたブライアンの代打がルーキーの村雨とはな）」
高木「ブライアンは典型的なホームランか三振のパワーヒッターだからな。ここで欲しいのは確実にヒットを打てるアベレージヒッターだな」

村雨「まさかここで出番とはっ！？」
ブライアン「正直、記録防ぐためにやる気があふれていたんだがな」
村雨「まあ多分大丈夫ですよ。少し不安があるのは左に左ってのはどうかなとは思いますけど」
ブライアン「そこはどうでもいい！」
村雨「えっ！？　結構重要だと思うんですけど？」
ブライアン「オレも左だからな」
村雨「ははっ、そうでしたね♪」

浅野（しかし左バッターとは……村雨君はサウスポーに強いのか？）

ククッ！
村雨「ふふり！　あまり知られていないかも知れないけど俺は変化球を打つ方が得意なのだよ！」

カキ―――ン！
浅野「なっ！？」

倉田「ライト前ヒット！　大記録は達成ならず！　ですが８連続奪三振と素晴らしい記録は忘れられそうにありません！」
野村「そうですね。このままパリーグが勝てばＭＶＰは浅野でしょうね」
太田「まあ次のバッターを完全に抑えられたらですが」
倉田「そうでした！　まだ終わっていませんでした！　続くバッターは同じくルーキーで左の滝沢選手です！」
高木「今年のルーキーのバッターで一番注目してしまうのは風祭ですが、この滝沢も昨年の高須達に負けないバッティングと新人王候補の１人ではあるんですけどね」

浅野「まずは落ち着こう。打たれてしまったのは仕方ない。しかし僕の責任回数までは後１人いるんだ！」

ガキッ
滝沢「村雨のようには無理だったか」

倉田「残念ながら滝沢選手は打ち上げ３アウトチェンジです！　しかし浅野選手は文句なしのピッチングを見せたと言っても良いんじゃないでしょうか！」
野村「そうですね（しかしテンション高いな。倉田さんは浅野のファンか？）」
太田「たしかに今までのピッチャーに比べて圧倒的に良かったですね」
高木「たしかにこの内容ならＭＶＰに選ばれてもおかしくはないが浅野にはもっと上を目指して欲しいな！」
倉田「つまり８人抑えて満足せず９人全員を完全に抑えて見ろと」
高木「ええ。それだけの物を持っていると思いますからどうしても言いたくなってしまうんですよね」
倉田「なるほど、しかし左投手に左打者の代打と垣内監督は相変わらずでしたね！」
野村「いまさらですね？　まああの人はバッターの調子を見て代打を送りだしますからね。まあ右と左で戸惑うのは他所(よそ)の球団だけでしょうね」

八坂「すみません」
浅野「気にする事はないよ。初見で見事に打ってくれた彼がすごかったと言うだけさ」
八坂「しかし事前に村雨のすごさを知っててそれでも浅野さんのスライダーは打てないと思ったのは俺の落ち度です！」
浅野「ふむ。君の目から見て村雨君に投げたスライダーはどうだった？」
八坂「……コースも変化も文句なしのボールでした。あれに当てるならともかく見事に打ったあいつを誉めるしかありません！」
浅野「そうだろう。それなら君が気にする事はないよ。打った彼を誉めるしかないんだからね！」
八坂「はあ、本当に敵いませんね」
浅野「まったくリーグが違うのが残念だよ。いやここは感謝するべきなのかもね」
八坂（敵わないって言ったのは村雨の事じゃないんだがな）

６回裏　オールパシフィック１−３オールセントラル　浅野は３回を１安打８奪三振と文句なしのピッチングを見せた！
石崎「どりゃ！」

ガキッ！
久住「なんつう重いボールだ！？」

倉田「１５８キロのストレートを打ち上げて１アウトです！」
野村「１５８キロですか」
太田「球質と言う点では石崎と河島が似ているって言われていますね」
高木「とは言え石崎のストレートは重くはあるが河島のようにノビているわけではないからな。河島のようにストレート一本で三振を奪って行くタイプとは違うだろう」

石崎「まだまだ！」

スト―――ン！
直人「３打数３三振って最悪だあっ―――！？」

倉田「天野選手はこれで今日３三振とまったく良いところがありません！」
野村「普段は三振の少ないバッターなんですけど、今日は相手が悪かったって事ですかね？」
太田「まあ斎藤と石崎は奪三振王を争っているほどだからな」
高木「投球回数は斎藤の方が少ないですが現在トップと斎藤は能力以上に活躍している感じがしますね」

石崎「これを食らえや！」

ズバ―――ン！
風祭「マジかよ！？（完全に手が出なかったぞ！？）」

倉田「パリーグの三振の少ないバッターを全員三振……ではありませんでしたね。とにかく風祭選手は見逃し三振！　これで３アウトチェンジです！」
野村「終わって見れば石崎も３回を無失点７奪三振と斎藤より上って結果でしたね」
太田「しかし浅野には一歩及びませんでしたね」
高木「こうやって観ると天野の失点が痛いな」

星野「良く投げたな！」
石崎「ええ。ですが悔しいですね」
星野「立ち上がりはちょっと怖かったが無失点７奪三振と斎藤よりも良かったと思うぞ！」
石崎「まあ風祭にもリベンジして納得はしているんですけどね。９連続奪三振は来年に持ち込みますよ！」
星野「ああ。お疲れ様！」
石崎「ええ。また機会があればお願いします！（本人の前じゃ言えないけど山内さんより投げやすかったしな♪）」

７回表　オールパシフィック１−３オールセントラル　石崎は３回を１安打１四球７奪三振とルーキーとしては良いピッチングを見せた！
佐伯「オールスターのマウンドか、やっぱり緊張するもんだな」

倉田「７回のマウンドに立つのはルーキーながらホークスのエースとなった佐伯選手です！」
野村「今年は御堂が不調だったせいかリリーフに転向したんですよね。その代わりに出て来たピッチャーがこの佐伯なんですよね」
太田「斎藤ほどじゃありませんが現在の奪三振王とルーキー離れしたボールを投げていますね」
高木「リーグは違いますけど鮫島（元横浜）さんのカミソリシュートを思い出すピッチングをしますね」

佐伯（シュッ！）

ククッ！
星野「これで３タコ、ちょっとショックだな」

倉田「星野選手はクリティカルシュートを空振り三振！　これで３打数ノーヒットとなります！」
野村「こうやって観ると鮫島さんより福井さんを思い出しますね」
太田「たしかにな。決め球のシュートを観るとあの人を思い出させる！」
高木「肩や肘を壊しやすいシュートを多投するのは普通怖いんですが佐伯は良く投げますね？」

佐伯（まずは１人と、この調子で行くぞ！）

ズバ―――ン！
ジャクソン「ストレートも速いな」

倉田「１５１キロのストレートを空振り三振！　これで２アウトです！」
野村「好調ですね」
太田「ストレートの速さも正確なコントロールも福井さんの再来って感じですね！」
高木「斎藤や石崎の影に隠れがちだがたしかに良いピッチャーだな！」

真田「今日３三振だからな。なんとしても打つ…………なんとか当てようっと」
佐伯「真田か、懐かしい顔を見ると落ち着くな」

ガキッ！
真田「どりゃ！」

倉田「セーフ！　ボテボテのピッチャーゴロかと思いましたが真田選手の足が速く内野安打となります！」
野村「たしかに佐伯の打球処理が一歩遅れましたけど、あれがヒットになるってのはすごいですね！？」
太田＆高木（ジ〜！！）
野村「その目はなんですか？」
太田「いやーあのスタイルって誰かさんの現役時代を思い出すからな」
高木「うむ。足の速さで内野安打を量産するスタイルはたしかに野村二世と呼んで良いかもな」
野村「いや息子が野球やっているんで二世ならそっちで呼んでくれた方が嬉しいんですけど」

佐伯（相変わらずって言うか高校時代より速くなっているような！？）
八坂（プロに入って成長しているんだろう。それより間違いなく走って来るぞ！）
佐伯（外せのサイン？あっ！走って来るって……そんな事も忘れているって打たれて結構動揺してたんだな）
真田（タッ！）

倉田「真田選手！　走った！」

ズバ―――ン！
八坂「刺す！」

ビュ―――ン！
真田「げっ！？」

パシッ！
風祭「おっし！」

倉田「走ったが結果はアウト！　これで３アウトチェンジです！」
野村「八坂相手にあの盗塁は無謀でしたね」
太田「肩の強さはパリーグナンバーワンでしょうね」
高木「坂本（近鉄）も肩じゃ負けてないんだけどな」
倉田「佐伯選手！　ヒットは打たれた物の結果的には３人で終わらせます！」
野村「セパの盗塁王の対決はパの勝利って事ですね」
太田「真田の盗塁数も新人離れしているんだが風祭はもっとすごいからな」
高木「バッティングじゃ風祭の方が圧倒的に上だが足の速さなら将来は真田が上まわる可能性もあるかもな」

７回裏　オールパシフィック１−３オールセントラル　佐伯は１回を１安打２奪三振とまずまずのピッチングを見せる！
垣内監督「この回のみの登板だからな！」
竜崎「ええ。ありがとうございます！」

倉田「試合は７回裏、３対１でオールセントラルがリードしております！　この回のマウンドに立つのは球界のエースと呼ばれている阪神タイガースの竜崎選手です！」
野村「浅野のスライダーはすごかったですが竜崎のスライダーは球界最高と呼ばれているほどの物ですから期待したいですね！」
太田「おまけに１５７キロのストレートも持っているからな」
高木「………………」

竜崎（さてと、お前との対決を楽しみにしてたんだぜ！）

ガキッ！
柳生（妙だな？　ひょっとしてあいつ！？）

倉田「柳生選手は１４７キロのストレートを打ち上げ１アウトです！」
野村「うーん、コースは良かったですけど球速がいまいちでしたね」
太田「なんかいつもと違うような？」
高木「………………」

竜崎（シュッ！）

ガキッ！
広瀬「思ってたより曲がるのか？」

倉田「広瀬選手はスライダーを打ち上げて２アウトです！」
野村「変化が小さいような？　ここから観ているからかな？」
太田「広瀬が当てているからそう言う可能性もあるかもな？」
高木「元ピッチャーの私から見ても本調子とは思えませんね」

竜崎（さてと、これでお役御免だな！）

ガキッ！
八坂「ふむ」

倉田「八坂選手はピッチャーゴロに終わり３アウトチェンジです！　竜崎選手は三者凡退に抑えましたが……」
野村「三振はないと、やっぱりいつもと違いますね？」
太田「たしかにな」
高木「どこか痛めている感じがしますね」

竜崎「わがままを聞いてくれてありがとうございます！」
垣内監督「このくらい構わないさ。それにしても１イニングでいいから柳生のときに投げさせてくれと言われたときは驚いたぞ！？」
竜崎「どうしても柳生と勝負したかったんですよ（柳生と勝負して決心がついた来年ＦＡでパリーグに行く！）」
垣内監督「後で監督の山岡に礼を言っておけよ。あいつが認めなきゃ俺は反対していたからな！」
竜崎「はい！」
柳生「竜崎、お前？」
竜崎「ああ。ちょっとケガしてな」
柳生「大丈夫なのかよ？」
竜崎「大した事はないさ。そうだ。来年、俺はＦＡで西武以外のパリーグの球団に行くからな」
柳生「ちょっと待てそんな勝手な事言って球団ともめるんじゃないか！？」
竜崎「知った事か！　俺は俺のやりたいようにやる。来年、お前と優勝を争って勝負だ！」
柳生「やれやれお前は昔から変わらないな」
竜崎「そう言うお前はプロに入ってもなかなか活躍しなかったな」
柳生「うるさい！　昔はともかく今はパリーグの４番だぞ！」
竜崎「まあともかく来年はパリーグに行ってお前を倒すからな！」
柳生「ふん、返り討ちにしてやるよ！」

倉田「情報が入りました。どうやら高木さんの言う通り竜崎選手はケガのようですね。１イニング柳生選手のときに投げさせてくれと言ったみたいです。監督は柳生選手だけの１ポイントリリーフでいいと言ったのに竜崎選手はオールスターを観に来た人達の為にも１イニングは投げさせて欲しいと言って投げさせてもらったようです」
野村「それでいつもよりストレートも変化球もキレてなかったわけですか」
太田「それでも１イニング３人で抑えたんだから大した物ですよ！」
高木「まったくだ！」

８回表　オールパシフィック１−３オールセントラル　竜崎は１回を無安打０奪三振とケガをしながらも好投を見せる！
佐伯「ケガを押してのピッチングか、俺も負けられないな！」

ガキッ！
雨宮「これがクリティカルシュートか！？」

倉田「雨宮選手はクリティカルシュートに当てる物のあっさりと１アウトです！」
野村「初めてで当てるだけでもすごいんですけどね」
太田「しかし昨年も悪かったが今年も悪いと雨宮も衰えが来たかもな？」
高木「俺としてはまだまだやれると思うが？」

佐伯「三振を奪えなかったのは悔しいがこの調子で行くぞ！」

ガキッ！
嘉神「くくっ、敵にまわして初めて分かるやっかいさだな」

倉田「嘉神選手もクリティカルシュートに当てましたがセンターフライに終わり２アウトです！」
野村「嘉神でもダメだったか、同じ高校の先輩、後輩だしひょっとしたら打てるかもって思ったんだがな」
太田「ま、同じ高校なら対戦機会もないだろうしな」
高木「なら次の高須もダメと言う事になるが」

佐伯「ふう、次もやっかいな人だが！」

ガキッ！
高須「当てるのがやっとかよ……ま、嘉神でもそうだったしな」

倉田「高須選手も打ち上げてピッチャーフライに終わり３アウトチェンジです！」
野村「奪三振はなかったですが佐伯もやりますね」
太田「ヒットは打たれたがここまで６人で終わらせてるからな」
高木「一応ホークスのエースだしな」
倉田「ピッチャーは好投し毎回奪三振でしたが７回裏から奪三振０と続いていますが試合は３対１でオールセントラルがリードしております！」
野村「そう言えば今年は三振数が多いとピッチャーが頑張っているんですよね？」
太田「試合も一応僅差だしな」
高木「失点はあるが良い意味で力強いピッチングをしているって事かな」

８回裏　オールパシフィック１−３オールセントラル　佐伯は２回を１安打２奪三振とまずまずのピッチングを見せている！
倉田「この回のマウンドに向かうのは現在最優秀防御率のスワローズの藤堂選手です！」
野村「ん？　防御率ってライアンじゃなかったか？」
太田「あいつは６月からだからな。投球回数が足りないんだろう」
高木「うむ」
野村「そう言えばそうでしたね。開幕からスワローズが強いんで最初からいたと勘違いしました」
倉田「野村さんの勘違いは置いといて昨年の最優秀防御率の藤堂選手のピッチングに期待しましょう！」
野村（最初からそう言ってくれたら良かったのに）

藤堂「抑えるぞ！」

ククッ！
葛城「そこだ！」

カキ―――ン！
藤堂「嘘っ！？」

倉田「嘘ではありません！　レフトスタンドに叩き込むホームランでオールパシフィックが１点を返しました！」
野村「なんの事ですか？」
太田「ともかく１点返したわけですね」
高木「さすがにホークスの３番、４番を退けて出場しているだけはあるか」

石井「でりゃ！」

カキ―――ン！
藤堂（ポカ〜ン）

倉田「惜しい！　レフトフェンスに当たる２ベースヒット！　これでノーアウトランナー２塁となります！」
野村「調子悪そうですね」
太田「前は打った葛城がすごかったが今回はあまいストレートだったな」
高木「たしか藤堂は打たれ弱い感じがしたな。この調子じゃ逆転もあるかもな」
野村「たしかに調子は悪そうですが現在の防御率１位がそんなにあっさりと失点しますかね？」

草薙「ノーヒットで終わってたまるか！」

カキ―――ン！
藤堂「………………」

倉田「逆転２ランホームラン！　これでオールパシフィックが逆転し４対３となりました！」
野村「高木さんの言う通りあっさりと逆転されましたね」
高木「まあ、こうあっさりとするとは思わなかったな」
太田「交代かと思いましたが続投みたいですね」

藤堂「くそっ！」

ククッ！
久住「ぬっ！？」

倉田「久住選手はスクリューを空振り三振！　調子が悪いと思いましたが久住選手を三振に抑えましたね？」
野村「そう言えばホームランを打たれましたけど葛城のときも良いスクリューを投げてましたね？」
太田「藤堂は調子に左右されるタイプなんですが今日は何か変な感じですね？」
高木「ふむ（良いときはとことん良くて悪いときはとことん悪いって事か）」

藤堂「ふんっ！」

ズバ―――ン！
直人「今シーズン最悪な試合になったな！？」

倉田「１５１キロのストレートを見逃し三振！　これで２アウトです！」
野村「今のはコースも良かったと急に絶好調になりましたね！？」
太田「たしかに！　よく分からない奴だな？」
高木「………………」

藤堂「後１人！」

ククッ！
風祭「むっ！？」

倉田「スクリューを空振り三振！　最後も三振と３失点した物の３奪三振と打たれた後は見事なピッチングで終わらせました！」
野村「藤堂(あいつ)はよく分からんな？」
太田「まったくだ！？」
高木「良くも悪くも調子で決まるタイプって事だろう。今回はどっちも出たとかなり変わった展開になったわけだが」
倉田「そう言えば藤堂選手は一昨年くらいから防御率の良さに定評がありますが被本塁打の多いピッチャーとも言われていますね！」
野村「そう言う意味じゃ藤堂らしい回だったって事ですか」
太田「うーん？」
高木「９回も投げるだろうからそっちを観て判断したらいいだろう」

藤堂「すまん。みんな」
相良「気にしないで下さい。次の回に俺が打って同点にしますから」
藤堂「相良君、頼むよ！」
相良「任せて下さい！」

９回表　オールパシフィック４−３オールセントラル　藤堂は１回を３安打３失点３奪三振と良いのか悪いのか分からないピッチングを見せた？
倉田「ここでピッチャー交代のお知らせです！」
野村「ここまで無失点の佐伯を交代ですか？」
太田「８回で逆転したからここはクローザーの御堂じゃないですかね」
高木「佐伯の後なら御堂だと思うが？」

河島「おらっ！」

倉田「観ての通りマウンドに立つのはブルーウェーブの河島選手です！」
野村「先発の河島が抑えですか？」
太田「中尾さんの起用ですか、名捕手だった中尾さんの起用だし考えがあるんでしょうが」
高木「相変わらず中尾さんの考えは読めないですね？」

河島「おっし！　せっかくのオールスターだ。夢の１６０キロを投げてやるぜ！」

カキ―――ン！
相良「同点とは行かなかったが打ってやったぞ！」

倉田「なんと相良選手！　初球１５８キロのストレートを引っ張りレフトを越える２ベースヒット！」
野村「１５８キロを引っ張ってしかもヒットするか！？」
太田「さすがに１年目からベイスターズの４番を打っていただけはありますね！？」
高木「うーん、良いボールでしたね。これは打った相良を誉めるしかないですよ！」

河島「俺のストレートが！？」

カキ―――ン！
村雨「さすがは俺ですな〜♪」

倉田「バックスクリーンに入った！？　ここでまさかの逆転２ランホームランが出ました！」
野村「ここで河島の失投が出ましたか」
太田「あいつらしいですけどね」
高木「これは中尾監督のミスですね。河島に抑えはやはり無理でしょう！」
野村「まあ１イニングくらいならっと思った気持ちも分かりますけどね」
太田「村雨はあまい球をまず見逃さないバッターですから厳しくせめないとよくこうなりますね」
高木「交代かと思いましたが、河島は続投ですか？」

河島「くそっ！」

ズバ―――ン！
滝沢「俺にはこのボールの威力か！？」

倉田「今日３打数１安打の滝沢選手でしたがここは空振り三振に終わり打率は２割５分まで落ちましたね！」
野村「まあまだ初戦でルーキーですし」
太田「ここまで３割打っている期待のルーキーでもあるんですけどね」
高木「オールスターじゃ勝手が違っても仕方ないだろう」
倉田「たしかにそうですね。ここでピンチヒッター吉田選手です！」
野村「ここで星野を降ろすんですか？」
太田「多分だが吉田をキャッチャーとして守らせるための交代でもあるんじゃないか」
高木「今年は香住の調子が悪いからそれも考えられるか」

吉田「このまま出番がないと思っていたけど、ここで代打起用か」

ガキッ！
河島「ふう」

倉田「吉田選手は打ち上げて２アウトと村雨選手以降は１５０キロ台のストレートで抑えて行きますね！」
野村「コントロールはあれですけど、速いですよね！？」
太田「滝沢相手に１５６キロ、吉田相手に１５８キロか」
高木「なら次は１６０キロか」
野村＆太田「それはどうでしょう？」

吉田「センターフライだけど、１５８キロに当てただけ評価して欲しいぜ」
河島（一球入魂！）

ズバ―――ン！
ジャクソン「なんと言うボールだ！？」

倉田「本当に出た！　１６０キロのストレートを見逃し三振！」
野村「マジで出すとはっ！？」
太田「たしか１６０キロって日本人初じゃないですか？」
倉田「そうですね。国内では初だったはずです！」
高木「国内では？」
倉田「海外では１００マイル＝１６０キロを記録した日本人選手もいるらしいです！」
野村「たしか佐藤宗崇君でしたね」
太田「海外にはすごい選手もいるんですね」
高木「とにかく国内では初の偉業ではあるわけか、ふっ、最後の最後まで色々な意味でやらかすところは河島らしいな！」

河島「ついに大台を出しましたよ！」
八坂「たしかにすごいボールだったな。あれが１６０キロか（やはり小島さんとはレベルが違うな）」
河島「登板したら散々でしたが最後の最後ですっきりしましたよ！」
八坂「おいおい、試合はまだ終わってないぞ！」
河島「残念ながら俺の仕事は終わりなので」
八坂「やれやれだな」

９回裏　オールパシフィック４−５オールセントラル　好調の佐伯は交代し代わった河島は打たれる物の１６０キロを記録と盛り上げた！
倉田「しかし８回の裏から逆転に次ぐ逆転で試合はますます盛り上がっております！」
野村「まあたしかに盛り上がっていますね。ハラハラする試合ですよ」
倉田「ですよね。ピッチャーは引き続き藤堂選手ですがキャッチャーは先ほど代打で登場した吉田選手が守っております！」
太田「吉田ですが、ほとんど外野を守っていますがキャッチャーとしても期待されているらしいですからね」
高木「ここでそれを見るわけか」

藤堂「せっかく相良君が打って村雨君が点を取ってくれたんだ！　必ずこの１点は守る！」
柳生「まずは塁に出なきゃな！」

カキ―――ン！
藤堂「げっ！？」

倉田「センター前ヒットといきなりヒットを打たれましたね！」
野村「ちょっとあまかったですね」
太田「いきなり打たれたか」
高木「相手はパリーグの４番だからな（いきなりキャッチャーが代わってリズムが崩れたのかも知れないがな）」

吉田「落ち着いて行きましょう！」
藤堂「そうだな！（ルーキーが頑張っているんだ。俺も先輩として負けていられないぞ！）」

ズバ―――ン！
広瀬「ぬっ！？」

倉田「ここで１５０キロが出ました！　空振り三振し１アウトランナー１塁です！」
野村「さっきは１４２キロのストレートを打たれたのにここで１５０キロですか？」
太田「コントロールもいつも通りになった気もしますね」
高木「気持ちの問題だな。どうやら吉田にはキャッチャーの素質がありそうだ！」

藤堂「むんっ！」

ククッ！
八坂「これが決め球のスクリューか」

倉田「スクリューを空振り三振！　これで２アウトランナー１塁となります！」
野村「藤堂のスクリューはキレ味抜群と言いますからね」
太田「たしかに打てないときは誰も打てないからな」
高木「前回はあれだったがこうして観ると防御率トップと言う事実がよく分かるな」

藤堂「むんっ！」

ククッ！
葛城「ふう」

倉田「ここは外れてフォアボール！　これで２アウトランナー１、２塁となります！」
野村「ランナーが得点圏に進むと最後まで盛り上げてくれますね！」
太田「次は好調で３割まで打っている石井か」
高木「長打力も高いから下手すればサヨナラもあるな」

石井「サヨナラにしてやるぜ！」
藤堂「いつも通り投げて抑える！」

ズバ―――ン！
石井「負けたか」

倉田「１５１キロのストレートを空振り三振し試合終了！　５対４でオールセントラルの勝利です！　しかし藤堂選手でしたが打たれたわりに抑えたバッターは全員三振でしたね？」
野村「藤堂らしいですけどね」
太田「防御率のタイトル獲るくせにムラッ気気質だからな」
高木「１５１キロだから調子は良かったと思うけどな。だが分からん奴と言う事には同意しよう」
倉田「さて栄光あるＭＶＰの発表です！　今年のヒーローはこの人、横浜ベイスターズの村雨選手です！」
野村「２打数２安打で逆転ホームランも打ちましたからね」
高木「それだけじゃないぞ。９連続奪三振も阻止したヒットも打っている！」
太田「私も忘れてましたね。しかもルーキーでそれをやっちゃいましたからね」

村雨「嘘っ！？　俺がMVP！？」
相良「ああ。逆転２ランに９連続奪三振を阻止するヒットと文句なしだろう！」
村雨「ムフフ〜♪」
斎藤「お前、大丈夫か？」
村雨「やあ斎藤君、９連続奪三振惜しかったね」
斎藤「今日の俺は失点もしたし三振６個奪っただけだし」
村雨「あれ？　斎藤の記録をとめたんじゃなかったけ？」
斎藤（放置しよう）
真田「今日は勝ったし良しとしましょうぜ。旦那！」
吉田「今度はなんのキャラだよ？」
村雨「今日は人生最高の日だな♪」
滝沢「聞こえてないな」
石崎「村雨のMVPの賞金で何か食べに行こうぜ！」
村雨「いいよ今日は俺のおごりだ。みんなで食べに行こう！」
斎藤（色々言いたい事がある気もするけど勝ったし良しとするか）
嘉神「それなら良い店を紹介してやるぜ！」
高須（こいつ地元だけでなく大阪の店にも詳しいんだな）

結局セリーグ、パリーグ全選手で焼き肉を食べに行き夜通し宴会は続き楽しんだそうな。

１ ２ ３ ４ ５ ６ ７ ８ ９ Ｒ Ｈ Ｅ
オールセントラル ０ １ ２ ０ ０ ０ ０ ０ ２ ５ ９ ０
オールパシフィック １ ０ ０ ０ ０ ０ ０ ３ ０ ４ ６ ０
勝利
藤堂太郎
セーブ
敗戦
河島京太
本塁打 相良京一１号　嘉神高政１号　高須光圀１号　村雨剣１号
久住鴉１号　葛城紅葉１号　草薙刃１号
今日のヒーロー 村雨剣　９回表の逆転２ランホームラン！

インフィニティスポーツ
倉田「オールスター第１戦の結果ですがオールセントラルの勝利です。ＭＶＰはルーキーの村雨選手となりました！」
野村「驚きと言うほどでもないですが、ルーキーながら勝負強いところがある事も証明しましたね！」
倉田「大舞台に強いと言う事ですね。高校野球も発表したいところですがまだ地方大会の真っ最中で甲子園の情報はないです！」
野村「まだ７月ですからね」

ホテル
球星「ＭＶＰはお前と同じ世代か」
斎藤「まあ正確には幼馴染と付き合いは長いですね」
球星「ワシとしては浅野がすごかったと思ったんだがな？」
斎藤「残念ながら勝ったのは俺達ですからね」
球星「ふむ。それでオールスターのマウンドはどうだった？」
斎藤「まあ良い意味で緊張はしましたね。実力は十分発揮できましたよ！」
球星「ははっ、先頭打者にホームラン打たれた奴のセリフとは思えんな」
斎藤「きついですね」
球星「冗談だ。少しお前が羨ましかったからな」
斎藤「球星さんもやっぱり投げたいんですよね？」
球星「投げたくないと言えば嘘になるな。まあ今はそんな事を気にせず明日に備えて休むんだな！」
斎藤「……そうですねそれじゃお休みなさい！」

こうして第１戦はオールセントラルの勝利に終わった。そして翌日、第２戦が始まるのだった。